増井真也 日記 blog

野地板の結露

2022/05/07

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県越谷市にて調整区域内の土地に住宅を作りたいというSさん打ち合わせ。打ち合わせをしようとしていたちょうどそのタイミングで、農地転用の許可申請を担当していただいていた土地家屋調査士さんより電話があり広すぎる土地に小さな建物を作るのはどうにも農地転用の許可が降りなさそうだという報告を受けた。仕方がないので、カーポートを作ったり、住宅を少々大きくしたりの設計変更をしなければならないことに。スタッフが夜鍋をして作ってくれた模型が無駄になってしまった。ごめん、若者たちよ。次回また頑張ろう。

午後、埼玉県さいたま市にて住宅のリフォームを相談されているKさんのご自宅調査。20年ほど前に横浜のツーバイフォーの会社に作ってもらった住宅の屋根の合板が結露で腐ってしまっているということで原因や改善方法などについての調査を行なった。木造住宅は健全な状態を保つ頃ができれば100年でも持たせることができるが、結露などの症状を抑えられなければ20年でこんな状態になってしまう。こういうことを防ぐにはしっかりと屋根の通気を確保してあげる必要があるのだけれど、この住宅ではそのような措置を施していない状態であった。この状態では一部の屋根を剥がして野地板からの交換が必要となる。次はこのような結露を起こさないようにしっかりと直してあげたいと思う。

奥多摩・雲取山

2022/05/03

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
連休3日目ということで奥多摩の雲取山に1泊2日の山行に出かけた。東京都で最も標高の高い山で標高は約2000mほどである。上り下りが1600mの鴨沢からの往復コースを選択したが、流石に日帰りで踏破するほどの脚力はない。トレイルランの方々は涼しい顔をしてこのコースを往復しているけれど、あの体力はすざまじいものがあると思う。ゆっくりと登っているといよいよ雲取山頂への稜線が見えてきた。珍しく一緒に来てくれた次女は太ももが攣って少々辛そうにしているけれど、この素晴らしい稜線歩きを楽しんでくれているようだ。山を歩いていると、普段の暮らしの中で感じる自然という存在がより身近なものになってくる。例えば熊が出たらどうしようの不安だって、都会にいれば全く感じないが奥多摩に来れば出会っても不思議ではないわけだし、現に今年に入ってからすでに二件の目撃情報もあるようだ。新緑の木々が芽吹き、さまざまな命が溢れんばかりの生命力を感じさせる。あちらこちらにあるシカのフンや足跡もすぐ近くにある自然だ。地球に暮らす一員としてテントを張って地面の上で寝て、夜空に浮かぶ星を見ると本当に山に来て良かったなあと思うのである。

 

 

上棟式

2022/04/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉さいたま市にて進行中のAさんの家の上棟式を行った。実際の上棟からは結構工事が進んでいるが、神主さんや大工の本間さん、左官屋の塙さんも交えての式である。お施主様の側もご兄弟や甥御さん、ご主人様もご一緒に現場にて顔を合わせる良い機会となった。この建物は茶室である。茶道という道を歩む舞台としてしっかりと神事を執り行うことで、なんとなくこの建築の場自体が清められたような気がした。今後も安全に作業を進めていきたいと思う。

玄関へのアプローチ

2022/04/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県上尾市にて計画中のTさんの家打ち合わせ。今日が2回目のプレゼンテーションということで、前回のプランへの様々なご要望を反映させる形での変更案を提案させていただいた。今回のプランでは玄関へのアプローチと、2階に配置したリビングとウッドデッキの関係にとても配慮してデザインを行なっている。
玄関へのアプローチというのはとても大切なもので、家に帰ってきたときに外界から住宅へ向かう意識の変化を感じる場所だったり、家にお招きしたお客様を玄関まで誘導する迎え入れの装置だったりする。そこにはある程度の距離、緑、奥へと続く伸びやかさ、照明などが適切に配置されることが良い。奥の方の外壁に見える家の中の灯りも大切な要素だ。下の写真は僕の家のアプローチの様子である。ちなみに外壁についている鉄製の照明器具は僕が書いた円相をアーティストさんに写していただいたものである。こんな物語を埋め込むこともまた家づくりの楽しさの一つである。

耐震診断の調査

2022/04/28

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は、埼玉県川口市のIさんの家にて、耐震診断の調査を行なった。Iさんの家はもともと平屋だったところに、2階が乗せられて、そして最後に2階建ての9尺かける3間が付け加えられるというなんとも複雑な状況となっている。今回は本格的な耐震改修工事を行うにあたり調査を始めた次第である。
まずは2階の小屋裏を確認する。小さな点検口から頭を入れると小屋裏には、2回の工事の接合部が見える。無理矢理の接合の様子や、時代によって入れられている筋交の存在、金物の有無などの情報から当時の大工さんの心情を読み、耐力を推察する作業はなかなか楽しい。次は1階の天井裏であるが、ここは意外と空間が広かったので天井を踏み抜かないように注意しながら梁の上を歩き回っての調査であった。ネズミの糞やら、木舞壁の竹を編んだ様子やらを確認しながら、やはりここでも筋交や金物、そして梁が途中で途切れてしまう上部構造なしがないかなどを確認した。最後に入るのが床下である。床下は匍匐前進で進むのだけれど、基礎のひび割れや有無、土台の腐食など多くの情報が手に入る。そしてここが一番いろいろなものが出てくる場所でもあった。なぜか古い瓶、レンガ、などなど・・・、邪魔なものは掃除してあげての調査であった。
外部では鉄骨の避難観測所の骨組みが組み上がっている。水害への備え、そして地震への備え、この両輪を満たせば古い家でも十分使うことができる。古いものを大切にする行為はとても尊いものだと思う。そして僕にとってもとても正しいことに協力しているような気持ちになれるとても大切なことであるのだ。こちらの写真は見事なので掲載しておこう。

 

山辺の構造

2022/04/25

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は構造家の山辺先生をお招きして、ますいいリビングカンパニー構造研修を開催した。山辺先生は「山辺の構造」なる書籍を出されている木構造の権威であるが、とても親しみやすく物腰の柔らかなお方である。全4回シリーズの勉強会の初日は、構造の基礎についてのお話をいただいた。今の日本の大学教育では、どうしても木造についてのレクチャーが欠けている。そして社会に出てみると、その木造に関わる機会はとてつもなく多い。特に2階建ての建築までは4号特例という範囲の中で、仕様規定に基づく壁量計算などの簡易計算で造れてしまうので要注意だ。そこで一人一人の技術力を高めるべく、全員参加での研修会を開催した。良き学びを大切にしていきたいと思う。

成長しない自分の心

2022/04/24

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県川口市にある錫杖寺さんにて、茶筅供養の茶会に参加させていただいた。このお茶会は2代前の永瀬市長さんが始められた歴史ある茶会だということであるが、僕は初めての参加である。しかも、濃茶のお点前というとても大切なポジションということで、なんだか朝からソワソワ、手のひらにはなんとなく汗が滲むような心持ちであった。
茶会の点前で緊張し手が震えて抹茶を掬うことが出来ない経験・・・、わからない人にはわからないと思うけれど、本当に笑ってしまうくらいに手が震えることがあるのだ。そして大抵の場合、それはその日の1席目に起こる。2席目以降は慣れて落ち着くから、大切なお客様は2隻目以降に来てくれれば良いと思うのだけれど、そういう人に限って大体1席目に入る。緊張するお点前さんを気遣い、あまり視線が集中しないように会話でそらせてくれるのだけれど、それでもどうにもならない場合は茶杓を清めたところで震えが止まるのを待つしかない。1秒、2秒・・・なんだかとても長く感じる時間、誰も見ていないのだろうけれど、でも視線を上げて確かめることもできない時間、それでもダメならエイヤーとお茶を掬い出すしかない。そしてその一部は大抵畳の上に・・・。成長しない自分の心と向き合いつつも、なんだか妙な達成感を味わえた1日であった。

古民家の再生

2022/04/20

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は名古屋にある勇健工業さんを訪問させていただいた。勇健工業の加村さんは左官の世界ではとても有名な方である。そしてもう一つ古民家の再生の世界でもとても活躍をされている。今回は築100年の古民家の再生を進める手法を学べく訪問させていただいた次第である。
古民家の再生という仕事はとても魅力的な仕事だと思う。そしていつか関わりたいと考えていた仕事だ。曲がりくねった梁や太い柱の力強さを見ていると多くの人は縄文的なパワーを感じるだろう。こういう空間での暮らしは如何に?を考えると、先日見学させていただいた奈良県のKさんの家を思い出す。文化財として登録されているご自宅で、何代にもわたって変わらぬ空間での暮らしを営んでいるお姿には、なんだかとても強い意志のようなものを感じたし、その空間は僕にとってとても魅力的であった。年月の中で染み付いたい黒光する古材の魅力を生かした再生を是非手がけてみたいと思うのである。

荒川の氾濫に備えて

2022/04/19

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
埼玉県川口市にて進行中のIさんの家の避難観測所の基礎工事が始まった。ここ川口市は荒川の氾濫時に水深が4mほどになる。この避難観測所は十字型の基礎の中心に立つ鉄骨造一本柱の上に木造の小さな小屋を乗せ、いざというときに2階の窓から避難できる装置である。平常時は小さな小屋の前にあるテラスに出て星の観測ができる、なんともロマンチックな小屋なのだ。

世界には目に見えるものと目に見えないものがある

2022/04/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
昨日から裏千家の行事に参加するために京都に滞在している。裏千家というのは千利休から始まる茶道の流派の一つで、表千家、武者小路千家と並んで三千家と称される。僕は元々茶道を嗜んでいたわけではなく、たまたま千玄室大宗匠の講演を拝聴し、日本の伝統文化を知ることで建築を通して日本の街並みや歴史を形作ることに貢献できるようになりたいと思い、今から11年ほど前に習い始めた。初めは先生など知る由もなく、裏千家の総本部から紹介していただいた先生について習い始めたが、その先生も今年の初めに社中を閉鎖してしまったので今は先生がいない状態となってしまった。
なんでもコロナの影響から社中を閉鎖してしまう先生はとても多いらしいというから驚きなのだけれど、文化というものは緊急時にはどうやら蔑ろにされがちなのかもしれない。まあ様々な事情で辞めるという選択をされる方が多いのだとは思うが、僕はこういう時こ文化の如き精神の柱となるものが重要だと思う。世界には目に見えるものと目に見えないものがある。そして目には見えないものの方が圧倒的に多く、そしてそれらによって人は幸せとか不幸とか、つまりさまざまな状態に変化してしまうものである。人はこういう現象を運が良いとか悪いとかのように表現するが、それは結果を端的に表しているだけで、実は目に見えないものたちから働く力学によって起こる必然なのだと思う。文化は目には見えにくいものの一つだが、確実に様々な力学を発することができる何かであると思うのである。
下の写真は、裏千家の今日庵の兜門である。たかが門、されど門。色々な方の思いが詰まる場所なのである。

古い診療所の建物をリノベーション

2022/04/14

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
夕方、今度川口市内で開設される保育園の内装工事に関する設計業務打ち合わせを行なった。この保育園はコマームさんという地元川口市の事業者さんが4月から運営することになったところで、川口駅から歩いて15分くらいのところにある古い診療所の建物をリノベーションして作る。すでに元々あった内装などの解体工事は始まっていて、その工事に引き続いて新たな内装を作る予定だ。なんのご縁か知らないけれど、川口市の保育園の施設認可に関する審議業務をかれこれ4年間も行なってきたのだけれど、実は保育園の設計は初めてである。すでに四十件以上の施設の認可をしてきただけに目だけは肥えてしまっているので、予算オーバーしないように注意しながら設計をしていこうと思う。

この写真は世界最貧国と言われるネパールの保育園だ。貧しいというのはどういうことなのだろうかと観察していると、もちろん収入も低く、装飾品や車などといった物量も少なく、建築などの工事の質も低く、水道や下水の整備も進まず、病院などの数も少なく、歯医者などどこにあるかわからず、汚職は蔓延り、たまに内戦が起きたり・・・とにかく今の日本と比較することはできないような状況なのだけれど、こと保育園に関してはそれほど状況が変わらないということに驚いたのである。逆に言えば日本は保育園という施設に対して、少々手を抜きすぎのような気がするのだ。直接的な生産性はないが子供を育てるというのは国の未来を作ることに等しい。その施設が最貧国のネパールと似たり寄ったり・・・、これはなんとかした方が良いと思うのである。

2022/04/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午後、スタッフの上原くんと一緒に埼玉県吉川市にて計画中の弓道場のあるSさんの家打ち合わせ。約9坪の平面の中に居室と弓道場を併設し、弓が走る外部のエリアは畑として利用するというなんとも楽しげな計画である。今日は断面計画の検討を行なったが、続いて模型の作成に進んでいきたいと思う。

下の写真はセルフビルドで家を作るIさんの様子である。この計画ではなるべく自分でできる部分を増やすためにログ積みの構造を採用した。今回は在来木造の中でどれだけセルフビルドができるかへの挑戦となるであろう。

 

2階にリビングのあるプラン

2022/04/10

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中は東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンにて、埼玉県蕨市にて古民家の再生を検討中のSさんご家族と打ち合わせを行った。古民家と言える築年数が70年を超えるような建築の再生はどことなくロマンがある。古い梁や柱に刻み込まれた当時の大工による刻みの後や、色濃く染まった構造材の様相は縄文的なダイナミズムを感じさせる力強い意匠だ。Sさんの家も素敵な古民家に再生できればと思う。

午後は、埼玉県上尾市にて新築住宅を検討中のTさんご夫妻打ち合わせ。今日は第1回目のプラン提出ということで2階にリビングのあるプランのご提案をさせていただいた。2階リビングのプランというのは、道路が迫っている敷地においてとても有効である。プライバシーの確保がしやすく、カーテンを閉めたりの必要がないリビングを作ることができる。
今回の土地は比較的広いので1階リビングでもプライバシーの確保ができる可能性もあるので次回のプレゼンではそちらの案も考えてみたいと思う。
写真は東京都町田市に建てた2階リビングの家の外観である。ウッドフェンスがその向こうにある大きな窓のプライバシーを確保している。

2022/04/09

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は新入社員の歓迎イベントで名栗湖の近くにある河原でのバーベキューを行った。毎年新しく入った社員とその家族をお招きしてのイベントをやっている。どんな会社で働いているのかをご家族にも見ていただこうという趣旨なのだけれど、これがなかなか盛り上がる。この湖は、有間川に設置された有馬ダムによって誕生したダム湖である。周辺には温泉や名栗カヌー工房、そして今回行った有間渓谷観光釣場があるが、先日登った棒の嶺もこの近くだ。近くにある山を見ながら「登りたいなあー」と思いながらも今日は肉を焼く係に徹して過ごした。幸いお天気にも恵まれて、新緑の自然を楽しんでいただいただろうと思う。これからも少数精鋭、良い家づくりに向けて最高のチームを作っていきたい。

