増井真也 日記 blog

そもそも山は動物たちの住む世界なのである

2022/07/31

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は仲間と一緒に福島県の吾妻山系にある一切経山へ。この山はまさに活火山で福島県西部から一部は山形県南部にかけて、東西およそ20キロメートル、南北およそ10キロメートルにわたって標高2,000メートル級の火山が連なる山脈の一部となる。一切経山は今でも火山ガスが噴出しており、つい最近までは立ち入りを禁止されている登山道もあった。今でも硫黄の匂いが漂っていて、浄土平からの風景はなんだか黄泉の国のような独特な雰囲気がある。山系にはコバルトブルーに輝く小さな沼が点在してい流。登山道には新しい熊のふんもあって、流石に東北の山という奥深さを感じた。
山を歩いていると、頭の中が山のことしか考えられなくなる。それなりに危険も伴うわけだから、天候のことや道を間違えていないかどうか、熊などの野生動物との遭遇、そして自分自身の体調等を考えながら、一歩一歩高みを目指す行為は僕の性格にとても合っている。イライラしている熊さんには会いたくないけれど、僕が中学生の時に北海度の大雪山で出会ったヒグマは僕たちのことなど気にするでもなくひたすら何かを食べているだけ、50mくらいの距離でクマを見ることができた僕たちはとても幸運な出来事としてそれを捉えていた。他にも猿やカモシカなどに出会うことも多い。そもそも山は動物たちの住む世界なのである。山には多くの植物もあって、それらをみているだけでも楽しいものだ。夏山では雷が最も気になるリスクである。上空の気温と800mエリアの気温の差が27度を超える時には、雷雨に巻き込まれる危険が高いから、12時以降の行動は避けたほうが良い。今日も昼までには浄土平に戻ってきた。

 

 

我が家は予約制のモデルハウス

2022/07/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都杉並区にて新築住宅を検討中のFさんが、埼玉県川口市にある我が家と埼玉県上尾市にに造ったHさんの家の2軒を見学するということでご案内をさせていただいた。

我が家は予約制のモデルハウスとして利用している。床の仕上げは群馬県中之条市の唐松である。この床板はとても気に入っている。僕がこの床に出会ったのは今から10年ほど前、栗材を探してあちらこちらの森林組合に電話をしていたときに、たまたま気のあった製材所に出向いてみて、栗はないけれど唐松のフロアリングならあるぞということで市場や材木屋さんを通さずに直接買い付けをすることになった次第である。(栗材については北海道の栗を丸太で買い付け、製材、乾燥して大工さんが加工して使用するという流れをこの後に作り上げた)唐松フロアリングは、杉よりも少々硬い。硬い分傷はつきにくく、でも針葉樹ならではのソフトな感触もあってちょうど良い。障子は東側の光を和らげてくれる。この窓の向こう側はファミリーマートの屋根だから滅多に開けることはないのだけれど、でもここはやっぱり窓で良かったと思っている。キッチンは壁向き、その向こうにある緑地帯を眺めることができる。タイルはセルフビルドでスタッフと貼った。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

社員がこの会社で働けて幸せだと本気で心の底から感じてくれるからこそ、皆が本気でお客様のために働くことができる

2022/07/29

僕はますいいリビングカンパニーという会社を大きな家族のような会社にしたいと思っている。設計業界は昔から徒弟制度のような業態で、いわゆるブラック企業というか、つまりは低賃金や長時間労働が当たり前の世界であったけれど、僕はそういう会社は作りたくない。僕にとって理想の会社とは、働いていて幸せに感じる会社である。会社にいて楽しいと感じる雰囲気があり(ニコニコ仕事をしようと呼びかけているし、ニコニコしている社員は給料を通常よりUPしている)、暖かい人間関係があり(助けを求めたり、新しいことに挑戦して失敗しても責められることがなかったりの社風は壁に貼り出している)、仕事にとてもやりがいを感じ(思わず子供や友達に自慢したくなるような仕事がいい)、健康であり続けられ(35歳以上の社員やその奥様には人間ドックを受けてもらっている)、休みをきちんと取れて(有給休暇の取得率70%を目指している)、余裕のある暮らしができる(給料は同業種・同一地域平均を超えるように)そんな会社である。自分自身が会社に大切にされていると感じずして、お客様のために本気で家を作ることなどできるはずは無い。社員がこの会社で働けて幸せだと本気で心の底から感じてくれるからこそ、皆が本気でお客様のために働くことができるのである。

今僕は障がい者の雇用を考えている。
だって「障がい者を生みたくて産んだ親はいないし、障がい者に生まれたくて生まれた人もいない」のである。会社は社会の公器である。だからこそ障がいのある人にも働く機会を提供し働く喜びを共に味わいたいと思っている。もしもこの文章を読んでくれた障がいのある方の中に興味がある人がいたら声をかけてほしい。ものづくりが好きな人なら大歓迎である。

お嬢さんのアトピーが改善されたという話を聞いて本当に作ってよかったと思った

2022/07/27

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
昨年埼玉県川口市にて造った戸建て住宅の現場では、ベニヤを一枚も使用しなかった。ベニヤを使わない理由は化学物質を最小限に抑えるため、だからもちろんビニルクロスもメラミンなどの化粧材も使わずに、内装漆喰はシーラーなしのプラスターの下塗りに漆喰仕上げの徹底ぶりである。キッチンだって、わざわざ家具屋さんにヒノキを使って接着剤最小限の注文で依頼した。断熱材も羊毛断熱材、ちょっと高いけど新築現場が臭くない、なんだかとても居心地が良い。

ベニヤを使わない、昔の大工さんならそれがどうしたの?という感じだろうが、ベニヤ板があることが当たり前の僕たち世代にとっては、なかなか大変な作業である。野地板、外壁モルタル下地合板、床下地合板といった部位に杉板を使用するのだが、非乾燥材ならまだしも床下地に使用する乾燥材の荒板など持っている材木屋さんはなかなかないのが実情だ。しばらく前に、米松などの輸入材をやめて構造材を国産材に切り替えたことでできた山とのつながり、もしもこれがなければ買うことすらできなかったかもしれない。ちなみに床板は杉の30mmを貼っている。軒天なども然り、当たり前のものを当たり前に使っているだけだけれど、なんだかとても懐かしい良さを感じる。

ある時、ふと栗を使いたくなった。栗の丸太はどこにあるのか?東北の岩手県にはまだたくさんの栗材があるらしい。ではそれをどこで買えるの?そしてどこで製材するの?寝かせるのは何年?製材ってどうやって目利きするの?誰に聞いたら良いかの暗中模索、でも困っている時は指導者が現れる、僕に丸太の目利きを仕込んでくれたのは地元の木風堂の親父さんである。そんなわけで最近は栗や桜、鬼胡桃の丸太を購入して製材所で製材し、1年間以上寝かせて造作材として使用するようにしている。うちの倉庫にはいつも100枚くらいの板がある、国産広葉樹の板を常にストック、これはとても大切にしていることだ。うちの大工さんはこの栗を使って建具の枠を作ったり、家具を作ったりの造作を楽しんでくれる。もっと難しい図面を描いてこい・・・、腕の良い大工はセリフまでかっこいい。

気をつけないと無くなってしまいそうな大切なものを、決して忘れないように大切にしたいと思う。僕たちはこの世代の責任世代である。もしも僕たちが亡くしてしまえば、子供たちの時代にそれは博物館の中のものになってしまう。

ベニヤのない家の建築後、52種類の空気環境測定の調査をしてみた。その結果検出されたのは、微量のアセトンとαピネン。微量のアセトンは配管工事の接着剤、ピネンは杉から放出する天然物質であった。引っ越しをしたらお嬢さんのアトピーが改善されたという話を聞いて本当に作ってよかったと思った。

人間は本能的に火に集まる生き物なのだ

2022/07/25

今日はダッチウェストジャパンの猿渡さんと初めてお会いした。現在作っているパッシブLCCMの「ますいいハウス」に設置する機種を選定するという目的と、代理店として薪ストーブの販売を行うという二つの目的のためである。

なぜ住宅にストーブを置くか?
住宅には重心があると良い。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れて生まれるひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。

ストーブを入れるかどうかは初めに決めた方が良い。ストーブにふさわしい場所を設計するにはやはり初めから決まっていた方がやりやすい。ストーブには薪ストーブとペレットストーブの2種類がある。薪が手に入るのであればもちろん薪ストーブの方が良いのだが、その入手が難しいなどの理由があればペレットでも同じような雰囲気は味わえる。僕はなるべく図面にストーブを描くようにしている。もちろん採用するかどうかはお客様次第、一人でも多くの方がこの楽しさを味わってくれればと思う。

青は空気、緑は水、黄色は電気、そして赤は人

2022/07/23

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県伊奈町にて進行中のTさんの家のリフォーム打ち合わせ。現場で急遽変更した小屋裏の表わし仕上げをどのように納めるかについて再度現場にて打ち合わせを行った。天井を剥がしてみると、塩ビのパイプが出てきた。排水か何かだろうと思い辿ってみると、どうやらバルコニーの雨水排水のようである。屋根がついているバルコニーなのでそれほどの水がここを流れることはないだろうが、でもとても重要な排水パイプなので無くすこともできそうにない。すでに梁の下端をかき込んで配管されているけれど、これを天井で隠れる隣のスパンに移動しようとすれば3640mm飛んでいる大きな梁のど真ん中に穴を開けなければならないこととなりそれはあり得ないなあと頭を悩ます。さてさてどうしたものか、こうなったらペンキで塗装してちょっとかわいい金物で固定し直し、衣装として表現してしまおうという結論に至った。

下はパリのポンピドゥーセンターの写真である。設備はカラーコードで示され、青は空気、緑は、黄色は電気、そして赤はを表わしている。設計者のレンゾ・ピアノは建築に必要な血流を全て表現することで、全てを覆い隠された美ではなく、機能自体そのものを表現したわけだ。天井裏の雨水配管・・・だいぶスケールは違うけれど隠すだけが答えではないのである。

職人さんにも喜ばれるような良い仕事はお客様にとっても必ず良い仕事

2022/07/19

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
先日、埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室にてなんとも奇跡的な出来事があった。Aさんの茶室は、ますいいの本間大工が造っている。本間大工は昔、自然素材を使用することで有名な某工務店で大工さんをしていたのだが、数年前よりますいいに参加してくれているとても腕の良い大工さんだ。
そのAさんの茶室の壁は、小沼さんという左官職人に塗ってもらう予定だ。小沼さんは名古屋の勇建工業の加村さんという左官屋さん出身の工務店の社長に紹介していただいた練馬の職人さんで、本当の漆喰を塗ることができる数少ない人物である。本当の漆喰・・・これにいついて話し始めるとまたすごく時間がかかってしまうのであるが、要するにメーカー品の商品ではなく、消石灰とわらスサ、そしてつのまた、貝灰といった昔ながらの原材料を混ぜ合わせ、漆喰として壁に塗ることができる状態に材料を作り上げることから始める本格的な職人さんと言うことである。
ある日、本間大工に「この茶室の漆喰は腕の良い大工さんに塗ってもらうんだよ」と言ったら、『そんなの俺の知り合いにいるのに」と言われたので「どこの人」と尋ねてみると、「練馬だ」と。もしかしてと思って「小沼さんってしってる?」と聞いてみたら「「え、小沼さんが塗るの?昔の馴染みでよく一緒に仕事したんだよ」の答えであった。聞くと約15年ぶりの再会であるそうだ。良い仕事には良い職人が集まってくる。そしてその人たちの世界はそれほど広くは無いと言うことが改めて感じられたのである。
ちょうど同じ時、今後ますいいで大工をやりたいという松本大工さんが現場見学に来た。松本大工さんはやはり若い頃、本間大工さんと同じ工務店で働いていたらしい。本間さん、小沼さん、松本さん、ますいいの現場での再会に笑顔で楽しそうな昔話をしている様子を見ていると、やっぱりこの仕事をしていてよかったなあの感であった。職人さんにも喜ばれるような良い仕事はお客様にとっても必ず良い仕事である。皆が笑顔で働ける、そんな良い家を造っているんだなあと心の中で涙を流したひとときであった。

人は火の周りに自然と集まるものだ

2022/07/18

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
オーレン小屋はとても居心地の良い小屋である。この日の気温は17度ほど、朝は肌寒い。標高が2000mほどだから平地よりも12度ほど低いのだ。薪ストーブが真ん中にあり、そこを囲むように座ることができるようになっている。この間取りは普通の住宅ではないなあと思うけれど、山小屋ならではの配置と言えるだろう。人は火の周りに自然と集まるものだ。この日の朝も、自然と数人の人がストーブの周りに座っていた。

今日は天狗岳を目指す。天狗岳は西と東の二つのピークがあるが、どちらも危険箇所はなくとても登りやすい山である。蓑冠山を越えると突然森林限界となり強い風に晒される。このエリアに来ると駒草を見ることができる。ロープで囲われた中にちょこんと植えられた駒草、そういえば早稲田中高時代の池田先生を思い出す。山岳部の顧問でもあった池田先生は、木曽駒ヶ岳の駒草を復活させるために毎年苗を育てては植えに登っていた。山の花の写真集まで発行するほどの花付きの先生だった。担当は数学、厳しいけれど筋の通った先生らしい先生だったことを記憶している。天狗岳の往復は約3時間ほどのコースである。風に吹かれながらも、たまに晴れるガスの隙間から見える景色を楽しみつつ山行を終えることができた。

まるでジブリの世界のような景色

2022/07/17

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日から二日間の連休である。世間では線状降水帯でひどい被害が出ているが、僕が登ろうとしている八ヶ岳は比較的穏やかな気候のようだから、出かけてみることにした。朝3時家を出発し中央自動車道を経て6時ごろ桜平駐車場に到着した。ここからオーレン小屋までは1時間30分ほどの距離である。さて、早速歩き始めようと靴を履いていると隣で妻がなんだか様子がおかしい。「私の靴は?」の質問にまさかと思い「まさか忘れたの』と聞くと「だって、玄関を見たらそこに靴がなかったから積んでくれたと思ってた」の返事。でも僕は妻の靴は触ってもいないのだ。玄関に無かったのではなく、見なかっただけなのである。仕方がないので、以前泊まったことがある原村にあるペンション、ジョバンニの小屋のご主人に電話をして聞いてみるとアルペンがすぐ近くにあるという。でも開店は10時、それまで待つのはいかにも勿体無い。もしかしてホームセンターがあるかもしれないと思い検索すると、すぐ近くにドンキホーテがあるではないか。行ってみるとそのまた隣になんと出来立てのホームセンター、そしてそこには2700円のトレっキングシューズが売られていたのであった。時間はまだ8時である。まだまだ挽回できそうな時間だ。早速桜平まで戻り車を止め、11時ごろにはオーレン小屋に着くことができた。流石にこの時間からの天狗岳往復は雷のリスクもありそうなので、より近くにある硫黄岳にアタックすることに。稜線まで出るもガスで視界無し。妻の疲労もだいぶ溜まっているようなので今日はここで諦めることにした。
北八ヶ岳は苔で有名である。ここは沢沿いの道なので、湿気も多く綺麗な苔の森が広がっている。まるでジブリの世界のような景色を楽しむことができるのでおすすめである。

経年美化したものの魅力はなるべく生かす

2022/07/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県伊奈町にて進行中のTさんの家のリフォーム現場管理。現場ではすでに解体工事が終了し、天井裏の小屋組がむき出しになっている。築年数が40年ほどの古い建物、どんな小屋組が出てくるのかと思ったら、とても大きな梁が組まれており、なかなかの魅力であった。こう言う小屋組が出てきたら隠してしまうのはもったいない。経年美化したものの魅力はなるべく生かすのがリフォームの良いところである。そして計画変更もリフォームの常、その時の状態に合わせて最適な解を求めていくことで、コストを抑え魅力的なデザインの住宅空間を生み出すことができる、だからこそ現場での判断が重要なのである。脚立に登り、小屋裏を覗きながらどうするかの算段をTさんと一緒に行うこと約1時間、方針を決めたところで事務所に戻った。

公共事業 グリンセンター大集会堂実施設計スタート

2022/07/15

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県川口市にて進行中の公共事業、グリンセンター大集会堂打ち合わせ。川口市の入札で正式に契約させていただくことができたので、基本設計に引き続いてのお仕事をさせていただくことになった。この仕事は、築50年の古い建物のリノベーションだ。50年前に川口市で開催された国体を観戦された当時皇太子であった上皇陛下がお泊まりになるために作られたという建築であり、これまでは結婚式場などに利用されてきた。それ以来、廃墟とまではいかないけれどほとんど利用されていなかった建築を取り壊すのではなく再生させ、公園利用者にとって魅力的な施設にするというのが目的である。
この設計は後輩の建築家佐藤研吾さん、構造家の名和研二さんと一緒にコラボで取り組んでおり、出来上がるのがとても楽しみなところである。今日は役所の方々とのキックオフミーティング、いよいよ本格的にスタートである。

午後、東京都豊島区にて新築住宅を検討中のWさんご夫妻打ち合わせ。なんでもお知り合いから土地を購入できるということで、その土地に新築住宅を作ろうという計画である。まずは土地の調査、そして良い家のご提案を進めていきたいと思う。

子どもたちが安心して暮らせる未来を今からでも作れるかもしれない

2022/07/14

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中は年に一回発行している「ますいい通信」の取材で、埼玉県上尾市にあるHさんの家に出かけた。チルチンびとにも紹介されているHさんの家はとても健康に配慮した住宅だ。その取り組みの一つを紹介すると、例えばベニヤ板を一枚も使わないで作っている。構造材は全て国産の檜と杉である。その他の下地材も全て国産の材料だ。建具枠などには国産広葉樹を使用した。国産広葉樹というととても高級な素材のように聞こえるが、ますいいでは毎年二十本ほどの、栗、山桜、鬼胡桃といった丸太を購入し、製材して1年ほど乾燥させた材料を常に400枚ほど確保しているので、中国産の安い造作材と同じくらいの値段で手に入れることができるのだ。つまり国産広葉樹の高いイメージは、ブランド化された新木場などでの値段の高さであり、山での価格はそうでもないと言うことなのである。

そもそもこう言う家づくりをしようと考えたきっかけは、子どもたちが安心して暮らせる未来を今からでも作れるかもしれない、そんな思いであった。親から子へ受けつぐことのできる大切なものとして家を造るからこそ、愛着がわき体にやさしく、そしていつの時代にも変わらぬメンテナンスのできる健康・自然素材を利用していきたいと考えているのだ。

■ 地産地消の考えで地域の自然素材を活用
奈良県の吉野で採れる檜や杉材などの国産材を使用
■ 人に優しい住宅を作る
気密層の内側には合板、ビニルクロス、新建材などは極力使わない。
■建築を省エネ化し環境に配慮する
建築の構造や素材を上手く組み合わせることで温熱環境性能の向上を行う、パッシブ LCCM の住宅を目指す。
こうした家づくりを今後も続けていきたいと考えている。

午後、東京都中野区にてリフォームを検討中のIさんご家族打ち合わせ。一つの家に八人が集まって暮らすことになったと言うことでのリフォームである。集まって住む、それはとても良いことだ。でもやわらかく区切られた程よい距離感がないと、どうしてもうまくいかないことも出てきてしまう。そこをどううまく解くか、よく考えて提案していきたいと思う。

何十年の月日を経て得た経年美化

2022/07/06

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県川口市にて秋からの着工を予定している古民家再生工事についての打ち合わせを行った。古民家の再生というのは、築年数が100年近い民家に関して、構造や設備などの状態を調査し、これから先もしっかりと住み続けることができるように補強・改修工事を行うことを言う。表面的なお色直しではなく、基礎・土台・柱・梁の骨組みから、設備器具や配線配管の一新までを行うため、出来上がりはほぼ新築と変わらない。しかしながら、何十年の月日を経て得た経年美化は新築住宅にまでのできるものではなく、古民家だからこその魅力と言えるだろう。古いものが価値を持つ、そんな時代がこの国にも来れば良いと思う。

8畳広間の竿縁天井

2022/07/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
朝一番より埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室現場管理。茶室の大工工事も段々と進んできた。写真は8畳広間の竿縁天井の様子である。この天井に使われているのは八溝杉の無垢材だ。決して高級な材料ではなく、製材所が丁寧に轢いてくれた普通の造作材のうち節がない部分を大工さんがより分けて加工したものである。今時無垢材の無節の天井なんて高級すぎてできるはずがないと言われそうな仕事だけれど、山と直接お付き合いをして材料を仕入れ、大工さんが適材適所使い分けることでこういうことも可能になるということで皆様にもご紹介したい。

家族で助け合って幸せに暮らすことができる家と家の関係性

2022/07/02

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都杉並区にて新築住宅を検討中のHさん打ち合わせ。ご実家の一部にある古い住宅を取り壊し、そこに一人で暮らすための小住宅を建設するという計画である。これまで暮らしてきた母屋にはご兄弟のご家族が住むという。このような「集まって暮らす」形態は震災以降とても増えたように思う。核家族化が進み一度バラバラになったこの国の家族の在り方が、少しずつ見直されていたということなのだろう。家族で助け合って幸せに暮らすことができる家と家の関係性をしっかりとでデザインすること、これはこれからの住宅の設計者にとって大きなテーマだと思う。じっくりと取り組んでいきたいと思っている。

危ない新耐震基準建物

2022/06/28

今日は川口市で大工さんをしている金井さんと一緒に建築士事務所協会の耐震診断に関する講習会を開催した。前にもご紹介したことはあるけれど、金井さんは浦和高校卒、大卒の一級建築士の大工さんで僕の耐震診断の師匠でもある。すでに70歳を超えているけれど、その見識はとても素晴らしく多くの経験に支えられた真実の見識だ。今回の研修は主に、「新耐震基準」の建築の一部に危険な建物があるということについて行われた。

この基準は昭和53年の宮城県沖地震を検証してできたもので、平成7年の阪神・淡路大震災で被害を受けるまでは完璧な基準ということになっていた。被害を受けた原因は、耐震壁のバランスとか,地耐力に応じた基礎構造かどうかの検討がされていないこと、結合部の構造などである。そこで,平成12年(2000年)に建築基準がさらに改正された。それを「2000年基準」とよんでいるが、この基準によって
①地盤調査の規定
②地耐力に応じた基礎構造
③耐震壁の配置バランスを考慮
④筋かい金物使用や柱頭柱脚接合金物使用の規定
が定められたのである。

平成28年4月14日の9時26分に熊本地震が発生した。この地震で「新耐震基準」で建築された住宅に大きな被害が発生したのは、まさに金物固定がされていない建物であったのである。

築年数が22年以上の建物は耐震診断を行い、金物補強をした方が良い。これはまだあんまり知られていないことである。だからこそ認識を広く共有し、少しでも被害をなくすための講習会を開催したのであるがさてさて効果は如何程であろうか。今後川口市の補助金制度などを構築して周知できればと考えている。

黒尾谷山から南月山

2022/06/26

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は栃木県にある黒尾谷山から南月山の往復ルートを歩いた。この山は有名な茶臼山(那須岳)への継続ルートで天気が良ければ、茶臼山が大きく見える。今日は午後から雷注意報が出ているけれど、午前中はなかなかの好天ということで前夜入りの早めのスタートを切ることにした。初めから急な上りである。暑さで尋常でない汗をかいたが、熱中症にならないように水分と塩飴を大量摂取し、なんとか山頂までたどり着いた。よく見える茶臼岳との中間にある日本平まで歩いてみようと歩みを進めるとものすごい勢いで雲が湧いてきた。日本海側からの寒暖差のある空気の流入により5分程度で豪雨と雷鳴が聞こえ始めた。これは危険と急いで引き返しなんとか下山、やはり注意報が出ている時は無理は禁物である。

僕は大工さんという職業が好きだ

2022/06/25

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中はますいいで仕事をしたいという大工さん面接。
僕は大工さんという職業が好きだ。もう今更修行して大工になることはできないけれど、もしも一念発起して職人さんになるなら大工になりたいと思う。元々父親は機械加工の職人だったし、祖父は機械加工と木型職人だったという生まれ育った環境からか、職人という生き方に対する親しみもある。そんなに器用な方ではないけれど、でも不器用な方でもない。それなりにできそうな自信もある。

大工という職業は、設計から材木の仕入れ、加工、組み立て、各職方の指揮監督まで行う、つまりは棟梁という存在であった。僕は今でもそうであってほしいと願っている。でもそれがいつの頃からか、ただの作業者になってしまった。これはおそらくハウスメーカーの台頭とともに始まったことだと思う。メーカーが決めた仕様通りに、メーカーが購入した材料を組み立てるだけ、そこには工夫をする余地もなければ自由もない。ただ同じような建物を作るだけのまさに組み立て屋さん、面白くもなんともない職業になってしまったのだ。小さな子供達にはとても人気のある職業だが、物心がついた高校生くらいになると大工になりたいという人はだんだんいなくなっていく。それもそのはず、いまだに日給月給で休んだらその分だけ給料が減り、大変な作業なのによくわからないハウスメーカーの設計者のいいなりにならなければいけないような職業ではやりたくなるはずがない。

ではどうすれば良いか?僕は大工さんをもう一度家づくりに現場における棟梁にすれば良いと考えている。腕の良い大工にはそれができるはずだ。設計者がお客様と打ち合わせをした図面があって、山から購入した自然素材の良い材料があって、そこに大工さんが独自の納まりを設計者とともに考え造り上げていくのが良い。良い設計、良い材料、良い大工、家づくりの必須3条件はこの3つなのだ。各職の手配は大工さんが行い、現場のリーダーとして建物を造り上げる。決してただの組み立て屋ではなく、主体的な存在として家づくりの一員となり活躍してもらう。職人さんも社員としてきちんと休みを取り、家族を養い、そして本当の意味で憧れの職業と言えるような存在になってもらいたい。そうすれば大工さんは本当に誇りを持って仕事に励むことができるはずである。そしてそれはお客様にとって良い家を造り上げることにも必ずつながるはずだと思うのである。

シェアハウスの計画

2022/06/23

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
埼玉県川口市にて設計中のNさんのシェアハウスの見積もり打ち合わせを行った。この計画はお母さんが暮らしていた古い平家の住宅をリノベーションしシェアハウスとして利用しようというものである。部屋数は6部屋、大きな部屋は簡易的な間仕切りをつけて4畳程度の広さに仕切る。キッチンやリビングは広めに計画し、住人が伸び伸びと過ごすことができるように配慮した。床下や天井裏には新たに断熱材を敷設し快適性を高める仕様にしている。

実は僕も今、ヒュッゲハウスなるシェアハウスを一つ運営している。この家は元々僕たち家族が住んでいた建物だ。部屋数は同じく6部屋、今は五人の住人が仲良く暮らしている。月に一度のオーナー食事会では僕の妻がみんなに食事を振る舞うのだけれど、まるでサークルのような関係を保つにはこういう交流はとても大切だと思う。現代社会は核家族化が進み、隣の住人もよくわからないような世の中だ。でもそんなのってどうなの?と思う人はたくさんいるだろう。人は一人では生きられない、と僕は思う。(平常時は大丈夫でも、いつかは困る時が来るだろう)助け合い、支え合い、相談し合い、笑い合い・・・・そんな場になれば良いと思うのである。

本物の漆喰

2022/06/21

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日から二日間、社員みんなで名古屋研修である。なぜ名古屋かというと、二つの見学すべき工務店があるからだ。一つはエコ建築考房さん、そしてもう一つは勇建工業さん、ともにこだわりの健康住宅を造っているとても良い工務店だ。

勇建工業さんはもともと左官職人さんだったので、特に左官技術に優れている。下地に木ずりを打ちつけ、そこに15mmの左官を塗りつける壁の様子は実際に見てみるととても良いものであった。厚さから来る壁の良さはただ見ていてもわかるものではない。でもその部屋に入ってみると音が吸収されていくような感覚、なんとなくヒヤッとする漆喰に包み込まれているような感覚がなんとも言えない。本物を知るということはこういう事なんだろうなと感じた瞬間であった。写真は消石灰から作る本物の漆喰の材料だ。つのまたや麻、貝灰といった天然素材だけを使って塗る漆喰の本物の材料なのである。

夜はひつまぶし会席をいただいた。名古屋といえばの名古屋めしを楽しみながら、スタッフのみんなと楽しいひと時を過ごすことができた。

ゆったり山歩き〜谷川岳

2022/06/19

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は群馬県と新潟県の県境にある谷川岳に登った。早稲田大学附属中高の山岳部員だった時代にもなぜか行ったことがなかった山なのだけれど、土合駅から谷川岳ロープウェーを使用して天神平まで上がり、そこからトマノ耳、オキノ耳を往復するコースは山の名前から来る危険なイメージを全く感じることのない楽しい山行であった。歩いているとあちらこちらに白根葵が咲いている。この時期だけにさくなんとなく素朴な花である。途中には、まだ雪が残っている。軽アイゼンをつけている人もいれば、靴のまま滑りながら登っている人もいるけれど、やっぱりアイゼンはあった方がいい。僕はチェーンアイゼンに助けられた。適材適所の道具は大切だなあの感であった。天候は晴れ、雷の注意報も幸運にも外れてくれた、とても楽しい1日であった。

