設計中のSさんの家の打ち合わせ。
2020/11/21
10時、東京都中野区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は見積もり調整の打ち合わせということで、前回提示金額よりも数百万円の減額案をご説明させていただいた。減額案とはいうものの、それほど材質などを下げたというわけでもなくって、工事の手法の変更や業者さんとの値引き交渉などを行ったことによる減額が多かった。だからこそ、クライアントのSさんにはご満足いただけたのではないかと思っている。
家造りという一つの仕事のなかで、一番難しいことは何かと聞かれればこの減額調整である。ただ単に業者さんに値段を下げてほしいと言い続けたところで挙句の果てにはほかの業者に行ってくれと言われてしまうのが落ち、であるならばどうすればよいかといえば、こういう風に造ればコストを抑えることができるかもしれないの仮説を立てて、その仮説をわかりやすく説明して減額に繋げるの工夫をしたり、材料の産地と直接交渉して購入のルートを造ったり・・・とにかく価格のブラックボックスを包むベールを少しづつ剥がしていくかのような地道な作業が必要なのだ。
13時、東京都太田区の土地の購入を検討しているというご夫妻の打ち合わせ。一つは長い旗竿地、一つはがけの上の中古住宅というどちらも癖のある物件だったのだけれど、僕は旗竿地の方に興味を惹かれた。旗竿地というのは土地が道路と接道している入り口部分が竿のように細長く、奥に四角い旗のような土地があるものを言うのだけれど、こういう土地は通常の料金よりも安い場合が多い。特に都内の土地は非常に高くなってしまっているので、こうした一見悪い条件の土地を選定することで安くなったお金を建築費用に回すことで魅力的な住宅を造ることができることも多いのである。
下の写真は東京都杉並区にて造ったYさんの家である。敷地全体を見れば旗竿地というわけではないが、入り口付近にご両親の家が建っているので事実上の旗竿地であるが非常に豊かな住宅を造ることができた事例である。