完成しない方が良いもの

2022/04/08

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
以前、スペインのバルセロナに行ったときにサクラダファミリアの尖塔に登った。この教会は初代建築家フランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受け、その後を引き継いで2代目建築家に就任したガウディーが今の姿を設計した。いつ完成するかわからないと言われていた建築、スケッチに基づいて多くの人が魂を捧げて作り続けている建築であった。尖塔を登っていてもあちらこちらで工事中、それもまるで彫刻を制作しているかのような様相である。技術の進歩により2026年に完成するということであるが、こういう建築は完成しない方が良いような気もした。IT技術が進歩し、昔のようなある特定の空間が力を持つことが出来ない時代に建築が特別な力を持つとしたら、それを作るという行為の中にあるような気がする。そしてこの感覚は、自分の家を自分で作るという住宅のセルフビルドにも通じるものであると思うのである。

仏教とともに残るもの

2022/04/06

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都豊島区にある本納寺さんの増築工事の打ち合わせに出かけた。以前屋根の瓦の吹き替えを行った本堂の裏に、物置スペースを作りたいという内容である。既にある3畳ほどの物置とその前の2畳ほどのスペースを合わせて5畳くらいの物置にするのだけれど、床の高さはそれぞれのスペースで微妙に違うし、複雑にかかる屋根をどのように処理するかがなかなか難しいのである。

この本堂の屋根の吹き替え工事を依頼していただいたのはもう3年ほど前になるだろうか。初めてお寺の出入りを始めさせていただいたのがかれこれ10年ほど前、お寺の工事をやったことはないけれど、社寺仏閣は建築に携わるものにとっての夢の舞台なのでぜひと行って以来のお付き合いである。その想いは今でも同じ、自分の命はいつかは終わるがこういう建築は、仏教とともに残るものであるからとても大切にしていきたいと思うのである。下の写真は瓦を吹き替え、宝珠を交換した時の写真である。

良い建物はやっぱり良い施主がつくるもの

2022/04/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は事務所にて各プロジェクトの打ち合わせを行った。下の写真は10年ほど前に埼玉県の川島町で作ったアスタリスクというカフェである。会社を早期定年退職で辞めた後、退職金で新築の住宅とカフェを手に入れたいという一見無謀とも思えるような計画であった。土地を700万円くらいで先に買ってしまったので、建物の予算は1200万円ほどしかないという。これで本当にできるのかの不安を感じたものの、施主のHさんご夫妻の熱意を感じるうちにこれならできるだろうの予感がしたので請けることにした。カフェは見事に完成した。そして埼玉県ではとても人気のあるカフェとなったのである。
良い建物はやっぱり良い施主がつくるものだと思う。お金の額はあんまり関係ない、良い施主の強い思いとそれを実現させようとする僕たち建築家の熱意が合わさって初めて出来上がるのだ。

Kさんにとって本当に良いデザインの住宅に生まれ変わらせたい

2022/04/04

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県さいたま市にてリフォームを検討中のKさんご夫妻打ち合わせ。ツーバイフォーの建築の間仕切り壁を撤去して一部屋にしたい、床の撤去をして大きな吹き抜けを作りたいなどのご要望なので、構造計算をしながらの丁寧な設計が求められる仕事である。なるべくご予算を抑えながら対応させていただければと思っている。
下の写真は、以前作ったお寺の用務員さんの家である。お仕事柄、大工工事も塗装工事もなんでもできる、いわゆるセルフビルダーである。そのSさんがこだわって、そしてなるべくコストを抑えながら作った住宅がこの家だ。外断熱を採用しているので、内部の構造は剥き出しにされている。構造がそのまま建物の魅力となっている力強い表現だ。間柱と間柱の隙間は、自作の棚によって本棚などに利用されている。キッチンは自らの持ち込み、写真に映るテーブルももちろん自作である。床の土間には実は温水パイプが埋設されていて、太陽光で温められた温水を利用して床暖房が利用できる。まさにアイデアの詰め込まれた住宅、施主が家を本当に好きで、心から楽しみながら作った住宅といえる。

Kさんの家もとても大切に使われているいい家だ。その家を見れば愛されているかどうかはすぐにわかるものだ。こういう家のリフォームをすることは本当に光栄なことである。この先も一生使い続けることができるよう、Kさんにとって本当に良いデザインの住宅に生まれ変わらせたいと思うのである。

建物に対する愛着を高める

2022/04/02

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)

今日は埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家の契約前打ち合わせを行った。設計と見積もりを終え、金額調整最終段階ということで、セルフビルドの範囲を決めたりの話し合いを行った。
ますいいでは普段からセルフビルドを多く取り入れている。これはもちろんコストダウンにつながるわけだけれど、それ以外の効果もある。例えば漆喰塗りをセルフビルドで行えば、暮らしている中でお子様が壁を汚してしまったとしても、自分の手で塗り直すことができる。多少のひび割れが発生しても、自分でその穴埋めを行うこともできる。タイルなどは一度経験してしまえば、住みながらにして洗面所にも新しいタイルを貼ってみようなどの模様替えも可能になる。それに自分の家を自分で作るという行為を行うことは、建物に対する愛着を高めることにもつながることとなるのである。

なるべく費用を抑えて

2022/03/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、注文住宅を中心に丁寧にデザイン設計を行います。(東京都町田市、群馬県高崎市にも分室があります。)
東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。大規模改修をするか、はたまた新築住宅を作るかの検討をしているのだが、その判断基準として将来住宅を売却するときの価格についてお話をした。例えば築年数が30年の住宅を2000万円の費用をかけてリフォームし15年後に売却するとする。土地の価格が3000万円だとして、そこにリフォーム費用なるべく多くを上乗せして売りたいと思っても、築年数が45年の木造住宅はそうそう簡単に売ることはできない。日本では木造住宅の寿命は30年程度と思われており、文化財のような特別な建築を除いては建物価格を上乗せして不動産取引が行われることはほとんどないからである。それに対して、欧米では古い建築を手入れしながら住みつぐという文化があるので、古ければ古いほど価格があがる国もあるのだが残念ながら日本はそうはなっていないのだ。

日本でも古い建築が価値を持ってくれれば良いと思う。そのためには新築時点でのより良い住宅の設計が不可欠であろう。構造、断熱、素材、・・・さまざまな要素が100年の使用に耐えうるという想定で設計することが求められるわけである。最近はますいいで作った住宅の再販の事例も増えている。下の写真はもう18年ほど前に作った住宅だが、数年前に持ち主が変わった。そして新しい家主さんからはリフォームの依頼を受けている。こういうことに丁寧に対応していくことは環境にも良い。そしてとても良い種類の仕事だと思うのである。

Uさんの家、リフォームでも新築でも良い仕事をできればと思っている。リフォームならばなるべく費用を抑えて作ってあげたいと思う。

 

 

予約制モデルハウスの我が家

2022/03/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、注文住宅を中心に丁寧にデザイン設計を行います。(東京都町田市、群馬県高崎市にも分室があります。)
今日は埼玉県さいたま市にてマンションのリフォームを検討中のNさんご家族が、僕の家、つまり今モデルハウスとして予約制で公開している住宅を見学に来てくれた。公開しているのは2階のリビングと1階の水回り、そして茶室である。1階は鉄筋コンクリート造としているが、これは荒川が氾濫した際の水害に備えてのことである。2階から上は木造住宅だ。やはり住宅は木造の方が住み心地が良い。この住宅は中庭を介して2世帯住宅となっている。中庭部分は細い廊下で繋がっているだけなので、構造上の弱点となっている。この廊下部分の床には鉄骨の補強ブレスが仕込まれているのだけれど、地震が起こるとそのブレスが頑張ってくれているのがわかる音がするのが面白い。少々の説明の後、薄茶を差し上げて次は現場の見学に移動した。

初めての茶事

2022/03/27

埼玉県川口市にてデザイン性の高い注文住宅を建設する、工務店機能を兼ね備えた設計事務所を営むますいいリビングカンパニーの増井真也です。
今日は我が家で行う初めての茶事を行なった。お客様としては旧知の某大学の先生、千葉県でいつも年末の釜にご招待いただいている先生、そして川越の先生である。11時に席入りなので、15分ほど前にお客様がくる。待合で白湯を出している間に、僕は茶室で炉の中を整える。準備ができたら迎え付け。さあいよいよ後戻りはできなくなってしまった。隅点前を終えると、素飯を差し上げますで懐石の始まりである。菓子、濃茶、そして薄茶と全ての工程が終わる頃にはドット疲れ果ててしまう。やはり慣れないことをするのは大変なものだ。でもお客様には喜んでいただけたようで、何よりの達成感であった。亭主1回、客100回という言葉があるそうだけれど、僕は100回のお客様分の勉強ができたのだろうか?

今日で21年目の長い道のり

2022/03/24

今日は1年間取り組んできた川口グリンセンター内シャトー赤柴大集会堂の基本設計の納品を行った。このプロジェクトは明仁上皇陛下が皇太子時代に宿泊をしたことがある洋館風建築である。それ以来はレストランや結婚式場などの用途に使用されてきたのだけれど、老朽化によって最近は空き家状態であった。今回のプロジェクトでは、利活用の提案も含めてリノベーションの基本設計を行なっている。構造に関しては約1500平米ほどの2階建ての鉄筋コンクリート構造の強度や中性化の破壊試験なども行なった。50年経った建築が意外なほどに健全な状態を保っていることが分かったのだが、これを当時建てた会社が僕が以前勤めていた戸田建設であるということもまたなんとなく運命を感じるのである。

ちなみに今日はますいいの本社を2001年3月24日に使用開始して以来、21年が過ぎた記念日でもある。あっという間だったけれどよくこれだけ長く続けることができたものである。ますいいリビングカンパニーは工務店機能を兼ね備える設計事務所として運営している。今では丸太の製材、吉野や八溝の山とのお付き合い、社員大工さん、そしてこうした公共建築の設計なども手がけるようになった。これも一緒に仕事をしていただいている社員と協力会社さん、そしてますいいを信頼して仕事をご依頼いただける皆様のおかげである。これからも精一杯建築家の道を精進していきたいと思う。

気配をデザインする

2022/03/23

窓辺に座って外を眺めるのが好きな人は多いだろう。ともすると隣の家の人と目が合ってしまうところが都会の住宅の困ったところなのだけれど、まあそんな変化も窓がなければ感じることができないわけだから、窓のというのはとても大切な存在であると思う。窓からは色々な光が入ってくる。直射日光だけではなくて、北側の窓から入り込む安定した反射光もまた魅力の一つだと思う。緑が見えたりのご馳走があればなお良しだ。

僕の家の北側の窓はとても大きい。アルミサッシだけれど内側に木製の飾り枠を設ることで木製建具の如き感じとなっている。家の玄関に向かう路地の一番奥にある窓だから、家族が帰ってくるとその気配が伝わってくるのも良い。窓の設計をすることは、ただ単に壁に穴を開けることではない。その家の暮らしの中で感じる、家の内外双方の気配をデザインすることだと思う。

丹沢山登り

2022/03/20

今日は丹沢にある塔ノ岳という山に登った。昨年から地元の先輩に誘われたことをきっかけに山登りを再開したのだけれど、中学高校山岳部時代のようにはなかなか行かないものだが、ようやくコースタイムにして8時間ほどの一日の山行としてはロングコースと言われる山に登ることができた。今日は風のない穏やかな日だった。でも登り初めからずーっと何だかよくわからない音がどーん、どーんと聞こえていた。これは雷かなと思いながらも、天気予報では晴れマーク、道ゆく人に尋ねてみると「自衛隊の軍事演習だと思いますよ」の答えが返ってきた。世界ではウクライナとロシアの戦争が行われている。遠い世界の出来事だけれど、日々その映像が自然と目に入る。SNSなどの情報は個人の意思で世界中を飛び回ることができるから、遠い世界のこととすぐ身近で起きていることが、同時並行的な情報として知覚されるわけだ。東富士演習場から聞こえてくる大砲の音とウクライナで響くミサイルの音が何となく被ってしまい、何だか不思議な感覚になった。平和というものの尊さや、それがプーチンのような人間の一瞬の判断によって奪い取られてしまう不思議を感じながらの山歩きであった。

 

たまに米の研ぎ汁で磨いてあげる

2022/03/19

埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家の打ち合わせ。このプロジェクトはTさんの奥様の実家に、Tさんご家族が同居するための炉フォーム計画である。都心から程よい距離を離れたちょっと田舎に移り住み、畑を耕したりの自由を得ながら暮らす「田舎暮らし」を快適に行うための設計を進めている。もちろんますいいの得意なセルフビルドなどを積極的に取り入れて、コストダウンを図っているが、床の唐松無垢材などの自然素材にはこだわりを持って設計しているところである。

群馬県中之条市で製材している唐松のフロアリングは僕のお気に入りの素材の一つだ。この写真は僕の自宅であるが、ここの床にも使用している。建てて2年ほどになるが、色合いも落ち着いてきた。たまに米の研ぎ汁で磨いてあげると自然な艶が出てきて良いのでおすすめだ。

アイデア、そしてアイデア

2022/03/17

埼玉県川口市で設計中のNさんの家の擁壁工事についてのスタディー。このプロジェクトでは、道路より1200mmほど下にある敷地地盤に擁壁を作って嵩上げする予定だ。川口市という場所は元々低地であるので地盤は悪い。地盤の悪いところに擁壁を作るとなれば、それなりの地盤改良が必要となる。構造設計者との協議では平米あたり5.5トンの地耐力が必要だということだけれど、ギリギリでの施工は地盤の沈下が心配なので7トンの地耐力を実現することができる改良方法を検討することにした。

この擁壁は現場打ちコンクリート擁壁である。既製品の擁壁を並べるだけの工法もあるがこちらは必要とされる地耐力が現場打ちの場合よりも大きくなってしまう。現場打ちということは敷地の外での作業が必要となるので、隣地の許可を得たり駐車場の車を移動していただいたりの調整が必要となる。それがもし叶わない場合には、やっぱり既製品擁壁をうまく利用することも考えなければいけないかもしれない。下のスケッチは直接7トンの地耐力が出せない場合のアイデアだ。擁壁の下に幅広のスラブを作りう、そのスラブを7トンの地盤で支えることでその上に置かれた既製品擁壁の傾きを抑えようという考えだ。これはこれで二つのコンクリート塊をいかに固定するかの工夫も必要となってしまうのでもしもの時の第2案としてとっておくことにしよう。