土地探しのご相談

2022/06/18

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県さいたま市にて土地の購入を検討中のMさんご夫妻打ち合わせ。Mさんたちはかれこれ1年間にわたって土地探しのご相談をしてくれているが、土地の購入はやっぱり悩むものだからこそ寄り添って相談に乗って行くことを大切にしている。だって、土地は高いのだ。300万円くらいの車を買うんだって本当に買うかどうか悩みに悩んで契約をするのが普通だけれど、土地は車の何倍もするのである。しかも普通の人にはその土地にどんな建物が建つかどうかなどわかるはずもない。でも僕たち建築家は土地とその諸条件を見れば、自然と建物がイメージとして浮かび上がるくらいにはトレーニングされているのである。では土地の諸条件とは何か?土地には用途地域というものが決まっていて、それぞれの土地に建てられる建築の用途がある。高さ制限というのもがあり、道路側や北側や隣地境界線から高さの制限線が引かれる。水道が引き込まれているのが当然と思うであろうけれど、水道がなければ自分で引き込まなければならない。ガスもしかり。そしてそういう行為には多くの場合結構なお金がかかる。こうした制限が多いからこそ、建てたい建物と土地のマッチングミスを防ぐために契約をする前に相談に来て欲しいと思うのである。

男メシ〜カレイの唐揚げ

2022/06/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
インターネットで新潟の漁港から魚を直送してもらうという商品を利用してみた。どんな魚が来るのかと楽しみにしているとなんと「マコガレイ」が2枚も入っている。見慣れない、というより裁くのは初体験の魚である。身がプックラとしていて厚い。鱗をとり、エラの下に包丁を刺しワタを取って綺麗に洗う。見様見真似で骨に沿って包丁を入れ左右の身を丁寧に剥がし、裏面も同じように処理をすると、太い骨がなんとか綺麗に抜ける。軽く塩胡椒をして片栗粉をまぶし、油でよーくあげること10分弱、こんなに太い骨でもバリバリと食べることができるではないか。これまで居酒屋さんでしか食べたことがなかったカレイの唐揚げ、初めて自分で作ることができました。

インターンシップの学生たち

2022/06/15

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
朝8時、大工の本間さんが埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室の枠材加工のために事務所に来ている。見慣れない学生二人がいるが、彼らは今日からインターンシップに参加してくれる、埼玉県行田市にある「ものつくり大学」の2年生たちだ。今日から40日間、主に設計の仕事を体験したいということでますいいに来ることになったわけだけれど、今年は実演指導だけでなく、学校から渡されている交換日記のような記録ノートをしっかりと書くことを指導していきたいと思う。

何かを体験し、それを改めて考え文章にするという行為は、客観的で論理的な思考能力を鍛えることにとても良いと思う。この先の人生の道を選択する青年にとっては実務的な経験よりもむしろ価値のあるものとなるであろう。一字一句、丁寧に文章を書くという基本的なことを確認しつつ、僕が思う人生観を伝えられればいいなあと思う。

2022/06/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)

今日は、僕が現在関東第2ブロック長を務めている裏千家淡交会青年部の行事で、栃木県佐野市にある佐野天明釜の実演講習会に参加した。佐野天明釜というのは、西の芦屋、東の天明と言われるように茶湯の釜の世界ではちょっと有名な産地である。佐野には現在5軒の鋳物屋さんがあるそうだが、今日はその中の若林先生の工房に訪れた。工房には大きなこしきがある。今は使っていないそうだが、昔はこの「こしき」を使って三日三晩かけて鉄を溶かしていたそうだ。足で踏むたたらなども保存してあるが、これはまるでもののけ姫に出てくるたたら場の如く作業をしたのであろう。

あらかじめ作られている砂型に湯を流し込む作業からのスタートである。1500度に熱せられ真っ赤に溶けた鉄を流す作業は流石に迫力がある。外側の型、内側の中子の隙間に流れた湯が固まると見事な釜が出来上がるわけだけれど、砂でこんな風に薄く精巧なものを形作る技術は本当にすごいと思う。

実は僕の生まれ育った川口市という街も鋳物で有名な街である。僕の祖母の実家は鋳物屋さんで、僕の祖父の代から鋳物を加工する機会屋さんを営み、僕の母の実家は鋳物の型を作る木型屋さんであった。こんな風に鋳物産業のどこかを担う家系に育つというのは川口市では割と普通のことなのだ。なんとなく親しみを感じる作業を拝見しつつ、とても真摯に作業に打ち込む若林先生のお姿にとても心を打たれたひとときであった。

古民家再生の基礎補強

2022/06/08

今日は神奈川県小田原市にて進行中の古民家再生の現場視察。古民家の再生ではまず最初に骨組みだけを残して解体工事を行い、次にベタ基礎補強を行う。大抵の場合は石の独立基礎だったり、ブロックを並べてあるような状態だったり、良くても無筋コンクリートだったりするわけだけれど、鉄筋コンクリートのベタ基礎で補強することでバラバラだったものが一つに繋がり筋交補強の際の引き抜き力に対抗できる金物もつけることができるようになるわけだ。その後には傾いている状態を水平に直すレベル調整、立ち上がり基礎を作りその状態で固定できるようにして、ようやく筋交をつけたりの構造補強工事に入ることができるようになるわけである。それが終わるといよいよ古民家再生の仕上げに向けた大工さんの造作工事に入っていく。この先の進行を楽しみにしたい。

 

武蔵一宮氷川神社

2022/06/04

朝7時、埼玉県さいたま市にある武蔵一宮氷川神社にて裏千家の献茶式茶会参加。今日は僕が所属する淡交会の青年部が立礼席の席持ちをするということなので、なんとなくいつもよりも気持ちが昂っている。茶道をやっている方ならこの感覚はわかっていただけるだろう。ただのお客様として参加する茶会とは違い、主催者側としての緊張感の中参加することとなるのである。

今日のお菓子は東松山にある清晨庵さんである。このお菓子屋さんは主人の小林さんが明け方から本当に手作りで丁寧にお菓子を作ってくれている奇跡のようなお店である。京都で修行したというから味も良い。茶菓子だけでなくわらび餅など日常の菓子もとても良い。小林さんの人柄が滲み出るような素直な味である。おそらく今の埼玉県では一番美味しい菓子を作ってくれるお店なので是非足を運んでみてほしい。

今日の茶席では普段より半分程度の客とした。ちょっと寂しいかなあと思ったが、実はこれがちょうど良いと思った。一席の人数は28名程度である。話をしていてもどこに誰がいるのかなんとなくわかる。小学校の1クラスくらいの人数だからこその親密感、一期一会の茶席にはこのほうが適していると感じた。大寄せ茶会に感じていた疑問がコロナによって変更せざるを得なくなったわけだが、これを機にもう少し地に足のついた茶道を目指しても良いのではないかと思ったのは僕だけではないだろう。茶道は歴史を意識する。もてなしの心を第一とし、そしてその場における理想を追求する姿勢を大切にする。イギリスの哲学者ツインビーの言葉に「理想を失った民族は滅びる」「自国の歴史を失った民族は滅びる」「ものの価値を全てと捉え心の価値を失った民族は滅びる」とあるが、茶道はその言葉を打ち消すことを大切にしている。会の運営を第一とすれば、この価値ある茶道までもが会の運営など経済原理で動くこととなり、それは本質的な価値の低下につながると考えるわけである。目の届くお客様に目の届くおもてなしを心を込めて行うことの大切さを改めて感じたのである。

 

マンションリフォームのプラン

2022/06/03

午前中、埼玉県さいたま市にて計画中のNさんのマンションリフォームご相談。この計画では主に断熱改修を中心として、これからの暮らしに対応する新しいプランへのフルリフォームを行う予定だ。二酸化炭素排出削減につながる省エネ化である断熱性向上は戸建てもマンションも関係なく社会全体で取り組んでいく課題である。マンション内装における断熱改修の便利素材も開発されているようであり、この計画では補助金を利用した新素材の利用にも挑戦していきたいと考えている。

とはいえまずは快適に暮らすことができるプランのプレゼンテーションである。人間は魔法瓶の中では快適に暮らすことはできないわけで、やはり心地よい光や風を感じることができるプランニングを行うことが大切だと思うのである。

無垢の杉による茶室の木工事

2022/06/02

朝8時、埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室の現場視察。現在は大工さんによる木工事の真っ最中である。今日は2階にある道具置き場の棚を杉の板を使って造作している。この杉の板は栃木県の八溝杉である。栃木県では八溝杉と日光杉が知られているが、実は檜の北限としても有名で目の詰まった良材が得られる。僕が買っている製材所では仕上がりで30ミリと15ミリの2種の厚みを挽いてくれている。幅は9寸ほど、これは棚板などにちょうど良い。僕も茶道を嗜むが、脆い茶碗を硬い素材のメラミンカウンターなどに置くことはなんとなく気が引けるのだ。特に楽茶碗などは、痛々しく感じてしまうほどに脆いのである。

午後、知人の所有する東京都の茗荷谷のご自宅訪問。亡くなられたお父様が知り合いの建築士と一緒に丁寧に作り上げた住宅である。床はなんと木造で嵩上げされている。これはまるで千葉県の笠森寺や京都にある清水寺のような掛け造りのようなものであり、一般の平地に立つ住宅で採用されているのは初めて拝見した。床下は物置として利用されているけれど、挑戦的なその姿勢になんとも感服する限りである。強い意志とともに作られた建築は面白い。そして是非次の世代に残したいと思うものだ。詳細に見ていくと独立基礎が爆裂している。これはベタ基礎で全てを一体化させるように補強した方が良さそうだ。ちょっとした工事で安心が得られる。今後適正なご提案をしていきたいと思う。

古民家再生

2022/05/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県蕨市にあるSさんの家の古民家再生調査を行った。Sさんの家は築90年が経つ古民家である。古民家の再生にあたっては、まず現地の入念な調査が必要ということで、約600項目の調査項目に従って劣化などに関する調査を行った。それにしても90年前の家づくりと今の家づくりでは、構造体などが全く違うから面白い。土台は地面の埋め込まれた大谷石の上に乗せてあるだけだし、束石はただの自然石、しかも隙間には適当な楔が打たれているだけだ。今の耐震技術などに比べたら比較にならないのだけれど、でもこれで90年もったのだから昔の技術はすごいのである。写真の柱の横にある黄色い筋はシロアリの被害だ。すでに薬剤処理されていたが、梁や柱はだいぶ傷んでしまっていた。こういう部分は交換するにしても、小屋裏の見事な梁を荒鷲にした様子は今から想像するだけでもワクワクするのである。

セルフビルド待合

2022/05/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
日曜日の今日は、千葉県の知人から正午の茶事にお招きいだいた。参加者はとてもよく知る身近な仲間たち、このような茶会がもっと増えれば良いと思う。千葉県のIさんは創意工夫のある方で、腰掛け待合は知人に設計してもらって、協力しながらのセルフビルドで作り上げてしまったらしい。屋根は自分でモルタルを塗ったという。さすが芸大出身、陶芸から絵画まで、ついには左官の技術まで器用にこなす。実際に5人で腰掛けてみると、これが実にちょうど良い具合である。自分でできることは自分でやる、まさに楽しみながらのセルフビルド待合にとても感動した。

まず何よりも信頼関係

2022/05/28

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県所沢市のNさん宅にて瓦がずれているのご相談の調査に伺う。Nさんは僕が通った早稲田大学の先生である。以前2階ほどリフォームを依頼していただいたのだけれど、こうして何度もご依頼いただくということは何よりも嬉しいことである。建築の仕事というのは、家にも入るし、家族にも顔を合わせ、家の構造から設備までを工事するのであるからこそ、まず何よりも信頼関係が重要であると思うからである。屋根の上に上がって調査をしてくれたのはいつも屋根工事を依頼している山内さんだ。結果は瓦が一枚割れているとのこと、部分補修のお見積もりをさせていただくことをお約束した。

午後、東京都内で小さな土地を探して家を建てたいというご夫妻と打ち合わせ。コロナで地方への移住が進み東京都の人口が減少し始めたとのニュースがあったが、それも束の間、最近はまた増加傾向にあるらしい。ますいいでもこれまで結構たくさんの狭小住宅をつくってきた。一番最初に作ったのが、三角の家である。この土地は板橋区の成増駅から徒歩圏内にある三角形の土地だ。初めは四角い家が建っていたのだが、それを解体すると本当に直角三角形の土地が現れたのである。お母さんとお子さんが二人で安心して暮らすことができるように、三角形の土地をくるりと包み込むように外壁を作り、外周部からの採光は最小限にして吹き抜けの上部から光が降り注ぐようなプランとした。狭小住宅は土地によって様々な表情となるものである。さてさて今回はどのような土地が見つかるか、楽しみにお待ちしようと思う。

仕事を通して世のため人にために貢献する

2022/05/26

午前中、淡交社の阿部さん打ち合わせ。淡交社というのは裏千家の雑誌を作ったり、茶道にまつわるグッヅを販売したりしている会社である。今回は埼玉県さいたま市にて工事進行中のAさんの茶室の取材に関する件で打ち合わせにお越しいただいた。

茶道を習い始めて11年がたつ。茶道ほど日本文化と総合的に関わることはないと思うくらいに奥が深く、故に僕などまだまだ修行中のみではあるのだけれど、それでも一つのことを10年以上やり続けていると案となく見えてくるものもある。

致知という雑誌で読んだ言葉に
「賢は賢なりに、愚は愚なりに、一つのことを何十年も継続していけば必ずものになるものだ。君、別に偉い人になる必要はないではないか。社会のどこにあっても、その立場立場においてなくてはならぬ人がある。その仕事を通して世のため人にために貢献する。そういう生き方を考えなければならない。」
というものがあった。茶道を通じて日本の文化をつくるというなんとも壮大な夢を描いて入り込んだ道だけれど、僕も少しはお役に立てるようになってきたような気もするのである。

屋根屋さんは一人だけ

2022/05/23

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は朝一番から、埼玉県さいたま市のKさんの家の屋根補修に関する現地調査を行った。同行してくれているのは板金屋さんの山内さんである。ますいいの屋根工事を一手に請けてくれている職人さんで、僕よりも少しだけ年下の後輩である。屋根屋さんは一人だけしか依頼していないのだけれど、築年数が何十年も経った後に、もしも雨漏りなどしたら誰にメンテナンスを頼んで良いかわからないような状態にはなりたくないので、本当に信頼できる一人だけとお付き合いをしているのである。この現場ではコロニアルが葺いてある屋根下地の野地板が結露のために朽ち果ててしまっている部分に対して、屋根を一度剥がしての下地交換を行おうというモノである。急勾配の屋根だけに、屋根足場なども必要な工事なのだけれど、もしもこのまま放っておけばいつかは屋根に穴が空いてしまうのでしっかりと補修してあげたいと思う。

続いて川口市上青木にあるIさんの家の屋根補修工事現地調査。こちらは近所でたまたま工事をしていたという職人さんに「屋根の一部が壊れていますよ」という声をかけられたのでみてほしいという、昔のクライアントからの依頼である。このケース、実は最近とても増えていてそのうちの半分は何も問題がないことが多い。つまりはリフォーム詐欺であるのだ。今回は、、、やはり大きな問題はないようである。せっかくなので点検し、下地の木が痛んでしまっている部分のみ補修を提案することにした。

大切なものを大切だと思う心をなくしやすい時代

2022/05/22

建築の仕事は古いものを壊して新しいものを作ることが多い。この国は相変わらずスクラップアンドビルドの傾向が強く、家づくりでも公共事業でもとにかくなんでも新しくしてしまう。でも僕たちが観光に行った先で見てみたい建築や街並みは、大抵古いものであることが多いわけだから、なんとも不思議な国民性なのだ。僕たちの住む川口市のような東京近郊の土地では、その利便性から人口流入が増加しており、余計に古い建築を文化的に利用しようとする思想は育ちにくいように思える。例えば川口市にもまだ本町のあたりには古い洋館風の住宅などが残っていて、そういうものを大切に再利用すべくリノベーションをすれば谷中千駄木のような魅力的な街並みを形成する要素となる建築を生み出すことができるわけだけれど、実際には解体処分してなんとも特徴のない賃貸マンションなどを建設してしまうという選択をする人の方が多いのが実情である。まあ僕たちもそういうことに加担しながら生活しているわけで,マンションを建てるオーナーさんを悪く言うことはできないのだけれど、魅力的な街を作りたいという建築家としてのそもそもの願望だけは忘れたくはないと思うのだ。

とあるリフォームの現場にはあと数ヶ月で100歳を迎えるお婆さんがいる。世話をしているのは有名な国立大学の名誉教授で今年で77歳となる。お嬢さんたちはすでに家を出ているから二人で暮らしていて、まさに老老介護の現場である。時間があると焼酎の瓶とつまみを持ってお邪魔するのだが、大学の教授を勤めていた知性とそのお母様だけあって、年齢からは信じられない話が飛び出す。○○年の何月何日には中曽根総理が・・・、1989年の何月何日にあんたのおじいさんがこの家に来てさ・・・、この梅酒は12年前の何月何日に誰と一緒に作ったんだっけ・・・なんで日にちまで記憶しているのかわからないけれど凡人とは脳の構造が違うのである。この家とても古く、且つ物で溢れている。僕がちょっと片付けようとすると、元教授は烈火の如く怒り出す。ただただモノが溢れているようにしか思えないのだけれど、自分だけが分かるものの配列があるらしい。

先日その家の床下に耐震診断の師匠である大工の金井さんと一緒に潜った。金井さん曰く、「床下に潜るのは好きじゃないと。好きじゃなきゃこんなことやってられないよ。今日はどんな基礎、土台が見れるかなあというワクワク感なんだよね。」

床下に潜るとやたらに瓶があった。まだ飲めそうな梅酒もあった。(これはさっきの梅酒である)床下にあるいろいろなものはなんとなく一家の歴史を垣間見させてくれる。そして建築に関しても基礎の作りを見れば増築の歴史も手にとるようにわかるし、大工さんの気持ちもなんとなくわかる。

経済だけでいろいろなモノが評価される時代であるが、人にとって大切なものとはなにかを考えると決して一番はお金ではない。僕が遊びにいくと必ず100歳のおばあちゃんも参加させ、おばあちゃんも一緒に日本酒を飲みながら昔話をさせる元教授の思い、そしてそういうことをする場となる家とそこにあるいろいろな物たち、こういうものこそが人の歴史であり、大切な物であり、幸せなんだろうなあと思うのだ。

ちなみに金井さんの家も元教授の家と同じくらいにもので溢れている。そして大切なお母さんと一緒に暮らしてもいる。大切なものを大切だと思う心をなくしやすい時代にあくせくと生きているとどうしても忘れてしまうことがある。もちろん僕も忘れがちなんだけれど、金井さんにはその大切なものをなんとなく教えてもらったような気がする。

もっと自由に家を造ろう

2022/05/20

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。
石山修武先生の作品に、開拓者の家というものがある。この作品は長野県の菅平に草原の中に、コルゲートパイプという材料を用いて楕円形のパイプを作り、その両側に壁を設けて住宅としているものである。基礎を持たずに、砕石を積み上げた上に置いてある。動かないようにワイヤーで引っ張られているだけだから、基礎を持たない建築、つまりは仮設建築のごときものだ。この住宅は一人の男性がセルフビルドで作り上げた。もちろん石山先生もそれにどっぷりと参加していたのだろうけれど、素人が自分の作りたい家を自分の力で作り上げた建築であり、さらには何とも言えない造形美が出来上がっている点でもとても面白い建築であるのだ。数年前に僕がお邪魔した時には、クライアントがこの家を大切に使い続けていた。おそらく今でも同じように使用しているのだろう。住宅というのは自分自身のものである。自分の暮らす場所をどのように作るかは自分で決められるのが一番良い。このコルゲートパイプの家は、普通の住宅と比べることはできないものである。でもこの家の住人のSさんにとっては、他のものでは変えることができない最高の居場所なのだ。もっと自由に家を造ろう、というますいいの理念の発祥のような建築を一つご紹介したい。

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島根県研修二日目

2022/05/17

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
島根県研修二日目。今日は石見銀山にある中村ブレイスさんと石見銀山郡言堂さんの訪問した。この地域は人口がわずか500人程度しかいないのだけれど、そのうちの100名ほどがこの二つの会社で働いているという、とても珍しい状況が出来上がっている。中村ブレイスという会社は義足や人口的な手や皮膚などを作っている会社である。創業者の中村会長と現社長にお会いしたが、優しい人柄がとても素晴らしい。社員さんたちは黙々と作製作業に没頭していたけれど、皆様とてもご丁寧に対応していただいた。

石見銀山に向かう坂を上がっていくと両側に古い古民家が建ち並んでいるのだけれど、これらの古民家はなんとまちづくりのために中村さんが買い取って改修工事を施しているというから驚いた。義手義足という事業で得た資金を使って、地方の本当に小さな街をとても魅力的な状態に作り上げていく、なんとも高貴な行いに感動した。

中腹にある群言堂さんに入るとそこは緑豊かなカフェである。古い古民家を改装したお店ではこだわりの洋服などが販売されている。店員さんに声をかけたら、なんとつい最近小田原から移住したそうだ。

調湿炭(炭八)

2022/05/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日はいくつかの企業を視察に行くために朝一番で羽田空港に向かい、島根の出雲空港行きのJALに乗り込んだ。11時ごろ出雲空港に着くと、すでに前日から来ている仲間が出迎えてくれた。始めの目的地は出雲土建さんである。この会社はますいいでも使っている調湿炭(炭八)を製造している会社で、今日はその工場を見学させていただいた。先日も木造の住宅のリフォームの際に床下に敷き詰めたのだが、よくわからないけれどなんとなく湿気が多いと言うような状況の建物ではなかなか効果があるようだ。なんとなく湿気が多い建物というのは、例えば周りを囲まれていて風通しが悪いとか、敷地内に降った雨がどこにも抜けることができないようになっているとかの事情があることが多いのだけれど、そういう根本的なことを解決しようとするとすごくお金がかかる場合などもある。それに比べると、炭八を式並べれば良いというのはそれほどコストがかからないのでおすすめの方法なのである。

アパートの天井に炭八を敷き込み、室内環境を良くしているモデルルームを案内していただいたが、湿度が安定している様子を実験で示していただいているのでとてもわかりやすかった。今後も何かと利用するつもりの建材なのでご紹介する。

リフォームの打ち合わせ

2022/05/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。断熱性能を向上させたり、耐震性能を向上させたりを目的にする大規模改修工事であるが、なるべく費用を抑えながらも暮らしやすいプランとするように間取りの変更なども提案している。昔の住宅は大抵の場合お風呂場が狭かったり、キッチンが孤立していたりする。当時のスタイルではそれが当たり前だったのだろうが、それが今の暮らしには合わないと言うケースは多い。水回りは毎日使うものだから、そこでのストレスはとても大きなものになってしまう。断熱もしかり。冬になるといつもいつも寒いと感じ続けて暮らすことは大きなストレスとなる。そして健康を害する原因にもなってしまう。コロナ禍のちょっと先が見通せない時代になったことで、リフォームの依頼はとても増えた。せっかくお金をかけてリフォームをするのだから、本当にやってよかったと思える設計を考え尽くしたいと思う。

茶室の床柱を買いに

2022/05/09

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室で使用する床柱などの銘木を選びに行った。広間の床柱は北山杉の天然絞り丸太である。小間の床柱はこぶしを使う予定だ。ちょうど良いまっすぐなこぶしが数本あったが、小間にはあんまり太い柱は似合わない。直径が3寸弱の柱がなかなか良い肌合いだったのでそれを選ぶことにした。落とし掛けは栗、床框には山桜を使用する。4畳半の天井にあるタレ壁の見切りには2寸丸太の杉を使う。垂木掛けにちょうど良い絞り丸太の切り落としや架に使用する竹も選ばせていただいた。さてさていよいよ茶室の内装工事に入っていく。出来上がるのがとても楽しみである。

古い建築を大切に

2022/05/08

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
日曜日。今日は地元の建築士事務所協会の金井さんという大工さんのご自宅にて耐震診断と補強設計についてのレクチャーを受けさせていただいた。金井さんは浦和高校、大卒、一級建築士の大工さんである。埼玉県の方ならわかると思うけれど、浦和高校を出た大工さんはきっと金井さんしかいないだろう。工務店の3代目として生まれ、きちんと学んで大工さんになった方だからこそ、裏付けされた知識と技術でおそらく日本一の耐震診断と工事を行なっている方である。年は70歳、僕はこの金井さんに耐震診断を学びたいと思って本日のレクチャーとなった。

耐震について考えると、昭和56年以前の住宅の耐震診断と、それから2000年基準ができるまでの耐震診断の二つに分かれる。2000年までは金物の使用が義務付けられていなかったので、筋交はあるけれど弱い建物がたくさんあるのが実情だ。僕は古民家の再生を手がけていきたいと考えているので、もう少し古い建物をイメージしているのだけれど、結局はどの年代も考え方は同じである。地震力や風圧力を受ける耐力壁をバランス良く配置し、木材の接合部を金物で補強し、力のかかる部分に適正な基礎をもうけることで建築は強くなるのだ。古い建築を大切にする建築家として、構造をしっかりと見ていきたいと思っている。

野地板の結露

2022/05/07

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県越谷市にて調整区域内の土地に住宅を作りたいというSさん打ち合わせ。打ち合わせをしようとしていたちょうどそのタイミングで、農地転用の許可申請を担当していただいていた土地家屋調査士さんより電話があり広すぎる土地に小さな建物を作るのはどうにも農地転用の許可が降りなさそうだという報告を受けた。仕方がないので、カーポートを作ったり、住宅を少々大きくしたりの設計変更をしなければならないことに。スタッフが夜鍋をして作ってくれた模型が無駄になってしまった。ごめん、若者たちよ。次回また頑張ろう。

午後、埼玉県さいたま市にて住宅のリフォームを相談されているKさんのご自宅調査。20年ほど前に横浜のツーバイフォーの会社に作ってもらった住宅の屋根の合板が結露で腐ってしまっているということで原因や改善方法などについての調査を行なった。木造住宅は健全な状態を保つ頃ができれば100年でも持たせることができるが、結露などの症状を抑えられなければ20年でこんな状態になってしまう。こういうことを防ぐにはしっかりと屋根の通気を確保してあげる必要があるのだけれど、この住宅ではそのような措置を施していない状態であった。この状態では一部の屋根を剥がして野地板からの交換が必要となる。次はこのような結露を起こさないようにしっかりと直してあげたいと思う。

芍薬畑の老夫婦

2022/05/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
連休最終日の今日は久し園の先にある2反ほどの土地を借りて長らく畑をやっている。とはいうものの最近なんだか忙しく、あんまり自分で行くことはできていない。今日は連休最終日、久しぶりに畑の作業を行うことにした。行きつけのホームセンターで苗を数本購入し、畑に植え付ける。雑草はあんまり増えていなかったけれど、それでも草刈り機を1時間ほど動かした。畑の隣で何十年も芍薬の栽培をしていた老夫婦がいたのだけれど、昨年でやめてしまった。どうやら地主さんが産廃屋さんに土地を貸してしまったらしい。なんとも悲しい限りである。その芍薬畑の老夫婦にいただいた根から見事に花が咲いた。少ないけれどひきつづことができたのがとても嬉しかった。大きな花を見ていると、去っていった老夫婦の大きな手を思い出す。長年の野良仕事に耐えたお大きなグローブのような手であった。

1日の始まり

2022/05/04

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は雲取山参考二日目。本当に久しぶりのテント伯山行とあって、体には疲れが溜まっているようだ。特に足の筋肉の疲労が顕著である。もう少し体重を落とさないと長期間の縦走はできそうにないなあと思いながら、なんとか今日は無事に降りれそうでもあった。山の朝はとても空気が綺麗だ。もう凍てつくような寒さはないけれど、それでも明け方は氷点下まで気温が下がる。そういう空気の中で息を吸うと、肺の中までスーと冷やされるような感じがする。次第に明るくなるとあちらこちらで鳥の囀りが聞こえ始める。今日という1日の始まりだ。たくさんの命が活動を始める。そして夜行性の動物たちは逆にひっそりと息を潜めるのだ。
ところで長い下の途中、娘の靴底がついに剥がれてしまった。10年くらい経った登山靴はそこが剥がれる。これは紛れもない事実だ。僕は初めての経験だったが、皆さんも注意していただきたい。

奥多摩・雲取山

2022/05/03

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
連休3日目ということで奥多摩の雲取山に1泊2日の山行に出かけた。東京都で最も標高の高い山で標高は約2000mほどである。上り下りが1600mの鴨沢からの往復コースを選択したが、流石に日帰りで踏破するほどの脚力はない。トレイルランの方々は涼しい顔をしてこのコースを往復しているけれど、あの体力はすざまじいものがあると思う。ゆっくりと登っているといよいよ雲取山頂への稜線が見えてきた。珍しく一緒に来てくれた次女は太ももが攣って少々辛そうにしているけれど、この素晴らしい稜線歩きを楽しんでくれているようだ。山を歩いていると、普段の暮らしの中で感じる自然という存在がより身近なものになってくる。例えば熊が出たらどうしようの不安だって、都会にいれば全く感じないが奥多摩に来れば出会っても不思議ではないわけだし、現に今年に入ってからすでに二件の目撃情報もあるようだ。新緑の木々が芽吹き、さまざまな命が溢れんばかりの生命力を感じさせる。あちらこちらにあるシカのフンや足跡もすぐ近くにある自然だ。地球に暮らす一員としてテントを張って地面の上で寝て、夜空に浮かぶ星を見ると本当に山に来て良かったなあと思うのである。

