増井真也 日記 blog

川口市芝の家の点検立ち合い

2019/02/28

11時、2年ほど前に造った川口市芝の家の点検立ち合い。久しぶりに訪れてみると、とても丁寧に使用してくれているようでまるで新築当時のようにきれいな状態が保たれている。人が暮らす空間というものは何かと乱雑になりがちなものだけれど、やっぱりこだわって造り上げた住宅だけに愛着を持って使用してくれているのだろう。出来上がった住宅を訪問するのはドキドキするものだ。予想通りの魅力的な暮らしが営まれているか、はたまたそうでないかは実際に暮らしが始まってみないことにかわからないからである。今日はとても良い状態を見ることができてよかったと思う。

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14時、カフェの入り口の外側に壁と扉を作ってほしいというご相談に対するプレゼンを行う。玄関の前にあるスペースを取り込むように新たな壁を造り、その壁にアイアンの格子を取り付けた穴をあけたり、スチールの扉をつけたりの工事をなるべく安くやってほしいというリクエストである。自分でできそうなことは自分でやる、セルフビルドも取り入れながらのご提案ということで、果たしてどこまでできるかの検討を再度行うことにした。

新築住宅を検討中のYさん打ち合わせ

2019/02/27

10時より、東京都練馬区にて新築住宅を検討中のYさん打ち合わせ。ご両親から譲り受けることができる三角形の小さな土地に狭小住宅を造ろうというプロジェクトである。ワンフロア当たり9坪という限られた面積をどのように使い切るかの工夫が必要となるわけだ。計画地は角地なので建蔽率の緩和規定が利用できる。準耐火建築とするとさらに10%の建蔽率の緩和が可能だ。ガレージは容積率算入の緩和規定で造ることができるし、ロフトも下階の床面積の半分までは造ることができる。とにかく緩和規定をフル活用してどのくらいの広さを確保できるのかについてのご説明、建築の可能性を感じていただくことができたようだ。

これまでもいろいろな狭小住宅を造ってきたけれど、下の写真は蕨市に造った住宅で印象に強く残っている。角地の狭小地に無理やり作った3階建てである。しかも屋上まであるわけだが、半径の小さならせん階段を通ってちゃんと上ることも出来るようになっている。3階の居室は渡り廊下で左右に分かれており、中央部分は吹き抜けとなっている。小さいけれど視線が抜けることで広がりを感じるような空間構成となっているのである。小さくても広がりを感じる、これはとても大切な仕掛けだと思う。当たり前だけれど、小さくってしかも狭く感じるのは、まったくもって良くないのだ。

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Sさんのご自宅を訪問

2019/02/25

10時、5年ほど前に「スタジオ千ひろば」という個人運営の多目的スタジオをつくらせていただいたSさんのご自宅を訪問した。今日は母屋の住環境の改善についてのご相談である。Sさんの暮らす母屋は築80年以上たつ古い古民家を20年ほど前に改修したものである。その際に古い木製サッシをアルミサッシに入れ替えたり、内装を刷新したりの工事をしているのだけれど、断熱性能が低かったり、建物自体のあちらこちらに隙間が空いていて小動物君たちが家中を走り回ってしまったりの事象を何とかしたいというお悩みがあるのである。これはまさに町医者の仕事だなあ。とりあえず、サッシのガラスの入れ替え辺りから手を付けていくことにしようと思う。