保育園の設計コンペ

2022/03/15

川口市で募集している保育園の運営事業者選定コンペに設計者として協力している。僕は決して保育園の設計を専門としているわけではないのだけれど、実はもう4年間も保育園の施設認可を行う審議委員として活動していて、これまで何十もの保育園の認定に関わってきた。そろそろ新規整備も終わる頃かなあと思っていたら、何とこの設計に事業者として関わることになったのである。こういうケースというのはなかなか緊張感があるものだ。これまで審査している側が、今回は審査される側になる。これまで指摘してきた事項は少なくともクリアしなければならないし、それ以上に魅力的に設計をしたくなるのが人情というものだ。さてさて、これは頑張らなければいけないなあの思いであるのだ。

戦争が終わらない。なぜ人が人を殺すのかと思うけれど、どう考えてみてもロシア人の総意ではなく一人の独裁者による暴挙としか思えない。これはナチスのヒトラーと同じような気もするが、民族主義や帝国主義のような偏った思想で形成された熱狂的なエネルギーのようなものがロシア国内にあるような気は全くしないところが、第2時世界大戦時とは異なるようにも思える。ある力を持った権力者が、国民の意思とは関係ないところで軍を動かし、反対者を処分し、必ずしも士気のない若い兵士たちが何となく戦いをしているという状況と言った感じだろうか。ミサイルで街を破壊する先に一体なにがあるのか。領土を占領することが目的とも思えないし、そうしたところでロシアに格別な何かが起こるとも思えない。まるでアメリカがイラクを破壊し独裁者を殺してあるはずの核兵器は見つけることができなかったあの戦争の時のように、きっとなにもなかったかのように終わるだけなのだろう。

 

家を作ったお客様からのプレゼント

2022/03/14

埼玉県川口市に数年前に建てた中庭のある家のMさんから、「白文字がとても綺麗に咲いたからよかったら見にきてください」のお誘いを受けた。この住宅は二つの中庭を外壁が囲むように作られており、内部と外部(中庭)が木製の建具を介して連続した空間での暮らしを楽しむように設計されている。今日はとても暖かく、中庭ではいついているのら猫が3匹まるで我が家というふうにゆったりと過ごしていた。白文字は黄色い綺麗な花を咲かせていた。まるで桜のように1週間ほどで終わってしまうようだが、まさに四季の移ろいを楽しませていただいた。

 

マンションのスケルトンリフォーム

2022/03/08

埼玉県さいたま市にてリフォームを検討中のNさんご家族打合せ。Nさんはお母さんとお二人で暮らすマンションのスケルトンリフォームを検討している。マンションのリフォームというのはコンクリートの躯体やサッシで囲まれた空間を、どのようにアレンジするかの工夫なのだけれど、今の日本のマンションは何の工夫もない一律の内装パターンで作られているので、まずはそこにどのような暮らし方の個性を組み込むかの検討から始めることとなる。趣味のハープを奏でる場所が欲しい・・・のような特別な行為を心地よく行うことができる場をアレンジできるのがリフォームの楽しいところ。これからの設計を楽しみにしたいと思う。

下の写真は数年前に東京都で行ったスケルトンリフォームの写真である。約1800万円ほどでの改修工事であったが、ご夫婦二人でのびのびと暮らすことができる自然素材を中心とした内装とした事例だ。小上がりはベッドのように使用でき、その下は収納となっている。空間を余すところなく利用した良い事例である。

2022/03/06

今日は埼玉県蕨市にある古民家を訪れた。築90年ほどの古い木造住宅を丁寧に直してこの先も住み続けたいというご相談である。僕は古い建物がとても好きなので、こういうご相談はまさに大歓迎だ。田村と妻と一緒に現場を調査し、どの程度の痛みがあるかの推察や、どのような改修工事が適しているかの考察を行なった。

日本の建築は50年もすると価値がないことにされてしまうことが多い。住宅を丁寧にメンテナンスして、次の世代に受け継ぐという文化がないのは、高温多湿の気候や木造が中心であることが原因なのだろうが、海外では木造の住宅でも何世代にもわたって使い続けられているし、古ければ古いほど価値があるという価値観もあるわけだから、この国でもそうした文化の醸成ができるのではないかという期待もある。でもそのためには受け継ぐに値する建築であることが重要なことで、だとすると僕たち建築家が良いものを作る努力をもっともっと行わなければならないということなのかもしれない。

木製建具とウッドデッキの素敵な家

2022/03/05

午前中、埼玉県上尾市にて新築住宅を検討中のTさんご夫妻打ち合わせ。Tさんご夫妻は昨年上尾市で作ったHさんの家のオープンハウスに来ていただいた時に出会った。土地はすでに購入しているということで、これまでハウスメーカーさんなどにプランを作ってもらったりの検討をしてきたのだけれどどうも気に入った住宅に出会うことができないということで、ますいいに来ていただいたところである。ますいいの好きな住宅のイメージは、南大谷の家とのこと。2階にL字型のリビングを配置し、木製建具を使用した開口部とその向こう側にあるウッドデッキが特徴的な住宅である。素材の味を生かし丁寧にデザインされたとても良い住宅なので、皆様にもご紹介しよう。

 

 

2022/02/28

午前中東京都荒川区にて、集合住宅の改修工事現地調査。この計画は最上階のオーナー住宅の断熱改修工事で、主に開口部の断熱性能の向上を行う予定である。数十年前の新築時に建築家が設計したFIXの大開口がたくさんある建築のために、このたくさんあるアルミサッシの開口部をどのように2重構造にするかが課題となった。中には三角形の大開口まであるのだけれど、こういう設を後から2重にするというのはなかなか大変なことなのだ。今回の計画では内窓が作れるように大工工事で下地を組み、その下地にアルミサッシを取り付けることにした。他にもキッチンの回収などの工事もある。小さなエレベーターで資材を搬入しての工事だけに丁寧に計画していきたいと思う。

 

2022/02/25

ますいいリビングカンパニーでは奈良県の吉野杉と栃木県の八溝杉を中心に国産材の家づくりを行っている。昨今のウッドショックで外材の価格が高騰しているのに合わせ国産材も価格を上げているけれど、それでもまだ国産材の方が安定しているのは明らかだ。国産財は少なくとも戦争の影響は受けないし、下がり続ける円の価値の影響も受けない。こういう混乱期になって今頃気が着くのは遅すぎるのかもしれないけれど、これからでも変わることはできると思う。食料や材木などさまざまなものの自給率が話題となっているけれど、材木に関して言えば早く植林から伐採、そして製材までのサイクルを確立し、林業で生きていける仕組みづくりが求められていると言えるだろう。写真はますいいが材木を仕入れさせていただいている永井さんの製材所の様子である。たくさんの丸太を見るとワクワクしてくる。いい家はやっぱりいい材料でしか作れないのである。

作り手が幸せな現場を作りたい

2022/02/23

ますいいリビングカンパニーでは3人の大工さんが専属で働いてくれている。家づくりはやっぱり大工さんが主役だから専属の大工さんがいるということはとても心強いことである。先日、その大工さんの一人である瀬野さんと話をした。瀬野さんは昨年の木造建築士の資格に合格したという。その日はその資格を交付するための勤務証明などの書類を作るために来たわけだが、大工さんが資格を取得するということはとても前向きで良いことだと思う。「自分の家は自分で設計したいんですよね」の言葉は、家づくりに関わるものとして至極当然の思考だし、それ以外の設計だってできるようになるかもしれないわけだ。
僕は作り手が幸せを感じながら仕事をすることができる空間を実現したいと思っている。作り手が幸せと感じない場で、住まい手が幸せになることができる家などできるはずがない。そしてそれは設計者も監督も大工さん達職人さんも一緒である。家づくりがみんなにとって良い仕事であると心から思えるような場こそがますいいリビングカンパニーであると思うのである。

川口の避難観測所

2022/02/21

今日は埼玉県川口市にて計画してきた避難観測所の工事請負契約を結ぶことができた。この計画は荒川の流域である川口市でもしも河川の氾濫が起きた場合、地上4mの鉄骨造の構造物の上にある木造の小屋に避難することができるようにするというものである。地域の避難所というのは大概が学校などの建築物である。でもこうした建物はその地域の総人口を受け止めるにはあまりに小さく、さらに言えば感染症などの危険がある中で高齢者が利用するにはあまりに過酷な環境となる。本当はそれぞれの住宅の敷地内で避難ができるような装置があることが望ましいことは明らかであり、この計画が完成すればそれを広く知らしめることができると考えている。
掲載の記事は昨年の住宅特集に掲載されたものだ。いよいよ工事が始まるところまで来た。ここからが楽しみなところである。

注文住宅には蒔ストーブを設置したい

2022/02/15

住宅には重心があると良い。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れるくらい自然で幸せで暖かいひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。ストーブにはそれを生み出す力がある。だからなるべく設計に取り入れるようにしているのである。

講演会のご報告 茶室四方山話

2022/02/13

ホームページのリニューアルを行なっている。ようやく日記を書くことができるようになったので再開したい。20年分もの日記を新しいページに全て移すことはできなかったので、それについては後日外部ページに公開することにしている。

今日は裏千家の埼玉県青年部総会に参加。約1時間ほどの講演会講師をさせていただいた。テーマは「茶室四方山話」である。ZOOMでの開催とあって、全国北海道から鹿児島まで多くの方々にご参加いただいた。

暮らしの中に馴染む茶室とは一体どんなものだろうかの結論に至るために、闘茶の会所から書院造の茶、鎌倉時代の草庵、そして珠光・紹鴎・利休に至る侘び茶室に関する解説をした。そして利休の茶室はブリコラージュの手法を用いているという結論で締めた。現代に生きる僕たちが造るべき茶室はまさにこのブリコラージュで良い。伝統の中にある高価な素材を全て使う必要などなく、今の時代に手に入るものを現場の即興でデザインし、なるべく安価で無理のない茶室をつくることが本来の姿であるのだ。利休の時代はまさに戦国、コロナ禍の不安定な昨今とても参考になる何かを含んでいる気がする。こんな時代に茶室を造る意味・・・そんな答えに少しは通じることができたような気がする。

(待庵の作られ方を想定したCG)

東京都東村山市にて設計中のUさんの家打ち合わせ

2022/01/24

東京都東村山市にて設計中のUさんの家打ち合わせ。今回の打ち合わせではリフォームの計画と新築の計画の二つのプランをご提案させて頂いた。

新築プランでは中庭のある住宅を考えている。以前作った中庭のある家では、家中のどこにいても庭と一体で暮らすことができるプランを作った。この家は女性が一人で暮らすための住宅なのだけれど、防犯のことを考えると南側に開いた庭を作るよりも、外壁でくるりと囲んだ内側に庭を配置する方が良いと考えたからである。プライバシーのことを気にせずにいつも庭と内部をつなげることができるとても良い手法だと考えている。

IMG_5919.JPG

埼玉県伊奈町にてリフォームを設計中のTさんご家族打ち合わせ。

2022/01/22

午後、埼玉県伊奈町にてリフォームを設計中のTさんご家族打ち合わせ。今日は2回目のプラン提案である。奥様のご実家にご家族が移り住んでのハーフ2世帯住宅づくりなのだけれど、最近はこのようにちょっと田舎でゆったりとした暮らしを楽しみたいという方が増えてきるような気がする。コロナの影響で働き方や暮らし方に関する考え方が変わったという方は多いが、考え方の変化が都市や住宅そのものにも変化をもたらすことが顕在化してきているような気がする。

僕が初めて田舎への移住のための住宅を設計したのは、東京都世田谷区から屋久島への移住をしたMさんの家であった。なんで屋久島の家の設計を僕がやったかというと、屋久島の設計士さんに頼むよりも現在住んでいる東京の近くにいる僕の方が細やかな設計の打ち合わせが行えるからである。多くの別荘建築などは現地の建築会社に依頼して思い通りに建たないというケースがあるようだけれど、しっかりと設計をしておきさえすればそいう齟齬も防ぐことができるということでのご依頼であった。

Mさんご夫妻はスキューバーダイビングが好きで、よく海にもぐっていた。僕も一度ご一緒させていただいたことがあるけれど、特にご主人は水中での写真撮影が上手だった。田舎での暮らしは地元の人との交流が大切だから、よく地元の大工さんの家で飲み会をしたりのお世話になった。そのまま大工さんの家で子供達と一緒に雑魚寝という日も少なくなかった。いも焼酎「三岳」を薄めようとすると、なんてことすんちゃ・・・の怒号が飛んできたことを今でも覚えている。当時は屋久島に現場管理に行くのが楽しくて仕方がなかった。鹿児島空港から飛ぶヤバそうな国産機に乗って離島に旅立つのである。こんなに楽しい仕事は滅多にない、そんな思いで現場に向かった。Mさんの奥様が亡くなったのは数年前のことだ。世田谷の小さなマンションに比べたらとても豊かな生活の中で息を引き取ったのだと思う。癌と戦う中での移住だったから、それだけ長く生きることができたのもとても良い環境のおかげだったのかもしれない。
田舎暮らし、僕の周りでも少しずつ増えてきている選択である。Tさんご家族の暮らしが豊かなものになるように設計を進めていきたいと思う。

 

20220122.jpg

 

20220122−2.jpg

埼玉県蓮田市にて住宅のリフォームを検討中のOさんご夫妻打ち合わせ。

2022/01/20

午後より、埼玉県蓮田市にて住宅のリフォームを検討中のOさんご夫妻打ち合わせ。都内からちょっと田舎に引っ越しての暮らしの拠点となる住宅を購入し、リビングダイニングをリフォームする計画である。古い農家の住宅らしくとても立派な和室の続き間があり、和室にはこれまた立派な床の間や仏壇入れが設えてある。作り付けのタンスも立派で非のつけどころがない。大工さんが丁寧に時間をかけて作り上げた住宅であることが一眼でわかる良い家だ。Oさんの家に行くといつも2羽の鶏が迎えてくれる。手を差し出すとツンツンとつかれるのだがこれがまた可愛らしい。毎日のように卵を産んでくれるとても優秀な二羽だそうで、今日も田園住宅のマスコットとして僕たちを和ませてくれた。

20220120.jpg

今日はとあるご縁で武蔵野大学建築学科にて

2022/01/17

今日はとあるご縁で武蔵野大学建築学科にて大学3年生向けの講義をさせていただいた。大学3年生というのはすでに就職活動真っ盛り。将来に期待を抱く人もいれば、何をやって良いやらの途方に暮れている人もいる、そんな学年であろう。だからこそ僕のように建築家として住宅設計を行いながらも、実際に大工さんを雇用し丸太を山から直接購入して家づくりをしたり、はたまた公共建築の設計をしたり、街づくりの運動をしたり、お寺の改修工事をしたり、神社の建築を作ったり・・・そういう人がいったいどんな思いで建築を愛し、向き合い、仕事をしているのかをお話しすることで、少しでも将来を考える参考にしてもらうことができたらと思いながらの講義であった。