 

 

上棟式

2022/04/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉さいたま市にて進行中のAさんの家の上棟式を行った。実際の上棟からは結構工事が進んでいるが、神主さんや大工の本間さん、左官屋の塙さんも交えての式である。お施主様の側もご兄弟や甥御さん、ご主人様もご一緒に現場にて顔を合わせる良い機会となった。この建物は茶室である。茶道という道を歩む舞台としてしっかりと神事を執り行うことで、なんとなくこの建築の場自体が清められたような気がした。今後も安全に作業を進めていきたいと思う。

玄関へのアプローチ

2022/04/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県上尾市にて計画中のTさんの家打ち合わせ。今日が2回目のプレゼンテーションということで、前回のプランへの様々なご要望を反映させる形での変更案を提案させていただいた。今回のプランでは玄関へのアプローチと、2階に配置したリビングとウッドデッキの関係にとても配慮してデザインを行なっている。
玄関へのアプローチというのはとても大切なもので、家に帰ってきたときに外界から住宅へ向かう意識の変化を感じる場所だったり、家にお招きしたお客様を玄関まで誘導する迎え入れの装置だったりする。そこにはある程度の距離、緑、奥へと続く伸びやかさ、照明などが適切に配置されることが良い。奥の方の外壁に見える家の中の灯りも大切な要素だ。下の写真は僕の家のアプローチの様子である。ちなみに外壁についている鉄製の照明器具は僕が書いた円相をアーティストさんに写していただいたものである。こんな物語を埋め込むこともまた家づくりの楽しさの一つである。

耐震診断の調査

2022/04/28

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は、埼玉県川口市のIさんの家にて、耐震診断の調査を行なった。Iさんの家はもともと平屋だったところに、2階が乗せられて、そして最後に2階建ての9尺かける3間が付け加えられるというなんとも複雑な状況となっている。今回は本格的な耐震改修工事を行うにあたり調査を始めた次第である。
まずは2階の小屋裏を確認する。小さな点検口から頭を入れると小屋裏には、2回の工事の接合部が見える。無理矢理の接合の様子や、時代によって入れられている筋交の存在、金物の有無などの情報から当時の大工さんの心情を読み、耐力を推察する作業はなかなか楽しい。次は1階の天井裏であるが、ここは意外と空間が広かったので天井を踏み抜かないように注意しながら梁の上を歩き回っての調査であった。ネズミの糞やら、木舞壁の竹を編んだ様子やらを確認しながら、やはりここでも筋交や金物、そして梁が途中で途切れてしまう上部構造なしがないかなどを確認した。最後に入るのが床下である。床下は匍匐前進で進むのだけれど、基礎のひび割れや有無、土台の腐食など多くの情報が手に入る。そしてここが一番いろいろなものが出てくる場所でもあった。なぜか古い瓶、レンガ、などなど・・・、邪魔なものは掃除してあげての調査であった。
外部では鉄骨の避難観測所の骨組みが組み上がっている。水害への備え、そして地震への備え、この両輪を満たせば古い家でも十分使うことができる。古いものを大切にする行為はとても尊いものだと思う。そして僕にとってもとても正しいことに協力しているような気持ちになれるとても大切なことであるのだ。こちらの写真は見事なので掲載しておこう。

 

山辺の構造

2022/04/25

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は構造家の山辺先生をお招きして、ますいいリビングカンパニー構造研修を開催した。山辺先生は「山辺の構造」なる書籍を出されている木構造の権威であるが、とても親しみやすく物腰の柔らかなお方である。全4回シリーズの勉強会の初日は、構造の基礎についてのお話をいただいた。今の日本の大学教育では、どうしても木造についてのレクチャーが欠けている。そして社会に出てみると、その木造に関わる機会はとてつもなく多い。特に2階建ての建築までは4号特例という範囲の中で、仕様規定に基づく壁量計算などの簡易計算で造れてしまうので要注意だ。そこで一人一人の技術力を高めるべく、全員参加での研修会を開催した。良き学びを大切にしていきたいと思う。

成長しない自分の心

2022/04/24

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県川口市にある錫杖寺さんにて、茶筅供養の茶会に参加させていただいた。このお茶会は2代前の永瀬市長さんが始められた歴史ある茶会だということであるが、僕は初めての参加である。しかも、濃茶のお点前というとても大切なポジションということで、なんだか朝からソワソワ、手のひらにはなんとなく汗が滲むような心持ちであった。
茶会の点前で緊張し手が震えて抹茶を掬うことが出来ない経験・・・、わからない人にはわからないと思うけれど、本当に笑ってしまうくらいに手が震えることがあるのだ。そして大抵の場合、それはその日の1席目に起こる。2席目以降は慣れて落ち着くから、大切なお客様は2隻目以降に来てくれれば良いと思うのだけれど、そういう人に限って大体1席目に入る。緊張するお点前さんを気遣い、あまり視線が集中しないように会話でそらせてくれるのだけれど、それでもどうにもならない場合は茶杓を清めたところで震えが止まるのを待つしかない。1秒、2秒・・・なんだかとても長く感じる時間、誰も見ていないのだろうけれど、でも視線を上げて確かめることもできない時間、それでもダメならエイヤーとお茶を掬い出すしかない。そしてその一部は大抵畳の上に・・・。成長しない自分の心と向き合いつつも、なんだか妙な達成感を味わえた1日であった。

古民家の再生

2022/04/20

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は名古屋にある勇健工業さんを訪問させていただいた。勇健工業の加村さんは左官の世界ではとても有名な方である。そしてもう一つ古民家の再生の世界でもとても活躍をされている。今回は築100年の古民家の再生を進める手法を学べく訪問させていただいた次第である。
古民家の再生という仕事はとても魅力的な仕事だと思う。そしていつか関わりたいと考えていた仕事だ。曲がりくねった梁や太い柱の力強さを見ていると多くの人は縄文的なパワーを感じるだろう。こういう空間での暮らしは如何に?を考えると、先日見学させていただいた奈良県のKさんの家を思い出す。文化財として登録されているご自宅で、何代にもわたって変わらぬ空間での暮らしを営んでいるお姿には、なんだかとても強い意志のようなものを感じたし、その空間は僕にとってとても魅力的であった。年月の中で染み付いたい黒光する古材の魅力を生かした再生を是非手がけてみたいと思うのである。

荒川の氾濫に備えて

2022/04/19

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
埼玉県川口市にて進行中のIさんの家の避難観測所の基礎工事が始まった。ここ川口市は荒川の氾濫時に水深が4mほどになる。この避難観測所は十字型の基礎の中心に立つ鉄骨造一本柱の上に木造の小さな小屋を乗せ、いざというときに2階の窓から避難できる装置である。平常時は小さな小屋の前にあるテラスに出て星の観測ができる、なんともロマンチックな小屋なのだ。

世界には目に見えるものと目に見えないものがある

2022/04/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
昨日から裏千家の行事に参加するために京都に滞在している。裏千家というのは千利休から始まる茶道の流派の一つで、表千家、武者小路千家と並んで三千家と称される。僕は元々茶道を嗜んでいたわけではなく、たまたま千玄室大宗匠の講演を拝聴し、日本の伝統文化を知ることで建築を通して日本の街並みや歴史を形作ることに貢献できるようになりたいと思い、今から11年ほど前に習い始めた。初めは先生など知る由もなく、裏千家の総本部から紹介していただいた先生について習い始めたが、その先生も今年の初めに社中を閉鎖してしまったので今は先生がいない状態となってしまった。
なんでもコロナの影響から社中を閉鎖してしまう先生はとても多いらしいというから驚きなのだけれど、文化というものは緊急時にはどうやら蔑ろにされがちなのかもしれない。まあ様々な事情で辞めるという選択をされる方が多いのだとは思うが、僕はこういう時こ文化の如き精神の柱となるものが重要だと思う。世界には目に見えるものと目に見えないものがある。そして目には見えないものの方が圧倒的に多く、そしてそれらによって人は幸せとか不幸とか、つまりさまざまな状態に変化してしまうものである。人はこういう現象を運が良いとか悪いとかのように表現するが、それは結果を端的に表しているだけで、実は目に見えないものたちから働く力学によって起こる必然なのだと思う。文化は目には見えにくいものの一つだが、確実に様々な力学を発することができる何かであると思うのである。
下の写真は、裏千家の今日庵の兜門である。たかが門、されど門。色々な方の思いが詰まる場所なのである。

古い診療所の建物をリノベーション

2022/04/14

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
夕方、今度川口市内で開設される保育園の内装工事に関する設計業務打ち合わせを行なった。この保育園はコマームさんという地元川口市の事業者さんが4月から運営することになったところで、川口駅から歩いて15分くらいのところにある古い診療所の建物をリノベーションして作る。すでに元々あった内装などの解体工事は始まっていて、その工事に引き続いて新たな内装を作る予定だ。なんのご縁か知らないけれど、川口市の保育園の施設認可に関する審議業務をかれこれ4年間も行なってきたのだけれど、実は保育園の設計は初めてである。すでに四十件以上の施設の認可をしてきただけに目だけは肥えてしまっているので、予算オーバーしないように注意しながら設計をしていこうと思う。

この写真は世界最貧国と言われるネパールの保育園だ。貧しいというのはどういうことなのだろうかと観察していると、もちろん収入も低く、装飾品や車などといった物量も少なく、建築などの工事の質も低く、水道や下水の整備も進まず、病院などの数も少なく、歯医者などどこにあるかわからず、汚職は蔓延り、たまに内戦が起きたり・・・とにかく今の日本と比較することはできないような状況なのだけれど、こと保育園に関してはそれほど状況が変わらないということに驚いたのである。逆に言えば日本は保育園という施設に対して、少々手を抜きすぎのような気がするのだ。直接的な生産性はないが子供を育てるというのは国の未来を作ることに等しい。その施設が最貧国のネパールと似たり寄ったり・・・、これはなんとかした方が良いと思うのである。

2022/04/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午後、スタッフの上原くんと一緒に埼玉県吉川市にて計画中の弓道場のあるSさんの家打ち合わせ。約9坪の平面の中に居室と弓道場を併設し、弓が走る外部のエリアは畑として利用するというなんとも楽しげな計画である。今日は断面計画の検討を行なったが、続いて模型の作成に進んでいきたいと思う。

下の写真はセルフビルドで家を作るIさんの様子である。この計画ではなるべく自分でできる部分を増やすためにログ積みの構造を採用した。今回は在来木造の中でどれだけセルフビルドができるかへの挑戦となるであろう。

 

2階にリビングのあるプラン

2022/04/10

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中は東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンにて、埼玉県蕨市にて古民家の再生を検討中のSさんご家族と打ち合わせを行った。古民家と言える築年数が70年を超えるような建築の再生はどことなくロマンがある。古い梁や柱に刻み込まれた当時の大工による刻みの後や、色濃く染まった構造材の様相は縄文的なダイナミズムを感じさせる力強い意匠だ。Sさんの家も素敵な古民家に再生できればと思う。

午後は、埼玉県上尾市にて新築住宅を検討中のTさんご夫妻打ち合わせ。今日は第1回目のプラン提出ということで2階にリビングのあるプランのご提案をさせていただいた。2階リビングのプランというのは、道路が迫っている敷地においてとても有効である。プライバシーの確保がしやすく、カーテンを閉めたりの必要がないリビングを作ることができる。
今回の土地は比較的広いので1階リビングでもプライバシーの確保ができる可能性もあるので次回のプレゼンではそちらの案も考えてみたいと思う。
写真は東京都町田市に建てた2階リビングの家の外観である。ウッドフェンスがその向こうにある大きな窓のプライバシーを確保している。

2022/04/09

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は新入社員の歓迎イベントで名栗湖の近くにある河原でのバーベキューを行った。毎年新しく入った社員とその家族をお招きしてのイベントをやっている。どんな会社で働いているのかをご家族にも見ていただこうという趣旨なのだけれど、これがなかなか盛り上がる。この湖は、有間川に設置された有馬ダムによって誕生したダム湖である。周辺には温泉や名栗カヌー工房、そして今回行った有間渓谷観光釣場があるが、先日登った棒の嶺もこの近くだ。近くにある山を見ながら「登りたいなあー」と思いながらも今日は肉を焼く係に徹して過ごした。幸いお天気にも恵まれて、新緑の自然を楽しんでいただいただろうと思う。これからも少数精鋭、良い家づくりに向けて最高のチームを作っていきたい。

完成しない方が良いもの

2022/04/08

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
以前、スペインのバルセロナに行ったときにサクラダファミリアの尖塔に登った。この教会は初代建築家フランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受け、その後を引き継いで2代目建築家に就任したガウディーが今の姿を設計した。いつ完成するかわからないと言われていた建築、スケッチに基づいて多くの人が魂を捧げて作り続けている建築であった。尖塔を登っていてもあちらこちらで工事中、それもまるで彫刻を制作しているかのような様相である。技術の進歩により2026年に完成するということであるが、こういう建築は完成しない方が良いような気もした。IT技術が進歩し、昔のようなある特定の空間が力を持つことが出来ない時代に建築が特別な力を持つとしたら、それを作るという行為の中にあるような気がする。そしてこの感覚は、自分の家を自分で作るという住宅のセルフビルドにも通じるものであると思うのである。

仏教とともに残るもの

2022/04/06

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都豊島区にある本納寺さんの増築工事の打ち合わせに出かけた。以前屋根の瓦の吹き替えを行った本堂の裏に、物置スペースを作りたいという内容である。既にある3畳ほどの物置とその前の2畳ほどのスペースを合わせて5畳くらいの物置にするのだけれど、床の高さはそれぞれのスペースで微妙に違うし、複雑にかかる屋根をどのように処理するかがなかなか難しいのである。

この本堂の屋根の吹き替え工事を依頼していただいたのはもう3年ほど前になるだろうか。初めてお寺の出入りを始めさせていただいたのがかれこれ10年ほど前、お寺の工事をやったことはないけれど、社寺仏閣は建築に携わるものにとっての夢の舞台なのでぜひと行って以来のお付き合いである。その想いは今でも同じ、自分の命はいつかは終わるがこういう建築は、仏教とともに残るものであるからとても大切にしていきたいと思うのである。下の写真は瓦を吹き替え、宝珠を交換した時の写真である。

良い建物はやっぱり良い施主がつくるもの

2022/04/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は事務所にて各プロジェクトの打ち合わせを行った。下の写真は10年ほど前に埼玉県の川島町で作ったアスタリスクというカフェである。会社を早期定年退職で辞めた後、退職金で新築の住宅とカフェを手に入れたいという一見無謀とも思えるような計画であった。土地を700万円くらいで先に買ってしまったので、建物の予算は1200万円ほどしかないという。これで本当にできるのかの不安を感じたものの、施主のHさんご夫妻の熱意を感じるうちにこれならできるだろうの予感がしたので請けることにした。カフェは見事に完成した。そして埼玉県ではとても人気のあるカフェとなったのである。
良い建物はやっぱり良い施主がつくるものだと思う。お金の額はあんまり関係ない、良い施主の強い思いとそれを実現させようとする僕たち建築家の熱意が合わさって初めて出来上がるのだ。

Kさんにとって本当に良いデザインの住宅に生まれ変わらせたい

2022/04/04

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県さいたま市にてリフォームを検討中のKさんご夫妻打ち合わせ。ツーバイフォーの建築の間仕切り壁を撤去して一部屋にしたい、床の撤去をして大きな吹き抜けを作りたいなどのご要望なので、構造計算をしながらの丁寧な設計が求められる仕事である。なるべくご予算を抑えながら対応させていただければと思っている。
下の写真は、以前作ったお寺の用務員さんの家である。お仕事柄、大工工事も塗装工事もなんでもできる、いわゆるセルフビルダーである。そのSさんがこだわって、そしてなるべくコストを抑えながら作った住宅がこの家だ。外断熱を採用しているので、内部の構造は剥き出しにされている。構造がそのまま建物の魅力となっている力強い表現だ。間柱と間柱の隙間は、自作の棚によって本棚などに利用されている。キッチンは自らの持ち込み、写真に映るテーブルももちろん自作である。床の土間には実は温水パイプが埋設されていて、太陽光で温められた温水を利用して床暖房が利用できる。まさにアイデアの詰め込まれた住宅、施主が家を本当に好きで、心から楽しみながら作った住宅といえる。

Kさんの家もとても大切に使われているいい家だ。その家を見れば愛されているかどうかはすぐにわかるものだ。こういう家のリフォームをすることは本当に光栄なことである。この先も一生使い続けることができるよう、Kさんにとって本当に良いデザインの住宅に生まれ変わらせたいと思うのである。

建物に対する愛着を高める

2022/04/02

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)

今日は埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家の契約前打ち合わせを行った。設計と見積もりを終え、金額調整最終段階ということで、セルフビルドの範囲を決めたりの話し合いを行った。
ますいいでは普段からセルフビルドを多く取り入れている。これはもちろんコストダウンにつながるわけだけれど、それ以外の効果もある。例えば漆喰塗りをセルフビルドで行えば、暮らしている中でお子様が壁を汚してしまったとしても、自分の手で塗り直すことができる。多少のひび割れが発生しても、自分でその穴埋めを行うこともできる。タイルなどは一度経験してしまえば、住みながらにして洗面所にも新しいタイルを貼ってみようなどの模様替えも可能になる。それに自分の家を自分で作るという行為を行うことは、建物に対する愛着を高めることにもつながることとなるのである。

なるべく費用を抑えて

2022/03/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、注文住宅を中心に丁寧にデザイン設計を行います。(東京都町田市、群馬県高崎市にも分室があります。)
東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。大規模改修をするか、はたまた新築住宅を作るかの検討をしているのだが、その判断基準として将来住宅を売却するときの価格についてお話をした。例えば築年数が30年の住宅を2000万円の費用をかけてリフォームし15年後に売却するとする。土地の価格が3000万円だとして、そこにリフォーム費用なるべく多くを上乗せして売りたいと思っても、築年数が45年の木造住宅はそうそう簡単に売ることはできない。日本では木造住宅の寿命は30年程度と思われており、文化財のような特別な建築を除いては建物価格を上乗せして不動産取引が行われることはほとんどないからである。それに対して、欧米では古い建築を手入れしながら住みつぐという文化があるので、古ければ古いほど価格があがる国もあるのだが残念ながら日本はそうはなっていないのだ。

日本でも古い建築が価値を持ってくれれば良いと思う。そのためには新築時点でのより良い住宅の設計が不可欠であろう。構造、断熱、素材、・・・さまざまな要素が100年の使用に耐えうるという想定で設計することが求められるわけである。最近はますいいで作った住宅の再販の事例も増えている。下の写真はもう18年ほど前に作った住宅だが、数年前に持ち主が変わった。そして新しい家主さんからはリフォームの依頼を受けている。こういうことに丁寧に対応していくことは環境にも良い。そしてとても良い種類の仕事だと思うのである。

Uさんの家、リフォームでも新築でも良い仕事をできればと思っている。リフォームならばなるべく費用を抑えて作ってあげたいと思う。

 

 

予約制モデルハウスの我が家

2022/03/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、注文住宅を中心に丁寧にデザイン設計を行います。(東京都町田市、群馬県高崎市にも分室があります。)
今日は埼玉県さいたま市にてマンションのリフォームを検討中のNさんご家族が、僕の家、つまり今モデルハウスとして予約制で公開している住宅を見学に来てくれた。公開しているのは2階のリビングと1階の水回り、そして茶室である。1階は鉄筋コンクリート造としているが、これは荒川が氾濫した際の水害に備えてのことである。2階から上は木造住宅だ。やはり住宅は木造の方が住み心地が良い。この住宅は中庭を介して2世帯住宅となっている。中庭部分は細い廊下で繋がっているだけなので、構造上の弱点となっている。この廊下部分の床には鉄骨の補強ブレスが仕込まれているのだけれど、地震が起こるとそのブレスが頑張ってくれているのがわかる音がするのが面白い。少々の説明の後、薄茶を差し上げて次は現場の見学に移動した。

初めての茶事

2022/03/27

埼玉県川口市にてデザイン性の高い注文住宅を建設する、工務店機能を兼ね備えた設計事務所を営むますいいリビングカンパニーの増井真也です。
今日は我が家で行う初めての茶事を行なった。お客様としては旧知の某大学の先生、千葉県でいつも年末の釜にご招待いただいている先生、そして川越の先生である。11時に席入りなので、15分ほど前にお客様がくる。待合で白湯を出している間に、僕は茶室で炉の中を整える。準備ができたら迎え付け。さあいよいよ後戻りはできなくなってしまった。隅点前を終えると、素飯を差し上げますで懐石の始まりである。菓子、濃茶、そして薄茶と全ての工程が終わる頃にはドット疲れ果ててしまう。やはり慣れないことをするのは大変なものだ。でもお客様には喜んでいただけたようで、何よりの達成感であった。亭主1回、客100回という言葉があるそうだけれど、僕は100回のお客様分の勉強ができたのだろうか?

今日で21年目の長い道のり

2022/03/24

今日は1年間取り組んできた川口グリンセンター内シャトー赤柴大集会堂の基本設計の納品を行った。このプロジェクトは明仁上皇陛下が皇太子時代に宿泊をしたことがある洋館風建築である。それ以来はレストランや結婚式場などの用途に使用されてきたのだけれど、老朽化によって最近は空き家状態であった。今回のプロジェクトでは、利活用の提案も含めてリノベーションの基本設計を行なっている。構造に関しては約1500平米ほどの2階建ての鉄筋コンクリート構造の強度や中性化の破壊試験なども行なった。50年経った建築が意外なほどに健全な状態を保っていることが分かったのだが、これを当時建てた会社が僕が以前勤めていた戸田建設であるということもまたなんとなく運命を感じるのである。

ちなみに今日はますいいの本社を2001年3月24日に使用開始して以来、21年が過ぎた記念日でもある。あっという間だったけれどよくこれだけ長く続けることができたものである。ますいいリビングカンパニーは工務店機能を兼ね備える設計事務所として運営している。今では丸太の製材、吉野や八溝の山とのお付き合い、社員大工さん、そしてこうした公共建築の設計なども手がけるようになった。これも一緒に仕事をしていただいている社員と協力会社さん、そしてますいいを信頼して仕事をご依頼いただける皆様のおかげである。これからも精一杯建築家の道を精進していきたいと思う。

気配をデザインする

2022/03/23

窓辺に座って外を眺めるのが好きな人は多いだろう。ともすると隣の家の人と目が合ってしまうところが都会の住宅の困ったところなのだけれど、まあそんな変化も窓がなければ感じることができないわけだから、窓のというのはとても大切な存在であると思う。窓からは色々な光が入ってくる。直射日光だけではなくて、北側の窓から入り込む安定した反射光もまた魅力の一つだと思う。緑が見えたりのご馳走があればなお良しだ。

僕の家の北側の窓はとても大きい。アルミサッシだけれど内側に木製の飾り枠を設ることで木製建具の如き感じとなっている。家の玄関に向かう路地の一番奥にある窓だから、家族が帰ってくるとその気配が伝わってくるのも良い。窓の設計をすることは、ただ単に壁に穴を開けることではない。その家の暮らしの中で感じる、家の内外双方の気配をデザインすることだと思う。

丹沢山登り

2022/03/20

今日は丹沢にある塔ノ岳という山に登った。昨年から地元の先輩に誘われたことをきっかけに山登りを再開したのだけれど、中学高校山岳部時代のようにはなかなか行かないものだが、ようやくコースタイムにして8時間ほどの一日の山行としてはロングコースと言われる山に登ることができた。今日は風のない穏やかな日だった。でも登り初めからずーっと何だかよくわからない音がどーん、どーんと聞こえていた。これは雷かなと思いながらも、天気予報では晴れマーク、道ゆく人に尋ねてみると「自衛隊の軍事演習だと思いますよ」の答えが返ってきた。世界ではウクライナとロシアの戦争が行われている。遠い世界の出来事だけれど、日々その映像が自然と目に入る。SNSなどの情報は個人の意思で世界中を飛び回ることができるから、遠い世界のこととすぐ身近で起きていることが、同時並行的な情報として知覚されるわけだ。東富士演習場から聞こえてくる大砲の音とウクライナで響くミサイルの音が何となく被ってしまい、何だか不思議な感覚になった。平和というものの尊さや、それがプーチンのような人間の一瞬の判断によって奪い取られてしまう不思議を感じながらの山歩きであった。

 

たまに米の研ぎ汁で磨いてあげる

2022/03/19

埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家の打ち合わせ。このプロジェクトはTさんの奥様の実家に、Tさんご家族が同居するための炉フォーム計画である。都心から程よい距離を離れたちょっと田舎に移り住み、畑を耕したりの自由を得ながら暮らす「田舎暮らし」を快適に行うための設計を進めている。もちろんますいいの得意なセルフビルドなどを積極的に取り入れて、コストダウンを図っているが、床の唐松無垢材などの自然素材にはこだわりを持って設計しているところである。

群馬県中之条市で製材している唐松のフロアリングは僕のお気に入りの素材の一つだ。この写真は僕の自宅であるが、ここの床にも使用している。建てて2年ほどになるが、色合いも落ち着いてきた。たまに米の研ぎ汁で磨いてあげると自然な艶が出てきて良いのでおすすめだ。

アイデア、そしてアイデア

2022/03/17

埼玉県川口市で設計中のNさんの家の擁壁工事についてのスタディー。このプロジェクトでは、道路より1200mmほど下にある敷地地盤に擁壁を作って嵩上げする予定だ。川口市という場所は元々低地であるので地盤は悪い。地盤の悪いところに擁壁を作るとなれば、それなりの地盤改良が必要となる。構造設計者との協議では平米あたり5.5トンの地耐力が必要だということだけれど、ギリギリでの施工は地盤の沈下が心配なので7トンの地耐力を実現することができる改良方法を検討することにした。

この擁壁は現場打ちコンクリート擁壁である。既製品の擁壁を並べるだけの工法もあるがこちらは必要とされる地耐力が現場打ちの場合よりも大きくなってしまう。現場打ちということは敷地の外での作業が必要となるので、隣地の許可を得たり駐車場の車を移動していただいたりの調整が必要となる。それがもし叶わない場合には、やっぱり既製品擁壁をうまく利用することも考えなければいけないかもしれない。下のスケッチは直接7トンの地耐力が出せない場合のアイデアだ。擁壁の下に幅広のスラブを作りう、そのスラブを7トンの地盤で支えることでその上に置かれた既製品擁壁の傾きを抑えようという考えだ。これはこれで二つのコンクリート塊をいかに固定するかの工夫も必要となってしまうのでもしもの時の第2案としてとっておくことにしよう。

保育園の設計コンペ

2022/03/15

川口市で募集している保育園の運営事業者選定コンペに設計者として協力している。僕は決して保育園の設計を専門としているわけではないのだけれど、実はもう4年間も保育園の施設認可を行う審議委員として活動していて、これまで何十もの保育園の認定に関わってきた。そろそろ新規整備も終わる頃かなあと思っていたら、何とこの設計に事業者として関わることになったのである。こういうケースというのはなかなか緊張感があるものだ。これまで審査している側が、今回は審査される側になる。これまで指摘してきた事項は少なくともクリアしなければならないし、それ以上に魅力的に設計をしたくなるのが人情というものだ。さてさて、これは頑張らなければいけないなあの思いであるのだ。

戦争が終わらない。なぜ人が人を殺すのかと思うけれど、どう考えてみてもロシア人の総意ではなく一人の独裁者による暴挙としか思えない。これはナチスのヒトラーと同じような気もするが、民族主義や帝国主義のような偏った思想で形成された熱狂的なエネルギーのようなものがロシア国内にあるような気は全くしないところが、第2時世界大戦時とは異なるようにも思える。ある力を持った権力者が、国民の意思とは関係ないところで軍を動かし、反対者を処分し、必ずしも士気のない若い兵士たちが何となく戦いをしているという状況と言った感じだろうか。ミサイルで街を破壊する先に一体なにがあるのか。領土を占領することが目的とも思えないし、そうしたところでロシアに格別な何かが起こるとも思えない。まるでアメリカがイラクを破壊し独裁者を殺してあるはずの核兵器は見つけることができなかったあの戦争の時のように、きっとなにもなかったかのように終わるだけなのだろう。

 

家を作ったお客様からのプレゼント

2022/03/14

埼玉県川口市に数年前に建てた中庭のある家のMさんから、「白文字がとても綺麗に咲いたからよかったら見にきてください」のお誘いを受けた。この住宅は二つの中庭を外壁が囲むように作られており、内部と外部(中庭)が木製の建具を介して連続した空間での暮らしを楽しむように設計されている。今日はとても暖かく、中庭ではいついているのら猫が3匹まるで我が家というふうにゆったりと過ごしていた。白文字は黄色い綺麗な花を咲かせていた。まるで桜のように1週間ほどで終わってしまうようだが、まさに四季の移ろいを楽しませていただいた。

 

マンションのスケルトンリフォーム

2022/03/08

埼玉県さいたま市にてリフォームを検討中のNさんご家族打合せ。Nさんはお母さんとお二人で暮らすマンションのスケルトンリフォームを検討している。マンションのリフォームというのはコンクリートの躯体やサッシで囲まれた空間を、どのようにアレンジするかの工夫なのだけれど、今の日本のマンションは何の工夫もない一律の内装パターンで作られているので、まずはそこにどのような暮らし方の個性を組み込むかの検討から始めることとなる。趣味のハープを奏でる場所が欲しい・・・のような特別な行為を心地よく行うことができる場をアレンジできるのがリフォームの楽しいところ。これからの設計を楽しみにしたいと思う。

