セルフビルド講座。
2021/07/17
午前中はセルフビルド講座。今日は合計5名の方々がタイル貼りや八溝杉を使用したスプーン作りに来てくれた。体験の前に簡単な講座をやっているのだが、この講座では具体的な手法というよりもセルフビルドでこんなことができるんだよという紹介を中心に行うようにしている。今日お話を聞いてくれた方々は実際に自分の家でタイル貼りなどをやってみたいというご要望があるようで、色々と質問までしてくれた。こういうことをやっていると真剣に話を聞いてくれる人がいることのありがたさを強く感じるものである。興味ないのになあ・・・、の雰囲気が漂う中でお話をするほど難しいものはないのだ。
日本の家づくりは高すぎる。そもそもが合理化を第一として色々な組織運営をしているから、いわゆるパッケージとしての状態から一歩でもはみ出した注文をすると莫大な手数料を請求されたり、はたまた既製品のキッチンを定価で販売したりなどの足枷がある場合が多い。ローコスト系の会社になると、プラン打ち合わせの回数が3回までと決まっていたり、プラン以上の図面は提示されなかったりの、いわゆるおまかせ系となってしまうので、出来上がりは大抵どこにでもある建売の如き形状となる。こういうことは経済原理から考えても当然の結果であり、これを覆そうと思えばやはりどこかで努力をしなければならない。
ますいいリビングカンパニーは工務店機能を兼ね備えた設計事務所である。二つの機能を同時にやってしまうので会社経費が一つで良い。その分は確実にコストがダウンできる。さらに材料の調達などでは、製材などを実際に行なっている山と直接の取引をすることで良材を市場価格の半額程度で仕入れることができるように工夫している。また、先のセルフビルドも大切な手段の一つである。建築の世界では材料費と人件費が同じくらいかかるのだが、この人件費の部分を削減できることは大きい。例えばキッチンの前にあるタイル貼りの場合、材料費が3万円程度で人件費・会社経費が合わせて5万円程度かかることが多い。タイルを貼る日と目地入れをする日の二日間を必要とすることがこの金額を構成するのだけれど、これをセルフビルドで行えば3万円だけでタイルを貼ることができるようになるわけで、つまりは味気ないキッチンパネルの価格でタイルに片変更することができるわけである。
こだわりを安く手に入れる・・・、これはなかなか大変なことなのだ。でもそこをなんとかしないと日本人はみんな建売やローコスト住宅に住むしか無くなってしまうの不自由からの脱却を目指すことこそますいいの活動の意義である。これからもこだわりのローコストを目指して頑張っていきたいと思う。
午後、東京都世田谷区にて家づくりを検討中のWさんご夫妻打ち合わせ。今回は第2回目のプレゼンである。バルコニーから屋上に上がることができる木造の3階建て住宅のご提案だが、狭小地をギリギリまで使用した伸びやかなプランができたと思う。是非是非ご依頼いただきたいものである。