桶川市にて計画中のAさんの家の打ち合わせ

2019/02/24

10時、埼玉県桶川市にて計画中のAさんの家の打ち合わせ。今日は見積もり提示の2回目である。前回よりも約100万円ほどの減額案についてご説明させていただいた。この住宅には8畳の茶室がある。クライアントの一番のこだわりの茶室だから、襖の唐紙には京都の唐長さんの唐紙を使用する。唐長さんというのはとても歴史のある唐紙屋さんで、古くから伝わる版を使用して一枚一枚丁寧に唐紙を作っている唐紙屋さんだ。カタログなどで購入することはできないので、もし使用したい場合には京都まで直接出向いて自分の目で見て気に入ったものを頂戴することになる。今の時代にはちょっと信じられないようなシステムだけれど、京都にはこういう昔ながらの風習を守るお店がほかにもある。例えば北山駅の近くにある川端道喜さんなどは電話で予約して、その日の朝に自ら取りに行かなければお菓子を購入することはできないので、例えば明日東京で茶会を開くとすれば、わざわざ早朝の新幹線でお菓子を受け取った後に東京まで移動するなどの手間をかけて客にふるまうこととなるそうだ。僕自身も道喜さんの御菓子をいただく機会というのはほとんどないが、だからこそもしそういう機会があればとてもありがたく感じるのだと思う。この唐紙を貼っていただくのは、奈良の東大寺などの唐紙を貼っている職人さんである。貴重な紙だからこそ、それを扱う人にもこだわらなければならない、何とも奥深い世界なのである。

14時、東京都豊島区にある本納寺さんにて檀家さんの会議に参加。今年の秋に控えている本堂の屋根の吹き替え工事に関する打ち合わせを行う。15時ごろまで。

各プロジェクト打ち合わせ

2019/02/21

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。13時、埼玉県草加市にて設計中のYさんの家の打ち合わせ。Yさんは自分の家を自分で設計したいというお考えの持ち主で、平面図だけでなくCGまでもを自分自身で作成してきてしまうクライアントである。機械の設計を職業としている関係から、ものを立体的に見る事には慣れている様子で、ほぼそのまま建築できるような形で考えることができるところがまたすごい。今日は基本設計から実施設計に移行するにあたり、階段のおさまりなどを確認するための模型を作成しご覧いただいた。この打ち合わせを経ていよいよ実施の設計に移る予定である。今後の設計を楽しみにしたい。

進行中のJさんの家の現場確認

2019/02/19

朝6時30分、担当スタッフの渡辺君と一緒に東京都国分寺市にて進行中のJさんの家の現場確認に向けて事務所を出発。今日からは外構工事が始まるということで、現場にはすでに職人さんが二人で作業の準備を行っている。駐車場の土間コンクリートを打設したり、玄関のポーチを造ったりの最低限の外構工事なのだけれど、高さをどこに合わせるかなどの調整などなど何かと打ち合わせをすることはあるのだ。現場監督というのは設計図の通りに職人さんたちに動いてもらい、建築物をあるべき姿に作ってもらうように指示を出すのが主な役割である。あるべき姿といっても様々な要因があるわけで、全体的に最適となりそうな答えを探しながらそれに近づけるというような感覚が最も近いような気がする。一通り支持を終えて事務所に戻ると、まだ時間は10時過ぎである。まだまだ一日は始まったばかり、やパリ早起きはなんだか良い。

この現場では、リビングにペレットストーヴを配置している。住宅のリビングにはストーヴがあると良いというのは、いつも思っていることである。家族の団欒の場に据える中心的な存在としてテレビだけがドスンとあるよりも、テレビがあってもよいから、どこかにストーヴがあることで皆で火を囲みながらの居心地を味わうことができると思う。さすがに囲炉裏では火の始末が大変だけれど、ストーヴなら直接火が露出しているわけではないので安心だ。これはその設置工事の様子である。実際に動き出すのが楽しみである。

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二つの中庭のある家のメンテナンス工事についてのご相談を受けた

2019/02/18

午前中は2012年に完成した二つの中庭のある家のメンテナンス工事についてのご相談を受けた。この住宅では外壁にモルタル+撥水材の仕上げを採用している。外壁の状況は微細なヘアークラックはあるものの、住宅の性能に問題があるようなものではなく、全体的に汚れもほとんど付着していないことからまだ5年ほどは何もしなくてよいのではないかという判断をした。大きな中庭の中心に造った排水溝は、少々土が詰まってしまっている部分もあるので造園屋さんにお手入れをしてもらうこととした。コールテン鋼と亜鉛めっきの鉄板を使って造った色ガラスが埋め込まれている玄関は、亜鉛めっきの部分が少々さびてしまっているので塗装を施すことにした。床の杉板はまだまだ何の問題もない。中庭と内部を隔てるひのきの木枠は清掃と防腐剤の塗装が必要そうなので見積もりを取ることにした。7年目のご相談、大きな問題はないけれどこれからのメンテナンスについてなんとなくの計画を立てることができたところである。