下の写真は数年前に東京都で行ったスケルトンリフォームの写真である。約1800万円ほどでの改修工事であったが、ご夫婦二人でのびのびと暮らすことができる自然素材を中心とした内装とした事例だ。小上がりはベッドのように使用でき、その下は収納となっている。空間を余すところなく利用した良い事例である。

2022/03/06

今日は埼玉県蕨市にある古民家を訪れた。築90年ほどの古い木造住宅を丁寧に直してこの先も住み続けたいというご相談である。僕は古い建物がとても好きなので、こういうご相談はまさに大歓迎だ。田村と妻と一緒に現場を調査し、どの程度の痛みがあるかの推察や、どのような改修工事が適しているかの考察を行なった。

日本の建築は50年もすると価値がないことにされてしまうことが多い。住宅を丁寧にメンテナンスして、次の世代に受け継ぐという文化がないのは、高温多湿の気候や木造が中心であることが原因なのだろうが、海外では木造の住宅でも何世代にもわたって使い続けられているし、古ければ古いほど価値があるという価値観もあるわけだから、この国でもそうした文化の醸成ができるのではないかという期待もある。でもそのためには受け継ぐに値する建築であることが重要なことで、だとすると僕たち建築家が良いものを作る努力をもっともっと行わなければならないということなのかもしれない。

木製建具とウッドデッキの素敵な家

2022/03/05

午前中、埼玉県上尾市にて新築住宅を検討中のTさんご夫妻打ち合わせ。Tさんご夫妻は昨年上尾市で作ったHさんの家のオープンハウスに来ていただいた時に出会った。土地はすでに購入しているということで、これまでハウスメーカーさんなどにプランを作ってもらったりの検討をしてきたのだけれどどうも気に入った住宅に出会うことができないということで、ますいいに来ていただいたところである。ますいいの好きな住宅のイメージは、南大谷の家とのこと。2階にL字型のリビングを配置し、木製建具を使用した開口部とその向こう側にあるウッドデッキが特徴的な住宅である。素材の味を生かし丁寧にデザインされたとても良い住宅なので、皆様にもご紹介しよう。

 

 

2022/02/28

午前中東京都荒川区にて、集合住宅の改修工事現地調査。この計画は最上階のオーナー住宅の断熱改修工事で、主に開口部の断熱性能の向上を行う予定である。数十年前の新築時に建築家が設計したFIXの大開口がたくさんある建築のために、このたくさんあるアルミサッシの開口部をどのように2重構造にするかが課題となった。中には三角形の大開口まであるのだけれど、こういう設を後から2重にするというのはなかなか大変なことなのだ。今回の計画では内窓が作れるように大工工事で下地を組み、その下地にアルミサッシを取り付けることにした。他にもキッチンの回収などの工事もある。小さなエレベーターで資材を搬入しての工事だけに丁寧に計画していきたいと思う。

 

2022/02/25

ますいいリビングカンパニーでは奈良県の吉野杉と栃木県の八溝杉を中心に国産材の家づくりを行っている。昨今のウッドショックで外材の価格が高騰しているのに合わせ国産材も価格を上げているけれど、それでもまだ国産材の方が安定しているのは明らかだ。国産財は少なくとも戦争の影響は受けないし、下がり続ける円の価値の影響も受けない。こういう混乱期になって今頃気が着くのは遅すぎるのかもしれないけれど、これからでも変わることはできると思う。食料や材木などさまざまなものの自給率が話題となっているけれど、材木に関して言えば早く植林から伐採、そして製材までのサイクルを確立し、林業で生きていける仕組みづくりが求められていると言えるだろう。写真はますいいが材木を仕入れさせていただいている永井さんの製材所の様子である。たくさんの丸太を見るとワクワクしてくる。いい家はやっぱりいい材料でしか作れないのである。

作り手が幸せな現場を作りたい

2022/02/23

ますいいリビングカンパニーでは3人の大工さんが専属で働いてくれている。家づくりはやっぱり大工さんが主役だから専属の大工さんがいるということはとても心強いことである。先日、その大工さんの一人である瀬野さんと話をした。瀬野さんは昨年の木造建築士の資格に合格したという。その日はその資格を交付するための勤務証明などの書類を作るために来たわけだが、大工さんが資格を取得するということはとても前向きで良いことだと思う。「自分の家は自分で設計したいんですよね」の言葉は、家づくりに関わるものとして至極当然の思考だし、それ以外の設計だってできるようになるかもしれないわけだ。
僕は作り手が幸せを感じながら仕事をすることができる空間を実現したいと思っている。作り手が幸せと感じない場で、住まい手が幸せになることができる家などできるはずがない。そしてそれは設計者も監督も大工さん達職人さんも一緒である。家づくりがみんなにとって良い仕事であると心から思えるような場こそがますいいリビングカンパニーであると思うのである。

川口の避難観測所

2022/02/21

今日は埼玉県川口市にて計画してきた避難観測所の工事請負契約を結ぶことができた。この計画は荒川の流域である川口市でもしも河川の氾濫が起きた場合、地上4mの鉄骨造の構造物の上にある木造の小屋に避難することができるようにするというものである。地域の避難所というのは大概が学校などの建築物である。でもこうした建物はその地域の総人口を受け止めるにはあまりに小さく、さらに言えば感染症などの危険がある中で高齢者が利用するにはあまりに過酷な環境となる。本当はそれぞれの住宅の敷地内で避難ができるような装置があることが望ましいことは明らかであり、この計画が完成すればそれを広く知らしめることができると考えている。
掲載の記事は昨年の住宅特集に掲載されたものだ。いよいよ工事が始まるところまで来た。ここからが楽しみなところである。

注文住宅には蒔ストーブを設置したい

2022/02/15

住宅には重心があると良い。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れるくらい自然で幸せで暖かいひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。ストーブにはそれを生み出す力がある。だからなるべく設計に取り入れるようにしているのである。

講演会のご報告 茶室四方山話

2022/02/13

ホームページのリニューアルを行なっている。ようやく日記を書くことができるようになったので再開したい。20年分もの日記を新しいページに全て移すことはできなかったので、それについては後日外部ページに公開することにしている。

今日は裏千家の埼玉県青年部総会に参加。約1時間ほどの講演会講師をさせていただいた。テーマは「茶室四方山話」である。ZOOMでの開催とあって、全国北海道から鹿児島まで多くの方々にご参加いただいた。

暮らしの中に馴染む茶室とは一体どんなものだろうかの結論に至るために、闘茶の会所から書院造の茶、鎌倉時代の草庵、そして珠光・紹鴎・利休に至る侘び茶室に関する解説をした。そして利休の茶室はブリコラージュの手法を用いているという結論で締めた。現代に生きる僕たちが造るべき茶室はまさにこのブリコラージュで良い。伝統の中にある高価な素材を全て使う必要などなく、今の時代に手に入るものを現場の即興でデザインし、なるべく安価で無理のない茶室をつくることが本来の姿であるのだ。利休の時代はまさに戦国、コロナ禍の不安定な昨今とても参考になる何かを含んでいる気がする。こんな時代に茶室を造る意味・・・そんな答えに少しは通じることができたような気がする。

(待庵の作られ方を想定したCG)

東京都東村山市にて設計中のUさんの家打ち合わせ

2022/01/24

東京都東村山市にて設計中のUさんの家打ち合わせ。今回の打ち合わせではリフォームの計画と新築の計画の二つのプランをご提案させて頂いた。

新築プランでは中庭のある住宅を考えている。以前作った中庭のある家では、家中のどこにいても庭と一体で暮らすことができるプランを作った。この家は女性が一人で暮らすための住宅なのだけれど、防犯のことを考えると南側に開いた庭を作るよりも、外壁でくるりと囲んだ内側に庭を配置する方が良いと考えたからである。プライバシーのことを気にせずにいつも庭と内部をつなげることができるとても良い手法だと考えている。

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埼玉県伊奈町にてリフォームを設計中のTさんご家族打ち合わせ。

2022/01/22

午後、埼玉県伊奈町にてリフォームを設計中のTさんご家族打ち合わせ。今日は2回目のプラン提案である。奥様のご実家にご家族が移り住んでのハーフ2世帯住宅づくりなのだけれど、最近はこのようにちょっと田舎でゆったりとした暮らしを楽しみたいという方が増えてきるような気がする。コロナの影響で働き方や暮らし方に関する考え方が変わったという方は多いが、考え方の変化が都市や住宅そのものにも変化をもたらすことが顕在化してきているような気がする。

僕が初めて田舎への移住のための住宅を設計したのは、東京都世田谷区から屋久島への移住をしたMさんの家であった。なんで屋久島の家の設計を僕がやったかというと、屋久島の設計士さんに頼むよりも現在住んでいる東京の近くにいる僕の方が細やかな設計の打ち合わせが行えるからである。多くの別荘建築などは現地の建築会社に依頼して思い通りに建たないというケースがあるようだけれど、しっかりと設計をしておきさえすればそいう齟齬も防ぐことができるということでのご依頼であった。

Mさんご夫妻はスキューバーダイビングが好きで、よく海にもぐっていた。僕も一度ご一緒させていただいたことがあるけれど、特にご主人は水中での写真撮影が上手だった。田舎での暮らしは地元の人との交流が大切だから、よく地元の大工さんの家で飲み会をしたりのお世話になった。そのまま大工さんの家で子供達と一緒に雑魚寝という日も少なくなかった。いも焼酎「三岳」を薄めようとすると、なんてことすんちゃ・・・の怒号が飛んできたことを今でも覚えている。当時は屋久島に現場管理に行くのが楽しくて仕方がなかった。鹿児島空港から飛ぶヤバそうな国産機に乗って離島に旅立つのである。こんなに楽しい仕事は滅多にない、そんな思いで現場に向かった。Mさんの奥様が亡くなったのは数年前のことだ。世田谷の小さなマンションに比べたらとても豊かな生活の中で息を引き取ったのだと思う。癌と戦う中での移住だったから、それだけ長く生きることができたのもとても良い環境のおかげだったのかもしれない。
田舎暮らし、僕の周りでも少しずつ増えてきている選択である。Tさんご家族の暮らしが豊かなものになるように設計を進めていきたいと思う。

 

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埼玉県蓮田市にて住宅のリフォームを検討中のOさんご夫妻打ち合わせ。

2022/01/20

午後より、埼玉県蓮田市にて住宅のリフォームを検討中のOさんご夫妻打ち合わせ。都内からちょっと田舎に引っ越しての暮らしの拠点となる住宅を購入し、リビングダイニングをリフォームする計画である。古い農家の住宅らしくとても立派な和室の続き間があり、和室にはこれまた立派な床の間や仏壇入れが設えてある。作り付けのタンスも立派で非のつけどころがない。大工さんが丁寧に時間をかけて作り上げた住宅であることが一眼でわかる良い家だ。Oさんの家に行くといつも2羽の鶏が迎えてくれる。手を差し出すとツンツンとつかれるのだがこれがまた可愛らしい。毎日のように卵を産んでくれるとても優秀な二羽だそうで、今日も田園住宅のマスコットとして僕たちを和ませてくれた。

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今日はとあるご縁で武蔵野大学建築学科にて

2022/01/17

今日はとあるご縁で武蔵野大学建築学科にて大学3年生向けの講義をさせていただいた。大学3年生というのはすでに就職活動真っ盛り。将来に期待を抱く人もいれば、何をやって良いやらの途方に暮れている人もいる、そんな学年であろう。だからこそ僕のように建築家として住宅設計を行いながらも、実際に大工さんを雇用し丸太を山から直接購入して家づくりをしたり、はたまた公共建築の設計をしたり、街づくりの運動をしたり、お寺の改修工事をしたり、神社の建築を作ったり・・・そういう人がいったいどんな思いで建築を愛し、向き合い、仕事をしているのかをお話しすることで、少しでも将来を考える参考にしてもらうことができたらと思いながらの講義であった。

終了後、田中教授の作品を見せていただいた。シェル構造の屋根の実物である。これを学生と一緒に作り上げたというのだからこの先生も只者ではない。セルフビルドが好きな構造家・・・こういう人には初めて会った。

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今日は自宅の茶室にて初釜を開催した。

2022/01/16

今日は自宅の茶室にて初釜を開催した。お招きしたのは裏千家でともに活動しる仲間達、コロナの関係で少人数に限っての小さなお茶会であった。点前は濃茶の各服点てと続き薄茶である。各服点てというのは、元々回し飲みをしていた濃茶をコロナ対策の関係で一人一人に一碗ずつ点てる点前である。一人分の濃茶を練るというのはその加減がとても難しく、濃すぎると全く引くことができないし、薄すぎればそれすなわち薄茶となってしまうわけで、何度も稽古して慣れなければ美味しく点てることができないのである。さてさて、みなさん美味しくいただくことができたのかどうか、お服加減は・・・の問いには大変結構と言われたものの、やっぱりちょっと心配なのでああった。

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藤井厚二氏の自邸「聴竹居」の写真集を見た。

2022/01/15

久しぶりに藤井厚二氏の自邸「聴竹居」の写真集を見た。この住宅は1888年生まれの藤生厚二が作った実験住宅である。藤井は「1日も早く我が国固有の環境に調和し、吾人の生活に適応すべき真の文化住宅の創生せられんことを熱望してやみません」というように、10年にわたって五件もの実験中住宅を作っている。この住宅はその5作目、まさに集大成とも言える作品だ。写真はこの住宅のサンルームの様子である。現在でも竹中工務店によって保存され見学できるのだが、実際に建築を見てみるととても心地が良いことに驚かされる。

この建築はいわゆる数奇屋建築を西洋化し再構築したような木造住宅である。和洋折衷、しかし和の様式も伝統をそのまま置いたものではない。その意匠はとても挑戦的なのに、でもとても心地よい、この心地よさはいったいどこから来ているのだろう。聴竹居は自然素材で作られている。漆喰の左官壁を面として使い、線材としての木が縦横無尽に使われて、紙が貼られ、石が積まれているのである。そこにはいわゆる人工的な素材は一切なく、職人の手によって生み出された自然の暖かさがあるもののみで包み込まれているのだが、人は本来こうした空間を見慣れており、だからこそ落ち着く、いつもあでもそこで過ごしたいと思うような感覚になるのだろう。写真のサンルームは圧巻の造作である。視界を遮らないように工夫されたコーナー部のガラスの収まり、柱がなくとも持つように軒をはね木で持たせていたり、見せたい中央部のガラスのみを透明とし、上下のガラスは曇りガラスで調整すなど非常に細やかな気遣いがある。ここはこの建築の中で僕が最も好きなところだ。

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埼玉県川口市にあるグリンセンターの大集会堂シャトー赤柴

2022/01/13

午前中、埼玉県川口市にあるグリンセンターの大集会堂シャトー赤柴に関する利活用についての打ち合わせ。ますいいリビングカンパニーでは古い建築のリノベーションに力を入れている。すでに新しい建築をどんどん作る時代は終わりを告げたことは明らかなのに、それでも新築中心主義を貫く人が多いことに驚くが、僕はなるべく古いものを大切にする建築家のあり方を大切にしている。そこで、市内コンペに応募しこの設計に携わることとなった次第である。

このプロジェクトは50年ほど前に作られた洋館風建築物をリノベーションして、利活用しようというものである。本年度は基本設計を行なっているのだが、僕たち設計事務所のエゴで設計行為を行うことの無意味さを避けるために、市内の飲食事業者さん達とのワークショップを行い、どんな建築だったら使いやすいかなどについての意見を伺って来たわけだ。建築はあくまで使い手のために存在する。住宅だって寺院だって教会だって同じこと。飲食店を行うならば飲食事業者さん達の意見を聞かなければ良い設計などできるはずはないのである。

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午後、京浜東北線の浦和駅東口にある店舗について打ち合わせ。16時ごろまで。

長野県の菅平というところ

2022/01/11

長野県の菅平というところに、開拓者の家という建築がある。この建築はますいいリビングカンパニーの生みの親でもある早稲田大学名誉教授の石山修武氏が設計したもので、コルゲートパイプという大きなパイプを地面に転がし、砕石で転がらないように固定してさらにワイヤーで引っ張って強風などに備えているという、建築のような建築でないようなの物体だ。内部はセルフビルドによって作られたスチールの造作が施されており、勇気的な意匠がとても特徴的だ。レタス栽培などを手がける農家を営む施主のSさんはここでお子さんも育て上げた。形は変わっているけれど、とにかくれっきとした住宅なのである。

先ほど建築のようで建築ではないと書いた。基礎で地盤に固定されていない伽藍堂のパイプは建築なのか?の曖昧さを述べたのであるが、普通の家庭の庭に置かれているイナバ物置の如く簡単に動かせるようにしてあればそれはあくまで仮設建築と言えるだろう。建築でなければ固定資産税がかからない、そういう束縛からの自由を手に入れることができる可能性があるところに夢がある。人は何十年というローンを組んで住宅という呪縛に縛られすぎるところがあるが、本来住宅は人が安心して暮らすことができればそれで良いのである。ここで暮らすSさんはそんな自由を手に入れるためにこの建築を造った、そしてその精神を引き継ぎながら僕たちますいいリビングカンパニーも「もっと自由に家を作ろう」の合言葉で家づくりに励んでいる。

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日曜日の今日は本当は山に行こうかと思ったのだけれど

2022/01/09

日曜日の今日は本当は山に行こうかと思ったのだけれど、来週僕の家で行う茶会の席で濃茶の各服点というお点前を行う稽古をしなければいけないなあのプレッシャーを感じて諦めることにした。濃茶というのは通常3人分や5人分の量を1椀に点て茶碗の回し飲みでいただくのが普通だったのだけれど、コロナの影響でそれが叶わずさてどうするかという段になって、スペイン風邪の時に円能斎という方が考案した各服点というものを再び採用することになったわけである。古いお点前だけにお家元がビデオメッセージまで出して僕たちにご紹介してくれたわけだけれど、これがどうも普及しない。だったら僕たちがやってみようということで、十六日のお茶会で披露することになったわけだ。

このお点前ではたっぷり3杓の濃い茶を茶碗に入れ、追柄杓なしで濃い茶を点てることになっているのだけれど、これは誠に難しくなかなか上手にできない。長盆に4椀を乗せ、一気に点てた濃い茶を妻や子供たちといただくこと4回、流石にもうお茶は飲めないなあと思った頃にようやく濃茶らしくなってきた。

僕の茶室にはほんのりと照らしてくれる小さな照明がついている。でも茶室の明かりを消して窓から入るわずかな光に包まれている方がどれだけ心地よいか、というわけで明かりを消してのお点前も試してみると、黒茶碗のなかは完全な暗黒、他の茶碗はなんとか見えるがこれは全くの暗闇なのだ。黒楽茶碗というのは利休が作ったものである。長次郎という瓦職人に焼かせたと言われているが、中国伝来でも朝鮮伝来でもない日本の美、それを真っ黒な茶碗に背負わせたのだからこれは革命的なことであっただろう。これまで何度も使ってきたが、こんなふうに暗闇にして使ったことは一度もなかった。利休の時代、当然照明器具などはなく、あっても蝋燭や油の灯りで照度は今日と同じであろう。ということはこの黒茶碗、今も昔も点前をする人が何も見えない状況をあえて生み出す茶碗なのである。見えないのだから頼りは勘のみ、下手な小細工はやりようがない。勘は体に染み付いた所作からしか出てこない。果たして僕にその所作が身についてくれるだろうか。茶碗のなかの暗闇に吸い込まれるような不思議な感覚、目に見えないことを見ようとするのではなくあるがままに受け入れることで感じる神聖さ、なんだかちょっとお茶というものがわかった気がした1日であった。

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午前中は事務所にて雑務。

2022/01/08

午前中は事務所にて雑務。

午後、丸太の注文。ますいいでは国産広葉樹として栗・桜・鬼ぐるみの丸太を購入し常に200枚ほどの造作材を板で保管している。今年はウッドショックの影響で少々少なめのようだけれど、とりあえず今購入することができる栗と鬼くるみを買っておくことにした。こうした丸太は製材して約1年間ほど乾燥させる。乾燥させた後には再度プレーナーをかけて反りをなくし、ようやく天板や棚板などに使用することができるようになる。製材所ではマルタの割れや木自体の反りなどを見て鋸を入れる角度を決める。厚みは使いたい用途によって変わってくる。テーブルなどは60mmくらいの厚板に、棚板や枠材だったら30mmほどの薄板にする。もちろん薄板の方が乾燥期間は短くなるし、1枚あたりの単価も安くなるので用途をしっかり考えて製材しないと後で結局使うのに苦労する羽目になってしまうのだ。天候次第では2月半ばに製材ツアーを企画した。雪があまり降らないようだったらスタッフを連れて行ってみることにしようと思う。

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今日から仕事始め。

2022/01/06

今日から仕事始め。今年も賀詞交換会などの人が大勢集まる行事は控えられているので、毎年こういう行事でしかお会いすることがない人たちとかれこれ2年間会うことができなくなってしまっている。コロナは今のところまだ下火ではあるけれど、オミクロン株の猛威が迫っているようで、この先はとても不透明だ。そんな中で中国の不動産開発の暗雲やアメリカの利上げのニュースなどを見ていると、本当にだいじょうぶかの不安も感じざるを得ない。最近の新聞記事などでは、資本主義の再構築という内容をよく見かける。金融緩和による金余りの結果、行き過ぎの格差の出現、賃金が上がらない中での物価の上昇など現状の具合が良くないことは誰の目にも明らかだ。人が安心して暮らすことができる世の中を再構築するためには、やっぱり民主主義がきちんと機能する必要があるのだと思う。

パルテノン神殿は、紀元前447年に建設が始まり、15年の歳月を費やして完成したそうだ。そしてこの場所は民主主義の起源としても知られている。哲学、議論、・・・全ては人が幸福を追求するための道具であると思う。今、日本の国会議事堂は果たしてそのための場になっているだろうか。僕たち政治家ではない普通の人でもこういうことを議論する権利がある、あとはそれを実行するかどうかにかかっているのではないかと思うのである。

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障子の効用

2022/01/04

障子の効用

窓からの光はとても貴重だ。家づくりとはボリュームを定義することによる空間づくりと、その空間に外部とつながる窓を開けることがとても中心的な作業となる。障子というのはその窓からの光をちょっと和らげてくれる効果がある。それだけでなく窓の外の景色も無かったことにしてくれる。ちなみにこの窓は僕の家のリビングの窓なのだけれど、この向こう側にはファミリーマートのバックヤードがあって、いつもそこで決まった店員さんがタバコを吸っている。だからこの家に住んでからこの障子を開けたことはほとんどないのだけれど、でもこの窓のおかげで天気の良い日には朝日が入り込んでダイニングテーブルに彩りを与えてくれたりの効用があるわけで、ここにはやっぱり窓があって欲しいのである。

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今日は東京都の陣馬山から高尾山まで

2022/01/03

今日は東京都の陣馬山から高尾山まで16キロほどある低山ハイクに出かけた。標高は700mほど、冬でも安心して歩くことができる。昨日は親族の集まりで少々食べ過ぎてしまったので、ちょうど良いダイエットである。山を歩いていると常緑の針葉樹である檜と杉の木をとてもよく見る。日本の山はほとんどこの二つの木によって埋め尽くされてしまっているのだけれど意外とこの2種類の木の見分け方は知られていない。支那の写真の1枚目は杉。ツンツンととんがった形が特徴的だ。次の写真は檜、平べったい形が杉とは全く異なる。ちなみに檜の葉の裏側には3枚目の写真のようなY字形の文様がある。なんとも不思議な文様なのである。

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あけましておめでとうございます。

2022/01/01

あけましておめでとうございます。今年は茶室に蓬莱飾りを設てみました。昨年同様、柳も飾っております。軸は「月上青山玉一団」香合は運の良いことに2年連続、裏千家の先輩より手作りのお品を頂戴しました。いろいろな方にお知恵を拝借しての蓬莱飾り、どうしてもほんだわらが手に入りません。築地の乾物屋山に行っても無く、代わりにおせちを買ってしまう始末・・・。どなたか入手できる方おられましたら是非お譲りくださいませ。

兎にも角にも、本年が皆様にとって良い年になりますように。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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窓辺のキッチン

2021/12/30

窓辺のキッチン

僕の自宅のキッチンは目の前に大きな窓がある。北向きだけれど、安定した光が入るし、その向こうにはちょっとした緑もあって季節ごとに変化を楽しむことができる。ふと気がつくと塀の上を猫が歩いていたりの驚きもある。キッチンのタイルはセルフビルドで貼った。素人の仕事なのでちょっと雑なところもあるけれどそれも味だ。ステンレスのバイブレーション仕上げの天板は傷も目立ちにくいしなかなか良い。写真の木の作業台の天板はタモである。全てをステンレスや人造大理石などで仕上げてしまうのではなく、こういうところに天然の木の仕上げがあるだけで豊かさが増すように思える。

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今日は埼玉県上尾市にて作ったHさんの家

2021/12/27

今日は埼玉県上尾市にて作ったHさんの家のチルチンビト撮影立ち会い。雑誌の撮影立ち会いはこれまでにも何度も行ってきたが、チルチンビトさんは生活感を撮る雑誌さんなのでクライアントにも登場して頂くことにした。撮影は朝の十時ごろスタート、まずは外観写真、そして内観へと移っていく。キッチンやリビングにある大きな階段の写真にはHさんご夫妻が実際にそこで過ごしている様子を撮影した。最後は屋根の上にあるウッドデッキである。このウッドデッキは屋久島で取れた杉で作られいて、遠くに富士山、そして春には庭にある枝垂れ桜でお花見を楽しむことができるという特別な場所になっている。

ちなみに屋久島の杉材は油が多くとても丈夫で外部使用にはとても適した素材だ。どれくらい油分が多いかというと、4寸角の柱材、普通なら軽々と持つことができるのだけれど、屋久島の杉の場合はとても重くて僕でもなんとか持てるくらい、それくらいに違うのである。

下の写真は撮影時の様子。ウッドデッキの写真はドローンを飛ばしての撮影である。ドローン撮影も最近は珍しく無くなってきている。現実ではあり得ない、視点をずらした建築の見え方を楽しむ良い手法なのだ。

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代休のおかげでホワイトクリスマスイブ

2021/12/24

代休のおかげでホワイトクリスマスイブを過ごしてしまった。今日は八ヶ岳の北横岳に冬山登山に出かけた。冬山など登るのは10年以上記憶にないのだけれど、ひょんなことから登山を再開することになって以来、自然と意識が向いてしまった。僕が山と出会ったのは早稲田中学・高校時代の山岳部である。本当は中学1年性の時にスキー部に入りたいという意思表示をしたはずなのだが、その時の担任の高橋先生に「スキー部はやめときなさい。山岳部がいいよ」と言われて、なぜかそれを鵜呑みにしてしまった。山を歩いていると、特に何にも考えることができない環境の中で、それでもいろんなことを考えようとするもので、そういう自分自身を見つめる時間が僕にとってはとても貴重なものだったような気がする。幼いながらに禅の如き時間を過ごしたような感じだろうか。47歳になり再び山と対話しながら登山をする自分がどうなるか・・・、これが不思議なことに昔と全く変わらないのが面白い。まあ怪我をしないように継続していくこととしようと思う。

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今日は埼玉県川口市にて設計中の

2021/12/22

今日は埼玉県川口市にて設計中の、川口市立グリンセンター内シャトー赤柴大集会堂の基本設計中間報告会を行った。この施設はワークショップなどの文化施設と飲食スペースに分かれて利用される予定である。これまで4回のワークショップを行う中で、この施設を利用するとしたらどのように魅力的な運営方法が考えられるかについて、実際の市内業者さん達のご意見を伺ってきた。僕たちが作り上げた基本設計計画はこのワークショップの中で得られたご意見を取り入れながら行っている。さまざまな行政施設が無用の長物として利用されない箱になってしまっている中で、こうして使う人の意見を聞きながら設計を行うということはとても大切なことだと思う。民間だったら当たり前のことなのだけれど・・・、だからこそ僕たちみたいな設計事務所と行政が協力して良いものを作らなければいけないのだと思う。

午後より埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打ち合わせ。今日は45坪まで絞った案についてプレゼンを行った。55坪・60坪・45坪とさまざまな広さでご提案をしているが、実際の床面積はそれほど大きく変わっているわけではない。大きくなるとその分吹き抜けなどの床には参入されない面積が多くなっているのである。4人家族にとって適正な広さの感覚は人によってさまざまだろう。大抵は30坪から40坪程度が多いのではないかと思うが、最小限住宅では上下合わせて18坪の9坪ハウスのごときものだってある。暮らしのスタイルは人それぞれ、どのようなものが自分に適しているかを見ることから始めるのが良いのだと思う。

今日は高尾山から景信山までの縦走を楽しんだ。

2021/12/19

今日は高尾山から景信山までの縦走を楽しんだ。景信山までの稜線は尾根の上と北側の日陰の道があって、日陰の道を行くと小さな氷のオブジェが沢山あることに気がついた。なんだか変わった形をしたこの氷は、「しもばしら」というシソ科の植物の辞表の部分が枯れて残った地下茎からである蒸気が凍ってできたものだという。自然の作る奇跡の造形とも言えるだろうか、低山といって侮るなかれ、東京都の低山ハイクで思わず人生初モノの体験をしてしまった。

