増井真也 日記 blog

今日は息子が就職してお世話になっている泉幸甫先生が20年ほど前に作った住宅のメンテナンスのご相談で、泉幸甫先生と一緒に埼玉県蕨市の住宅を訪問した。

2025/07/05

今日は息子が就職してお世話になっている泉幸甫先生が20年ほど前に作った住宅のメンテナンスのご相談で、泉幸甫先生と一緒に埼玉県蕨市の住宅を訪問した。泉先生は住宅を得意とする建築家で、さまざまな住宅や集合住宅を作ってきた。僕がまだ30歳くらいの頃、泉先生が設計した目白のアパートメントジュンを見学に行ったことを覚えている。なんでわざわざ見に行ったのだろうかと思い出すと、泉先生は左官を得意とする建築家で、さまざまな実験的挑戦を実作に取り入れていた。そしてその作品には左官ならではの瑞々しい魅力が溢れているような気がしていた。そのみずみずしさを肌で感じたいと思って出向いたのだと思う。息子は早稲田大学大学院を卒業して、しばらくは外の飯を食ってこいの流れで、泉先生の事務所にお世話になることになったのだが、そんな先生の作品のメンテナンスを頼まれるとは、なんとも有難いご縁である。76歳になる先生に感謝して、しっかりとメンテナンスをさせていただこうと思う。

打ち合わせ終了後、近所の蕎麦屋まるすけさんで皆で食事を摂った。しばしの楽しい時間である。

3時、東京都某所に自宅と貸家の設計中のKさん打ち合わせ。今日はプラン修正についての打ち合わせである。終了後は10時過ぎまで会食。おいし野菜料理を堪能させていただいた。

Kさんはお医者様である。呼吸器系の専門ということで、ますいいの家づくりに取り入れている漆喰や土壁の効用についてご相談をさせていただいた。というのも、以前土壁の寝室を作ったIさんからは、とても眠りやすくなったのご意見をいただいたことがある。こういうことをヒアリング調査などから、その効果の事例を集めることで、ある一定の傾向を示すことができるのではないかの考えである。土壁は木摺の下地に土をめり込みまで入れると約30ミリ塗りつけるのだけれど、この土の効用はなかなか素晴らしい。土壁の土には枯草菌を含むバチルス属細菌というものが存在している。乾燥した土壁では増殖した枯草菌は一旦活動を停止し、胞子の状態となり、壁の表面から空気中に放出され漂っている。その菌が、野菜などにつくと水分で活動を再開する。そして野菜の腐敗を抑える効果がある可能性があるという。また、喘息などを引き起こすアレルゲン物質を吸着する効果があることで、呼吸が楽になったり睡眠に良い影響を与えることもあるという。こういうことをますいいのお客様と一緒に実証していけたら、とても良いことだと思う。

 

今日は金沢青年会議所の茶道同好会の周年茶会に参加するために金沢に出向いた

2025/07/02

今日は金沢青年会議所の茶道同好会の周年茶会に参加するために金沢に出向いた。会場は大樋美術館のすぐ横にある金城楼さんである。さすが金沢の老舗旅館である。大変素晴らしい会場で、金沢らしさを堪能しながら茶会に参加することができた。茶会では、普段お稽古でご指導している奈良先生が水屋にいるという、なんとも恵まれた環境である。これも金沢ならではの状況なのだろう。

途中で鈴木大拙館を見学した。ここは谷口吉生先生が設計をしたとても美しい建築である。僕はいつの頃からか谷口先生の作品がとても好きになった。水盤に向かう開口部に座ってしばらく眺めていると、心から「思索の空間」だなあの感である。水面に定期的に生まれる泡と波紋を心に浮かぶ雑念に重ね合わせながら、しばし自分と向き合う時間であった。

住宅地の相続の際には同居をしていると、330平米までは小規模宅地の特例という制度を利用することができて、相続対象面積を8割も減らすことができる

2025/07/01

夕方、埼玉県川口市にて設計中のMさんの家の打ち合わせ。今日の打ち合わせでプランが決定できたので、次は地盤改良のコロンブス構法が実際に可能かどうかの判断に入る。この敷地は地盤の中に鋳物の工場から排出された鉄屑が埋まっているため、通常の地盤改良工事ができない。そのため、地盤の置換構法であるコロンブス構法を採用した次第である。川口市というところにはこの鉄屑が埋まっている土地が結構ある。ここは昔埋め立てられる際に、土砂に混ぜて一緒に埋めたようだ。この土地だけではなく隣の土地まで続く鉱滓、そしてコンクリートのふた?のようなもの、・・・解体するにも隣家に影響が出るためできないのである。それにしても酷い話だと思う。

終了後、東京都練馬区にて設計中のSさんの家打ち合わせ。今日は税理士さんを交えて相続対策のご相談である。住宅地の相続の際には同居をしていると、330平米までは小規模宅地の特例という制度を利用することができて、相続対象面積を8割も減らすことができる。この制度をうまく使用することができるような土地の分割方法や、設計プランの作り方について打ち合わせを行なった。僕の周りには税理士さんや弁護士さん、そして司法書士さんや土地家屋調査士さんがいて、適材適所のアドバイスをいただきながら、お客様にとって最適な形を見出すことができる。家づくりは町医者の仕事ににていると思うのだが、家づくりにおける町医者とはこのような相続相談などにも適正に対応する必要があるのである。

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