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夕方、川口西中学校、学校評議員に参加。問題はいつも教職員の勤務時間短縮についてである。そしていつも部活動が悪者にされる。確かに中学校の部活動は激しい部活となると年に数日しか休みがないようなものもあり、その指導を一人の教員が行うとなるともはやブラック企業どころではないような状態となってしまうわけだけなのだが、教員の中にはそもそもその指導を行うことを目的として中学校の教師となることを選択したような人もいるわけで、やる気のある人にやるなと言わなければならないような矛盾した事態が生じてしまうのだ。だから評価は今年もC。これは何とかしたほうが良いということで、外部コーチの制度を・・・などの努力中というところなのだ。

日本の景気対策はどうしても建設業になる。昔よく聞いたセリフは、建設業というのは最大の労働者の支えとなる産業であり、建設業に投資をすることで底辺の労働者までその富がいきわたるというものであった。今その労働者は減り、必ずしも労働者を支えるための投資は必要ないように思える。せっかく労働者が減少したのに、わざわざ外国からその労働者を連れてきて、また増やしてしまうの愚行をしなければ、建設労働者のための無意味な投資は行わなくともよくなる。そのお金を教育などに回すことはできないのか。学校の予算は驚くほど少ない。自由に使えるお金など皆無である。お金がなく教員も増えることが無いのに、早く帰れの命令をしても、それを達成することはできないだろう。だから万年Cなのだ。いやはや、こういうことを考えると本当に政治が大切だと思う。自民党ももう少し何とかならないものか、一党による独裁状態だからこそ自ら変わる努力も必要なような気がするのである。

午前中は家でゆっくりと過ごす

2019/02/17

午前中は家でゆっくりと過ごす。世間ではトランプ大統領が相変わらずよくわからないことを言っていたり、イギリスのEU離脱の影響からかHONDAがイギリスでの製造を中止したり、いったいこの先どんな風になるのかよくわからないことも多いわけだけれど、そんな中で日本という国もゆっくりと姿を変えていくような気がする。

例えば外国人労働者の受け入れが本格的にスタートすれば、川口市などはすでに日本で3番目に外国人居住者が多い町として有名なわけだけれど、さらにその人数が多くなることも予想されている。なんでも健康保険証を複数人で使いまわすような事案も発生しているらしく、このような外国人による不正が増えれば、その結果日本人が加入している国民健康保険も運営がうまくいかないような事態になってしまうかもしれない。好景気とはいえ、その影響が日本人にすらいきわたらない現状の中で、さらに貧しくなる可能性のある外国人労働者をどのように支えるのかは火急の課題のようだ。労働人口が減少してしまっては経済が縮小する。それでは今の生活レベルが維持できないので人を増やす。ここまではわかる。そもそも世界の人口は増え続けているわけで、この超高齢化社会というのは一部の先進国特有の現象だから、移民を受け入れるということは人口のゆがみをうまく平準化する手法のような気もするわけだ。

なんだかわけのわからないことを考えながら、ニュース番組などを見ながら過ごしていたが、いい加減同じようなニュースに飽きてきて家を出る。王子で乗り換えて都電荒川線に乗り雑司ヶ谷で降りると、鬼子母神のあたりを経て池袋駅までの散歩をしてみる。けっこうな距離があるけれど、ぶらぶらと街を歩きながら気に入ったものを買い物などして楽しい時間を過ごす。疲れてきたらカフェに入ってコーヒーを飲むとなんだか元気が湧いてくる。たまにはこういう散歩もよいものである。街の様子は時代とともに少しずつ変化している。変化するから面白いのだと思う。社会の様子も変化する。きっとそういう変化も最終的には魅力と感じられる時が来るのかもしれない。