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埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家のリフォーム打ち合わせ

2021/12/17

今日は埼玉県伊奈町にて設計中のTさんの家のリフォーム打ち合わせ。お母さんが一人で暮らす実家に家族みんなで移り住み、大勢で暮らすためのリフォームである。敷地には大きな畑があって、暮らしの中に畑作業を取り入れることができるなんとも羨ましい暮らしである。普通の人が農地に暮らそうとすると、農家として認めてもらうための就農研修などに参加する必要があるけれど、ご実家であれば全くそんな必要はないのである。

かくいう僕も実は畑作業を楽しむ一人である。畑は地元の農家さんからお借りしているのだが、広さは意外に広く2反(600坪)ほどのスペースをますいいの安江さんと、茶道の知人であるAさんと一緒に楽しんでいる。最近は忙しくてあんまり参加できていないけれど、農薬をほとんど使わずに育てた野菜や、この場所でやる焚き火は僕の大切な楽しみの一つだ。そして何よりも娘と一緒にこんな作業をできるのもまた大切な時間なのである。

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東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ

2021/12/16

午後より、東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。ご両親を亡くし、これからの暮らしを営む家をどうするかの検討である。リフォームするもよし、新築するもよし、どちらも可能性があるので二つのご提案をさせていただくこととなった。

下の写真は僕が初めて埼玉県建築文化賞の最優秀賞をいただいた作品である。この住宅の施主のMさんは、この家を建てる前にご両親を亡くし、新しい暮らしのスタートのために僕のところに家を建て替えるご相談に来てくれた。その時に自分の今の状態は、この写真の中にある神田日勝さんの後ろ足のない馬の模写のような状態だけれど、家を作ることでしっかりと地に足をつけて暮らしていけるようになるような気がする、という話をされた。32歳で亡くなった天才画家については、連続テレビ小説などにもモデルになった人物が描かれたりしたので知っている方も多いだろう。家づくりというのは、人の人生の支えになるくらいにとても大切なことだと思う。そもそも家というのは人が生きるための箱なのだ。さまざまな思いを抱きながら幸せに暮らすことができる箱、それを作るという尊い行為とこれからも真剣に立ち向かっていきたいと思う。

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避難観測所兼茶室の打ち合わせを行った。

2021/12/15

午前中は埼玉県川口市にて設計中の避難観測所兼茶室の打ち合わせを行った。このプロジェクトは荒川の氾濫時に想定される川口市の浸水の時に、高齢のおばあさんが自宅に居ながらにして避難することができるようにするものである。鉄骨で嵩上げされた小さな小屋には2階の窓から移動することができるように自宅2階内部にスロープを設置し、そこから渡ることができるように設計されている。1階から2階への垂直避難は、押し入れの床に穴をあけて車椅子ごと2階まで移動することができるように作った簡易エレベーターで行う。この垂直避難にはチェーンブロックを使用しているが、これはあくまで避難時のみに使用するもので普段は荷物の上下移動にしか使用できない決まりがある。古屋には小さなテラスが付いており、ヘリコプターによる救助にも対応できる構造だ。年明けからいよいよ工事にないる予定、出来上がるのがとても楽しみなプロジェクトだ。

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日本経済新聞で僕の茶室をご紹介いただいた。

2021/12/12

今日の日本経済新聞で僕の茶室をご紹介いただいた。日本経済新聞の記事だというからどんな風にご紹介されるのかと思ったら、僕が普段着で茶室にパソコンを置いて仕事をしている風景であった。取材の日は着物を着込みお点前をしてのお出迎えをしたのだけれど、取材後の談笑の様子が掲載れるのは予想外というが、予想通りというか・・・。
僕の自宅の茶室ではお茶のお稽古をしているわけではない。お稽古は先生の稽古場で行うので、自宅はあくまで楽しみの場である。冬の茶室は特に良い。冬は畳に空けられた穴を開けてそこで湯を沸かす炉を使用する。(ちなみに夏の間は風炉というまあるい火鉢のようなところで湯を沸かすことになっている。)炉の季節になると、まるで家の中の焚き火状態で、パチパチと起こる炭の音と香りを楽しみなが、そしてほのかな暖をありがたく思いながらの、ゆったりとしたひとときを過ごすことができるのである。

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アスタリスクカフェというカフェを作らせていただいた。

2021/12/10

埼玉県川島町で10年ほど前にアスタリスクカフェというカフェを作らせていただいた。早期退職をしたご夫妻が訪ねてきて、1200万円ほどでカフェ兼住宅を作りたいというご相談を受けたときには一度お断りをしようと思ったのだが、ご主人のやる気を感じるに従い、この人だったらある程度の箱までを作ってあげれば、そのさきはセルフビルドで理想のカフェを作りあげられるのではないかという思いでお仕事を受けさせていただいたのである。その後カフェはとても繁盛し、テレビや雑誌の取材を受ける人気店となった。

良い建築は良い施主が作るものだ。お金がふんだんにあれば良い建築ができるかというとそうでもない。予算が少なくとも素晴らしい建築はある。決してお金じゃないのだ。そこに必要なものは、こんな建築にしたいという施主の思いとそれを実現しようと真摯に向き合う建築家の思いであり、それが同じ方向に向いたときに初めて良いものができるのだと思うのである。

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埼玉県蓮田市にて農業を営みながらゆったりとした田舎暮らし

2021/12/08

午前中、埼玉県蓮田市にて農業を営みながらゆったりとした田舎暮らしを楽しみたいというOさんご家族打ち合わせ。蓮田市という場所は東京から東北自動車道を使えば車で1時間ほどの郊外である。田んぼや畑が広がるとてものどかな地域で、見渡せば空が見えるとても暮らしやすい場所だ。Oさんご夫婦はもうしばらくは東京でお勤めの仕事があるけれど、数年後の退職、そしてその後の第二の人生を豊かにするための移転を考えたということであった。コロナを経験してテレワークという選択が普通になった今、郊外型の暮らしを楽しみたいという声はとても増えている。今回の計画はキッチンとダイニング、そして洗面室とトイレのリフォームである。蔵のある大きな農家を購入したので、一つづつ丁寧に手を入れながら暮らしやすい形に整えていきたいというOさんのご要望に寄り添えたらと思う。

埼玉県坂戸市にて作ったYさんの家は、農家というわけではないけれど田舎暮らしの事例である。市の保留地で売り出された土地を購入し、広い庭を囲むような住宅を設計した。リビングに薪ストーブを設置、庭には薪置き場もしつらえている。畑で育てた野菜を採って、そのまま料理に利用するという楽しみもできるし、庭でお花を育てることもできる。僕はこの家の設計をするときに京都の大原で暮らすベニシアさんの暮らしをイメージしていたのだけれど、奥様がそんな豊かな暮らしを描き出してくれていることだろうと思う。

蓮田市のOさんの暮らしも、丁寧に創り上げるお手伝いをしていけたらと思うのである。

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埼玉県川口市にある古い住宅を壊さないで利用した

2021/12/07

埼玉県川口市にある古い住宅を壊さないで利用したいというご相談があった。「造らない・壊さない建築家」を心がけている僕としては、こういうご相談はとても大切にしている。建築は上手に手入れをしてあげれば古いほうが価値がある、これは海外では当たり前の考えである。特に最近の手間がかからないように造られている無機質な建築と比べると、昔の職人さんが手間隙をかけて作り上げた古い建築のいかに素晴らしいことか。古き良き時代、その時代に作られたものを大切に使い続けてあげることが文化だと思う。建築家は文化の作り手でありたい。だからこそ今の時代に受け入れられる形に最小限のアレンジをしてあげて、そしてまたこの先数十年と利用される形にsなければと思うのである。

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今日は茨城県の筑波山に登ってきた。

2021/12/05

今日は茨城県の筑波山に登ってきた。この山はロープウエーを使わなければなかなか上りがいがある山で、登り下りの標高差が800mという僕にはちょうど良い体力度だ。冬晴れで見晴らしもよく、気温も高いので心地よい汗をかきながらの登山となった。途中にある大きないしが引っかかったような弁慶の七戻りという岩、これはもうアートとしか言いようがない。自然の偶発的な造形の魅力、そしてそれを大切に守ってきたこの土地の人々に感謝したいと思う。

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今日は日帰り京都である。

2021/12/04

今日は日帰り京都である。裏千家の大会を運営するための委員を務めている関係で、会合に参加するために京都まで足を運んだのだが、久しぶりの京都駅の周辺で見た久しぶりのすごい人だかりになんだか驚いてしまった。

京都市というと財政破綻のニュースが最近は耳に聞こえてくる。これだけの観光都市が保育園の利用料金を上げなければいけないほどに厳しい状況になってしまうことが不思議だが、話題になっている一般市民の保育園の利用料をあげることと、ゲストを迎える豪華茶室まである市役所の改修工事とのギャップを見るに、まるでこの国の格差の歪みが現れているようで気持ちが悪い。いくら観光都市とはいえそこで暮らす人々が幸せになることができなければ、煌びやかな建築投資をする意味はないのではないかと思うのだ。こういう問題が表に出たのはコロナが始まってからなのだろうか。まあ急に財政が悪化したわけではないだろうが、収入が減ることで表沙汰になってしまったのかもしれない。

どんなことでも無理は禁物であるが、京都は一体どんな無理をしたのだろう。同じように世界的な観光地のスペイン・バルセロナにあるサクラダファミリアはいったいどのように資金を集めて建て上がっているか。この建物は贖罪教会なので、資金調達は信者の喜捨に頼ってきた。資金不足により工事がなかなか進まなかったが、1990年代以降に拝観料収入が増えて資金状況が好転したそうだ。税金を使いまくっての建築ではないのでとてつもない時間を要しているが、それがまた魅力になっている点も面白い。最近の京都はちょっと無理をしてしまっていたのだろが、そんなに無理をしなくとも元々ある京都の魅力を少しずつ育てていくことで十分なのかもしれないと思うのである。

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フランス、パリから電車で300キロほど移動するとロンシャンという小さな町がある

2021/12/03

フランス、パリから電車で300キロほど移動するとロンシャンという小さな町がある。第2次世界大戦によって礼拝堂が壊されてしまい再建を願う人々によってル・コルビジェに設計が依頼され現在の礼拝堂ができた。シェル構造の屋根を支える分厚い壁と、そこに開けられた無数の開口部から差し込む様々な色の光が特徴的な建築である。いわゆるコルビジェの近代建築の5原則から離れたとても個人的で恣意的な造形建築だが、僕はサヴォワ邸よりもやっぱりこちらの方が好きである。数年前に見に行ったきりだけれど、コロナが落ち着いたらもう一度行ってみたい場所の一つだ。

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まゆのような茶室を作った。

2021/12/02

まゆのような茶室を作った。鉄筋を曲げ、床のベニア板に差し込み外形を作ったら、そこに毛糸を巻きつける。どんどん巻いてきといつの間にかそこに白いうっすらとした空間が現れる。床には麻のマットを敷き込み座りやすくしたら、茶室の出来上がりだ。完全に区切るのではなく柔らかく区切られた空間はなんとも言えない心地よい緊張感のある茶室空間となった。ただただ伝統的な空間だけではない囲まれただけの居場所で感じる「茶室らしさ」を感じた時、「茶室とはなんなのだろう」と感じる不思議なひとときであった。

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理想の家作りをしているとどうしても予算がオーバーしてしまうことが多い。

2021/11/30

理想の家作りをしているとどうしても予算がオーバーしてしまうことが多い。でも自然素材の壁仕上げや無垢材の床板などどれも諦めたくはないところである。一生に一度の家作りだからこそ、多少の無理はしても何とか理想を実現したいと誰もが思うはずだ。そこで、私は体を動かす元気と時間がある方にはセルフビルドをお勧めすることにしている。

ここで、石灰クリームをセルフビルドで施工した場合どれくらいコストを抑えることが出来るかを考えよう。例えば300㎡の壁を職人に依頼して仕上げたとする。職人の㎡あたりの単価が3000円程度なので90万円の工事だ。石灰クリームの材料代が一缶8000円程度。一缶で約10㎡塗ることができるので30缶必要になる。30缶の材料代が24万円で、さらに雑資材費で3万円必要だとすると材料費は27万円になる。この場合の㎡あたりの単価は900円。これはビニルクロスの量産品と同等だ。ビニルクロスの値段で石灰クリーム仕上げができる、これがセルフビルドの良いところである。
ほかにも天井板の塗装、簡単な造作家具工事、ウッドデッキの塗装や製作、タイル貼りなど、やる気になれば何でもできるものだ。

しかし、現場にセルフビルドを取り入れるには多少のコツが必要である。素人でも出来る作業にするためには、「収まりを簡単にする」「作業手順を区分けする」などの設計上の工夫が重要だ。たとえば漆喰を塗る場合に、窓枠を壁巻き込みのデザインにすると、その角の部分の仕上げに非常に苦労する。
現場管理においても同じようなことが言える。例えば天井板を塗装する場合、板を貼る前に塗装するほうが貼った後に塗るよりも圧倒的に楽である。
また、作業方法を自ら調査し実践できるクライアントはなかなかいない。基本的な作業方法を説明し、時には指導のための職人さんを手配するようにしてあげることも重要である。

写真のガーデンハウスでは床のタイル貼り、外壁のキシラデコール塗り、造作キッチンの作成などをセルフビルドで行っている。今後は内壁の漆喰仕上げを行う予定だ。お金をかけない家作りを実践している好例である。

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上尾市にて作った自然素材の健康住宅

2021/11/28

今日は埼玉県上尾市にて作った自然素材の健康住宅のオープンハウス二日目。この住宅ではたくさんのセルフビルドを取り入れている。壁の漆喰塗り、キッチン前や薪ストーブの周辺、そして洗面所のタイル貼り作業、床の天然素材ワックス塗りや、屋久杉を使って作ったウッドデッキの防腐剤塗装などなど多くの作業をクライアント自身の手により行った。自分でできることはなるべく自分でやりたい、ご相談の初めの段階からセルフビルドに積極的にご参加いただく意思表示をされていた通りとても上手に仕上げることができている。

漆喰塗りの作業はコテを使って壁に塗りつけるように行う。左官のコテは慣れるまで難しいけれど、だんだんと使えるようになるととても楽しい作業だ。自分で自分の家の壁が濡れるようになると、多少汚れてしまってもメンテナンスを自分でやることができるようになる。ちょくちょくプロの左官職人さんを呼ぶのはなかなか大変だけれど、好きな時に1枚だけの区切られた壁の塗るのは費用も抑えられるし、家族の団欒にもなると思う。なんでも取り揃えられた生活では味わうことができない、自由な居場所づくりのロマンなのである。

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新築したHさんの家のオープンハウスを行った。

2021/11/27

今日は埼玉県上尾市にて新築したHさんの家のオープンハウスを行った。午前中に打ち合わせを行ったTさんご家族をはじめとして、多くの方々にご来場いただくことができてとても良かったと思う。この住宅ではベニヤを使用しない家づくりと銘打って、つまりは無垢材や漆喰などの自然素材だけを使った家づくりを行っている。檜の土台に、杉の柱梁を使い、床板には30mmの杉板を貼った。吹き抜けには薪ストーブを配置し、煙突が2階を貫いて屋根の上まで伸びている。リビングには大きな階段をつくった。舞台のような階段ではまるでソファのように寛ぐことができる。大工造作のキッチンは、左官屋さんによって仕上げられている。エコ生活の拠点として魅力的に使っていただく様子がとても楽しみである。

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埼玉県川口市にある松原幼稚園さんご訪問。

2021/11/24

午前中、埼玉県川口市にある松原幼稚園さんご訪問。この幼稚園は僕の子供たち3人がお世話になった幼稚園で、周辺を森に囲まれた緑豊かな環境がとても魅力的なところである。今日は園庭の足洗い場や、お砂場の日除けテントなどを作りたいというご相談で伺った。

僕は最近しばらく川口市の保育園の施設認可の仕事をしている。待機児童数を減らすためにほぼ100%補助金で建築を作ることができるとあって、3年ほどで多くの事業所が参入を果たした。すでに待機児童数はほぼゼロに近づいていて、あとは地域ごとのばらつきを解消するためにピンポイントで保育園を作れば良いというところまで来ている。女性の就労支援のための国の政策は保育園を中心に進められている。幼稚園はあくまで私立学校、ほぼ自分のお金でなんとかしてくださいの方針なのである。保育園と幼稚園は違う。その違いを減らすための取り組みもとられているがまだまだ数は少ないようだ。子供の教育の場は何にも変えがたいものである。ぜひ長いお付き合いをさせていただきたいと思う。

夕方茶道稽古。今は川口駅東口にある茶道具屋「増幸」さんの茶室をお借りしてお稽古をしている。ここには電熱の炉がないから毎回炭をおこすのだけれど、これがまた風情があって良いものである。先生と生徒3人の合計4名、茶会形式のお稽古を行いながらゆったりとした時を過ごした。

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奈良県五條市、吉野杉・檜ツアー二日目。

2021/11/23

奈良県五條市、吉野杉・檜ツアー二日目。今日は実際に山に入って、樹齢140年くらいの杉の木を伐採した。街中から車で30分ほどの距離、山に入ってからは徒歩30分ほどというところだろうか。日本の山は急だから林業が大変だというが、この斜面を歩くだけでもなかなかの苦労だ。木の伐採というのは初めての体験である。協力してくれる木こりさんは近隣の山主の息子さんだとう。木こりさんの年齢もだんだんと上がっているそうだが、最近は映画の影響などもあってチラホラと若者の就業もあるらしい。
さて伐採のスタートである。切り倒す方向を決めて、倒すためのテンションをかけるワイヤーを張り、倒したい方向に垂直に切り込みを入れる。それが終わったら、反対側からチェーンソーを切り込み、ある程度のところまでいったら楔を打つ。楔を打ったら、少しずつ切れ込みを進めながらわーヤーを引っ張ると突然木が倒れ始めるのだ。倒れ始めると木の枝同士がぶつかって、折れた枝が大量に降ってくる。腕の太さもあろうかという枝に当たったら大変なので、僕たちは少し離れたところで見学をした。木の直径は80センチ程だろうか。断面に手を当てると、手のひらに水が滴るくらいに濡れている。木が死んだ・・・ような感覚だろうか。こうして一つの命をいただきながら僕たちは家づくりを行なっているんだなあの感を深く感じた。記念に、切った木の切れ端を持ち帰った。これは事務所の大切な宝物になるだろう。

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奈良県五條市まで吉野産の杉檜の仕入れに出向いた。

2021/11/22

今日は朝から奈良県五條市まで吉野産の杉檜の仕入れに出向いた。吉野という産地はきっと誰でも一度は耳にしたことがあると思うが、日本でも有数の材木の産地だ。今日はその地で製材所を営む永井さんに会いに遠路はるばる訪問させていただいた。製材所というところはどこに行ってもたくさんの木があるがここは特にたくさんの丸太があるようだ。写真は永井さんと僕と町田分室室長の田村とで話をしているところだ。
この産地はとても山深いのでヘリコプターを利用して木を運び出すそうだが、なんでもそのヘリコプターの事故があったとのことで現在は空輸による搬出ができないそうだ。その運輸会社がこの先またヘリコプターの操業をしてくれるかどうかも不明というが、もしもそれが叶わないとなると生産量がだいぶ減ってしまうようなので心配だ。ウッドショックだけでなく、原油から食品までさまざまな輸入品の値上がりが起こる中、国内産業の再構築が急務となっているような気がするのだが、この林業という世界でも様々な形での参入が望まれているような気がした。

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今日は山登り。

2021/11/21

今日は山登り。朝3時30分に家を出て群馬県の赤城山の麓、大沼のほとりにあるおのこ駐車場へ向かう。赤城山という呼び名は中央のカルデラの周囲を1,800mほどの峰々が取り囲む山域全体を指している。今日はそのうちの黒檜山と駒ヶ岳の二つの山に登る3時間30分ほどのコースであった。明日からは天候が崩れる予定だがギリギリ天候も良く快適な登山、11月とはいえまだ暖かく山頂付近の霜柱以外は冬の気配を感じることはなかった。この先はいよいよ冬山の時期に入っていく。この季節の変わり目を楽しみたいと思う。

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古い住宅をシェアハウスにするというご相談

2021/11/19

午後1時、埼玉県さいたま市の浦和駅にほど近い住宅街にある古い住宅をシェアハウスにするというご相談を伺うための現地視察に出向いた。僕は古い建物を簡単に壊してしまう事には反対だ。最近は住み継ぐ人がいなくなってしまった住宅が壊されて建て売りなどになってしまう事例が後を経たないけれど、その後の街の風景はとてもがっかりすることが多い。一人で借りるには大きすぎる住宅を何人かで借りることで家賃を支払うことができるようになるシェアハウスという手法はそういうことを解決できる一つの手法だと思う。丁寧なご提案を考えてみたいと思う。

僕はモルタルのキッチンが好きだ。モルタルという素材はとても素朴で味がある。そこにガラスの塗装を施すと油や水を吸い込まないようになるのでとても良い天板になる。二つの中庭の家ではリビングの真ん中にモルタルのキッチンを作った。左官屋産の手による風合いが杉の無垢材の床ととてもよく合っている。

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新築住宅を設計中のNさんの敷地調査へ。

2021/11/17

午前中、埼玉県川口市にて新築住宅を設計中のNさんの敷地調査へ。この計画では昨今の異常気象による豪雨災害被害を考慮して、今は周辺の土地と同じように前面道路から1mほど下がったところにある土地を、道路より高いレベルにする予定である。今日はそのためのレベル測量などを行った。

午後、見積もり作業確認。見積もり作業の中では柱一本から垂木一本にいたるまで住宅に使用する全ての材料を拾い出し、一覧表にまとめ、単価を記入して合計を出す。注文住宅の設計段階ではクライアントの希望を取り入れながら設計を進めていくので、しばしばこの見積もり金額が当初の予算よりオーバーしてしまう。住宅の魅力を失うことなくコストを抑える工夫を施す、これがこの段階の最も重要な仕事だ。

ここで、実際の事例をもとに説明しよう。東京都板橋区に建てた赤塚の家では天井に合板を利用した。梁を通常よりも幅の狭い材料にし、通常よりも狭い間隔で配置した。その梁の上から合板を直接貼りその裏面を天井仕上げとしている。この方法を採用することで通常の天井下地組み、下地の石膏ボード貼り、そして仕上げ工事をなくすことが出来た。

また、キッチンは大工さんの造作工事によってつくられている。引き出しなどの複雑な構造としなければこのような作り付け家具は大工さんの手によってつくることが可能である。そして、当然ながら大工さんに依頼したほうが家具屋さんよりもコストを抑えることが出来る。
床に使用した赤松のフロアリングは材木屋さんの勧めで通常よりも安く仕入れることが出来る赤松を利用している。このように問屋さんから入るその時々のお買い得情報を利用することもお勧めである。物の値段がその時々に変化するというのは、すでに皆さんも御承知だろう。定価の在るメーカー品でさえも、そのときの景気などによって簡単に価格が変わる。

ひとつのものにこだわるのでなく、住宅に対して求める魅力を作り出してくれる材料を賢く探す、これがコストを抑えるコツである。キッチンやユニットバスなどの設備器具に大枚をはたいてそのときだけの満足感を得ることなどまさに「もったいない」。15年程度で入れ替えを行う設備器具のようなものはシンプルで安価なものを採用し、永遠に続く住宅本体にこそ時間とともにその良さを増すような良い材料を吟味して利用したいものである。

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日本経済新聞社さん取材。

2021/11/15

午後、日本経済新聞社さん取材。暮らしの中に溶け込む茶室を取材しているということで、僕が普段どんなふうに茶室を使っているかの取材をしていただいた。茶道の教授者でもない僕としては、日曜日などの時間がある時に炭で湯を沸かしそれを待つ間に溜まっていた本を読んだりの自由な時間を過ごすこと、これがほぼ全てである。炭で湯を沸かす行為は焚き火に似ている。キャンプ場で焚き火をしている時日本を読むとまるで一つ一つの文字が自分の体の中に流れ込んできるような感覚を覚えるものだが、炭のパチパチと弾ける音を聞きながら読む本もまた同じような感覚になるから不思議だ。湯が沸くまでは約1時間ほど、釜で沸かしたお湯で抹茶を点て一服いただくとほんとうにおいしいものだ。せっかく湯が沸いているのだからと妻がお稽古を始めることもあるが、それもまた一興である。茶室のような場所は時間の流れるスピードを少々遅くしてくれるギアのような役割を持つ。そしてそれは多くの現代人に必要なものであると思うのである。

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川口市産品フェアの技能フェスタの会場にて

2021/11/14

今日は朝から川口市産品フェアの技能フェスタの会場にて、木育のイベントに参画した。対象は小学生の子供たちである。木を使ったワークショップを行いながら、木育について学んでもらう機会を作ろうということで、ますいいの伊藤真理子を中心になんとオリジナルの紙芝居を作成して読み聞かせをすることに。この紙芝居、後日正式に出版されることが決定したので出来上がったらまたご紹介したい。ちなみに写真に映る紙芝居小屋は実際に作る予定のお寺さんの塀の実物模型を、ますいいの大工さんたちの手で作成したもの。こちらもなかなかの見応えであった。

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住宅の部材の中で好きな色はと聞かれて

2021/11/12

住宅の部材の中で好きな色はと聞かれて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
先日ある講演会で街の中の好きな色をたずねられた。久しく国際的に利用されているマンセルの色見本の中から選ぶという話だったが、好きな色を見本帳から選び出す感覚には小小疑問を感じた。肌触り、素材感、暖かさなどの様々な条件によって好きな色は決まるのではないか、の疑問を感じたのである。この疑問に対して講師は町の色を探る遠景の議論では住宅の素材を探る近景の場合のように肌触りなどは含まれない、あくまで数値的な色の感覚であるとの答えを返した。

住宅の中にある色、それはまさに素材感である。
浜田山の家では床に赤みのある杉を使用した。この無垢の木は時間とともに更に赤みを増し、なんともいえない風合いを醸し出すだろう。天井に見える松の梁、階段の板、それぞれの素材が変化した結果、それが味わいとなるのである。木の色は出来ればペンキの色ではなく経年変化を楽しみたい。放っておくと腐ってしまう外部については適切な処理を施すことが必要だが、すくなくとも家の中の木の色は好きな素材の色であって欲しいと思う。
キッチンの面材に利用したモルタル仕上げもその自然な風合いが木の内装とよくマッチしている。
壁の白は出来ればビニルクロスやペンキではなく漆喰の白であって欲しいということから石灰クリームを採用した。その違いは触ってみれば一目瞭然であり、また調湿作用などの性能によって、快適性も大きく異なる。特に近年の気密化した住宅においては居心地の違いは顕著であるのだ。

情報化社会であるので様々な素材のサンプルや見本帳を世界中から取り寄せることが可能である。イタリアの石、ベネチアンスタッコ、自然風塗料、古びた風合いのレンガ、私たちが見たこともないような情報までもがクライアントによって提供されることもあるのが実態だ。しかしちょっと冷静になってほしい。ショールームをつくるわけではないのである。あくまであなた自身が居心地の良い空間が出来れば、それが一番良いのだ。

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埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打合せ。

2021/11/10

午後、埼玉県川口市にて設計中のNさんの家の打合せ。この住宅は奥に長い約100坪ほどの敷地に計画している。南側を長辺方向の隣地に持つため、隣地側から光がふんだんに取り込めるがもしもその隣地に建物が建って日陰ができた時の対策も必要な敷地だ。今日は前回に引き続き、南面した大きな中庭を中心にプランを配置した家と、南西に大きな軒下空間を作りそこにリビングを配置した家の二つのパターンでご提案した。今日のご提案は約60坪ほどの床面積である。床面積は大抵の場合そのままコストに反映してしまう。少々大きくなってしまったので次回は50坪強に抑えてみようと思う。

夕方、新入社員面接。今日はなかなか頼もしい経験者の新人が来てくれた。良い建築を作りたいという同じ志を持つ仲間が増えるのはいいことだ。一緒に働くのが楽しみである。

基本設計中の川口グリンセンター内

2021/11/08

今日は現在、埼玉県川口市にて基本設計中の川口グリンセンター内にあるシャトー赤柴という大集会堂の防災に関するミーティングを行った。
川口市には荒川というとても大きな川がある。一昨年の台風13号の時にはこの河川にかかる京浜東北線の鉄橋のすぐ下まで水位が上がるというこれまでにみたこともないような状態になった。荒川に流入する水の量を抑えるために、そして荒川の水位が上昇したために支流では水があふれる箇所も多くあった。荒川はスパー堤防で守られているが、もしも決壊すれば大災害が起こる。そして僕も含めて川口市民の半数以上はそういうエリアに住んでいる。この人々が一斉に避難する事態が起きれば、・・・。

防災は何を想定するかによって対応が変わる。僕たち関係者はどこまで災害発生時の当事者として真剣に準備をする人間になれるか、その本気さを試されているような気がした。

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11月初めの日曜日の朝、我が家の茶室の炉開を行なった。

2021/11/07

11月初めの日曜日の朝、我が家の茶室の炉開を行なった。11月というのは茶道にとっては特別な月、ここから一年が始まるお正月のような月である。ということでちょっと丁寧に初炭手前からやってみる。湯が沸くまでの時間は、溜まっている本を読んで待つ。窓際の書院は山桜の木で作った大工さんの手作りである。40分くらいすると釜の水が段々と温められ湯気が上り始める。茶室も仄かに暖かくなる。お菓子と抹茶の準備もできたので、2世帯住宅で一緒に暮らしている母にも声をかけての小さな茶会の始まりである。