終了後、田中教授の作品を見せていただいた。シェル構造の屋根の実物である。これを学生と一緒に作り上げたというのだからこの先生も只者ではない。セルフビルドが好きな構造家・・・こういう人には初めて会った。

20220117.jpg

20220117-2.jpg

今日は自宅の茶室にて初釜を開催した。

2022/01/16

今日は自宅の茶室にて初釜を開催した。お招きしたのは裏千家でともに活動しる仲間達、コロナの関係で少人数に限っての小さなお茶会であった。点前は濃茶の各服点てと続き薄茶である。各服点てというのは、元々回し飲みをしていた濃茶をコロナ対策の関係で一人一人に一碗ずつ点てる点前である。一人分の濃茶を練るというのはその加減がとても難しく、濃すぎると全く引くことができないし、薄すぎればそれすなわち薄茶となってしまうわけで、何度も稽古して慣れなければ美味しく点てることができないのである。さてさて、みなさん美味しくいただくことができたのかどうか、お服加減は・・・の問いには大変結構と言われたものの、やっぱりちょっと心配なのでああった。

20220116.jpg

藤井厚二氏の自邸「聴竹居」の写真集を見た。

2022/01/15

久しぶりに藤井厚二氏の自邸「聴竹居」の写真集を見た。この住宅は1888年生まれの藤生厚二が作った実験住宅である。藤井は「1日も早く我が国固有の環境に調和し、吾人の生活に適応すべき真の文化住宅の創生せられんことを熱望してやみません」というように、10年にわたって五件もの実験中住宅を作っている。この住宅はその5作目、まさに集大成とも言える作品だ。写真はこの住宅のサンルームの様子である。現在でも竹中工務店によって保存され見学できるのだが、実際に建築を見てみるととても心地が良いことに驚かされる。

この建築はいわゆる数奇屋建築を西洋化し再構築したような木造住宅である。和洋折衷、しかし和の様式も伝統をそのまま置いたものではない。その意匠はとても挑戦的なのに、でもとても心地よい、この心地よさはいったいどこから来ているのだろう。聴竹居は自然素材で作られている。漆喰の左官壁を面として使い、線材としての木が縦横無尽に使われて、紙が貼られ、石が積まれているのである。そこにはいわゆる人工的な素材は一切なく、職人の手によって生み出された自然の暖かさがあるもののみで包み込まれているのだが、人は本来こうした空間を見慣れており、だからこそ落ち着く、いつもあでもそこで過ごしたいと思うような感覚になるのだろう。写真のサンルームは圧巻の造作である。視界を遮らないように工夫されたコーナー部のガラスの収まり、柱がなくとも持つように軒をはね木で持たせていたり、見せたい中央部のガラスのみを透明とし、上下のガラスは曇りガラスで調整すなど非常に細やかな気遣いがある。ここはこの建築の中で僕が最も好きなところだ。

20220115.jpg

埼玉県川口市にあるグリンセンターの大集会堂シャトー赤柴

2022/01/13

午前中、埼玉県川口市にあるグリンセンターの大集会堂シャトー赤柴に関する利活用についての打ち合わせ。ますいいリビングカンパニーでは古い建築のリノベーションに力を入れている。すでに新しい建築をどんどん作る時代は終わりを告げたことは明らかなのに、それでも新築中心主義を貫く人が多いことに驚くが、僕はなるべく古いものを大切にする建築家のあり方を大切にしている。そこで、市内コンペに応募しこの設計に携わることとなった次第である。

このプロジェクトは50年ほど前に作られた洋館風建築物をリノベーションして、利活用しようというものである。本年度は基本設計を行なっているのだが、僕たち設計事務所のエゴで設計行為を行うことの無意味さを避けるために、市内の飲食事業者さん達とのワークショップを行い、どんな建築だったら使いやすいかなどについての意見を伺って来たわけだ。建築はあくまで使い手のために存在する。住宅だって寺院だって教会だって同じこと。飲食店を行うならば飲食事業者さん達の意見を聞かなければ良い設計などできるはずはないのである。

図1.jpg

午後、京浜東北線の浦和駅東口にある店舗について打ち合わせ。16時ごろまで。

長野県の菅平というところ

2022/01/11

長野県の菅平というところに、開拓者の家という建築がある。この建築はますいいリビングカンパニーの生みの親でもある早稲田大学名誉教授の石山修武氏が設計したもので、コルゲートパイプという大きなパイプを地面に転がし、砕石で転がらないように固定してさらにワイヤーで引っ張って強風などに備えているという、建築のような建築でないようなの物体だ。内部はセルフビルドによって作られたスチールの造作が施されており、勇気的な意匠がとても特徴的だ。レタス栽培などを手がける農家を営む施主のSさんはここでお子さんも育て上げた。形は変わっているけれど、とにかくれっきとした住宅なのである。

先ほど建築のようで建築ではないと書いた。基礎で地盤に固定されていない伽藍堂のパイプは建築なのか?の曖昧さを述べたのであるが、普通の家庭の庭に置かれているイナバ物置の如く簡単に動かせるようにしてあればそれはあくまで仮設建築と言えるだろう。建築でなければ固定資産税がかからない、そういう束縛からの自由を手に入れることができる可能性があるところに夢がある。人は何十年というローンを組んで住宅という呪縛に縛られすぎるところがあるが、本来住宅は人が安心して暮らすことができればそれで良いのである。ここで暮らすSさんはそんな自由を手に入れるためにこの建築を造った、そしてその精神を引き継ぎながら僕たちますいいリビングカンパニーも「もっと自由に家を作ろう」の合言葉で家づくりに励んでいる。

20220111-2.jpg

20220111.jpg

日曜日の今日は本当は山に行こうかと思ったのだけれど

2022/01/09

日曜日の今日は本当は山に行こうかと思ったのだけれど、来週僕の家で行う茶会の席で濃茶の各服点というお点前を行う稽古をしなければいけないなあのプレッシャーを感じて諦めることにした。濃茶というのは通常3人分や5人分の量を1椀に点て茶碗の回し飲みでいただくのが普通だったのだけれど、コロナの影響でそれが叶わずさてどうするかという段になって、スペイン風邪の時に円能斎という方が考案した各服点というものを再び採用することになったわけである。古いお点前だけにお家元がビデオメッセージまで出して僕たちにご紹介してくれたわけだけれど、これがどうも普及しない。だったら僕たちがやってみようということで、十六日のお茶会で披露することになったわけだ。

このお点前ではたっぷり3杓の濃い茶を茶碗に入れ、追柄杓なしで濃い茶を点てることになっているのだけれど、これは誠に難しくなかなか上手にできない。長盆に4椀を乗せ、一気に点てた濃い茶を妻や子供たちといただくこと4回、流石にもうお茶は飲めないなあと思った頃にようやく濃茶らしくなってきた。

僕の茶室にはほんのりと照らしてくれる小さな照明がついている。でも茶室の明かりを消して窓から入るわずかな光に包まれている方がどれだけ心地よいか、というわけで明かりを消してのお点前も試してみると、黒茶碗のなかは完全な暗黒、他の茶碗はなんとか見えるがこれは全くの暗闇なのだ。黒楽茶碗というのは利休が作ったものである。長次郎という瓦職人に焼かせたと言われているが、中国伝来でも朝鮮伝来でもない日本の美、それを真っ黒な茶碗に背負わせたのだからこれは革命的なことであっただろう。これまで何度も使ってきたが、こんなふうに暗闇にして使ったことは一度もなかった。利休の時代、当然照明器具などはなく、あっても蝋燭や油の灯りで照度は今日と同じであろう。ということはこの黒茶碗、今も昔も点前をする人が何も見えない状況をあえて生み出す茶碗なのである。見えないのだから頼りは勘のみ、下手な小細工はやりようがない。勘は体に染み付いた所作からしか出てこない。果たして僕にその所作が身についてくれるだろうか。茶碗のなかの暗闇に吸い込まれるような不思議な感覚、目に見えないことを見ようとするのではなくあるがままに受け入れることで感じる神聖さ、なんだかちょっとお茶というものがわかった気がした1日であった。

20220109.jpg

午前中は事務所にて雑務。

2022/01/08

午前中は事務所にて雑務。

午後、丸太の注文。ますいいでは国産広葉樹として栗・桜・鬼ぐるみの丸太を購入し常に200枚ほどの造作材を板で保管している。今年はウッドショックの影響で少々少なめのようだけれど、とりあえず今購入することができる栗と鬼くるみを買っておくことにした。こうした丸太は製材して約1年間ほど乾燥させる。乾燥させた後には再度プレーナーをかけて反りをなくし、ようやく天板や棚板などに使用することができるようになる。製材所ではマルタの割れや木自体の反りなどを見て鋸を入れる角度を決める。厚みは使いたい用途によって変わってくる。テーブルなどは60mmくらいの厚板に、棚板や枠材だったら30mmほどの薄板にする。もちろん薄板の方が乾燥期間は短くなるし、1枚あたりの単価も安くなるので用途をしっかり考えて製材しないと後で結局使うのに苦労する羽目になってしまうのだ。天候次第では2月半ばに製材ツアーを企画した。雪があまり降らないようだったらスタッフを連れて行ってみることにしようと思う。

IMG_3767.JPG

今日から仕事始め。

2022/01/06

今日から仕事始め。今年も賀詞交換会などの人が大勢集まる行事は控えられているので、毎年こういう行事でしかお会いすることがない人たちとかれこれ2年間会うことができなくなってしまっている。コロナは今のところまだ下火ではあるけれど、オミクロン株の猛威が迫っているようで、この先はとても不透明だ。そんな中で中国の不動産開発の暗雲やアメリカの利上げのニュースなどを見ていると、本当にだいじょうぶかの不安も感じざるを得ない。最近の新聞記事などでは、資本主義の再構築という内容をよく見かける。金融緩和による金余りの結果、行き過ぎの格差の出現、賃金が上がらない中での物価の上昇など現状の具合が良くないことは誰の目にも明らかだ。人が安心して暮らすことができる世の中を再構築するためには、やっぱり民主主義がきちんと機能する必要があるのだと思う。

パルテノン神殿は、紀元前447年に建設が始まり、15年の歳月を費やして完成したそうだ。そしてこの場所は民主主義の起源としても知られている。哲学、議論、・・・全ては人が幸福を追求するための道具であると思う。今、日本の国会議事堂は果たしてそのための場になっているだろうか。僕たち政治家ではない普通の人でもこういうことを議論する権利がある、あとはそれを実行するかどうかにかかっているのではないかと思うのである。

20220106.JPG

障子の効用

2022/01/04

障子の効用

窓からの光はとても貴重だ。家づくりとはボリュームを定義することによる空間づくりと、その空間に外部とつながる窓を開けることがとても中心的な作業となる。障子というのはその窓からの光をちょっと和らげてくれる効果がある。それだけでなく窓の外の景色も無かったことにしてくれる。ちなみにこの窓は僕の家のリビングの窓なのだけれど、この向こう側にはファミリーマートのバックヤードがあって、いつもそこで決まった店員さんがタバコを吸っている。だからこの家に住んでからこの障子を開けたことはほとんどないのだけれど、でもこの窓のおかげで天気の良い日には朝日が入り込んでダイニングテーブルに彩りを与えてくれたりの効用があるわけで、ここにはやっぱり窓があって欲しいのである。

20220104.JPG

今日は東京都の陣馬山から高尾山まで

2022/01/03

今日は東京都の陣馬山から高尾山まで16キロほどある低山ハイクに出かけた。標高は700mほど、冬でも安心して歩くことができる。昨日は親族の集まりで少々食べ過ぎてしまったので、ちょうど良いダイエットである。山を歩いていると常緑の針葉樹である檜と杉の木をとてもよく見る。日本の山はほとんどこの二つの木によって埋め尽くされてしまっているのだけれど意外とこの2種類の木の見分け方は知られていない。支那の写真の1枚目は杉。ツンツンととんがった形が特徴的だ。次の写真は檜、平べったい形が杉とは全く異なる。ちなみに檜の葉の裏側には3枚目の写真のようなY字形の文様がある。なんとも不思議な文様なのである。

IMG_6611.jpg

IMG_6609.jpg

IMG_6610.jpg

あけましておめでとうございます。

2022/01/01

あけましておめでとうございます。今年は茶室に蓬莱飾りを設てみました。昨年同様、柳も飾っております。軸は「月上青山玉一団」香合は運の良いことに2年連続、裏千家の先輩より手作りのお品を頂戴しました。いろいろな方にお知恵を拝借しての蓬莱飾り、どうしてもほんだわらが手に入りません。築地の乾物屋山に行っても無く、代わりにおせちを買ってしまう始末・・・。どなたか入手できる方おられましたら是非お譲りくださいませ。

兎にも角にも、本年が皆様にとって良い年になりますように。どうぞよろしくお願い申し上げます。

20220101.jpg

窓辺のキッチン

2021/12/30

窓辺のキッチン

僕の自宅のキッチンは目の前に大きな窓がある。北向きだけれど、安定した光が入るし、その向こうにはちょっとした緑もあって季節ごとに変化を楽しむことができる。ふと気がつくと塀の上を猫が歩いていたりの驚きもある。キッチンのタイルはセルフビルドで貼った。素人の仕事なのでちょっと雑なところもあるけれどそれも味だ。ステンレスのバイブレーション仕上げの天板は傷も目立ちにくいしなかなか良い。写真の木の作業台の天板はタモである。全てをステンレスや人造大理石などで仕上げてしまうのではなく、こういうところに天然の木の仕上げがあるだけで豊かさが増すように思える。

20211230.JPG

今日は埼玉県上尾市にて作ったHさんの家

2021/12/27

今日は埼玉県上尾市にて作ったHさんの家のチルチンビト撮影立ち会い。雑誌の撮影立ち会いはこれまでにも何度も行ってきたが、チルチンビトさんは生活感を撮る雑誌さんなのでクライアントにも登場して頂くことにした。撮影は朝の十時ごろスタート、まずは外観写真、そして内観へと移っていく。キッチンやリビングにある大きな階段の写真にはHさんご夫妻が実際にそこで過ごしている様子を撮影した。最後は屋根の上にあるウッドデッキである。このウッドデッキは屋久島で取れた杉で作られいて、遠くに富士山、そして春には庭にある枝垂れ桜でお花見を楽しむことができるという特別な場所になっている。

ちなみに屋久島の杉材は油が多くとても丈夫で外部使用にはとても適した素材だ。どれくらい油分が多いかというと、4寸角の柱材、普通なら軽々と持つことができるのだけれど、屋久島の杉の場合はとても重くて僕でもなんとか持てるくらい、それくらいに違うのである。

下の写真は撮影時の様子。ウッドデッキの写真はドローンを飛ばしての撮影である。ドローン撮影も最近は珍しく無くなってきている。現実ではあり得ない、視点をずらした建築の見え方を楽しむ良い手法なのだ。

