なるべく費用を抑えて
埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、注文住宅を中心に丁寧にデザイン設計を行います。(東京都町田市、群馬県高崎市にも分室があります。)
東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。大規模改修をするか、はたまた新築住宅を作るかの検討をしているのだが、その判断基準として将来住宅を売却するときの価格についてお話をした。例えば築年数が30年の住宅を2000万円の費用をかけてリフォームし15年後に売却するとする。土地の価格が3000万円だとして、そこにリフォーム費用なるべく多くを上乗せして売りたいと思っても、築年数が45年の木造住宅はそうそう簡単に売ることはできない。日本では木造住宅の寿命は30年程度と思われており、文化財のような特別な建築を除いては建物価格を上乗せして不動産取引が行われることはほとんどないからである。それに対して、欧米では古い建築を手入れしながら住みつぐという文化があるので、古ければ古いほど価格があがる国もあるのだが残念ながら日本はそうはなっていないのだ。
日本でも古い建築が価値を持ってくれれば良いと思う。そのためには新築時点でのより良い住宅の設計が不可欠であろう。構造、断熱、素材、・・・さまざまな要素が100年の使用に耐えうるという想定で設計することが求められるわけである。最近はますいいで作った住宅の再販の事例も増えている。下の写真はもう18年ほど前に作った住宅だが、数年前に持ち主が変わった。そして新しい家主さんからはリフォームの依頼を受けている。こういうことに丁寧に対応していくことは環境にも良い。そしてとても良い種類の仕事だと思うのである。
Uさんの家、リフォームでも新築でも良い仕事をできればと思っている。リフォームならばなるべく費用を抑えて作ってあげたいと思う。