自宅に茶室がある意味は、暮らしの中に文化がどう溶け込むかではなく、日常の中にある市井の山居の中で自分が何を感じどのような状態になることができるかである。毎日の喧騒に中に身を置いていると段々と自分の体から何かが溶け出していってしまうような感覚に気がつくことがあるのだけれど、きっと僕以外の人も同じような感覚があると思う。僕は自然の中が好きだから、例えばカヤックをしながら川の流れを見ている時とか、雄大な山の景色を見ながら歩いているときにとても有意義に自分をリセットすることができるのだけれど、そいうことが、埼玉県川口市の自宅にいながらにして可能な環境を作れてしまうことが、自宅の茶室の意味なのではないかなあと思うのである。
自宅にあるMギャラリーでは絵本の読み方講座を開催していたので、そちらの方々にもお声をかけて薄茶を一服差し上げた。お客様からは非日常的な体験をできましたのお礼であった。

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古民家の雨樋の手直し工事のご相談に出かけた。

2021/11/06

今日は埼玉県川口市にある古民家の雨樋の手直し工事のご相談に出かけた。まさに古民家と言える様相の建物の屋根は、茅葺き屋根を銅板で包み込んだ立派なものである。その屋根についている雨樋は同じく銅でできており、その色は緑青が吹いてちょうど良い色に染まっている。銅という素材は初めはピカピカの十円玉のような色から渋い緑色に変化するとても面白い特性を持っているのだ。その雨樋、所々ハンダ溶接が取れてしまっている部分が見受けられる。長年の酸性雨の影響でどうしても傷んでしまうのだ。今回は全部取り替えるのではなくどうしても剥がれてしまっているところだけを取り外し、彩度磨いてハンダ付けするという計画を立てた。やるのはますいいの板金屋さんの山内さんだ。銅板のハンダ付補修などはやったことはないけれど、師匠のそのまた師匠を連れてきてやり方を考えてくれた。年は僕より少々下の40代、まさにこれからという職人さんである。やる気があるならやって欲しいの言葉に答えてくれたことに心より感謝したいと思う。こういう気持ちと行動こそがまさものづくりの精神だと思うのである。

埼玉県さいたま市にて設計中のリフォーム打ち合わせ。

2021/11/05

午前中、埼玉県さいたま市にて設計中のリフォーム打ち合わせ。このプロジェクトはお父さんが一人で暮らす木造住宅に、お子様家族が同居するという形での2世帯住宅を造るためのリフォームである。玄関とキッチンなどの水回りは共有する計画だからこれらに新たに面積を取られることもなく、広々とした既存住宅を生かしながらのリフォーム計画をたてることができる。一部に在宅ワークを行うことができる増築も行う予定だ。これからいよいよ方針も決まり本格的な打ち合わせに入る。どのように進めて行くかとても楽しみな現場である。

夕方、埼玉県さいたま市にてご自宅の中に能の舞台を作りたいというリフォームのご相談。能・・・、これは僕にとって初めての分野である。大江宏氏の設計した国立能楽堂は行ったことがあるけれど、この能楽堂の床板には厚さが45ミリ、幅が30センチほどある立派な尾州檜が使用されているのは有名な話だ。今回のお話は自宅の稽古場である。この舞台にどれくらいの板を使うか、これはちょっと研究をしてみよう。

夜、早稲田大学渡辺研究室訪問。研究室にてゼミ生も交えていつくかのプロジェクトについて打ち合わせ。終了後はそばを食しながら楽しい時を過ごすことができた。

リフォームにあたって

2021/11/04

リフォームにあたって何から何まで新しい建材で覆ってしまう様子を見かけることがあるが、それはとてももったいない行為であると思う。僕たちは古いものに「味」とか「侘びさび」というような感覚を感じる。古民家などを見た時、はたまた古いカフェに入ったときに感じる魅力がそれである。なのに、いざリフォームをするとなると、急に新築にそっくりにするなどと言い出して、すべてを新しいもので覆い隠してしまうというのは、いかにも安易な行為であると思うのである。

現場を見ていて、無垢材の古い材料を見つけた時はできるだけ現しにすることを考えてみるようにしている。それが設計段階でも、たとえ工事中であっても同じである。例えば天井をはがしてみたら屋根裏の丸太の木組みが現れたとしよう。プレカットが普及して、丸太など使わなくなってしまった現代において、丸太の小屋組みなどはなかなかお目にかかれない代物である。それを見た瞬間、天井を屋根のすぐ裏にはって、小屋組みを表しにすることでリビング空間の縦の広がりを創造し、新たな魅力を生み出すという設計変更をしてみようというアイデアを浮かべるような自由がリフォームの醍醐味なのである。

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文化の日の今日は埼玉県から長野県までの旅をした。

2021/11/03

文化の日の今日は埼玉県から長野県までの旅をした。目的地は入笠山。この山は標高1955mの低山でこの時期ならまだ雪もないし、多くの人がハイキングを安心して楽しむことができる。この山の周辺には僕が通っていた早稲田中学高等学校のすずらん寮という施設があったことから、たとえば林間学校や受験前の勉強合宿、山岳部時代には冬山の練習合宿をやったりという具合にとても思い出深い場所でもある。今日は妻と二人の娘と一緒に軽いトレッキングをやりにきた。

とても幸運なことに山頂からは、360度の大パノラマであった。特に綺麗なのがこの山に最も近い八ヶ岳だ。横岳・阿弥陀・赤岳・・・なんともいえないご馳走であった。

今日の宿泊はジョバンニの小屋。なんともロマンチックな名前である。アウトドア好きのご夫婦とチョッパーという逞しい犬が明るく迎えてくれた。なんでも4代にわたり受け継がれてきたペンションとのことだ。建築は角ログのしっかりとした作りで築50年にふさわしい風格がある。古い建築が受け継がれているとても心地よい事例だ。写真の客室はこじんまりとしているがとても優しい空間であった。

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埼玉県建築士事務所協会の理事としての沿道耐震事業に参加。

2021/10/29

午前中、埼玉県建築士事務所協会の理事としての沿道耐震事業に参加。この事業は緊急時の輸送道路に面して建っている昭和56年以前に設計をされた建物の所有者に耐震診断を受けたことがありますか?などのアンケートを実施し、その実態と意識調査を行うものである。アンケート調査をしていると、本当にいろいろな人がいるもので、協力的な方もいればそうでない方もいてなかなか人生の勉強になる。建築というのはもちろん個人の所有物であるのだけれど、その場に建っていること自体で社会の一部になるというものでもある。大きな道路に面していれば、それがもし倒壊した時に他の人の命の救助の妨げになったりなどの可能性もあるわけなので、やはり所有者は社会的責任を感じなければいけない面もあるのだと思う。

以前赤と白のシマシマのデザインの住宅が社会問題になったことがあった。個人の所有物とはいえ外部のどこからでも見える、というよりその建築デザインの集合体によって街並みが形成される以上は、建築はそのデザインまでもが地域の資産であると言えるのだ。

午後、スタッフ全員が集まっての全体会議・研修会。この研修会も月に1回開催しているのでだいぶ定着してきたようだ。細かい技術研修というよりも建築を好きになり、より良い建築のデザインを行うことができるような思考の積み重ねになるような研修を行なっている。
「常に信義を重んじ、誠実な建築家・現場監督としての良識を持ち、住宅を中心とする建築設計・施工を通じて広く社会に貢献する」
この理念に少しでも近づけたのではないかと思う。

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埼玉県さいたま市にて設計中の茶室のある住宅

2021/10/28

埼玉県さいたま市にて設計中の茶室のある住宅、外観デザインスタディー。設計を進めるにあたり、屋根勾配を3寸にしたりの微変更をしてきたので、新しい模型を作ってみてその形を確認してみた。若干の勾配の変化なのだけれど、建物の外観の印象はだいぶシャープなデザインになったように思える。破風板にはガルバリウム鋼板をまく設計だったのだけれど、木製にした方がやはり印象が優しくなるような気がするので試しに木にしてみたがやはりこの方が良さそうだ。建物の内部に関してはこれまでかなり細かい部分まで茶道の動きとともに検討を重ねてきたのでこれでいよいよ工事に移ることができる。

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一生に一度の家族のための一大事である住宅。

2021/10/25

一生に一度の家族のための一大事である住宅。
しっかりとした構造のもと、安心して風雪、地震から守られて暮らしたいと誰もが思うはずである。
時とともに味わいが生まれ、柱に付いた古い傷を見るたびに家族の成長を思い出せる、そんな質感は大変魅力的だ。光や風の流れを感じて、ゆったりと暮らすことが出来るおおらかさは誰でも求めるものだろう。ささやかな自然を取り込み、家での暮らしにひろがりを与えてくれる庭との関係があればなお良い。暮らしの中の豊かな出来事を、しっかりとした構造の建築のなかで安心して体感できる、そんな住宅に住みたいと思う。
材料はローコストの要素に当てはまるものの中から、先のテーマに会うものを選び出して使用しよう。セルフビルドを取り入れ、コストのコントロールを行いながら、自然素材をふんだんに取り入れ、心地よい空間としよう。

これは、ある家作りを行うときにクライアントと一緒に作り上げたテーマである。

家作りのはじめには、まず「どのような家に住みたいかを自分の頭でイメージする」ことが大切だ。

世の中には様々な商品化されたパーケージ住宅が散在している。ヒノキ、防犯、収納量、構造、わかりやすいキーワードで飾られたそれらの住宅は一見住み心地の良い優れた商品に思えるが、敷地形状、法律、家族構成、予算、道路の状態など様々な条件に左右される建築というものは、展示場で見たものと同じ魅力を持つものがそう簡単に出来るわけがないのは明白だ。

大切なことは、そこで暮らすことになる自分自身がどのような環境の中で暮らしたいか、どのような風合いの中で暮らしたいか、そういうイメージを持つことだと思う。そして、そのイメージを建築として構成していくこと、これが建築家の役割である。建築家に提示するイメージは断片的なものでよい。暮らしの中の理想的なシーンを写真などで伝えることも有効だろう。それらの断片を、ひとつの立体に組み上げる作業こそ私たちのもっとも得意とするところであるからだ。

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今日は栃木県の那須烏山市に久々のカヤックに来た。

2021/10/24

今日は栃木県の那須烏山市に久々のカヤックに来た。ここから流れる那珂川という川は、西に八溝山系を抱えるとても豊かな川である。夏には鮎釣りが有名で、秋には鮭も遡上する。まだ紅葉にはちょっと早いけれど、夏の暑さが和らぎ水も澄んでいるまさに絶好の条件であった。僕はだいたい那須烏山駅からちょっと下ったところにあるベースから約15キロくらい下ることが多い。終わりは大瀬というやながある場所の少々先で、大瀬はその名の通り大きな瀬、なかなかスリルのある場所だ。今日は水量が少ないのでそれほどでもなかったけれど、大雨の後などは顔まで被るくらいの波が立っているので面白い。終了後、ベースに作られた野外サウナでのんびり過ごす。最高のアウトドア日和であった。

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下の写真は茂木製作所のボイラーである。この製品は一度火をつけると竹を燃料に湯を沸かすことができる優れものだ。竹はご存知の通り1年で高くそびえ立つ植物である。木のようにゆっくりの成長するのではなく、一晩で1mのびる時期もある。その竹を燃やして湯を沸かすなんともエコなボイラーなのだ。僕が通っているベースではこうして沸かした湯をためた五右衛門風呂に入ることができる。これがまた気持ちが良いのである。

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晩御飯の買い物に出かけて、どの食品を購入しようか迷っているとき

2021/10/21

晩御飯の買い物に出かけて、どの食品を購入しようか迷っているとき、その素材の鮮度や値段、産地など様々な情報を天秤に欠け、お財布の中身と相談して、購入する食品を決める、これは毎日普通に誰もが行っていることだと思う。

しかし家を建てるとなるとちょっと事情は違ってくるようである。「坪○○万円~」という値段があたかも住宅を坪によって構成される完成された商品のように感じさせ、購入する側もそれを疑わない。本当は一つ一つの部材の組み合わせによって作り上げるものなのに、何がどうなっているのか皆目わからないままに購入してしまう。でもちょっと考えてみて欲しい。家作りというものはそれほど難しいものではない。地盤を固め、基礎を作り、柱を立てて、屋根を掛ける。窓を付け、外壁を作り、内装工事をしたら、設備器具を取り付け、ほぼ完成だ。ひとつの家を作るのにかかわる職種がだいたい20職種くらいだろう。そしてそれぞれの職人さんが作り上げる材料の一つ一つをばらばらに書き出してもA4用紙30枚程度で全て書き出すことが出来るのである。

たとえばヒノキの柱と杉の柱の値段がどれくらい違うのか。1本あたりの価格の差はせいぜい2000円程度である。30坪の住宅だと70本程の柱を使うことになるのでその差はせいぜい14万円だ。もちろん産地や等級によって値段は異なるが、「ヒノキの家」というパッケージを自分で作り出しても実は30坪の住宅で坪当たり5000円もかからないという事実がわかったとき、初めて自分自身の頭で採用するかどうかを決定することが出来るであろう。

買い物に付き合ってくれるシェフや料理人がいるとしよう。フレンチのシェフか中華の料理人かによって多少の意見の違いはあるだろう。得意とする分野も違う。でもプロとして材料を吟味し、安くておいしい献立を考えてくれる存在がいるとしたら大変助かる。私はそういう細かい比較検討を行ううえで、プロの技術者としての客観的な意見と建築家としての広い視野を持って、家についてクライアントと一緒に考えてくれる存在が建築家であると考える。フレンチと中華が違うように建築家にも様々な方がいる。それはその方のこれまで作った作品を見て判断してみて欲しい。

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昨日とても悲しい知らせがあった。

2021/10/20

○昨日とても悲しい知らせがあった。僕が川口市立前川東小学校という小学校の5年生から6年生の間同じクラスだった友人の奥様が亡くなったというのだ。まだ47歳、僕と同じ年齢だけに本当に悔やまれる死である。今日はそのお通夜、僕は受付のお手伝いをさせていただいた。お子さんは大学一年生の女の子が一人、通夜の席では友人のTとともに笑顔で過ごしていた。きっと今日は泣かないで過ごすと決めていたのであろう。お母さんの死は何よりも辛いことだと思う。それなのに笑顔で過ごすなんて僕にはできるかどうかわからない。とても強い、そして綺麗な心を持っていないとそういうことは実際に行うことはできないと思うのである。

お通夜が終わり人がいなくなった頃、お清めに友人たちと酒を飲んでいると、友人のTもやってきてくれた。僕たちは皆明るく時を過ごした。亡くなった奥様もきっとそれを望んでいるとおもったし、もしも一人が泣き出したら絶対にみんなが泣き出してしまうだろうというような気もしていた。人の人生なんていつ何が起こるかわからない、そんなことを強く感じた1日だった。

「今を生きる」という映画を思い出した。この映画は僕が高校生の時に担任の英語の先生が授業で見せてくれたものだ。主演はロビン・ウィリアムス、1989年ごろの映画である。この映画を紹介してくれた先生は奥様を御巣鷹山の日航ジャンボ機の事故で亡くされた。奥様はこの機のキャビンアテンダントだった。Tにもそのお嬢さんにもこれから先を明るく強く生きてほしいと思う。そして僕もなんとなくそんなことを考えた1日だった。

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。

2021/10/19

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。よく坪○○万円という呼び方をするが、あれほどいい加減な値段の表示方法はない。確かに理解することは簡単になる。しかし、価格がきまる過程を見えにくくし、価格のブラックボックスを作ってしまっている。昔の家作りでは、クライアントがある程度の知識を持っていた。間取りはその地方ごとに決まった様式というものが存在し、それを自分の土地にあうようにちょっとアレンジするだけで簡単につくることができた。大工は徒弟制度の中で身に着けた能力を持ち、図面化しなくてもその間取り図だけで材料を発注し、家を創り上げることができたのである。しかし、ハウスメーカーや建売の坪いくらという表示になれてしまった現代人は、まるで車を買うように家を考えることが一般的になってしまっている。

船橋の家では、160ミリ角の大黒柱をたてた。材質は杉、節はない。長さは4500ミリ。さてこの柱一体いくらだろうか?

この柱、実は50000円で買えた。丸太を天然で乾燥させ、更に乾燥機にかけたものを製材し、プレーナーという機械で仕上げる。断面寸法は170ミリ。長さは4.5メートルの柱が50000円で手に入るにはわけがある。普通に街の材木屋さんに探しに言った場合は、材木屋さんの営業マンがまず問屋さんに行く。問屋さんでは付き合いのある製材所やメーカーに問い合わせ、こちらの指定した寸法の材木を探す。しかも埼玉県の場合はそれほど有名な産地が無い。大手材木問屋はたいていの場合このような注文に対し、木曽ヒノキや東北の杉を勧めてくる。たまたまあったものを仕入れ、材木屋さんに卸す。それを購入するわけだが、この重層構造に頼って物を仕入れるとどうしても高くなってしまう。

日本の家は高すぎる。少しでも質の高いローコスト住宅を作ろうと考えルナらば、まずは素材を吟味することから始めなければいけないと思うのである。

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造ってみたい住宅がある。

2021/10/18

造ってみたい住宅がある。この図面は今から5年ほど前に埼玉県の久喜市に土地を購入した方のために考えたプランだ。プライバシーを守られた中庭空間に大きく開くプランで、家のどこにいても視線を交わすことができる。光を取り込む側の棟は低く抑えることで、東側の光をふんだんに取り入れる工夫をしている。色々と考えたけれど残念ながら建たなかった建築たちの中で、なかなか忘れることができないものがたまにある。この住宅はその中の大切な一つであるのだ。

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お菓子屋さんをやりたいという女性からのご相談を受けた。

2021/10/16

今日は埼玉県羽生市にて小さな住宅を造って、お菓子屋さんをやりたいという女性からのご相談を受けた。小さな小屋のような住宅、約20坪ほどの面積に中に小さなお店と一人が暮らすスペースがある。平家で一部がロフトになっていて、そこに収納やちょっとした隠れ家的なスペースが作られている。扉を開けるとすぐにキッチンやダイニングがあって、奥の方に軽く仕切られた寝室スペースがある。まさに小屋の家を作りたいというご要望であった。

小屋のような家とはなんだろうか。小屋というとやはり都会の中に一軒家というよりは周りに広々とした土地が広がっているイメージがある。広さは必要最低限、とてもシンプルな暮らしが営まれるだろう。いわゆるNーLDKの間取りではなく、ワンルーム型のプランニングにしたいところだ。素材は木をふんだんに使用したい。構造の柱や梁も現しとして、木組みの魅力が感じられる内装のデザインがふさわしいと思う。人が暮らすために本当に必要な建築とはを考えたときに出てくる答え、それが小屋であるような気がするのである。

9坪ハウスという最小限住宅がある。

2021/10/15

9坪ハウスという最小限住宅がある。この住宅は増沢洵という建築家によるもので、建坪は、三間×三間=九坪、1階九坪+2階六坪=一五坪という総床面積である。きれいに六分割された立面。南側の大きな開口とスノコのテラスが特徴的だ。吹抜けが居間になっており、その奥が寝室、二階が書斎と家事室となる。細かいディテールは設けず、構造がそのまま表現になっているシンプルな家だ。規模は小さいが、とるべきところは思い切って空間を確保し、小ささを感じさせない。この住宅は戦後日本において物資が不足している時代に作られた実験住宅である。

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9坪ハウスプラン

下の写真はますいいで10年ほど前に造った9坪ハウスである。クライアントはとある大手ハウスメーカーの方だ。玄関もないこの住宅は家に入るとすでにリビングにいるという状態である。正方形平面の中に家具作りのように寸法を無駄にせずに収められているプランニングは、まさに増沢洵氏の最上現住宅と同じである。原油高、資源の高騰、環境負荷を考えるとこうした小さな家はとても理想的な答えのように思える。もちろん全ての人に当てはまる答えではないけれど、こういう最小限の空間で好きなことを仕事にしながら自然と共に暮らす、そんなライフスタイルがあっても良いのではないだろうかと思うのだ。

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第2回目となる街並み環境整備事業のワークショップを行った。

2021/10/11

今日は16時より第2回目となる街並み環境整備事業のワークショップを行った。あいにく衆議院選挙の会合が重なってしまったようで、何人かの参加者が欠席となってしまったのだけれど、まあ仕方がない。本日はまず初めに対象となる本町1丁目を中心とする街歩きをしたかのような気分になっていただくための映像を見ていただだいた。続いて川口市の本町にある面白くなりそうなスポットと谷中、千駄木、北千住のすでにさまざまな形や用途にリノベーションされている事例を比較説明するというレクチャーである。さまざまな事例を見ていただいた後で川口市の本町にある古い建物に対してどのようにリノベーションなどを行ったら良いかの話し合いを行うワークショップを開催。大変多くのご意見をいただくことができたようで何よりであった。

こういう街づくり活動をしていると、何を今更やっているの?というような声を聞くことがある。俺も昔はやっていたよという声もよく聞く。これらは皆当たり前のことだと思う。だってそういう人たちが言っている昔というのは、今からおそらく30年ほど前のことであって、つまりはそういう人たちが僕と同じ40代のおじさんであり、街のことを考えざるを得ない、つまりは自分たちの子供たちがこの町でこれから先も幸せに暮らしていくことができるようにという願いを持って生きざるを得ない世代の時に、本業とは関係ないかもしれないけれど自分の時間を使って地域のために動いていた、そんな思い出を話していただいているのだから、本当に当たり前のことだと思うのである。僕はまさにそういう思いでこの活動をしている。参加してくれている他の人たちもきっとそうだろう。皆それぞれ自分の本業がある。僕は建築だが、神社さんもいれば、お寺さんもいる。不動産屋さんもいるし、酒屋さんもいる。芸大の歴史の教授だっているし、都市計画家もいる。鋳物屋さんも、議員さんも、学童保育もいる。こういうみんなが地域を思うことがまずは何よりも大切なことだと思うのである。まちづくりに早いも遅いもない。だってこれからもこの町で僕たちは生きていくのだ。その街をよくすることはいつもやらなければいけないことに決まっているのだ。

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今日は栃木県にある那須岳登山。

2021/10/10

今日は栃木県にある那須岳登山。朝4時過ぎに家を出て、那須ロープウェーの駅まで約3時間のドライブである。ロープウェーで山頂駅に行くとすでにたくさんの登山客が歩き始めている。簡単にも乗れる山だからスニーカーのいかにも観光客のひともいれば、茶臼岳だけではなくそのさきの朝日岳や三本槍へも足を伸ばそうという本格的な登山者までいろいろな人がいる。標高は2000m弱、それなりの高度なので風やガスの様相は本格的な山らしさをもっている。登り始めて40分ほどで山頂に着く。山の周辺は雲海ができていてとても良い眺めだ。青空とのコントラストが美しい。気温も高く風もそれほど吹いていない。まさにハイキング日和である。

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山頂で少し休んでそのまま朝日岳に向かう。こちらは1時間半ほどのハイキング、簡単な岩場があったりのちょっとだけ山っぽい雰囲気になってきて面白い。こちらまで来る観光客はいないらしく、ほとんどの人は登山靴を履いている。観光地と山の境目、なんだか面白いエリアだ。稜線を歩いていると東側と西側で風の温度が全然違う。東の生暖かい風を感じていると、なんだか天気が荒れてくるなの予感がする。三本槍まではさらに1時間半ほどの山行だ。往復を考えると今日はやめておいた方が良さそうだ。そこで、茶臼岳を回り込み瓢箪池まで往復してロープウェーで下るというルートを取ることにした。そのまま帰るのもなんとなく寂しいし、三本槍まで行くのはちょっと心配というなかでの妥協のルートである。最後の30分ほどはやはり予想通りの悪天候となる。ガスで10m程先までしか視界がきかないけれど、まあこの山道であれば問題はない。少々濡れてしまったが無事下山。今年2回目の登山、山岳部時代に山を歩いている時とは全く違う、足が別の生き物のように重い感じがするのは歳のせいだろう。でもなんとなく先週行った1回目よりは足が地面をつかめている感じがした。やっぱり山は良い。自然との一体感、それが一番の楽しみなのである。

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中之条ビエンナーレ2021がいよいよ開始されることとなった。

2021/10/09

コロナもおさまってきたところで中之条ビエンナーレ2021がいよいよ開始されることとなった。会場は群馬県吾妻郡中之条町 町内5エリアである。会期は10月15日から11月14日まで。ますいいでは高崎分室の柳澤と滝本が二人でエントリーをしている。もともとこの街は柳澤の生まれ故郷、故郷でのイベントにいつかは出店したいと思っていた夢がついに叶ったということだ。二人の情熱がこもった、古い住宅を解体してスケルトンにした建築空間の作品を展示しているのでぜひご覧いただきたい。

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埼玉県川口市にて新築中卯宅を検討中のNさん打ち合わせ。

2021/10/06

午後より、埼玉県川口市にて新築中卯宅を検討中のNさん打ち合わせ。Nさんは地元川口市の大学の先輩である。もうかれこれ20年近いお付き合い、こういう方からご自宅を新築を依頼されうというのは何よりも嬉しい話だ。敷地は100坪弱、川口市では珍しいなかなかの広さである。西側で道路に接道し、南側は現状駐車場となっている。そのうちには何かが立つかもしれないので、それに対する光を取り入れるための配慮は大切にしたい。今日は第1回目のヒアリングということで、護符から新築住宅についてのご要望を伺った。

ご要望を伺いながらこの住宅でやった方が良いことを考えてみた。
・LCCM住宅(またはZEH)を目指す。・・・昨今のエネルギー価格の上昇を考えても省エネ住宅にすることは急務と考える。
・吹き抜けを利用して全体のつながりを生み出す。
・国産材、自然素材を利用して体に優しいエコ住宅とする。
・中庭や隣地境界からの引きがある庭を作り、隣地に建築が作られた後の採光に配慮する。
・1階にLDKと客間、2階に子供室と寝室を設け、将来的には1階だけで生活が成り立つようにする。
・ひさしやパーゴラなどを利用してパッシブLCCM住宅とする。

とりあえず今の時点ではこのような方針で設計を進めてみようと思う。まずはファーストプラン、楽しんでいただけるように進めていきたい。

古民家プロジェクトについてのご相談。

2021/10/05

午前中、埼玉県蕨市にて築100年近い古い住宅を改修したいという古民家プロジェクトについてのご相談。日本ではすぐに古い建築を壊してしまうけれど、海外では古ければ古いほどに価値が上がるという。丁寧に作られた古民家の如き住宅は、もしも今の時代に再び作ろうと思ったら膨大な費用がかかるし、そもそもそういう材料を揃えるのだって大変だ。だからこそその住宅を壊すことなく、さらに50年住み続けていこうという考え方は大変共感できるものである。僕はこれからの建築家というのはだんだん「造らない、壊さない建築家」になっていくと考えているのだけれど、だからこそ古い建築のリノベーションというのは大切にしていきたい領域なのである。

話は変わるが今取り組んでいる「川口グリンセンター・シャトー赤柴大集会堂」の設計も同じくリノベーションである。こちらは築50年ほどの鉄筋コンクリート造の建物だが、当時よく造られたなんとも言えない洋館建築様式というのが何よりもの文化資産であると思っている。こういうものは今さら真似して作っても全く意味がない。当時のものが50年という時間を経て人々の記憶に残り、当時の日本が世界を真似た訳のわからない様式であっても、それでも僕たちの目に映ると懐かしさを感じるような状態にまでなって始めて文化と言えるものに昇華するのだと思う。どんな文化もその当時はなんらかの低俗な流行り廃りの中に存在していたのであろうし、でもそれが時間を身に纏うことで歴史となり文化となることはさまざまな分野ですでに体験済みだ。

住宅もしかり。たかが一軒の住宅でもそれがあるべき形で保存されれば街の価値を向上させる資産となる。幸い僕には川口市に文化財活動の中で協働している東京芸術大学の小林先生という大きな見方がいる。もしもこの仕事に関われるならそういう気持ちで取り組みたいと思うのである。

とあるお寺さんの塀の設計をしている。

2021/10/04

埼玉県さいたま市にあるとあるお寺さんの塀の設計をしている。この禅寺は立派な山門があるが、塀はない。山門の周りは生垣で仕切られていて駐車場との境は不明瞭だ。ここに100年は持つであろう塀を作りたいというのが今回のご依頼である。

塀は築地塀のイメージでデザインをした。本来は版築で作られる部分は、鉄筋コンクリートの頑強な作りとし、その上に木造の屋根をかける。木造の屋根には瓦を葺く予定だ。瓦はもちろん豊島区の本納寺さんの本堂瓦屋根吹替工事の時にも依頼した飛鳥さんである。片側2枚半、合計で5枚の河原が乗る屋根はなかなか大きく見える。さてさて、モックアップとして作った写真の屋根に瓦ものったことなので、一度御住職にご覧いただくこととしよう。

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今日は数年ぶりの山に行った。

2021/10/03

今日は数年ぶりの山に行った。もう山など行くわけがないと思っていたのだけれど、地元の先輩に誘われてなんとなく行くことになって、でも今の弱った足では登れるわけもないので急遽ジョギングをしたりの準備をして、今日に至ったわけだけれどなんだか昔を思い出してのワクワク状態である。ザックや靴なども一式揃え、まさに中年山デビューとなったわけだが、怪我だけはしないように気を付けなければいけないな。