20211227.jpg

20211227-2.jpg

代休のおかげでホワイトクリスマスイブ

2021/12/24

代休のおかげでホワイトクリスマスイブを過ごしてしまった。今日は八ヶ岳の北横岳に冬山登山に出かけた。冬山など登るのは10年以上記憶にないのだけれど、ひょんなことから登山を再開することになって以来、自然と意識が向いてしまった。僕が山と出会ったのは早稲田中学・高校時代の山岳部である。本当は中学1年性の時にスキー部に入りたいという意思表示をしたはずなのだが、その時の担任の高橋先生に「スキー部はやめときなさい。山岳部がいいよ」と言われて、なぜかそれを鵜呑みにしてしまった。山を歩いていると、特に何にも考えることができない環境の中で、それでもいろんなことを考えようとするもので、そういう自分自身を見つめる時間が僕にとってはとても貴重なものだったような気がする。幼いながらに禅の如き時間を過ごしたような感じだろうか。47歳になり再び山と対話しながら登山をする自分がどうなるか・・・、これが不思議なことに昔と全く変わらないのが面白い。まあ怪我をしないように継続していくこととしようと思う。

20211224−2.jpg

今日は埼玉県川口市にて設計中の

2021/12/22

今日は埼玉県川口市にて設計中の、川口市立グリンセンター内シャトー赤柴大集会堂の基本設計中間報告会を行った。この施設はワークショップなどの文化施設と飲食スペースに分かれて利用される予定である。これまで4回のワークショップを行う中で、この施設を利用するとしたらどのように魅力的な運営方法が考えられるかについて、実際の市内業者さん達のご意見を伺ってきた。僕たちが作り上げた基本設計計画はこのワークショップの中で得られたご意見を取り入れながら行っている。さまざまな行政施設が無用の長物として利用されない箱になってしまっている中で、こうして使う人の意見を聞きながら設計を行うということはとても大切なことだと思う。民間だったら当たり前のことなのだけれど・・・、だからこそ僕たちみたいな設計事務所と行政が協力して良いものを作らなければいけないのだと思う。

午後より埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打ち合わせ。今日は45坪まで絞った案についてプレゼンを行った。55坪・60坪・45坪とさまざまな広さでご提案をしているが、実際の床面積はそれほど大きく変わっているわけではない。大きくなるとその分吹き抜けなどの床には参入されない面積が多くなっているのである。4人家族にとって適正な広さの感覚は人によってさまざまだろう。大抵は30坪から40坪程度が多いのではないかと思うが、最小限住宅では上下合わせて18坪の9坪ハウスのごときものだってある。暮らしのスタイルは人それぞれ、どのようなものが自分に適しているかを見ることから始めるのが良いのだと思う。

今日は高尾山から景信山までの縦走を楽しんだ。

2021/12/19

今日は高尾山から景信山までの縦走を楽しんだ。景信山までの稜線は尾根の上と北側の日陰の道があって、日陰の道を行くと小さな氷のオブジェが沢山あることに気がついた。なんだか変わった形をしたこの氷は、「しもばしら」というシソ科の植物の辞表の部分が枯れて残った地下茎からである蒸気が凍ってできたものだという。自然の作る奇跡の造形とも言えるだろうか、低山といって侮るなかれ、東京都の低山ハイクで思わず人生初モノの体験をしてしまった。

20211219.jpg

埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家のリフォーム打ち合わせ

2021/12/17

今日は埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家のリフォーム打ち合わせ。お母さんが一人で暮らす実家に家族みんなで移り住み、大勢で暮らすためのリフォームである。敷地には大きな畑があって、暮らしの中に畑作業を取り入れることができるなんとも羨ましい暮らしである。普通の人が農地に暮らそうとすると、農家として認めてもらうための就農研修などに参加する必要があるけれど、ご実家であれば全くそんな必要はないのである。

かくいう僕も実は畑作業を楽しむ一人である。畑は地元の農家さんからお借りしているのだが、広さは意外に広く2反(600坪)ほどのスペースをますいいの安江さんと、茶道の知人であるAさんと一緒に楽しんでいる。最近は忙しくてあんまり参加できていないけれど、農薬をほとんど使わずに育てた野菜や、この場所でやる焚き火は僕の大切な楽しみの一つだ。そして何よりも娘と一緒にこんな作業をできるのもまた大切な時間なのである。

20211217.JPG

東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ

2021/12/16

午後より、東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。ご両親を亡くし、これからの暮らしを営む家をどうするかの検討である。リフォームするもよし、新築するもよし、どちらも可能性があるので二つのご提案をさせていただくこととなった。

下の写真は僕が初めて埼玉県建築文化賞の最優秀賞をいただいた作品である。この住宅の施主のMさんは、この家を建てる前にご両親を亡くし、新しい暮らしのスタートのために僕のところに家を建て替えるご相談に来てくれた。その時に自分の今の状態は、この写真の中にある神田日勝さんの後ろ足のない馬の模写のような状態だけれど、家を作ることでしっかりと地に足をつけて暮らしていけるようになるような気がする、という話をされた。32歳で亡くなった天才画家については、連続テレビ小説などにもモデルになった人物が描かれたりしたので知っている方も多いだろう。家づくりというのは、人の人生の支えになるくらいにとても大切なことだと思う。そもそも家というのは人が生きるための箱なのだ。さまざまな思いを抱きながら幸せに暮らすことができる箱、それを作るという尊い行為とこれからも真剣に立ち向かっていきたいと思う。

IMG_5921.JPG

避難観測所兼茶室の打ち合わせを行った。

2021/12/15

午前中は埼玉県川口市にて設計中の避難観測所兼茶室の打ち合わせを行った。このプロジェクトは荒川の氾濫時に想定される川口市の浸水の時に、高齢のおばあさんが自宅に居ながらにして避難することができるようにするものである。鉄骨で嵩上げされた小さな小屋には2階の窓から移動することができるように自宅2階内部にスロープを設置し、そこから渡ることができるように設計されている。1階から2階への垂直避難は、押し入れの床に穴をあけて車椅子ごと2階まで移動することができるように作った簡易エレベーターで行う。この垂直避難にはチェーンブロックを使用しているが、これはあくまで避難時のみに使用するもので普段は荷物の上下移動にしか使用できない決まりがある。古屋には小さなテラスが付いており、ヘリコプターによる救助にも対応できる構造だ。年明けからいよいよ工事にないる予定、出来上がるのがとても楽しみなプロジェクトだ。

20211215.jpg

日本経済新聞で僕の茶室をご紹介いただいた。

2021/12/12

今日の日本経済新聞で僕の茶室をご紹介いただいた。日本経済新聞の記事だというからどんな風にご紹介されるのかと思ったら、僕が普段着で茶室にパソコンを置いて仕事をしている風景であった。取材の日は着物を着込みお点前をしてのお出迎えをしたのだけれど、取材後の談笑の様子が掲載れるのは予想外というが、予想通りというか・・・。
僕の自宅の茶室ではお茶のお稽古をしているわけではない。お稽古は先生の稽古場で行うので、自宅はあくまで楽しみの場である。冬の茶室は特に良い。冬は畳に空けられた穴を開けてそこで湯を沸かす炉を使用する。(ちなみに夏の間は風炉というまあるい火鉢のようなところで湯を沸かすことになっている。)炉の季節になると、まるで家の中の焚き火状態で、パチパチと起こる炭の音と香りを楽しみなが、そしてほのかな暖をありがたく思いながらの、ゆったりとしたひとときを過ごすことができるのである。

20211212.jpg

20211212−2.jpg

アスタリスクカフェというカフェを作らせていただいた。

2021/12/10

埼玉県川島町で10年ほど前にアスタリスクカフェというカフェを作らせていただいた。早期退職をしたご夫妻が訪ねてきて、1200万円ほどでカフェ兼住宅を作りたいというご相談を受けたときには一度お断りをしようと思ったのだが、ご主人のやる気を感じるに従い、この人だったらある程度の箱までを作ってあげれば、そのさきはセルフビルドで理想のカフェを作りあげられるのではないかという思いでお仕事を受けさせていただいたのである。その後カフェはとても繁盛し、テレビや雑誌の取材を受ける人気店となった。

良い建築は良い施主が作るものだ。お金がふんだんにあれば良い建築ができるかというとそうでもない。予算が少なくとも素晴らしい建築はある。決してお金じゃないのだ。そこに必要なものは、こんな建築にしたいという施主の思いとそれを実現しようと真摯に向き合う建築家の思いであり、それが同じ方向に向いたときに初めて良いものができるのだと思うのである。

20211210.jpg

20211210−2.jpg

埼玉県蓮田市にて農業を営みながらゆったりとした田舎暮らし

2021/12/08

午前中、埼玉県蓮田市にて農業を営みながらゆったりとした田舎暮らしを楽しみたいというOさんご家族打ち合わせ。蓮田市という場所は東京から東北自動車道を使えば車で1時間ほどの郊外である。田んぼや畑が広がるとてものどかな地域で、見渡せば空が見えるとても暮らしやすい場所だ。Oさんご夫婦はもうしばらくは東京でお勤めの仕事があるけれど、数年後の退職、そしてその後の第二の人生を豊かにするための移転を考えたということであった。コロナを経験してテレワークという選択が普通になった今、郊外型の暮らしを楽しみたいという声はとても増えている。今回の計画はキッチンとダイニング、そして洗面室とトイレのリフォームである。蔵のある大きな農家を購入したので、一つづつ丁寧に手を入れながら暮らしやすい形に整えていきたいというOさんのご要望に寄り添えたらと思う。

埼玉県坂戸市にて作ったYさんの家は、農家というわけではないけれど田舎暮らしの事例である。市の保留地で売り出された土地を購入し、広い庭を囲むような住宅を設計した。リビングに薪ストーブを設置、庭には薪置き場もしつらえている。畑で育てた野菜を採って、そのまま料理に利用するという楽しみもできるし、庭でお花を育てることもできる。僕はこの家の設計をするときに京都の大原で暮らすベニシアさんの暮らしをイメージしていたのだけれど、奥様がそんな豊かな暮らしを描き出してくれていることだろうと思う。

蓮田市のOさんの暮らしも、丁寧に創り上げるお手伝いをしていけたらと思うのである。

DSC_0208.JPG

埼玉県川口市にある古い住宅を壊さないで利用した

2021/12/07

埼玉県川口市にある古い住宅を壊さないで利用したいというご相談があった。「造らない・壊さない建築家」を心がけている僕としては、こういうご相談はとても大切にしている。建築は上手に手入れをしてあげれば古いほうが価値がある、これは海外では当たり前の考えである。特に最近の手間がかからないように造られている無機質な建築と比べると、昔の職人さんが手間隙をかけて作り上げた古い建築のいかに素晴らしいことか。古き良き時代、その時代に作られたものを大切に使い続けてあげることが文化だと思う。建築家は文化の作り手でありたい。だからこそ今の時代に受け入れられる形に最小限のアレンジをしてあげて、そしてまたこの先数十年と利用される形にsなければと思うのである。

20211207.jpeg

今日は茨城県の筑波山に登ってきた。

2021/12/05

今日は茨城県の筑波山に登ってきた。この山はロープウエーを使わなければなかなか上りがいがある山で、登り下りの標高差が800mという僕にはちょうど良い体力度だ。冬晴れで見晴らしもよく、気温も高いので心地よい汗をかきながらの登山となった。途中にある大きないしが引っかかったような弁慶の七戻りという岩、これはもうアートとしか言いようがない。自然の偶発的な造形の魅力、そしてそれを大切に守ってきたこの土地の人々に感謝したいと思う。

20211205.jpg

今日は日帰り京都である。

2021/12/04

今日は日帰り京都である。裏千家の大会を運営するための委員を務めている関係で、会合に参加するために京都まで足を運んだのだが、久しぶりの京都駅の周辺で見た久しぶりのすごい人だかりになんだか驚いてしまった。

京都市というと財政破綻のニュースが最近は耳に聞こえてくる。これだけの観光都市が保育園の利用料金を上げなければいけないほどに厳しい状況になってしまうことが不思議だが、話題になっている一般市民の保育園の利用料をあげることと、ゲストを迎える豪華茶室まである市役所の改修工事とのギャップを見るに、まるでこの国の格差の歪みが現れているようで気持ちが悪い。いくら観光都市とはいえそこで暮らす人々が幸せになることができなければ、煌びやかな建築投資をする意味はないのではないかと思うのだ。こういう問題が表に出たのはコロナが始まってからなのだろうか。まあ急に財政が悪化したわけではないだろうが、収入が減ることで表沙汰になってしまったのかもしれない。

どんなことでも無理は禁物であるが、京都は一体どんな無理をしたのだろう。同じように世界的な観光地のスペイン・バルセロナにあるサクラダファミリアはいったいどのように資金を集めて建て上がっているか。この建物は贖罪教会なので、資金調達は信者の喜捨に頼ってきた。資金不足により工事がなかなか進まなかったが、1990年代以降に拝観料収入が増えて資金状況が好転したそうだ。税金を使いまくっての建築ではないのでとてつもない時間を要しているが、それがまた魅力になっている点も面白い。最近の京都はちょっと無理をしてしまっていたのだろが、そんなに無理をしなくとも元々ある京都の魅力を少しずつ育てていくことで十分なのかもしれないと思うのである。

20211205-2.JPG

フランス、パリから電車で300キロほど移動するとロンシャンという小さな町がある

2021/12/03

フランス、パリから電車で300キロほど移動するとロンシャンという小さな町がある。第2次世界大戦によって礼拝堂が壊されてしまい再建を願う人々によってル・コルビジェに設計が依頼され現在の礼拝堂ができた。シェル構造の屋根を支える分厚い壁と、そこに開けられた無数の開口部から差し込む様々な色の光が特徴的な建築である。いわゆるコルビジェの近代建築の5原則から離れたとても個人的で恣意的な造形建築だが、僕はサヴォワ邸よりもやっぱりこちらの方が好きである。数年前に見に行ったきりだけれど、コロナが落ち着いたらもう一度行ってみたい場所の一つだ。

CIMG2114.JPG

まゆのような茶室を作った。

2021/12/02

まゆのような茶室を作った。鉄筋を曲げ、床のベニア板に差し込み外形を作ったら、そこに毛糸を巻きつける。どんどん巻いてきといつの間にかそこに白いうっすらとした空間が現れる。床には麻のマットを敷き込み座りやすくしたら、茶室の出来上がりだ。完全に区切るのではなく柔らかく区切られた空間はなんとも言えない心地よい緊張感のある茶室空間となった。ただただ伝統的な空間だけではない囲まれただけの居場所で感じる「茶室らしさ」を感じた時、「茶室とはなんなのだろう」と感じる不思議なひとときであった。

