たばこ屋さんの改修工事ご相談。
午前中、埼玉県川口市にてたばこ屋さんの改修工事ご相談。長らく店舗運営をされてきたがだいぶ老朽化している店舗内装を綺麗にしたいというお話である。建物は雨漏りもひどく、既存のビニルクロスが剥がれてしまっている状況らしい。木造建築の場合には雨漏りをしていると石膏ボードがふやけてきて、仕上げが剥がれるという状況がよく起こる。場合によってはその部分の柱や梁が腐ってしまうこともある。さてさてどんな状況だろうか。まずは来週見にいくことにしよう。
午後、子育て支援施設のわいわいさん訪問。今ある既存の施設の2階をコワーキングスペースに回収したいというプロジェクトにあたりクラウドファンディングで資金集めをしてきたのだが、最終的な予算は100万円弱ということになった。・・・なかなか厳しい予算である。地元のボランティア団体の活動だけにどうにかして支援したいところだけれど、どこまでできるだろうか。なんとかある程度のところまで進められればと考えている。
夕方、近所の方で貰い火で火事になってしまった家の修理の打ち合わせ。それほどひどい被害ではないものの、それでも外壁の塗装が全て剥がれ落ちてしまったり、電気関係のボックスが溶けてしまったり・・・、やっぱりそれなりの被害はある。今回はたまたま風上側だったからよかったものの、風下側の家は六件が全焼しているのだ。風向きで運命が変わる、まさに紙一重なのである。
なんだか今日の日記を書いていると、僕の仕事はつくづく町医者のようだなあと思う。昔ドクターコトーという漫画があった。主人公のモデルは鹿児島県の下甑島にある「手打診療所」にて、30年間離島医療に携わってきた医師・瀬戸上健二郎である。瀬戸さんのような町医者外科医は、なんでもやったという。一度手術が成功すると、島の人は信用してくれて、わざわざ東京から帰ってきて瀬戸先生に手術をしてほしいと頼むそうだ。しかも何故か帝王切開まで・・・。全くの専門外でも頼まれればやる。そういうことになったのは離島という特殊性からなのだろうが、僕の仕事もなんだか同じような気がするのだ。
上記の3名のご相談はおそらくどんな会社でもできる工事だと思う。建築の工事自体は方針さえ決まってしまえば、誰でもできるのだ。でもその方針を決めるのが大変だ。十分ではないコストの中で何をやるか、そもそも施主は何をやってほしいか、一人一人に合わせてそこでの答えを考え、大抵の人は任せるよと言ってくれる中で、その人にとっての最善の答えを生み出すのはまさに町医者の如き仕事であると思うのである。町医者のような建築家になりたいと思って始めたこの状況、まさに今がそうなのだけれどやっぱり予想通り大変だ。答えのない模索・・・、工事・・・、笑顔。この繰り返しをずーっと続けていきたいと思うのである。