今日は会津磐梯山、八方台登山口から登るとそれほど大変な思いをしなくとも山頂まで辿り着くことができるコースを選択した。同行者は妻と先輩とアウトドア第ベテランのKさんである。この時期は紅葉が綺麗でたくさんの登山者がいる。流石にひさしぶりの登山なのでこれまでに経験したことがないくらいに疲れたが、多くの人に先に行ってもらいながらなんとか山頂までたどり着いた。足に力が入らない感覚・・・、これは流石になんとかしたい。体がふわふわ浮いているような状態、大地を掴んでいる感じがしない状態、危険な岩場だったらちょっと歩けない感覚である。

下りの途中で廃墟となった温泉宿を見た。1990年代後半に廃業したそうだけれどこの温泉は江戸時代に開業し、当時は多くの人に利用されていたそうである。こんな険しいところで宿を営むなど今の若者にはちょっと無理な発想だろう。理想郷と利便性や経済性の差異を楽しむ感覚がなければここでの温泉宿経営は不可能である。利便性ばかりを追求する現代社会において、そういうものから逃げるような暮らしをしていたある一定のヒッピーのような層は消滅してしまったようであるが、最近のコロナによってそういう層が再び復活してきたような気もするのがこれからの日本の楽しみなところだ。今の日本は東京を中心とするごく一部の地域を除きなんとなく対外経済力も衰え、まるでブータンやネパールの如き自然豊かな後進国の古き良き時代に戻ろうとしているような気もするのであるが、もしそうなってしまったとしてもそれはそれで人は幸せに生きていくことはできる道があると思うのであるが、そのためのヒントはまさにこういう暮らしや文化に隠されていると思うのである。社会制度は結局その時代の人々の思考の方向性によって作られるものである。今の日本の政治は少々昔の思考回路を持った人たちによって支配されているようであるけれど、次の世代の指導者たちが全てを決める時代にはまた違う方向の国づくりが行われるだろう。僕たちの考えが国の方向性を決める、そんな時代が少しづつ近づいてきているわけだからこそ、色々と考えていかなければいけないと思うのである。

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茶室についての打ち合わせを行った。

2021/10/02

今日は堀部くんと一緒に現在埼玉県さいたま市にて設計中の茶室についての打ち合わせを行った。土曜日にしては珍しく時間があったので、一日中のスタディーである。昨今の家づくりではプレカットと言って、工場で構造部材を加工することが普通なのであるが、工場加工をするということはそのための加工図を正確に書かなければならないということで、そのチェックはなかなか大変な作業となる。プレカットを考えるということは、その結果出来上がる意匠が決まっているということなのだが、コストダウンのためにその意匠変更案も考えながら進めるというのはとても時間がかかる作業だ。目標とする予算、作りたいデザイン、機能、性能、クライアントの思い、さまざまな要素に思考を巡らせながら何かの結論を求めていく作業は、明確な答えがあるのではなく、どれだけ粘って良い場所を見つけ出すことができるかというとても曖昧な作業である。

プレカットの図面を見たり、意匠図を見たりを繰り返しながらふと時計を見るといつの間にやら1日が終わっている。1日という長い時間がこんな風に過ぎていくことはなかなかないけれど、考えて見れば設計というのはそれくらいに楽しい仕事なのであろう。

一口に家造りと言っても人にはそれぞれ違った価値観がある。

2021/09/30

一口に家造りと言っても人にはそれぞれ違った価値観がある。特に昨今のコロナの時代、家に対する考え方も様々だ。ある人はただの箱でよいと考えているかもしれないし、ある人は古い民家のような趣のある家に住みたいと思っているかもしれない。ワークスペースのような働く場を備えたもの、そもそも誰と暮らすかということだって多様性を増している。にもかかわらず、ハウスメーカーをはじめとする多くの企業は標準化をした企画住宅を売ることに集中していてクライアントにあわせたデザインの追求をしようとはしない。まあ、それもそのはず、多くの多様性に合わせた住宅を建てるより標準化をしたほうが手間がかからずにすむからである。

ますいいでは、クライアントのこだわりを実現するためにひとつひとつの設計を丁寧に行う。模型を作成したり、CGを書いたり、構造も木造だけでは無くその場その場に応じて鉄骨造や鉄筋コンクリートだって取り入れる。
「家族全員の考え方、趣味、そして家に求めているもの」それら全てを理解した上で、家としての機能を満たすような設計、さまざまな要求を整理し、その家の中でもっとも大切にするものは何かを考え、コスト配分も含めて最適な住宅を提案することが大切だと思うからである。今日は時間があるので各プロジェクトのスタディーを行う。特にリフォームにおいては町医者的な判断が重要になるので少しづつ考えていこうと思う。

事務所にて各プロジェクト打ち合わせ。

2021/09/28

午前中、事務所にて各プロジェクト打ち合わせ。

午後より、スタッフ全員が集まっての研修会。前半戦は、来年のスタッフの運営方針についてみんなで意見を出し合う。今の設計事務所は昔のようにブラックなイメージは全く無くなっている。ますいいでは自分たちのルールを自分たちで決めようということで、例えば有給休暇の取得を進めるために誕生日はお休みにしようなどのルールを自分たちで決めることにしている。今日の話し合いで意見のあった携帯電話の貸与についても実現に向けて検討していきたいと思う。

続いて研修会である。今日の研修会ではますいいの家づくりに取り入れようとしているLCCM住宅の考え方についてのレクチャーを行なった。僕たちはあくまで居心地の良い住宅を作る手段としてのLCCM住宅を考えている。断熱性能を上げてソーラーパネルと搭載するというだけでなく、本格的なパッシブ設計を行うことでまずは日射や風などの検討をしっかりと行いたい。蓄熱壁などの手法も用いて、日中の陽射しを夜間の暖房に利用することも取り入れる。アドバイザーにはものつくり大学の松岡教授にもご参加いただくこととした。専用の計算ソフトも導入した。こうしたことをちゃんとやった上でのLCCM住宅、これはみんなが口にはするけれど、なかなかそこまでやっていない画期的なものになるであろうと思う。当たり前そうなことをしっかりとやる、そんな家づくりなのである。

数年前に作ったKさんの家の手すりこ製作にあたっての現地調査。

2021/09/27

午前中、数年前に作ったKさんの家の手すりこ製作にあたっての現地調査。元々は木製の手すりこを採用していたのだけれど、跳ね出しの梁に刺さっている部分がだんだんと腐り始めてしまうという現象が現れたためにスチール製に変更することとした。製作金物は木のように自由が効くわけではないので、正確な採寸や製作図が必要となる。取り付け方法なども具体的にイメージをして書かないと思わぬ落とし穴にはまることもあるので慎重にやらなければいけないのである。

午後、現在店舗の改修工事を請け負っているS堂さんのご自宅のリフォーム工事の現調へ。店舗だけでなくご自宅まで工事をご依頼いただくというのは、僕たち設計者にとってはとても嬉しいことである。お店の工事をしっかりと進めたからこそのご依頼だと思うので、今まで以上に良いお仕事ができるようにしっかりと計画していきたいと思う。

夕方、東京都新宿区にある新築マンションの内覧会に。引き渡し直後から工事を始めてリビング周りの改修工事を行いたいというご要望である。場所は裏千家東京道場にほど近い閑静な住宅街である。峰竜太さんの有名なマッシュルームのような住宅もすぐ近く、確かこれは横川健氏の作品だったと思う。僕にとってはなんだかすごく親しみのある場所、完成が楽しみな現場である。

東京都江東区にて新築住宅を検討中のOさんご家族打ち合わせ。

2021/09/25

午後、東京都江東区にて新築住宅を検討中のOさんご家族打ち合わせ。Oさんは陶器の作家さんでもあり、販売を手がけるセレクトショップの経営者でもある。ご家族四人が
のびのびと暮らすことのできる住宅を建てる土地探しをしているところでのご相談に来ていただいた。この土地は今の所境界確定ができていないということだったので、一般的な家づくりの流れについてのご説明をさせていただいたが、うまく話が進めば良いと思う。

もう時期緊急事態宣言が解除される予定だ。感染者数もだいぶ減ってきているようだが、このまま治るのだろうか。コロナ禍で感じる潮流として、潜在的リリスクが顕在化したこと、変化のスピードが早まったことがある。実はコロナで変わったことは何もないのだけれど、みんなが実はこれは危ないのではないかと思っていたことがやっぱり危なかったのねと露になってしまう、そんなことが起きているように感じる。例えば昨今の海外調達物の価格上昇、食品の価格向上、円の価値減少、マイクロチップの不足によって車が作れない?などなど、いずれはそんなことが起きるのだろうなと思っていたことがやっぱり起きて、一体どうしたものかと頭を悩ますような状況が続いているのである。

これからの10年で予見できることとして、とある講演会にて
・技術革新
・異なるものの融合による価値創造(アップルカーのようなもの)
・情報発信者のパワーバランスの転換
・社会全体に見られる関係性の再構築
・シェアリング、ボランタリー経済
・不確実性と経済振幅の増大
が挙げられるという話を聞いた。

だからどうすれば良いのかと考えてみてもそうそう明確な答えは得られそうにない。何も変わるはずがないのに、なんとなく急激に変化しているこの社会において僕たちはどうすべきなのだろうか。こんな時だからこそ、自分自身の存在意義は?の再認識を行うこと、社会をもう一度見つめ直し自分の理想とするどのような社会を想像していきたいのかを考えるようにしていきたいものである。だって建築家とはいつの時代もそういう存在なのだ。とある理想を実現するために建築を作る、そんな建築を考えてみたいと思う。

三芳町にて建てた住宅のメンテナンスに行った時

2021/09/24

先日数年前に埼玉県の三芳町にて建てた住宅のメンテナンスに行った時に、玄関扉やひさしの塗装が剥げてきていたので「そろそろ再塗装をしたほうが良いですよ」のアドバイスをしたところ、早速嬉しいお知らせが届いた。

増井様
田部井様

先日は遠いところお越しいただき、ありがとうございました。

すっかり塗装を怠っていた軒天を
昨日ようやく塗りました。

養生がうまく貼れず、壁に塗料がはねてしまったりしましたが…
平屋なので全部自分たちで作業できたので、
コスト面では助かりました!

写真は、一枚目が塗装前
二枚目が2度塗り後です。
玄関の軒も、塗りました。
扉はまた後日に。

一日でも家が長持ち?しますように…

それでは、秋たけなわの好季節、ご健康に留意され、ますますご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。

M

これはその3枚目の写真である。木はメンテナンスさえすればとても長持ちする素材である。2年に1回ほどの塗装、それだけでとても良い風合いとともに暮らしを楽しむことができるのだからぜひ大切にし続けてほしいと思う。
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今日は産休中の渡邉さんとの面接を行った。

2021/09/22

今日は産休中の渡邉さんとの面接を行った。ますいいで産休、育休を取得するのは初めてのことである。設計事務所というとブラックなイメージが強いのだけれど、ますいいではスタッフの笑顔を一番の理念として掲げているので産休育休もしっかり1年間取得してもらうことにした。大分県出身の渡邉さんご夫婦、元々は埼玉県に住んでいたのだけれど、このコロナ禍で大分県に帰ることになった。大分県で復職?これは以前だったら不可能だったと思うのだけれど、コロナ対策で導入したテレワーク対策のおかげで遠隔地にいても働くことができるようになってしまったのである。というわけで、「子供が手を離れるまでの期間だけでもますいいの仕事をしてみないか?」と呼びかけてみると、まずはやってみようということに。年明けから保育園に子供を預け、それからのスタートを計画することになった。

一つ一つ、一人一人、こういうことに丁寧に対処していけば笑顔で仕事をするチームは必ずできるのではないかと思う。また渡邉さんの笑顔と一緒に仕事ができるようにしっかりと準備を進めていきたい。

カエルアドベンチャーさんにカヤックとキャンプの旅に出かけた。

2021/09/19

今日は早朝に家を出て、栃木県那須烏山市のいつもお世話になっているカエルアドベンチャーさんにカヤックとキャンプの旅に出かけた。昨日まで台風、どうなることかと思ったけれど水位はそれほど上がっていない。いつもより10センチほど高いだろうか。水位が上がると水の流れが速くなる。いつも見える岩が水に埋もれて見えなくなる。川がカーブしていて強い水流で岩肌にぶつかるような場所では、激しく水がうねっている。などなどの変化はあるものの、危険を感じるほどの流れではないようだ。朝8時ごろにベースキャンプに着くと、すでにKさんがきていた。kさんはたまに一緒に川下りを行う方で、原子力関係の博士である。僕たちにカヤックを教えてくれる斉藤さんも、そのアシスタントで花火師のRさんも準備は万端のようである。今日はいつも見知った仲間たちだけで上流の少し急な流れに挑戦の様子、ちょっと緊張感はあるものの楽しんでいきたい。

10時ごろ、川下りスタート。天候は今年一番の晴れ。台風の後はとても空気が綺麗で良い。なかなかスリリングな瀬を超えながらも、誰も沈することなく乗り越えることができるようになってきた。始めた頃は1日に数回の沈没をして体力を消耗したのだけれど、なんとなく上達してきたのだと思う。今はあゆのシーズンで、多くの釣り客も川に出ている。みんなよく釣れているようで、あちらこちらで歓喜の声が聞こえてくる。やながあるところには、大勢が集まっていて竹で組んだヤナを登ってしまったあゆを捕まえている。川に堰を仕掛けてあゆをとる魚堰漁もスタートするようで、白旗がたったカヤックの通り道を示す竹棒が立てられていた。僕が川で遊び始めた昨年の9月にみた景色が、今年も同じようにみられるようになってきたようだ。

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終了後はそのままそこでキャンプを行った。テントを貼りバーベキューをすると、大きな月が現れてきた。十五夜には二日前だけれど、ほぼまん丸の月である。月はいつも川のほとりにある大きな木の影から昇ってくるが、何故かここでみる月はとても大きく感じるのが不思議である。今日は妻の誕生日。花火師による本格的な花火をあげたりの余興を楽しみながらの祝宴であった。

先日取材を受けた二つの中庭の家を作る物語

2021/09/16

先日取材を受けた二つの中庭の家を作る物語を、短い手記にまとめてみた。この家づくりは僕にとってもとても印象深く心に残る家づくりだったから、少しでも誰かに伝えたい、そんな思いで書いてみた。

こころの柱

 

ある日、Mさんという40代の小柄な看護師をしている独身女性がますいいリビングカンパニーを訪ねて来ました。ますいいリビングカンパニーは住宅を作る工務店機能を兼ね備えた設計事務所です。Mさんも他のお客様と同じように家を建てて欲しいと訪ねて来たのですが、普通のお客様とは何かちょっと違う雰囲気を持っています。何か悩んでいるような、ちょっと元気がない様子でした。32歳で亡くなった北海道を代表する画家、神田日勝の後ろ足のない馬を自分で模写した絵を持ってきて、「これが今の私です。でも家を建てれば後ろ足が生えてくるかもしれないと思うんです。どうか私と大切な猫が二人で暮らすための家を作ってください。」と言われました。実はMさんは1年ほど前にお父さんとお母さんを続けて亡くしたばかりだったのです。最愛のご両親を亡くし、急に一人になってしまったMさんはその頃精神的にとても不安定な状況になっていたのです。

ますいいリビングカンパニーでは早速設計担当のSさんが設計を始めました。初めは普通に南の道路側に庭のある家の図面を書いていました。出来上がってMさんに見せてみると、「とても気に入りました。それでお願いします。」と言われます。でも何か、Mさんには合わないような違和感を感じ設計をやり直しました。次のプランも多少の変更はしましたが、やっぱり道路側に庭があるものでした。そのプランもMさんは気に入ってくれました。そのまま作ってもいいのでしょうが、実際にMさんが一人でこの家で暮らす様子を想像してみると何か違和感を感じてしまうのです。Sさんはさらに考え直すことにしました。

「女性の一人暮らしで、果たして南の道路に面した庭がどれほどの意味を持つだろうか。敷地はわずか40坪、庭のすぐ向こうには道路の反対側にあるハローワークに来た人たちがいつもたくさんいるような状況で庭を作ってもきっといつも庭に面する窓のカーテンは閉め切られたままだろう。だったら一層のこと中庭にしてはどうか?敷地いっぱいに壁を建てて、そこに二つの大きな中庭を作る。中庭と室内はガラスで区切ることで、家の中のどこにいても庭と一体の暮らしができる。」
そう考えたSさんは、二つの中庭の家を設計することにしたのです。家に入るにはまず大きな鉄の扉を開けます。この扉は、鉄工所を営むSさんのお父さんが手作りで作ってくれました。亡くなったMさんのお父様はもともと木型屋さんを営んでいたのですが、鋳物の町と言われていたこの町では木型職人と機械職人は兄弟みたいなもの。その機械職人の手で作られた扉を開けて家に入ると一つ目の庭があります。庭を通り抜けて一つ目の扉が玄関です。玄関を入るとそこにはワンルーム型の大きな室内空間が広がっています。そしてその真ん中にはもう一つの中庭が配置され、さまざまな木々が暮らしの中に溶け込んでいるのです。部屋の向こう側には背の高い部屋が一つだけ仕切られています。ここは猫のための部屋、真ん中には柱が立ち高いところが好きな猫が自由に過ごすことができます。

この家ができてしばらくして、Sさんは埼玉建築文化賞最優秀賞を受賞しました。授賞式当日、Mさんは新調したワンピースを着て緊張した様子で賞状を受け取っていました。それからも雑誌の取材を受けたりすること数回、ちょっと変わったこの家を取材されるたびに、Mさんは採用されなかった提案図まで見せながら、この家づくりの様子を最初から最後まで楽しそうに話してくれました。この家ができてMさんに笑顔が戻ってきてくれたのです。かつてなかった後ろ足が、この家のおかげで生えてくれたのです。ご両親を亡くし、さまざまな不安を抱えていたM さんの支えとなる家ができたことでMさんは再び前を向いて歩み始めることができました。Mさんは「この家があるおかげで辛いことがあっても頑張ることができるのよ。」といつも言ってくれるようになりました。

11年目の夏、雑誌チルチンびとの取材を受けました。取材の前はちょうど精神科に移動になっていたMさんは心労からか取材を受けることを躊躇っていたのですが、久しぶりの取材を受けてみると、11年前の図面を全て披露して満面の笑みで当時と同じような説明をしてくれていました。
取材に立ち会ったますいいリビングカンパニーのスタッフが「Mさんと一緒に授賞式に行った時の写真は11年たった今でもSさんの携帯電話の4枚目の写真に保存されているんですよ。」というとMさんは急に泣き出してしまったそうです。この話を聞いたMさんは、いつもSさんに見守られているこの家がある限りしっかりと地に足をついて歩んでいける、そう思ったのでした。

事務所にて雑務。

2021/09/15

午前中、事務所にて雑務。

午後より、埼玉県川口市にて新築住宅を検討中のNさんが購入を希望している土地の下見調査を土木業者のM社長と一緒に行う。この土地は道路よりも約1mほど下がっている土地である。道路より下がるということはあんまりないのだけれど、この道路自体が昔は堤防のように利用されていたということでこのような形状となっている。実は僕の母方の実家もこの道路に面して建っていたのだけれど、その建物は道路よりも2mほど下がっている地面に工場部分を作り、2階部分に住宅を乗せるという工夫をしていた。工場部分の下には船がぶら下がっていて、もしもの時にはその船に乗って避難をするということになっていたらしい。

最近この道路に面して建築行為をする人たちは、擁壁を作って地盤面を道路よりも高くしてしまうことが多い。これだけ豪雨被害が増えていると当然のことであるが、それにはそれなりの土木工事が必要となる。そこで普段からお世話になっているM社長と一緒に土地の下見をしたというわけである。細かい明細はわからないけれどざっと見たところの概算金額は1500万円ほどの土木工事が必要そうである。なかなかの高額な工事ではあるけれど、安心のためには変えられない工事だ。まずは土地の購入の交渉から始めていこうと思う。

カフェを始めたいというSさんご夫妻打ち合わせ。

2021/09/14

今日は朝霞市にてカフェを始めたいというSさんご夫妻打ち合わせ。今は西伊豆のペンションを営んでいるということだが、コロナの影響もあって閉店することになったということである。朝霞は奥様のご実家、高齢のお父様のお世話をしながらご夫婦でカフェを営むという。現場はお父様が以前営んでいた加工工場の跡、油の染み込んだくすんだ感じの内装はまさにカフェにぴったりの空間だ。外観は小さな切妻のトタン外壁、これもまた程よいボリュームでローコストでの工事に適している。なぜかますいいはカフェを造ることが多いのだけれど、きっとセルフビルドを取り入れながら、自分でできるところは自分で作って、ローコストでのオープンを目指す人が多いからだと思う。今回のご予算は300万円、なんとか魅力的なお店づくりにご協力したいと思う。

「二つの中庭の家」が掲載されたチルチン人が発行された。

2021/09/11

先日取材をした「二つの中庭の家」が掲載されたチルチン人が発行された。今回の庭特集にまさにぴったりな中庭がとても魅力的に紹介されていたのでここでお知らせしたい。

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この住宅は一人暮らしの女性のための平家である。設計をするにあたって、本当にくつろげる空間を意識した結果、中庭型のプランを作ることにした。全面道路を通る人の目を気にすることなく、いつも魅力的なにわと一緒に暮らすことができる、そこにいるのは自分と猫たちだけ、そんな伸びやかな空間を実現できた。この住宅は僕が初めて埼玉建築文化賞で最優秀賞を受賞した作品である。これはその当時の授賞式の写真。記念として携帯電話の写真集の2枚目に保存してある写真も一緒に掲載しておこう。

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「ものつくり大学」の松岡教授にご相談に伺った。

2021/09/10

今日は埼玉県行田市にある「ものつくり大学」の松岡教授にご相談に伺った。ますいいでは現在埼玉県さいたま市の浦和美園駅近くの某所にて、LCCMの基準を満たすパッシブエコハウスのモデル住宅を計画している。この計画では、できるだけパッシブの手法を取り入れながらLCCMを達成するという設計を実験的に行い、今後の家づくりをより環境にやさしい形にしていくことを目指している。今日はこの環境にやさしい設計手法の部分のアドバイスをいただくために環境工学の専門家である松岡先生にチームに加わっていただくべく足を運んだというわけだ。

松岡先生との話でも話題に出たことなのだが、パッシブ設計や環境設計に、これをやったら激変するというようなマジックのようなものは存在しない。火の光や風の流れのコントロールをいかに愚直に行うか、そういう一つ一つのことに建築家として真摯に取り組んだ結果が一つの建築の快適性という結果につながるわけなのである。僕はがこういうエコハウスに強い関心を抱くようになったのは、グレタさんのメッセージを聞いたことがきっかけである。もちろんその前から関心はあったけれど、この活動家の姿を見てこれは本格的に環境に関心を持った活動をしなければいけないなあと考えた。国産材の100%利用もそのために選択した行動である。安いからといって外国産材に頼る家づくりはやめよう、これは僕に撮っての第一歩であった。今回のLCCMはその次のステップである。

まだ名称は決めていないのだが、すぐ近所に公園があるこの計画を「仮称 ますいいハウス 美園 6 丁目第2公園」と名付けておこう。ここではますいいらしい家づくりを行う拠点となる様、セルフビルドの体験や講座などを楽しめるDIY工房を併設する予定だ。これまで現場で教えることが多かったセルフビルドも、こうした講座で慣れておけばスムーズに運ぶことができるし、家具などのDIY講座などまで夢が広がる可能性がある。現在設計中の当計画、ぜひ実現したいと考えている。

「市内中小企業の新たな発展モデルを目指す交流会」の準備委員会に参加。

2021/09/08

午後1時、川口市役所にて「市内中小企業の新たな発展モデルを目指す交流会」の準備委員会に参加。なんだかたいそうな名前がつけられているのだが、僕が参加しているグループはDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した企業発展の可能性みたいな話を考える会である。

そういえば先日オリイ研究所について調べていたのだが、オリイ研究所のオリヒメというロボットは人の孤独を解消するために開発されているということであった。なんでも創業者の若い頃の不登校経験の中から、孤独を解消するためにはロボットが役に夏だろうという考えで開発を始めたということなのだけれど、6月からは東京都の日本橋で障害のあるかたがたが遠隔操作で自分のコピーロボットを操ることで運営されているカフェの実験創業が始まったというからまた驚いた。人が動く代わりにロボットが動く、そんなことが実現しようとしているのである。

僕は工務店機能を兼ね備える建築家である。DXのようなものは例えば現場管理の効率化とかの範囲での導入はできるので、すでに検討はしているのだけれど、根幹となる仕事、つまりは設計のさまざまな検討と決定の部分はまだまだ経験に基づく人の判断が必要となる部分であろう。医師の診断や治療方針の検討ではすでにAIが導入されていると聞くが、この事例では、世界の論文を比較検討し最適な治療方法をセレクトする能力は人間を遥かに超えるという結果が出ているようだ。人の命を左右するジャッジで成功している技術ならば、家づくりのような分野でもいずれは多くの部分にAIが入り込んでくるのだと思う。さてさてそうしたら一体僕は何をやるのやら、その時は古い建築のリノベーションのようなとても手間のかかる設計やまちづくりのようなコミュニケーションを形成することを求められるお仕事、はたまたDIYのようにクライアントと一緒に家を作ることや、伝統的な動きの伴う茶室の設計の如きなんだか機械にはできそうもないことをやる事としようと思う。というよりもすでに僕はそういうことをやっているわけなのだけれど、これは考えようによってはすでにAIのやらない部分に自分が歩み寄っているのかもしれないとも思うのである。

今日はなんとなく胃腸炎で体がだるい。

2021/09/04

今日はなんとなく胃腸炎で体がだるい。こんな時期なので打ち合わせにはスタッフに代わりに出てもらうようにして、自宅にて仕事をする。

夕方、埼玉県にて調整区域の土地を購入し、住宅を作りたいというSさんご家族打ち合わせ。資料をご覧いただくために会社に来ていただいたが、僕は自宅からのZOOMにて失礼させていただいた。Sさんが探している土地はとにかく細長い土地である。その理由は長さを利用して弓道場を造りたいという夢を実現するためだ。弓道場のある家、これは僕も初めて造るものとなる。弓道場がある家が一体この国に何件あるのか?ちょっと気になったので画像検索で調べてみると、これが意外とあるではないか。これは僕がやっている茶室と一緒、やはり日本の伝統的武道だけに一定数の支持者はいるのであろう。住宅の一角から弓を射ると畑の上をスッと放たれた矢が飛んでいった先に的が設置されている、そんな楽しい風景をぜひ作り上げてみたいと思う。

リフォームもしくは建て替えを検討されているKさんご家族打ち合わせ。

2021/09/03

今日は埼玉県さいたま市にて、ご実家で2世帯で同居するために、ご実家のリフォームもしくは建て替えを検討されているKさんご家族打ち合わせ。母屋はまだまだこの先も使うことができる状態なのだけれど、20年ほど前の建物なので断熱性に難がある。大きな窓がたくさん配置されているのだけれどそのずべてが単板ガラスのアルミサッシ、そしておそらく時期的に考えると壁の中に入れられている断熱材もグラスウールの10K厚50mmだと考えられる。現在の断熱性能については、最低でも2013年基準(UA値=0.87)を満たすことが健康上望ましいと考えているが、20年前は1999年の次世代基準で造られているわけなので、だいぶ性能が低くなってしまうことは仕方がないのである。

先ほど最低でも満たしたいと言った性能を実験で調べてみると、2013年基準を満たしている建物では、冬場に体感温度が15度未満になる床面積の割合が概ね30%程度、また冬の最低体感温度が概ね8度を下回らないという結果が出る。ちなみにこれをHEAT20という民間の理想的な断熱基準にしてみると(この場合UA値=0.56)それが20%・10度まで向上するのだが、このUA値の基準はZEH住宅の性能を上回るものなので、かなりの高性能と言える。リフォームで断熱性能を向上させる場合、屋根壁床下の充填されている断熱性能だけでなく、すでについているアルミサッシの性能も上げなければいけないのでなかなか大変だ。サッシの付け替えを行うとなると、外壁を一度全て剥がしての工事となるのでほぼスケルトン状態までの解体をしなければいけないし、そんなことをしたら新築並みの費用がかかるので、通常は2重サッシや障子などを部分的に加えるというような手法を取ることになるのである。

今日は両者の場合の二つのご提案をさせていただいたのだが、次回はそこからさらに修正を加えたプランを見ていただいて判断をしていくという流れになる予定だ。次回の提案が楽しみである。

設計中の茶室についての打ち合わせ。

2021/08/30

午後、堀部くんと埼玉県さいたま市にて設計中の茶室についての打ち合わせ。これまでずっと考えてきた建物の中の路地の外壁に設る開口部のあり方についてのスタディー。玄関を入ると土間仕上げの内路地になっている。この路地から一度外へ出ると腰掛け待合があり、蹲で清めて、再び路地に入る。路地からは8畳と4畳半の二つの茶室に入ることができる。4畳半には躙口があって、その上には連子窓がある。この内路地の開口部は連子窓から4畳半への採光のための窓でもあるのだが、さてさてこの4畳半、採光計算はどうしたものか。うーん、嫌なところに気がついてしまった。伝統建築の使い方と現代建築の法律の狭間で物を作るのはなかなか難しい物である。そもそも茶室など暗い方が良いのだが・・・、これはまた継続して考えることにしよう。