カフェに造る予定の壁についてのスタディー

2019/02/15

スタッフの渡辺、吉村と一緒に東川口のカフェに造る予定の壁についてのスタディー。このカフェは住宅の一部屋を改装して作った小さなお店で、今回はその外部エントランスの部分に新しい壁を増設しようという計画である。下の記事は以前カフェのインタビューをしたときに書いたもの。前に造ったときも友人によるセルフビルドなどの物語があった。今回はどんなストーリーが生まれるのだろうか。とても楽しみである。

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東川口の駅から少し歩くとある小さなカフェ。月に一回程度の営業で、ブログや人伝てに集まったお客さんに健康的な料理とお店の名前にもなっている「ドクダミ」のお茶を提供している。女性限定で平日に営業するため、このカフェは、母親が子供を学校や幼稚園に見送ったあとくつろぐための空間になっている。この現場は、普通のハウスメーカーの住宅の一階の一部を、まるで築40年ほどの住宅を改修したかのようなカフェに造り変えるというものであった。初めて現場に行ったときには、ゴージャスな既製品がちりばめられた現状と、古い住宅のようなカフェというご希望の間のあまりのギャップに驚いたのだが、家を建ててからそのような空間を作りたいと考えたというのだから仕方がない。まだ新しい住宅の内装を壊すことには若干の抵抗を感じはしたものの、既存のリビングをほぼスケルトン状態にしての工事となった。
仕事の進め方はいつもクライアントとの打ち合わせとは違い、平面図や展開図などを使って案を練っていくのではなく、パースを各部屋4面ずつ描き、そこでこちらのデザインとクライアントの要望をすり合わせていくというもので進めて行った。
クライアントのUさんはいわゆる専業主婦でカフェをやりたいという夢をずっと持っており、周囲の友人たちに背中を推されて、思い切ってやってみたということだった。そのため、自分のこういうカフェをやりたいという理想をしっかりともっており、内装の至るところにそのこだわりが見て取れる。例えば、古民家をイメージして作られたイナゴ張りの天井、今でもUさんは生活をしている中で、ふと上を見上げた時に可愛い空間になってよかったなぁと思うそうだ。メインの開口である木製の窓は当初掃き出し窓になっていたが、コスト面を考え引き違いの腰窓になった。けれども欄間や中桟の入れ方や高さなどを何度も何度もパース上で検討していきできたその窓はUさんのこだわりを実現しており、特に冬の季節にその窓から見える雪はUさんのイメージである古民家風カフェを象徴する風景になっているようだ。

こういう住宅街の一角にひっそりとカフェをやるには、周囲の人々とのつながりが必要不可欠と感じた。天井や窓や建具それにキッチンの収納部はクライアントのセルフ塗装によって仕上がっており、セルフ工事の時には、Uさんの友人が手伝いに来てくれた。ますいいを知っていただいたキッカケも友人から紹介されたからとのこと。営業している今でも、友人の作家さんの作品を店の傍らに置いたり、営業日になると友人が料理や配膳の手伝いをしてくれたりとUさんの周りには彼女がカフェをやることに対して応援をし、支えてくれる人々がたくさんいることUさんは教えてくれた。

営利目的ではないこのカフェはUさんの自己の表現の場、そんな表現が正しいのかもしれない。僕はこれまでたくさんの建築を作ってきたが、自己というものとしっかりと向き合おうとする種族には、やっぱりそれなりの空間が必要であり、その空間は決して一人でつくり上げられるものではなく、その考えを理解してくれて、背中を押してくれる存在があるのだと改めて気づかされた。

今月の住宅特集は平屋という選択というテーマ

2019/02/14

今月の住宅特集は平屋という選択というテーマである。平屋というのはとても贅沢なもので、広い敷地があって、平屋でも十分に必要となる部屋を納めるプランを作ることができることが条件となる。そしてもしそれが奇跡的に可能であったとしても、2階建てよりもコストがかかってしまうという点もクリアする必要がある。建築のコストの中で多くのウェイトを占める基礎工事と屋根工事の面積が、2階建てと比較して約2倍ほどになってしまう時点でコストアップをしてしまうことは必然であるのだ。