20211202.jpg

理想の家作りをしているとどうしても予算がオーバーしてしまうことが多い。

2021/11/30

理想の家作りをしているとどうしても予算がオーバーしてしまうことが多い。でも自然素材の壁仕上げや無垢材の床板などどれも諦めたくはないところである。一生に一度の家作りだからこそ、多少の無理はしても何とか理想を実現したいと誰もが思うはずだ。そこで、私は体を動かす元気と時間がある方にはセルフビルドをお勧めすることにしている。

ここで、石灰クリームをセルフビルドで施工した場合どれくらいコストを抑えることが出来るかを考えよう。例えば300㎡の壁を職人に依頼して仕上げたとする。職人の㎡あたりの単価が3000円程度なので90万円の工事だ。石灰クリームの材料代が一缶8000円程度。一缶で約10㎡塗ることができるので30缶必要になる。30缶の材料代が24万円で、さらに雑資材費で3万円必要だとすると材料費は27万円になる。この場合の㎡あたりの単価は900円。これはビニルクロスの量産品と同等だ。ビニルクロスの値段で石灰クリーム仕上げができる、これがセルフビルドの良いところである。
ほかにも天井板の塗装、簡単な造作家具工事、ウッドデッキの塗装や製作、タイル貼りなど、やる気になれば何でもできるものだ。

しかし、現場にセルフビルドを取り入れるには多少のコツが必要である。素人でも出来る作業にするためには、「収まりを簡単にする」「作業手順を区分けする」などの設計上の工夫が重要だ。たとえば漆喰を塗る場合に、窓枠を壁巻き込みのデザインにすると、その角の部分の仕上げに非常に苦労する。
現場管理においても同じようなことが言える。例えば天井板を塗装する場合、板を貼る前に塗装するほうが貼った後に塗るよりも圧倒的に楽である。
また、作業方法を自ら調査し実践できるクライアントはなかなかいない。基本的な作業方法を説明し、時には指導のための職人さんを手配するようにしてあげることも重要である。

写真のガーデンハウスでは床のタイル貼り、外壁のキシラデコール塗り、造作キッチンの作成などをセルフビルドで行っている。今後は内壁の漆喰仕上げを行う予定だ。お金をかけない家作りを実践している好例である。

20211130.JPG

上尾市にて作った自然素材の健康住宅

2021/11/28

今日は埼玉県上尾市にて作った自然素材の健康住宅のオープンハウス二日目。この住宅ではたくさんのセルフビルドを取り入れている。壁の漆喰塗り、キッチン前や薪ストーブの周辺、そして洗面所のタイル貼り作業、床の天然素材ワックス塗りや、屋久杉を使って作ったウッドデッキの防腐剤塗装などなど多くの作業をクライアント自身の手により行った。自分でできることはなるべく自分でやりたい、ご相談の初めの段階からセルフビルドに積極的にご参加いただく意思表示をされていた通りとても上手に仕上げることができている。

漆喰塗りの作業はコテを使って壁に塗りつけるように行う。左官のコテは慣れるまで難しいけれど、だんだんと使えるようになるととても楽しい作業だ。自分で自分の家の壁が濡れるようになると、多少汚れてしまってもメンテナンスを自分でやることができるようになる。ちょくちょくプロの左官職人さんを呼ぶのはなかなか大変だけれど、好きな時に1枚だけの区切られた壁の塗るのは費用も抑えられるし、家族の団欒にもなると思う。なんでも取り揃えられた生活では味わうことができない、自由な居場所づくりのロマンなのである。

DSC_1986.jpg

新築したHさんの家のオープンハウスを行った。

2021/11/27

今日は埼玉県上尾市にて新築したHさんの家のオープンハウスを行った。午前中に打ち合わせを行ったTさんご家族をはじめとして、多くの方々にご来場いただくことができてとても良かったと思う。この住宅ではベニヤを使用しない家づくりと銘打って、つまりは無垢材や漆喰などの自然素材だけを使った家づくりを行っている。檜の土台に、杉の柱梁を使い、床板には30mmの杉板を貼った。吹き抜けには薪ストーブを配置し、煙突が2階を貫いて屋根の上まで伸びている。リビングには大きな階段をつくった。舞台のような階段ではまるでソファのように寛ぐことができる。大工造作のキッチンは、左官屋さんによって仕上げられている。エコ生活の拠点として魅力的に使っていただく様子がとても楽しみである。

DSC_0002.JPG

DSC_0012.JPG

DSC_0009.JPG

DSC_0013.JPG

埼玉県川口市にある松原幼稚園さんご訪問。

2021/11/24

午前中、埼玉県川口市にある松原幼稚園さんご訪問。この幼稚園は僕の子供たち3人がお世話になった幼稚園で、周辺を森に囲まれた緑豊かな環境がとても魅力的なところである。今日は園庭の足洗い場や、お砂場の日除けテントなどを作りたいというご相談で伺った。

僕は最近しばらく川口市の保育園の施設認可の仕事をしている。待機児童数を減らすためにほぼ100%補助金で建築を作ることができるとあって、3年ほどで多くの事業所が参入を果たした。すでに待機児童数はほぼゼロに近づいていて、あとは地域ごとのばらつきを解消するためにピンポイントで保育園を作れば良いというところまで来ている。女性の就労支援のための国の政策は保育園を中心に進められている。幼稚園はあくまで私立学校、ほぼ自分のお金でなんとかしてくださいの方針なのである。保育園と幼稚園は違う。その違いを減らすための取り組みもとられているがまだまだ数は少ないようだ。子供の教育の場は何にも変えがたいものである。ぜひ長いお付き合いをさせていただきたいと思う。

夕方茶道稽古。今は川口駅東口にある茶道具屋「増幸」さんの茶室をお借りしてお稽古をしている。ここには電熱の炉がないから毎回炭をおこすのだけれど、これがまた風情があって良いものである。先生と生徒3人の合計4名、茶会形式のお稽古を行いながらゆったりとした時を過ごした。

IMG_6179.jpg

奈良県五條市、吉野杉・檜ツアー二日目。

2021/11/23

奈良県五條市、吉野杉・檜ツアー二日目。今日は実際に山に入って、樹齢140年くらいの杉の木を伐採した。街中から車で30分ほどの距離、山に入ってからは徒歩30分ほどというところだろうか。日本の山は急だから林業が大変だというが、この斜面を歩くだけでもなかなかの苦労だ。木の伐採というのは初めての体験である。協力してくれる木こりさんは近隣の山主の息子さんだとう。木こりさんの年齢もだんだんと上がっているそうだが、最近は映画の影響などもあってチラホラと若者の就業もあるらしい。
さて伐採のスタートである。切り倒す方向を決めて、倒すためのテンションをかけるワイヤーを張り、倒したい方向に垂直に切り込みを入れる。それが終わったら、反対側からチェーンソーを切り込み、ある程度のところまでいったら楔を打つ。楔を打ったら、少しずつ切れ込みを進めながらわーヤーを引っ張ると突然木が倒れ始めるのだ。倒れ始めると木の枝同士がぶつかって、折れた枝が大量に降ってくる。腕の太さもあろうかという枝に当たったら大変なので、僕たちは少し離れたところで見学をした。木の直径は80センチ程だろうか。断面に手を当てると、手のひらに水が滴るくらいに濡れている。木が死んだ・・・ような感覚だろうか。こうして一つの命をいただきながら僕たちは家づくりを行なっているんだなあの感を深く感じた。記念に、切った木の切れ端を持ち帰った。これは事務所の大切な宝物になるだろう。

IMG_6368.jpg

IMG_6374.jpg

奈良県五條市まで吉野産の杉檜の仕入れに出向いた。

2021/11/22

今日は朝から奈良県五條市まで吉野産の杉檜の仕入れに出向いた。吉野という産地はきっと誰でも一度は耳にしたことがあると思うが、日本でも有数の材木の産地だ。今日はその地で製材所を営む永井さんに会いに遠路はるばる訪問させていただいた。製材所というところはどこに行ってもたくさんの木があるがここは特にたくさんの丸太があるようだ。写真は永井さんと僕と町田分室室長の田村とで話をしているところだ。
この産地はとても山深いのでヘリコプターを利用して木を運び出すそうだが、なんでもそのヘリコプターの事故があったとのことで現在は空輸による搬出ができないそうだ。その運輸会社がこの先またヘリコプターの操業をしてくれるかどうかも不明というが、もしもそれが叶わないとなると生産量がだいぶ減ってしまうようなので心配だ。ウッドショックだけでなく、原油から食品までさまざまな輸入品の値上がりが起こる中、国内産業の再構築が急務となっているような気がするのだが、この林業という世界でも様々な形での参入が望まれているような気がした。

IMG_6390.JPG

今日は山登り。

2021/11/21

今日は山登り。朝3時30分に家を出て群馬県の赤城山の麓、大沼のほとりにあるおのこ駐車場へ向かう。赤城山という呼び名は中央のカルデラの周囲を1,800mほどの峰々が取り囲む山域全体を指している。今日はそのうちの黒檜山と駒ヶ岳の二つの山に登る3時間30分ほどのコースであった。明日からは天候が崩れる予定だがギリギリ天候も良く快適な登山、11月とはいえまだ暖かく山頂付近の霜柱以外は冬の気配を感じることはなかった。この先はいよいよ冬山の時期に入っていく。この季節の変わり目を楽しみたいと思う。

20211121.jpg

古い住宅をシェアハウスにするというご相談

2021/11/19

午後1時、埼玉県さいたま市の浦和駅にほど近い住宅街にある古い住宅をシェアハウスにするというご相談を伺うための現地視察に出向いた。僕は古い建物を簡単に壊してしまう事には反対だ。最近は住み継ぐ人がいなくなってしまった住宅が壊されて建て売りなどになってしまう事例が後を経たないけれど、その後の街の風景はとてもがっかりすることが多い。一人で借りるには大きすぎる住宅を何人かで借りることで家賃を支払うことができるようになるシェアハウスという手法はそういうことを解決できる一つの手法だと思う。丁寧なご提案を考えてみたいと思う。

僕はモルタルのキッチンが好きだ。モルタルという素材はとても素朴で味がある。そこにガラスの塗装を施すと油や水を吸い込まないようになるのでとても良い天板になる。二つの中庭の家ではリビングの真ん中にモルタルのキッチンを作った。左官屋産の手による風合いが杉の無垢材の床ととてもよく合っている。

20211119.JPG

新築住宅を設計中のNさんの敷地調査へ。

2021/11/17

午前中、埼玉県川口市にて新築住宅を設計中のNさんの敷地調査へ。この計画では昨今の異常気象による豪雨災害被害を考慮して、今は周辺の土地と同じように前面道路から1mほど下がったところにある土地を、道路より高いレベルにする予定である。今日はそのためのレベル測量などを行った。

午後、見積もり作業確認。見積もり作業の中では柱一本から垂木一本にいたるまで住宅に使用する全ての材料を拾い出し、一覧表にまとめ、単価を記入して合計を出す。注文住宅の設計段階ではクライアントの希望を取り入れながら設計を進めていくので、しばしばこの見積もり金額が当初の予算よりオーバーしてしまう。住宅の魅力を失うことなくコストを抑える工夫を施す、これがこの段階の最も重要な仕事だ。

ここで、実際の事例をもとに説明しよう。東京都板橋区に建てた赤塚の家では天井に合板を利用した。梁を通常よりも幅の狭い材料にし、通常よりも狭い間隔で配置した。その梁の上から合板を直接貼りその裏面を天井仕上げとしている。この方法を採用することで通常の天井下地組み、下地の石膏ボード貼り、そして仕上げ工事をなくすことが出来た。

また、キッチンは大工さんの造作工事によってつくられている。引き出しなどの複雑な構造としなければこのような作り付け家具は大工さんの手によってつくることが可能である。そして、当然ながら大工さんに依頼したほうが家具屋さんよりもコストを抑えることが出来る。
床に使用した赤松のフロアリングは材木屋さんの勧めで通常よりも安く仕入れることが出来る赤松を利用している。このように問屋さんから入るその時々のお買い得情報を利用することもお勧めである。物の値段がその時々に変化するというのは、すでに皆さんも御承知だろう。定価の在るメーカー品でさえも、そのときの景気などによって簡単に価格が変わる。

ひとつのものにこだわるのでなく、住宅に対して求める魅力を作り出してくれる材料を賢く探す、これがコストを抑えるコツである。キッチンやユニットバスなどの設備器具に大枚をはたいてそのときだけの満足感を得ることなどまさに「もったいない」。15年程度で入れ替えを行う設備器具のようなものはシンプルで安価なものを採用し、永遠に続く住宅本体にこそ時間とともにその良さを増すような良い材料を吟味して利用したいものである。

20211117.jpg

日本経済新聞社さん取材。

2021/11/15

午後、日本経済新聞社さん取材。暮らしの中に溶け込む茶室を取材しているということで、僕が普段どんなふうに茶室を使っているかの取材をしていただいた。茶道の教授者でもない僕としては、日曜日などの時間がある時に炭で湯を沸かしそれを待つ間に溜まっていた本を読んだりの自由な時間を過ごすこと、これがほぼ全てである。炭で湯を沸かす行為は焚き火に似ている。キャンプ場で焚き火をしている時日本を読むとまるで一つ一つの文字が自分の体の中に流れ込んできるような感覚を覚えるものだが、炭のパチパチと弾ける音を聞きながら読む本もまた同じような感覚になるから不思議だ。湯が沸くまでは約1時間ほど、釜で沸かしたお湯で抹茶を点て一服いただくとほんとうにおいしいものだ。せっかく湯が沸いているのだからと妻がお稽古を始めることもあるが、それもまた一興である。茶室のような場所は時間の流れるスピードを少々遅くしてくれるギアのような役割を持つ。そしてそれは多くの現代人に必要なものであると思うのである。

IMG_6344.jpg

川口市産品フェアの技能フェスタの会場にて

2021/11/14

今日は朝から川口市産品フェアの技能フェスタの会場にて、木育のイベントに参画した。対象は小学生の子供たちである。木を使ったワークショップを行いながら、木育について学んでもらう機会を作ろうということで、ますいいの伊藤真理子を中心になんとオリジナルの紙芝居を作成して読み聞かせをすることに。この紙芝居、後日正式に出版されることが決定したので出来上がったらまたご紹介したい。ちなみに写真に映る紙芝居小屋は実際に作る予定のお寺さんの塀の実物模型を、ますいいの大工さんたちの手で作成したもの。こちらもなかなかの見応えであった。

