今日は小林澄夫さんと会うために風土社に来た
午前中、東京都台東区にて新築住宅を計画中のSさん打ち合わせ。Sさんの家はいわゆる浅草近郊の込み入った住宅街に建っているのだけれど、すぐ隣に10階建てのマンションが突然建ってしまい、日当たりの悪い状況となってしまった。そこで古いご実家と貸家を壊して、日当たりや風の通りに配慮したパッシブ設計の手法を取り入れた木造2階建ての住宅を作ろうという計画である。今日はプラン修正の打ち合わせを行った。
夕方、JRの飯田橋駅で降りて、神楽坂の隣にある軽子坂を10分ほど登ったところにある風土社を訪問。この坂は江戸時代に海から上がってきた荷物を下ろし、屋敷街まで運び上げるために作られた坂だそうだ。今では洒落た店が並んでいて、特に二つの坂に挟まれた細い路地を入った地帯は表通りよりも発見と驚きに溢れる魅力的な路地となっている。
今日は小林澄夫さんと会うために風土社に来た。仲介人はチルチンびとの編集長、山下さんである。小林さんは左官教室という本の編集長をされていた方である。いわゆる左官の世界の生き字引、多くの仲間を持ち、知識も持っている。さらに言えば小林さんは詩人という肩書も持っている。その目はまるで亀の目のように透き通っていて、純粋である。まあこういう人ではいと人生をかけて左官の研究などしないのだろう、と訳のわからぬ納得を感じながらお話に耳を傾けた。
僕は左官について研究を深めようと考えているのだが、そのための道筋を示してくれる羅針盤となってくれる人であると予感している。このような素晴らしい方をご紹介いただけるというご縁に感謝、なんとも恵まれた話なのだ。話を終えて路地にある居酒屋で一杯、最後には〆の鰻重を堪能して家路についた。