埼玉県寄居町に造った寄居の家では平屋を採用している。大きな敷地にL字型の平屋とし、茶室・LDK・3つの個室群を配置した。写真は外観と茶室の様子である。玄関には淡路島で造られている瓦を敷き込み和の雰囲気を感じさせるホールとした。茶室は普段は家族のだんらんの場として利用されているが、炉を切っているので本格的な茶会を行うことも可能だ。平屋という選択、僕自身もとても好きなのでまた作ってみたいと思う。

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新築住宅を検討中のMさん打ち合わせ

2019/02/11

10時、東京都台東区にて新築住宅を検討中のMさん打ち合わせ。浅草の雷門に近い敷地で、将来カフェをオープンできるかもしれない4人暮らしの家族のための小住宅の提案である。周りを背の高い建物に囲まれており、光をどこから取り込むかについて頭を悩ます条件であるが、幸いにして南側が道路ということで、南側の採光を可能にする形で屋根に段差を設け、吹き抜けを介して光を取り込むという提案をすることにした。浅草や蔵前当たりの路地にはたくさんの魅力的なカフェがある。個人店の小さいお店でそれぞれとても個性があるので面白い。この建築も将来そんな風に使ってもらえると良いと思う。

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裏千家茶道の埼玉県青年部・新年会に参加

2019/02/10

今日は朝から裏千家茶道の埼玉県青年部・新年会に参加した。日曜日朝一番から大宮駅近くの会場にて会議が始まり午前中を終え、午後は宴席となる。茶道というのは茶を飲むことが中心にあるわけだけれど、こういう組織運営のようなことをしているとお茶を点てて飲むこととはあまり関係のない活動に参加することも多くなってくる。会場も出来れば茶室のごとき和風建築が望ましいわけだけれど、今日の会場のように中華料理店だったりするともう和の雰囲気など全く感じられないなかでの開催となってしまう。とはいえそんな便利な茶室があるかといえば、それもなかなかむずかしい。大きなホールがあって、茶室があって、料理を取って宴会のごときことも開催できるような場など、広さに余裕のある寺院くらいのものであろうが、はたして貸してくれるものかどうか。

こういう活動に参加する動機は、日本の文化を少しでも次の世代に継承したいという思いである。忙しい日常のなかで、稽古に通い、茶道の点前をするのは至上の贅沢な時間であるが、何年も継続してくるとこの時間がとても心を落ち着ける大切な時間であるようになってくる。世知がない世の中で、こういう貴重な時間を得ることができることを多くに人に伝えたいなどの思いも出てくる。そしてそれを一人で行うことはなかなか難しく、それを行う仲間を大切に思う気持ちが出てきたりする。そんな思いを持つ人が集まる場がこの裏千家という場なのかもしれない。夜、なんとなく名残惜しく感じつつも20時ごろ解散。よい一日を過ごすことができた。

進行中のHさんの家のリフォームの現場

2019/02/08

今日は朝から大工の本間さんと一緒に、埼玉県川口市にて進行中のHさんの家のリフォームの現場に出かけた。屋上にウッドデッキを作るために、採寸などの段取り立ち合いである。ウッドデッキ材にはすでにキシラデコールが塗装されている。採寸後は大工さんによる加工作業である。今日の午後から明日の午前中にかけて作業を進める予定だ。

夕方、田部井君と渡辺さんと一緒に埼玉県桶川市にて設計中のAさんの家の打ち合わせ。約1時間ほど。

進行中のHさんの家のリフォームの現場

2019/02/08

午前中は事務関係雑務。

午後より、埼玉県蕨市にて進行中のHさんの家のリフォームの現場にて屋上で組み立てるウッドデッキ材の荷揚げ作業を行う。僕と渡辺君、林君と大工さんの4人で約100本の材木を足場を使って荷揚げする作業だが、これが結構な運動になった。途中からはクライアントのHさんまで参戦してくれた。まさに総力戦である。