IMG_6329.jpg

住宅の部材の中で好きな色はと聞かれて

2021/11/12

住宅の部材の中で好きな色はと聞かれて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
先日ある講演会で街の中の好きな色をたずねられた。久しく国際的に利用されているマンセルの色見本の中から選ぶという話だったが、好きな色を見本帳から選び出す感覚には小小疑問を感じた。肌触り、素材感、暖かさなどの様々な条件によって好きな色は決まるのではないか、の疑問を感じたのである。この疑問に対して講師は町の色を探る遠景の議論では住宅の素材を探る近景の場合のように肌触りなどは含まれない、あくまで数値的な色の感覚であるとの答えを返した。

住宅の中にある色、それはまさに素材感である。
浜田山の家では床に赤みのある杉を使用した。この無垢の木は時間とともに更に赤みを増し、なんともいえない風合いを醸し出すだろう。天井に見える松の梁、階段の板、それぞれの素材が変化した結果、それが味わいとなるのである。木の色は出来ればペンキの色ではなく経年変化を楽しみたい。放っておくと腐ってしまう外部については適切な処理を施すことが必要だが、すくなくとも家の中の木の色は好きな素材の色であって欲しいと思う。
キッチンの面材に利用したモルタル仕上げもその自然な風合いが木の内装とよくマッチしている。
壁の白は出来ればビニルクロスやペンキではなく漆喰の白であって欲しいということから石灰クリームを採用した。その違いは触ってみれば一目瞭然であり、また調湿作用などの性能によって、快適性も大きく異なる。特に近年の気密化した住宅においては居心地の違いは顕著であるのだ。

情報化社会であるので様々な素材のサンプルや見本帳を世界中から取り寄せることが可能である。イタリアの石、ベネチアンスタッコ、自然風塗料、古びた風合いのレンガ、私たちが見たこともないような情報までもがクライアントによって提供されることもあるのが実態だ。しかしちょっと冷静になってほしい。ショールームをつくるわけではないのである。あくまであなた自身が居心地の良い空間が出来れば、それが一番良いのだ。

20211112.jpg

埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打合せ。

2021/11/10

午後、埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打合せ。この住宅は奥に長い約100坪ほどの敷地に計画している。南側を長辺方向の隣地に持つため、隣地側から光がふんだんに取り込めるがもしもその隣地に建物が建って日陰ができた時の対策も必要な敷地だ。今日は前回に引き続き、南面した大きな中庭を中心にプランを配置した家と、南西に大きな軒下空間を作りそこにリビングを配置した家の二つのパターンでご提案した。今日のご提案は約60坪ほどの床面積である。床面積は大抵の場合そのままコストに反映してしまう。少々大きくなってしまったので次回は50坪強に抑えてみようと思う。

夕方、新入社員面接。今日はなかなか頼もしい経験者の新人が来てくれた。良い建築を作りたいという同じ志を持つ仲間が増えるのはいいことだ。一緒に働くのが楽しみである。

基本設計中の川口グリンセンター内

2021/11/08

今日は現在、埼玉県川口市にて基本設計中の川口グリンセンター内にあるシャトー赤柴という大集会堂の防災に関するミーティングを行った。
川口市には荒川というとても大きな川がある。一昨年の台風13号の時にはこの河川にかかる京浜東北線の鉄橋のすぐ下まで水位が上がるというこれまでにみたこともないような状態になった。荒川に流入する水の量を抑えるために、そして荒川の水位が上昇したために支流では水があふれる箇所も多くあった。荒川はスパー堤防で守られているが、もしも決壊すれば大災害が起こる。そして僕も含めて川口市民の半数以上はそういうエリアに住んでいる。この人々が一斉に避難する事態が起きれば、・・・。

防災は何を想定するかによって対応が変わる。僕たち関係者はどこまで災害発生時の当事者として真剣に準備をする人間になれるか、その本気さを試されているような気がした。

20211108.jpg

11月初めの日曜日の朝、我が家の茶室の炉開を行なった。

2021/11/07

11月初めの日曜日の朝、我が家の茶室の炉開を行なった。11月というのは茶道にとっては特別な月、ここから一年が始まるお正月のような月である。ということでちょっと丁寧に初炭手前からやってみる。湯が沸くまでの時間は、溜まっている本を読んで待つ。窓際の書院は山桜の木で作った大工さんの手作りである。40分くらいすると釜の水が段々と温められ湯気が上り始める。茶室も仄かに暖かくなる。お菓子と抹茶の準備もできたので、2世帯住宅で一緒に暮らしている母にも声をかけての小さな茶会の始まりである。

自宅に茶室がある意味は、暮らしの中に文化がどう溶け込むかではなく、日常の中にある市井の山居の中で自分が何を感じどのような状態になることができるかである。毎日の喧騒に中に身を置いていると段々と自分の体から何かが溶け出していってしまうような感覚に気がつくことがあるのだけれど、きっと僕以外の人も同じような感覚があると思う。僕は自然の中が好きだから、例えばカヤックをしながら川の流れを見ている時とか、雄大な山の景色を見ながら歩いているときにとても有意義に自分をリセットすることができるのだけれど、そいうことが、埼玉県川口市の自宅にいながらにして可能な環境を作れてしまうことが、自宅の茶室の意味なのではないかなあと思うのである。
自宅にあるMギャラリーでは絵本の読み方講座を開催していたので、そちらの方々にもお声をかけて薄茶を一服差し上げた。お客様からは非日常的な体験をできましたのお礼であった。

IMG_6319.jpg

古民家の雨樋の手直し工事のご相談に出かけた。

2021/11/06

今日は埼玉県川口市にある古民家の雨樋の手直し工事のご相談に出かけた。まさに古民家と言える様相の建物の屋根は、茅葺き屋根を銅板で包み込んだ立派なものである。その屋根についている雨樋は同じく銅でできており、その色は緑青が吹いてちょうど良い色に染まっている。銅という素材は初めはピカピカの十円玉のような色から渋い緑色に変化するとても面白い特性を持っているのだ。その雨樋、所々ハンダ溶接が取れてしまっている部分が見受けられる。長年の酸性雨の影響でどうしても傷んでしまうのだ。今回は全部取り替えるのではなくどうしても剥がれてしまっているところだけを取り外し、彩度磨いてハンダ付けするという計画を立てた。やるのはますいいの板金屋さんの山内さんだ。銅板のハンダ付補修などはやったことはないけれど、師匠のそのまた師匠を連れてきてやり方を考えてくれた。年は僕より少々下の40代、まさにこれからという職人さんである。やる気があるならやって欲しいの言葉に答えてくれたことに心より感謝したいと思う。こういう気持ちと行動こそがまさものづくりの精神だと思うのである。

埼玉県さいたま市にて設計中のリフォーム打ち合わせ。

2021/11/05

午前中、埼玉県さいたま市にて設計中のリフォーム打ち合わせ。このプロジェクトはお父さんが一人で暮らす木造住宅に、お子様家族が同居するという形での2世帯住宅を造るためのリフォームである。玄関とキッチンなどの水回りは共有する計画だからこれらに新たに面積を取られることもなく、広々とした既存住宅を生かしながらのリフォーム計画をたてることができる。一部に在宅ワークを行うことができる増築も行う予定だ。これからいよいよ方針も決まり本格的な打ち合わせに入る。どのように進めて行くかとても楽しみな現場である。

夕方、埼玉県さいたま市にてご自宅の中に能の舞台を作りたいというリフォームのご相談。能・・・、これは僕にとって初めての分野である。大江宏氏の設計した国立能楽堂は行ったことがあるけれど、この能楽堂の床板には厚さが45ミリ、幅が30センチほどある立派な尾州檜が使用されているのは有名な話だ。今回のお話は自宅の稽古場である。この舞台にどれくらいの板を使うか、これはちょっと研究をしてみよう。

夜、早稲田大学渡辺研究室訪問。研究室にてゼミ生も交えていつくかのプロジェクトについて打ち合わせ。終了後はそばを食しながら楽しい時を過ごすことができた。

リフォームにあたって

2021/11/04

リフォームにあたって何から何まで新しい建材で覆ってしまう様子を見かけることがあるが、それはとてももったいない行為であると思う。僕たちは古いものに「味」とか「侘びさび」というような感覚を感じる。古民家などを見た時、はたまた古いカフェに入ったときに感じる魅力がそれである。なのに、いざリフォームをするとなると、急に新築にそっくりにするなどと言い出して、すべてを新しいもので覆い隠してしまうというのは、いかにも安易な行為であると思うのである。

現場を見ていて、無垢材の古い材料を見つけた時はできるだけ現しにすることを考えてみるようにしている。それが設計段階でも、たとえ工事中であっても同じである。例えば天井をはがしてみたら屋根裏の丸太の木組みが現れたとしよう。プレカットが普及して、丸太など使わなくなってしまった現代において、丸太の小屋組みなどはなかなかお目にかかれない代物である。それを見た瞬間、天井を屋根のすぐ裏にはって、小屋組みを表しにすることでリビング空間の縦の広がりを創造し、新たな魅力を生み出すという設計変更をしてみようというアイデアを浮かべるような自由がリフォームの醍醐味なのである。

IMG_2430.JPG

文化の日の今日は埼玉県から長野県までの旅をした。

2021/11/03

文化の日の今日は埼玉県から長野県までの旅をした。目的地は入笠山。この山は標高1955mの低山でこの時期ならまだ雪もないし、多くの人がハイキングを安心して楽しむことができる。この山の周辺には僕が通っていた早稲田中学高等学校のすずらん寮という施設があったことから、たとえば林間学校や受験前の勉強合宿、山岳部時代には冬山の練習合宿をやったりという具合にとても思い出深い場所でもある。今日は妻と二人の娘と一緒に軽いトレッキングをやりにきた。

とても幸運なことに山頂からは、360度の大パノラマであった。特に綺麗なのがこの山に最も近い八ヶ岳だ。横岳・阿弥陀・赤岳・・・なんともいえないご馳走であった。

今日の宿泊はジョバンニの小屋。なんともロマンチックな名前である。アウトドア好きのご夫婦とチョッパーという逞しい犬が明るく迎えてくれた。なんでも4代にわたり受け継がれてきたペンションとのことだ。建築は角ログのしっかりとした作りで築50年にふさわしい風格がある。古い建築が受け継がれているとても心地よい事例だ。写真の客室はこじんまりとしているがとても優しい空間であった。

IMG_6307.jpg

IMG_6311.jpg

埼玉県建築士事務所協会の理事としての沿道耐震事業に参加。

2021/10/29

午前中、埼玉県建築士事務所協会の理事としての沿道耐震事業に参加。この事業は緊急時の輸送道路に面して建っている昭和56年以前に設計をされた建物の所有者に耐震診断を受けたことがありますか?などのアンケートを実施し、その実態と意識調査を行うものである。アンケート調査をしていると、本当にいろいろな人がいるもので、協力的な方もいればそうでない方もいてなかなか人生の勉強になる。建築というのはもちろん個人の所有物であるのだけれど、その場に建っていること自体で社会の一部になるというものでもある。大きな道路に面していれば、それがもし倒壊した時に他の人の命の救助の妨げになったりなどの可能性もあるわけなので、やはり所有者は社会的責任を感じなければいけない面もあるのだと思う。

以前赤と白のシマシマのデザインの住宅が社会問題になったことがあった。個人の所有物とはいえ外部のどこからでも見える、というよりその建築デザインの集合体によって街並みが形成される以上は、建築はそのデザインまでもが地域の資産であると言えるのだ。

午後、スタッフ全員が集まっての全体会議・研修会。この研修会も月に1回開催しているのでだいぶ定着してきたようだ。細かい技術研修というよりも建築を好きになり、より良い建築のデザインを行うことができるような思考の積み重ねになるような研修を行なっている。
「常に信義を重んじ、誠実な建築家・現場監督としての良識を持ち、住宅を中心とする建築設計・施工を通じて広く社会に貢献する」
この理念に少しでも近づけたのではないかと思う。

20211029.jpg

埼玉県さいたま市にて設計中の茶室のある住宅

2021/10/28

埼玉県さいたま市にて設計中の茶室のある住宅、外観デザインスタディー。設計を進めるにあたり、屋根勾配を3寸にしたりの微変更をしてきたので、新しい模型を作ってみてその形を確認してみた。若干の勾配の変化なのだけれど、建物の外観の印象はだいぶシャープなデザインになったように思える。破風板にはガルバリウム鋼板をまく設計だったのだけれど、木製にした方がやはり印象が優しくなるような気がするので試しに木にしてみたがやはりこの方が良さそうだ。建物の内部に関してはこれまでかなり細かい部分まで茶道の動きとともに検討を重ねてきたのでこれでいよいよ工事に移ることができる。

20211028.jpg

一生に一度の家族のための一大事である住宅。

2021/10/25

一生に一度の家族のための一大事である住宅。
しっかりとした構造のもと、安心して風雪、地震から守られて暮らしたいと誰もが思うはずである。
時とともに味わいが生まれ、柱に付いた古い傷を見るたびに家族の成長を思い出せる、そんな質感は大変魅力的だ。光や風の流れを感じて、ゆったりと暮らすことが出来るおおらかさは誰でも求めるものだろう。ささやかな自然を取り込み、家での暮らしにひろがりを与えてくれる庭との関係があればなお良い。暮らしの中の豊かな出来事を、しっかりとした構造の建築のなかで安心して体感できる、そんな住宅に住みたいと思う。
材料はローコストの要素に当てはまるものの中から、先のテーマに会うものを選び出して使用しよう。セルフビルドを取り入れ、コストのコントロールを行いながら、自然素材をふんだんに取り入れ、心地よい空間としよう。

これは、ある家作りを行うときにクライアントと一緒に作り上げたテーマである。

家作りのはじめには、まず「どのような家に住みたいかを自分の頭でイメージする」ことが大切だ。

世の中には様々な商品化されたパーケージ住宅が散在している。ヒノキ、防犯、収納量、構造、わかりやすいキーワードで飾られたそれらの住宅は一見住み心地の良い優れた商品に思えるが、敷地形状、法律、家族構成、予算、道路の状態など様々な条件に左右される建築というものは、展示場で見たものと同じ魅力を持つものがそう簡単に出来るわけがないのは明白だ。

大切なことは、そこで暮らすことになる自分自身がどのような環境の中で暮らしたいか、どのような風合いの中で暮らしたいか、そういうイメージを持つことだと思う。そして、そのイメージを建築として構成していくこと、これが建築家の役割である。建築家に提示するイメージは断片的なものでよい。暮らしの中の理想的なシーンを写真などで伝えることも有効だろう。それらの断片を、ひとつの立体に組み上げる作業こそ私たちのもっとも得意とするところであるからだ。

20211024.jpg

20211024-2.jpg

今日は栃木県の那須烏山市に久々のカヤックに来た。

2021/10/24

今日は栃木県の那須烏山市に久々のカヤックに来た。ここから流れる那珂川という川は、西に八溝山系を抱えるとても豊かな川である。夏には鮎釣りが有名で、秋には鮭も遡上する。まだ紅葉にはちょっと早いけれど、夏の暑さが和らぎ水も澄んでいるまさに絶好の条件であった。僕はだいたい那須烏山駅からちょっと下ったところにあるベースから約15キロくらい下ることが多い。終わりは大瀬というやながある場所の少々先で、大瀬はその名の通り大きな瀬、なかなかスリルのある場所だ。今日は水量が少ないのでそれほどでもなかったけれど、大雨の後などは顔まで被るくらいの波が立っているので面白い。終了後、ベースに作られた野外サウナでのんびり過ごす。最高のアウトドア日和であった。

IMG_5177.JPG

下の写真は茂木製作所のボイラーである。この製品は一度火をつけると竹を燃料に湯を沸かすことができる優れものだ。竹はご存知の通り1年で高くそびえ立つ植物である。木のようにゆっくりの成長するのではなく、一晩で1mのびる時期もある。その竹を燃やして湯を沸かすなんともエコなボイラーなのだ。僕が通っているベースではこうして沸かした湯をためた五右衛門風呂に入ることができる。これがまた気持ちが良いのである。

IMG_5996.jpg

晩御飯の買い物に出かけて、どの食品を購入しようか迷っているとき

2021/10/21

晩御飯の買い物に出かけて、どの食品を購入しようか迷っているとき、その素材の鮮度や値段、産地など様々な情報を天秤に欠け、お財布の中身と相談して、購入する食品を決める、これは毎日普通に誰もが行っていることだと思う。

しかし家を建てるとなるとちょっと事情は違ってくるようである。「坪○○万円~」という値段があたかも住宅を坪によって構成される完成された商品のように感じさせ、購入する側もそれを疑わない。本当は一つ一つの部材の組み合わせによって作り上げるものなのに、何がどうなっているのか皆目わからないままに購入してしまう。でもちょっと考えてみて欲しい。家作りというものはそれほど難しいものではない。地盤を固め、基礎を作り、柱を立てて、屋根を掛ける。窓を付け、外壁を作り、内装工事をしたら、設備器具を取り付け、ほぼ完成だ。ひとつの家を作るのにかかわる職種がだいたい20職種くらいだろう。そしてそれぞれの職人さんが作り上げる材料の一つ一つをばらばらに書き出してもA4用紙30枚程度で全て書き出すことが出来るのである。

たとえばヒノキの柱と杉の柱の値段がどれくらい違うのか。1本あたりの価格の差はせいぜい2000円程度である。30坪の住宅だと70本程の柱を使うことになるのでその差はせいぜい14万円だ。もちろん産地や等級によって値段は異なるが、「ヒノキの家」というパッケージを自分で作り出しても実は30坪の住宅で坪当たり5000円もかからないという事実がわかったとき、初めて自分自身の頭で採用するかどうかを決定することが出来るであろう。

買い物に付き合ってくれるシェフや料理人がいるとしよう。フレンチのシェフか中華の料理人かによって多少の意見の違いはあるだろう。得意とする分野も違う。でもプロとして材料を吟味し、安くておいしい献立を考えてくれる存在がいるとしたら大変助かる。私はそういう細かい比較検討を行ううえで、プロの技術者としての客観的な意見と建築家としての広い視野を持って、家についてクライアントと一緒に考えてくれる存在が建築家であると考える。フレンチと中華が違うように建築家にも様々な方がいる。それはその方のこれまで作った作品を見て判断してみて欲しい。

20211021.jpg

昨日とても悲しい知らせがあった。

2021/10/20

○昨日とても悲しい知らせがあった。僕が川口市立前川東小学校という小学校の5年生から6年生の間同じクラスだった友人の奥様が亡くなったというのだ。まだ47歳、僕と同じ年齢だけに本当に悔やまれる死である。今日はそのお通夜、僕は受付のお手伝いをさせていただいた。お子さんは大学一年生の女の子が一人、通夜の席では友人のTとともに笑顔で過ごしていた。きっと今日は泣かないで過ごすと決めていたのであろう。お母さんの死は何よりも辛いことだと思う。それなのに笑顔で過ごすなんて僕にはできるかどうかわからない。とても強い、そして綺麗な心を持っていないとそういうことは実際に行うことはできないと思うのである。

お通夜が終わり人がいなくなった頃、お清めに友人たちと酒を飲んでいると、友人のTもやってきてくれた。僕たちは皆明るく時を過ごした。亡くなった奥様もきっとそれを望んでいるとおもったし、もしも一人が泣き出したら絶対にみんなが泣き出してしまうだろうというような気もしていた。人の人生なんていつ何が起こるかわからない、そんなことを強く感じた1日だった。

「今を生きる」という映画を思い出した。この映画は僕が高校生の時に担任の英語の先生が授業で見せてくれたものだ。主演はロビン・ウィリアムス、1989年ごろの映画である。この映画を紹介してくれた先生は奥様を御巣鷹山の日航ジャンボ機の事故で亡くされた。奥様はこの機のキャビンアテンダントだった。Tにもそのお嬢さんにもこれから先を明るく強く生きてほしいと思う。そして僕もなんとなくそんなことを考えた1日だった。

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。

2021/10/19

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。よく坪○○万円という呼び方をするが、あれほどいい加減な値段の表示方法はない。確かに理解することは簡単になる。しかし、価格がきまる過程を見えにくくし、価格のブラックボックスを作ってしまっている。昔の家作りでは、クライアントがある程度の知識を持っていた。間取りはその地方ごとに決まった様式というものが存在し、それを自分の土地にあうようにちょっとアレンジするだけで簡単につくることができた。大工は徒弟制度の中で身に着けた能力を持ち、図面化しなくてもその間取り図だけで材料を発注し、家を創り上げることができたのである。しかし、ハウスメーカーや建売の坪いくらという表示になれてしまった現代人は、まるで車を買うように家を考えることが一般的になってしまっている。

船橋の家では、160ミリ角の大黒柱をたてた。材質は杉、節はない。長さは4500ミリ。さてこの柱一体いくらだろうか?

この柱、実は50000円で買えた。丸太を天然で乾燥させ、更に乾燥機にかけたものを製材し、プレーナーという機械で仕上げる。断面寸法は170ミリ。長さは4.5メートルの柱が50000円で手に入るにはわけがある。普通に街の材木屋さんに探しに言った場合は、材木屋さんの営業マンがまず問屋さんに行く。問屋さんでは付き合いのある製材所やメーカーに問い合わせ、こちらの指定した寸法の材木を探す。しかも埼玉県の場合はそれほど有名な産地が無い。大手材木問屋はたいていの場合このような注文に対し、木曽ヒノキや東北の杉を勧めてくる。たまたまあったものを仕入れ、材木屋さんに卸す。それを購入するわけだが、この重層構造に頼って物を仕入れるとどうしても高くなってしまう。

日本の家は高すぎる。少しでも質の高いローコスト住宅を作ろうと考えルナらば、まずは素材を吟味することから始めなければいけないと思うのである。

20211019.jpg

造ってみたい住宅がある。

2021/10/18

造ってみたい住宅がある。この図面は今から5年ほど前に埼玉県の久喜市に土地を購入した方のために考えたプランだ。プライバシーを守られた中庭空間に大きく開くプランで、家のどこにいても視線を交わすことができる。光を取り込む側の棟は低く抑えることで、東側の光をふんだんに取り入れる工夫をしている。色々と考えたけれど残念ながら建たなかった建築たちの中で、なかなか忘れることができないものがたまにある。この住宅はその中の大切な一つであるのだ。

20211013.jpg

お菓子屋さんをやりたいという女性からのご相談を受けた。

2021/10/16

今日は埼玉県羽生市にて小さな住宅を造って、お菓子屋さんをやりたいという女性からのご相談を受けた。小さな小屋のような住宅、約20坪ほどの面積に中に小さなお店と一人が暮らすスペースがある。平家で一部がロフトになっていて、そこに収納やちょっとした隠れ家的なスペースが作られている。扉を開けるとすぐにキッチンやダイニングがあって、奥の方に軽く仕切られた寝室スペースがある。まさに小屋の家を作りたいというご要望であった。

小屋のような家とはなんだろうか。小屋というとやはり都会の中に一軒家というよりは周りに広々とした土地が広がっているイメージがある。広さは必要最低限、とてもシンプルな暮らしが営まれるだろう。いわゆるNーLDKの間取りではなく、ワンルーム型のプランニングにしたいところだ。素材は木をふんだんに使用したい。構造の柱や梁も現しとして、木組みの魅力が感じられる内装のデザインがふさわしいと思う。人が暮らすために本当に必要な建築とはを考えたときに出てくる答え、それが小屋であるような気がするのである。

9坪ハウスという最小限住宅がある。

2021/10/15

9坪ハウスという最小限住宅がある。この住宅は増沢洵という建築家によるもので、建坪は、三間×三間=九坪、1階九坪+2階六坪=一五坪という総床面積である。きれいに六分割された立面。南側の大きな開口とスノコのテラスが特徴的だ。吹抜けが居間になっており、その奥が寝室、二階が書斎と家事室となる。細かいディテールは設けず、構造がそのまま表現になっているシンプルな家だ。規模は小さいが、とるべきところは思い切って空間を確保し、小ささを感じさせない。この住宅は戦後日本において物資が不足している時代に作られた実験住宅である。

320.jpg
9坪ハウスプラン

下の写真はますいいで10年ほど前に造った9坪ハウスである。クライアントはとある大手ハウスメーカーの方だ。玄関もないこの住宅は家に入るとすでにリビングにいるという状態である。正方形平面の中に家具作りのように寸法を無駄にせずに収められているプランニングは、まさに増沢洵氏の最上現住宅と同じである。原油高、資源の高騰、環境負荷を考えるとこうした小さな家はとても理想的な答えのように思える。もちろん全ての人に当てはまる答えではないけれど、こういう最小限の空間で好きなことを仕事にしながら自然と共に暮らす、そんなライフスタイルがあっても良いのではないだろうかと思うのだ。

20211015.jpg

第2回目となる街並み環境整備事業のワークショップを行った。

2021/10/11

今日は16時より第2回目となる街並み環境整備事業のワークショップを行った。あいにく衆議院選挙の会合が重なってしまったようで、何人かの参加者が欠席となってしまったのだけれど、まあ仕方がない。本日はまず初めに対象となる本町1丁目を中心とする街歩きをしたかのような気分になっていただくための映像を見ていただだいた。続いて川口市の本町にある面白くなりそうなスポットと谷中、千駄木、北千住のすでにさまざまな形や用途にリノベーションされている事例を比較説明するというレクチャーである。さまざまな事例を見ていただいた後で川口市の本町にある古い建物に対してどのようにリノベーションなどを行ったら良いかの話し合いを行うワークショップを開催。大変多くのご意見をいただくことができたようで何よりであった。

こういう街づくり活動をしていると、何を今更やっているの?というような声を聞くことがある。俺も昔はやっていたよという声もよく聞く。これらは皆当たり前のことだと思う。だってそういう人たちが言っている昔というのは、今からおそらく30年ほど前のことであって、つまりはそういう人たちが僕と同じ40代のおじさんであり、街のことを考えざるを得ない、つまりは自分たちの子供たちがこの町でこれから先も幸せに暮らしていくことができるようにという願いを持って生きざるを得ない世代の時に、本業とは関係ないかもしれないけれど自分の時間を使って地域のために動いていた、そんな思い出を話していただいているのだから、本当に当たり前のことだと思うのである。僕はまさにそういう思いでこの活動をしている。参加してくれている他の人たちもきっとそうだろう。皆それぞれ自分の本業がある。僕は建築だが、神社さんもいれば、お寺さんもいる。不動産屋さんもいるし、酒屋さんもいる。芸大の歴史の教授だっているし、都市計画家もいる。鋳物屋さんも、議員さんも、学童保育もいる。こういうみんなが地域を思うことがまずは何よりも大切なことだと思うのである。まちづくりに早いも遅いもない。だってこれからもこの町で僕たちは生きていくのだ。その街をよくすることはいつもやらなければいけないことに決まっているのだ。

IMG_6238.jpg

今日は栃木県にある那須岳登山。

2021/10/10

今日は栃木県にある那須岳登山。朝4時過ぎに家を出て、那須ロープウェーの駅まで約3時間のドライブである。ロープウェーで山頂駅に行くとすでにたくさんの登山客が歩き始めている。簡単にも乗れる山だからスニーカーのいかにも観光客のひともいれば、茶臼岳だけではなくそのさきの朝日岳や三本槍へも足を伸ばそうという本格的な登山者までいろいろな人がいる。標高は2000m弱、それなりの高度なので風やガスの様相は本格的な山らしさをもっている。登り始めて40分ほどで山頂に着く。山の周辺は雲海ができていてとても良い眺めだ。青空とのコントラストが美しい。気温も高く風もそれほど吹いていない。まさにハイキング日和である。

20211010.jpg

山頂で少し休んでそのまま朝日岳に向かう。こちらは1時間半ほどのハイキング、簡単な岩場があったりのちょっとだけ山っぽい雰囲気になってきて面白い。こちらまで来る観光客はいないらしく、ほとんどの人は登山靴を履いている。観光地と山の境目、なんだか面白いエリアだ。稜線を歩いていると東側と西側で風の温度が全然違う。東の生暖かい風を感じていると、なんだか天気が荒れてくるなの予感がする。三本槍まではさらに1時間半ほどの山行だ。往復を考えると今日はやめておいた方が良さそうだ。そこで、茶臼岳を回り込み瓢箪池まで往復してロープウェーで下るというルートを取ることにした。そのまま帰るのもなんとなく寂しいし、三本槍まで行くのはちょっと心配というなかでの妥協のルートである。最後の30分ほどはやはり予想通りの悪天候となる。ガスで10m程先までしか視界がきかないけれど、まあこの山道であれば問題はない。少々濡れてしまったが無事下山。今年2回目の登山、山岳部時代に山を歩いている時とは全く違う、足が別の生き物のように重い感じがするのは歳のせいだろう。でもなんとなく先週行った1回目よりは足が地面をつかめている感じがした。やっぱり山は良い。自然との一体感、それが一番の楽しみなのである。

20211010−2.jpg

中之条ビエンナーレ2021がいよいよ開始されることとなった。

2021/10/09

コロナもおさまってきたところで中之条ビエンナーレ2021がいよいよ開始されることとなった。会場は群馬県吾妻郡中之条町 町内5エリアである。会期は10月15日から11月14日まで。ますいいでは高崎分室の柳澤と滝本が二人でエントリーをしている。もともとこの街は柳澤の生まれ故郷、故郷でのイベントにいつかは出店したいと思っていた夢がついに叶ったということだ。二人の情熱がこもった、古い住宅を解体してスケルトンにした建築空間の作品を展示しているのでぜひご覧いただきたい。

20211009.JPG

20211009−2.JPG

増井真也 日記アーカイブ