もともとここに造られていたウッドデッキはHさんの手造り、いわゆるセルフビルドで造られたものであった。SPFを使用してしまったこと、防腐剤の塗装を行わないで済ましてしまったことで、わずか6年ほどで造りかえることになってしまったけれど、それでもこれだけの面積のウッドデッキをセルフビルドで造ったこと自体が大したものである。しかもその時は外部足場などない中でのたった一人での荷揚げだから、短く切った板を何往復もして階段で屋上まで運んだらしい。これまた驚きの根性だ。こういう経験をした人だから僕たちの荷揚げも手伝ってくれたのだと思う。何とも言えないうれしい瞬間だったので日記に書かせていただいた。

好きな素材というものがある

2019/02/06

好きな素材というものがある。写真は千葉県の船橋に造ったWさんの家の居間であるが、この現場では僕が好きな素材をふんだんに使用することができた。床には針葉樹の杉を貼っているが、杉やヒノキ、唐松のような針葉樹の床板はとても柔らかくって温かみがあるのが良いと思う。樹種によってその表情は微妙に異なるのも良いところである。すごく簡単に言うと杉は少々赤みがあって、ヒノキは多少黄色っぽいところがあり、唐松は茶色が強い印象と言える。木の目については、唐松や杉がやや強く、ヒノキはそれほどでもないので少々上品な印象になるようだ。どちらにしても、木の持つ柔らかさがとても良い肌触りを生み出してくれるのは変わりないので、後は好みで選択すればよい。

窓辺には障子が良いと思う。障子の和紙を透過した光はこれまた何とも言えない柔らかみがある。この柔らかさはレースのカーテンなどでも得ることができるし、最近ではガーゼ素材のカーテンなどもよく見かけるけれど、木でできた障子というのは本当によくできたスクリーンなのではないかと思う。ガラスだけよりも断熱効果も期待できるし、視線を遮る装置としても利用が可能なのである。この住宅の窓辺は外部の庭に連続しているので、窓を開けると縁側のような設えとなっている。だからよけいに障子が似合うような気がしている。

階段にはヒノキの厚板を使用しており、その骨組みを表現した。部屋の中央には杉の5寸角の太い柱を立て、大黒柱のような印象を与えている。白い仕上げの壁はもちろん漆喰である。こうした自然素材の調和した様子がなんとなく好きなのであるが、こうした素材感は何も日本に限った話ではなくって、世界中どこに行っても共通の、とても古くから使われてきたものなのだ。

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進行中のKさんの家の上棟式に参加

2019/02/02

12時、埼玉県和光市にて進行中のKさんの家の上棟式に参加した。大工さんの松本さんと、お子さんが生まれたばっかりのKさんご夫妻、そして担当の江崎、林と僕で現場に造ったベニヤ板テーブルを囲んでの食事会である。昔はお酒を飲んで酔っ払っての上棟式が普通だったけれど、最近はノンアルコールが普通になった。短時間のお食事会だけれど、クライアントと大工さん、そして設計者の僕たちが顔を合わせるのはなかなか意味のある機会だと思う。建売などの場合はいったい誰のための仕事をしているのかわからない状態なわけだが、こうして顔合わせをすることでお互いに顔の見える仕事ができるのである。

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18時、お世話になっている基礎屋さんのお父さんが亡くなったということでお通夜に参加。会場で水道屋さんの関さんに合う。関さんは若い頃に型枠職人をやっていたことがあって、その時に亡くなった松本さんのお父さんのお世話になったそうだ。話を聞くと、松本さんのお父さんはとても厳しい鳶の親方だったそうで、若い職人などは話しかけることも出来なかったらしい。糊のきいた鳶の作業着を着て、現場に来る様子は皆のあこがれだったというからよほど貫禄のある親方だったのだろう。最近の職人の世界では、こんな風に親分と呼べるような存在は減っていると思う。どんな世界でもそうなのだろうが、だからこそ僕たちがもっと頑張らなければいけないとも思うのだ。

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