ワクチン摂取翌日、妻は38度以上の熱を出しているが僕はなんの異変もない。

2021/08/29

ワクチン摂取翌日、妻は38度以上の熱を出しているが僕はなんの異変もない。こういう反応はだいぶ個人差があるようだ。2回目のワクチンせしっしゅ翌日は何も予定を入れない方が良いと聞いていたので、本当に何もやることがない。というわけで娘たちと一緒に畑作業を行うことにした。今日のメイン作業は、本当は先週やりたかったじゃがいもの植え付けである。じゃがいもは大体一つの株から5個から8個くらいの大玉の収穫が出来る。今日は大体30個ほどの種芋を植えたので十二月には200個以上のじゃがいもが実るはずだ。いつもよりは少々少なめだけれど、実はこれくらいで家蔵の分は十分足りる。会社のスタッフに向けたサラメシの材料には少々足りないかもしれないけれど、最近は食べ切れるくらいの適量を作ることにしているのでこれでよし。

畑の下にある芍薬の生産者がこの秋で畑を返すことになっているらしく、株の根を分けてくれた。ご夫婦で農家をやっていると言うことである。高齢だが、まるで丸太のような腕をしている。肌は赤黒く日焼けし、腰は少しだけ曲がっていても僕なんかよりよっぽど継続して作業をできる体力もある。もうこの場所で30年間農家を続けてきたと言うことだ。畑の地主さんがこの土地を土木業者に貸し出すと言うことで追い出されてしまうらしいが、これでまた良好な農園の風景が劣悪な仮囲いの風景に変化してしまう。地主の農家さんは、ご主人を亡くし女性一人で農家を続け子供達を育ててきた尊敬すべき人である。高齢化し、次の世代に変わろうとするにあたり、その子供さんの判断で自分が暮らす母家の周りの畑を病院の駐車場にし、貸し農地を土木業者に貸してしまうと言う・・・。なんともなんとも、都市農業は一体どうなってしまうのだろう。

2回目のワクチン接種。

2021/08/28

今日は2回目のワクチン接種。朝の8時30分に注射をするも特段異変はないようだ。熱が出るとしたら明日だろう。それにしてもなんだかよくわからないワクチンを打つことに多少の抵抗は感じつつも、それを拒否して生きることの肩身の狭さを考えると摂取を受け入れる選択をするしかないようなこの社会の状況に違和感を感じざるを得ない。今のコロナという病気で多くの方が苦しんでいるわけだから、それを防ぐための対策は受け入れるべき、これが大方の判断だろう。そもそも自分自身が重症化するリスクも低減できるわけだし、ということは医療機関の崩壊を防ぐなどの効果もあるわけだ。変異株が色々と出てきて、どのワクチンの方がそれに対して効き目があるとかの情報も色々あるが、だんだんとよくわからなくなってきてしまった。僕が打ったのはファイザーである。果たしてどんな効果を生み出してくれるか。そのうち3回目のワクチン摂取等選択がやってくるだろう。その時は一体どんな副反応が出るのだろうか。

9時30分、今日は千葉商科大学大学院のプログラムに参加。なんとか一日発熱もなく乗り切ることができた。

中庭のある家ではベニヤを一枚も使わない家づくりを行った。

2021/08/26

埼玉県川口市で造った中庭のある家ではベニヤを一枚も使わない家づくりを行った。もちろんベニヤだけではなく、健康に有害な化学物質を発生するような建材は使わない家づくり「健康住宅 森の生活」による家づくりを行ったのである。

「健康住宅 森の生活」コンセプト

①地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東(栃木県中心)で採れる桧、杉材を採用
土:内装仕上げに漆喰材を採用
石:大谷石などの関東で採れる石を採用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに採用
②住まい手と作る職人の健康を害する部材を使わない
合板・ベニヤ・ビニルクロス・新建材・サイディング等を使わない。
塗料・接着剤も安全に配慮する
③廃棄時の環境負荷を考慮した部材を採用する
④室内空気環境を測定する

このような家づくりではキッチンもいわゆる大手メーカーのものは使えない。今回は檜の無垢材を使用するキッチンを家具屋さんで造ってもらうことにした。キッチン周辺の造作に関しても大工さんの手による無垢材の杉などを使用した造作を行っている。もちろんそこに建て込む建具関係も杉の框引き戸を建具屋さんに造ってもらっている。下のその写真を掲載する。とても心地よいキッチンが出来上がったと思う。

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とあるお寺さんにて塀のプレゼンテーション

2021/08/24

今日は埼玉県さいたま市の岩槻にあるとあるお寺さんにて塀のプレゼンテーションを行った。お寺さんの入り口には大きな山門があって、その両側には2mほどの兵があるのだけれど、それ以外の部分は完全にオープンになっておりなんとなく防犯性などが心配な状況だ。今回はその残りの数十メートルの部分に塀を造り、入り口側の外部とお寺の内部を隔てるという計画である。

CGの白い部分はコンクリートに白い漆喰風の塗装を施す予定だ。木組みの大半は檜、一部に栗かケヤキを使用しようと考えている。

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2020年1年間の生活保護の申請は22万8081件となったそうだ。

2021/08/22

2020年1年間の生活保護の申請は22万8081件となったそうだ。これは前年度から5039件増えており、リーマンショック依頼11年ぶりに上昇した。日本では今後生活保護が増え続けると予想されている。これまでは増減を繰り返してきたが、ここにきてコロナの影響で一気に増加傾向に転じたのだろう。特に飲食業や観光業などへの打撃は大きく、多くの人が職を失ってしまったし、非正規社員などの低所得者層には非常に大きな影響となっているようだ。今の日本という社会は、今回のコロナのようなブレを吸収してくれるようなスポンジ機能な無くなっているように思う。例えば家業の手伝いをしながら収入の足しにしたりの姿は次第に見られなくなってきている。貧困の子供への継承、貧困層の高齢者の増加といった問題を解決しなければ、根本的な解決はできないように思う。

家づくりという仕事はなんとなく人づくりにつながっているような気がする。家を建てようなどということを考える場合、多くは子供が存在している。ご両親が作ってくれた素敵な家に育つ中で、さまざまな行為が体験されそれを見た子どももそういうことができるような育ち方をしていくものだ。例えば薪ストーブがある家なら、自然と火おこしを覚えるし薪割りだって斧でパンパンとできるようになる。庭があれば季節の花や樹々の手入れ時々困らせる虫たちの悪戯も覚えるはずだ。無垢材の床を米糠で磨いたり、外部の木部に防腐剤を塗装したりの行為も自然と身につく。こういういろんなことができることって、なんとなくだけれど今のような混乱の時代を生き抜くには必要なことのように思えるのだ。

自動で掃除機がくるくる掃除してくれる家で育ち、もしかしたら火も起こすことができないような子供がそのまま大人になっても柔軟な対応力や色々なことを乗り切る力は身につかないように思うのである。僕は豪邸だけを作る建築家にはなりたくない。どちらかというと少ない予算でなんとかしたい・・・、の思いを実現する仕事の方が好きだ。貧困の連鎖、これはなんと貧しい言葉かと思おう。お金がなくとも素晴らしい場を作ることはできるはずだし、そういう場の豊かさの方が変に豪華な家なんかよりもよっぽど子供たちの精神を豊かにしてくれると思う。お金が一番なのではなく、心の豊かさを一番と思うような社会を作りたい。建築を作る意味はそこにしかないと思うのである。

7年ほど前に作った住宅の玄関ドア枠メンテナンス。

2021/08/18

午前中、7年ほど前に作った住宅の玄関ドア枠メンテナンス。木製枠をガルバリウムの外壁材と同じ材料で包んで、そこに蝶番を取り付けているのだが、そのビスが効かなくなってしまっている。玄関ひさしの幅が木製枠とピッタリ揃ってしまっていることが原因と考えられるので、ひさしを少々大きくすることにした。試しにひさしの上に水を流してみるとひさしの上を流れる水がくるっと内側にきて枠に向かって垂れてくる。こういう収まりはとても微妙なところでうまくもいくし、問題にもなる。早急に手直しをして
対応したいと思う。

午後、埼玉県さいたま市にて設計中の茶室打ち合わせ。今日は各茶室の展開図などを用いての打ち合わせを行った。

夜、茶道稽古。8月は茶箱を行っている。今日は月と和敬の点前を行った。月は茶箱で最も美しいお点前とのこと、ウグイスに茶筅を立てるとなんとウグイスがすっぽりハマってしまった。出そうとしてもなかなか取れない。最後は諦めて、爪で引っ張り出すことに。美しい点前もこれでは台無しである。もっと修練しないとなあの反省である。

NPO法人わいわい広場さんの改修工事をスタートした。

2021/08/17

今日から川口駅の藤のいち商店街の中で活動しているNPO法人わいわい広場さんの改修工事をスタートした。わいわい広場さんは子供を育てるお母さんを応援するための施設で、今は予約制でお母さんたちが交流や支援を求めて来所する形式で運営している。今では完全ボランティア、公の補助金などをほとんど利用しない形で運営しているということで、まさに善意の結晶と言える場所である。今回はこの施設の2階を改修し、子供向けの無料学習塾やコワーキングスペースなどとして利用するための場所とするための工事である。

建物は築年数がよく分からないくらいのとても古い鉄骨造2回建ての建築である。多少雨漏りもしているがまさか屋根の吹き替えをするわけにもいかないのでその辺は目をつぶることにした。改修のための資金はクラウドファンディングと少々の補助金、というわけで工事の範囲は必要最低限に絞りながら、仕上げのペンキ塗装などはセルフビルドを活用しながら行うこととする。ふかふかしたり穴の開いたりしている床は全面的に張り替え、使えないキッチンを解体してその部分の壁を石膏ボードで仕上げる。和室は長押よりも下の部分を下地でふかしてラワン合板で仕上げる予定。洋室は窓のある一面を赤のペンキとブルーのライン、落ち込み天井を黄色で仕上げることで、わいわい広場さんのイメージカラーの3原色を使用するといいかなあと思っている。

街の中のこういう仕事はまさに町医者的建築家の本領発揮の場である。お金は少ないけれど、善意はたくさんあって、そういう人たちに囲まれながら建築の仕事をするということは何よりもの機会なのではないかなあと思う。古くても良い建築が求められる形はたくさんある、その中の一つのとても良い事例なので紹介したい。

C字型の中庭プランを採用している。

2021/08/16

埼玉県川口市に完成したOさんの家では、C字型の中庭プランを採用している。この家はお母さんとお子様が暮らすための住宅である。こういう住宅を作る時にはいつも以上に防犯性を気にしながらの設計を行うのだけれど、解放性と閉鎖性を両立して光や風を十分に取り入れて暮らすための住宅とはのスタディーの結果生まれたのが、この中庭プランであった。中庭は木製ルーバーによって外界と柔らかく切り離されていて、不審者の容易な侵入を防ぐようになっている。中庭に対しては大きな掃き出し窓が二つ設けられており、そのほかにも風抜きのための腰窓などがあってとても開放的だ。季節の良い時期には窓を開け放って子供達を遊ばせていてもなんの心配もいらない、そんな住宅とした。床材には厚さ30ミリの国産材の無垢杉板を貼り、壁や天井には漆喰を塗り回している。リビングの中央部分は勾配天井とし、そこにシンボリックな柱を落とすことでこの住宅の重心を構成した。重心の前には薪ストーブが置かれる予定だ。きっとここで子供たちはすくすくと育ってくれることだと思う。

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Aさんの家の撮影に立ち会った。

2021/08/15

今日は2年ほど前に作った埼玉県桶川市にあるAさんの家の撮影に立ち会った。朝から風炉、釜、水指など基本的なお道具を運び込み、茶室の設をさせていただく。なるべく少人数で、短時間、コロナ禍ということで工夫をしながらの準備である。

この住宅は夫婦二人で暮らすための茶室のある住宅である。二人とも大学の先生ということで、寝室などの個室に加えてそれぞれのための書斎が設られている。書斎横の倉庫には自前の本棚、多くの書籍を保管できるようにした。今でこそ在宅でのテレワークが普及し、家の中にワークスペースを設ることが一般化してきたが、コロナ前でここまで作ることはなかなかないことだったと思う。

今日は裏千家の機関誌である「淡交」に掲載していただくための撮影会であった。淡交といえば社中の先生が購読している雑誌・・・、このような敷居の高いところに掲載されるなどなかなかの緊張感なのだけれど、いただいた機会なので大切にしていきたいと思う。茶室は基本の8畳の広間だ。琵琶棚と床の間、そしてお仏壇を収納するためのスペースが付随しており、庭側には縁側がある。その向こうには立派な空池のある石庭が造営されていて、蹲も設えられている。下の写真は完成時に撮影したものである。今日の写真は淡交にてご覧いただきたい。

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今日はひどい雨だ。

2021/08/13

今日はひどい雨だ。昨日の夜から降り続いているが、全国的に、特に西日本で被害が出ている。数年前から聞くようになった線状降水帯という言葉がまた今年も現れたかの、少々憂鬱な気分である。この帯は積乱雲の固まりを示すそうだが、ここまで頻繁にこういう雲が日本上空に形成されるようになったのも地球温暖化の影響なのだろうか。全国で160万人に向けて避難指示が出ているというが、そんなに多くの人々が一体どこに避難できるというのであろう。それもこのコロナの時代にである。密を避けての行動を促されているときに、人でごった返す体育館などに行きたいわけもなく、でも自分の家がもしかしたら水害に合うかもしれないと思えば、やはりどこかに逃げなければとも思うだろう。

毎年のように水害に遭っている地域もあるようだが、こういう場所に暮らす人はほとほと疲れていることだろうと思う。思い出のある故郷を簡単に離れる決心もつかないだろうが、でもこうも毎年被害にあえば暮らす場所を変える選択肢も現実のものとなるのかもしれない。人が暮らす場所の選び方を変える必要があるかもしれないというようなことを言ってみても、実際には東日本大震災級の災害でもなければそういうことは実現することは難しいだろう。先日、2070年までに熱波によって35億人もの人々が今住んでいる地域に住むことができなくなる可能性があるという研究が発表されたけれど、熱波でなく洪水を理由として移住を余儀なくされるような場所も多く出てくることだろう。世界で人口が増え続け、それを支えるエネルギーを消費して、経済という名のよく分からない仕組みを大回転させながら、地球環境を消耗する先にある未来は本当に心配である。これから作る住宅の姿は・・・、と考えるとやっぱり環境問題は避けて通れない。僕たちは今LCCM住宅を考えているけれど、ソーラーなどを利用しながらエネルギーを作る住宅を作ることに積極的に取り組んでいくつもりである。この雨ももう時期峠を越えるようだ。来週はきっと良い天気が帰ってくるだろう。

築地塀についての調査・作図を行なった。

2021/08/10

今日は京都にて、埼玉県さいたま市にて設計中のお寺の塀に使用する築地塀についての調査・作図を行なった。やはり伝統建築の意匠は京都が良い。この地にはいわゆる和風の意匠が多く残っているし、新しいアイデアも散りばめられているのだ。築地塀というと本当は土を突き固めて作る、いわゆる版築のような作り方が基本となる。(土を突き固めて作った版築で最も有名な建築が万里の長城だ。)ますいいでも実際に世田谷の常光寺さんでこの版築の塀を作ったが、今回は築地塀といっても本当に土で作るのではなく、土台の部分はコンクリートブロックを利用し、そこにモルタルで斜めの断面を塗りつける予定だ。

コンクリートブロックで作った躯体の上には木製の土台、腕木があり、母屋と棟木にかかる垂木を組んだら、広小舞と胴縁を入れて化粧野地板を貼る。その上にもう一度野地板を張って、最後に瓦を葺いたら出来上がりである。このように書けば簡単なことなのだけれど、ここまで細かい作業をしての塀作りはなかなかあることではない。お寺の場合、大きな山門がある周りに作る塀なので、やはりそれなりに風格が必要となるし、耐久性だって数百年以上のものが期待されるからこそ、塀に屋根がつくのである。お寺や神社の仕事をさせていただくことは建築家にとってとても誇らしいことだ。自分の人生よりずーっと長いスパンで利用される建築を造るときの緊張感を楽しみながら設計をしていきたいと思う。

建て替えを検討中のSさん姉妹打ち合わせ。

2021/08/07

午前中、東京都荒川区にて建て替えを検討中のSさん姉妹打ち合わせ。築50年以上の古い4回建ての建築を壊して、お母さんと二人で暮らすための小さな木造2回建ての住宅を計画しようというものである。土地の広さは約60坪ほど、道路側に貸し駐車場を作っても十分に庭のある30坪ほどの住宅を作ることができる。しかも南側への接道だから日当たりなども十分に確保出来るだろう。とても良いプランができそうな土地である。1回目のプレゼンを楽しみにしたい。

明日から1週間の夏季休暇に入る。暑い日が続いていて、先週から来ている大工さんが熱中症で病院に行ってしまうくらいである。オリンピックのマラソンも朝の6時スタート、これだけ暑いとこうでもしないと競技も成立しないのだろう。並んできている台風が気になるけれど、災害などにつながらないことを祈るばかりである。皆様もお気をつけてお過ごしください。

玄関ドアに関するメンテナンス訪問。

2021/08/06

午後、10年ほど前に作った埼玉県さいたま市の家の玄関ドアに関するメンテナンス訪問。木製のドア枠の上部が少々傷んでいる。原因は雨水が染み込んでいること、玄関上部の庇の幅が玄関と全く同じようにデザインしていることが大きな要因となってしまったようだ。約30分ほどの検討ののち事務所に戻った。僕も21年間この会社を運営しているので、こういうことをするとこういうメンテナンスが発生するというような関係性がだいぶ蓄積されてきている。このメンテナンスに関するデータベースをみんなで分かち合うことで住宅の性能の向上に大きくつながるはずだ。最近はiPadのGOOD NOTEで現場のメモを取ることが多いが、PDFデータの蓄積が手軽に出来るのでアーカイブ化もしやすいはず。早速取り組んでみようと思う。

ベニヤを一枚も使用しない家づくりというものに挑戦してみた。

2021/08/05

気をつけないと無くなってしまいそうな大切なもの

昨年から設計していた戸建て住宅の現場では、ベニヤを一枚も使用しない家づくりというものに挑戦してみた。ベニヤを使わない家づくりをしている理由は化学物質を最小限に抑えるための家づくりのため、だからもちろんビニルクロスもメラミンなどの化粧材も使わずに、内装漆喰はシーラーなしのプラスターの下塗りに漆喰仕上げの徹底ぶりである。キッチンだって、わざわざ家具屋さんにヒノキを使って接着剤最小限の注文で依頼した。断熱材も羊毛断熱材、ちょっと高いけど新築現場が臭くない、なんだかとても居心地が良い結果となった。
ベニヤを使わない、昔の大工さんならそれがどうしたの?という感じだろうが、ベニヤ板があることが当たり前の僕たち世代にとっては、なかなか大変な挑戦である。野地板、外壁モルタル下地合板、床下地合板といった部位に杉板を使用するのだが、非乾燥材ならまだしも床下時に使用する乾燥材の荒板など持っている材木屋さんはなかなかないのが実情だ。最近は売れないからね!の一言で断られる中、親しい福島県の製材屋さんから取り寄せることができた。しばらく前に、米松などの輸入材をやめて構造材を国産材に切り替えたことでできた山とのつながり、もしもこれがなければ買うことすらできなかったかもしれない。ちなみに床板は杉の30mmを貼っている。軒天なども然り、当たり前のものを当たり前に使っているだけだけれど、なんだかとても懐かしい良さを感じた。
ある時、ふと栗を使いたくなった。栗の丸太はどこにあるのか?群馬県の森林組合にはていよく断られてしまった。東北の岩手県にはまだたくさんの栗材があるらしい。ではそれをどこで買えるの?そしてどこで製材するの?寝かせるのは何年?製材ってどうやって目利きするの?誰に聞いたら良いかの暗中模索、でも困っている時は指導者が現れる、僕に丸太の目利きを仕込んでくれたのはなんと地元の木風堂の親父であった。そんなわけで最近は栗や桜、鬼胡桃の丸太を購入して製材所で製材し、1年間以上寝かせて造作材として使用するようにしている。うちの倉庫にはいつも100枚くらいの板がある、国産広葉樹の板を常にストック、これはとても大切にしていることだ。うちの大工さんはこの栗を使って建具の枠を作ったり、家具を作ったりの造作を楽しんでくれる。もっと難しい図面を描いてこい・・・、腕の良い大工はセリフまでかっこいい。

気をつけないと無くなってしまいそうな大切なものを、決して忘れないように大切にしたいと思う。僕たちはこの世代の責任世代である。もしも僕たちが亡くしてしまえば、子供たちの時代にそれは博物館の中のものになってしまうのだ。
(ベニヤのない家の建築後、52種類の空気環境測定の調査をしてみた。その結果検出されたのは、アセトンとαピネン。アセトンは配管工事の接着剤、ピネンは杉から放出する天然物質であった。)

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10年目メンテナンス。

2021/07/31

午前中はリフォーム打ち合わせ。

午後、10年目メンテナンス。跳ね出しの米松の梁にすのこ状のウッドデッキをとrつけている現場の手すりが揺れるというので調査に訪れた。木製手すり柱の足元の痛みが原因と思われるが、根本的な解決のためにスチール性の手すり子に変更することを提案。その場で簡単な作図をして事務所に戻った。

夕方、シェアハウス「ヒュッゲハウス」食事会。月に1回、オーナーの食事会というものを開催している。今日はお好み焼きパーティーである。もともと僕が住んでいた住宅を部屋ごとに仕切り、シェアハウスとして運用しだしてからはや1年余り、なんだかとても居心地の良い空間となってきている。入り口付近にある和室を杉板の部屋にしてワークスペースにリフォームのご要望が出たので早速実行することにしようと思う。

Kさんの家のリフォーム打ち合わせに伺った。

2021/07/30

今日は埼玉県さいたま市にお住まいのKさんの家のリフォーム打ち合わせに伺った。二人目のお子様が誕生されることをきっかけに、手狭になるマンションから実家に移り住むにあたり2世帯住宅に改修を行うか、はたまた新築住宅に建て替えるかのご相談であった。築年数は25年である。すぐに壊してしまうのはもったいないけれど、どうするかを悩む理由もよくわかる。

・改築後に自分たちの老後まで40年くらいは使うことができるのか?
・温熱環境を整備したいが、リフォームでどこまで改善可能か?
・構造的にどこまで担保されているのか?
・・・・

25年くらい前にきちんと造られた住宅なら構造が腐っているようなことはあんまり考えられないので、この先40年間使うことができるかの信頼はある程度できると思う。基礎のコンクリート強度に関していうと、僕が今設計をしている川口市のグリンセンター内にある築50年のシャトー赤柴という公共建築でコンクリートのコア抜き強度試験を行ったところ、設計基準強度の21Nがほぼ達成されていたという事実から考えても、コンクリートが50年間くらいで著しく強度低下するようなことはないと言えるだろう。巷では100年住宅などの広告を見かけるが、100年前のコンクリートの強度試験はしたことがないので本当なの?というような気持ちにはなるのだが、築60数年の国立西洋美術館などが使用されていることを考えるとクラックの処理などの適正なメンテナンスをすれば70年くらいはいけるような気がする。

温熱環境に関するリフォームはどこまで行うかの判断が難しい。シングルガラスのアルミサッシは断熱性能が著しく低いのでその性能を向上させることからはじめ、外壁に面するグラスウールの入れ替え、屋根と床下の断熱材の交換などなかなか手間がかかる工事が予想される。

リフォームにするか新築にするか、その判断の最終要因は最終的にどのようなプランが可能なのかという点にもよるだろう。敷地に余裕がある場合は、新築であれば全く異なる建築の提案が可能だ。さてさて、今回はリフォームの場合、新築の場合の二つのパターンを図面にしてプレゼンを行うこととなった。計画のまさに初期段階、ここはよく考えなければいけないところだろう。

雑誌の編集の方が来社した。

2021/07/29

10時、裏千家が運営している淡交という雑誌の編集の方が来社した。この雑誌は裏千家で先生を務めているような方だけが読むもので、あんまり本屋さんに売っている類のものではない。僕がお世話になっている先生の稽古場にも当然置いてあるし、毎月お稽古が終わった後などの時間で必ず目を通すようにしている。この淡交にますいいの紹介をしてくれるというから驚いた。茶室を作る工務店として紹介してくれるのお言葉、本当にありがたい限りである。

茶室という数寄屋建築を定義づける言葉として
「自然な風合いを生かした木素材を尊ぶ性質から、自然的なものへの憧憬、あるいは再現」とか
「世俗からの脱却を目指して確立されたという侘び茶室から、反世俗のためのモチーフとして自然的な衣装が選択されたのだから、実は作為的な美学の極みである」とかの意見があるが、
「数寄屋というのは一つの安定したスタイルに回収されない、常に動いていくような、あるいは動くために緊張した凝縮さえ要求するような建築的嗜好である」という考えもある。つまりは様式としての定型を持つには至らない、建築を作る上での姿勢によって生み出される意匠の一つの形なのかもしれないか、これが確実に日本の印象を定義する姿であることは否定できない。どのような態度で数奇屋に向かっていくか、さてさてもう少し深く考えてみるとしよう。

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月に1回の全体会議・研修を行った。

2021/07/27

今日は月に1回の全体会議・研修を行った。スタッフ全員が本社に集まり、その回ごとにテーマを変えた研修を行う。今回は和順君が担当した蕨市のカフェ、滝本君が担当した杉並の家、そして現在僕が進めている川口裏路地計画で進行中のまちづくりワークショップについてのレクチャーを行った。

下の写真は滝本君が担当した杉並区善福寺の家の写真である。施主は大手ゼネコンの設計部にお勤めの方、まさに自分の家は自分で造るの種族であり、それもかなり手強いパターンだ。各所の収まりなどについても入念に図面による打ち合わせを重ね、大工さんの手間もふんだんに使って造りあげた。その収まりの美しさは写真をご覧いただけばわかっていただけると思う。建築を造る楽しさをふんだんに味わっていただけた代表作とも言える1題である。

研修の最後はビールを飲みながらの懇親会。約1時間ほどのちに解散した。

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今日から会社は3連休である。

2021/07/23

今日から会社は3連休である。セルフビルドのお手伝いに参加しているスタッフもいるけれど、大方のスタッフは連休を取得できているようだ。僕はといえば自宅でオリンピック観戦というわけでもなく、今日は1年ほど前に造ったモデルハウス兼自宅の写真撮影を行なった。カメラマンさんに付き添いながら撮影のアングルに入ってしまう雑物を動かしたりの作業を行いながら過ごしているといつの間にやら2時を過ぎていた。流石にお腹が空いたので、畑で取れた野菜を使ってパスタを作ってあげてみんなで食したのだけれど、静謐さを映し出そうとするカメラマンの姿勢に心打たれたひと時であった。

いつの間にかオリンピックが始まっている。世界中から多くの観客が来て・・・のお祭りを行うことはできるわけがないけれど、それでも世界中のアスリートが真剣に戦う姿はやっぱり心を打たれるものである。コロナで色々なことが形を変えているけれど、オリンピックもまた今年しかないコロナによる変容を遂げているのだと思う。この状況が正しいのかどうかなど誰にもわからないけれど、困難に直面した時こそ冷静に正しいと思われることを信じてやるしかないのだろう。

建て替えを検討中のSさんご夫妻打ち合わせ。

2021/07/22

午前中、東京都練馬区にて建て替えを検討中のSさんご夫妻打ち合わせ。現在お住まいの住宅と今は空き家となっている実家を解体して、一つの住宅を作ろうというプロジェクトである。比較的ゆったりとした敷地に庭や駐車場を配置してのとてもゆとりのある計画、今回は大きな吹き抜けのあるプレゼンをさせていただいた。次回は少々面積を小さくしての提案をする予定、少しの違いでも面積を小さくすることで結構な減額となる。そのプランを見ていただいてどのように感じるかを伺いながら、適正なプランを探り出して行くのもとても大切な基本設計の過程であるのだ。

4畳半の茶室はとても自由な空間である。

2021/07/21

4畳半の茶室はとても自由な空間である。その中でも天井はさまざまな工夫がなされる場所で、いかに仕上げるかを考えるのは楽しいものだ。今僕が設計している茶室は、茶道を愛好する個人の楽しみの場であり、弟子に茶道とはを伝えるための稽古の場であり、そこに友人を招くための交流の場である。そういう場所が極端に高価な銘木の類で埋め尽くされるのはおかしなことだが、でも茶道を行う場として一定の規則の中に収まっている必要はあるべきだと思う。

草庵茶室の天井は「平天井」「落ち天井」(平天井に高低差をつけた二段造りとなっている天井の、低い方。落ち天井は点前座に用いられることが多く、亭主が客に対してへりくだるという意図を表す。)「掛込天井」(庇(ひさし)が室内に貫入して、屋根裏の構成を室内に見せて、傾斜天井となっている天井のこと。)の組み合わせで構成されることが多いが、さてさてどうするか。

掛込天井は竹の垂木に細竹の竿縁を流し、その上に野根板を貼る仕上げとなる。野根板というのは通常の板と異なり、数ミリの厚さまで木目に沿って剥ぎ取った薄板を言い、サイズもバラバラなので屑板貼りなどとも表現する。なんでも綺麗に揃っているのが当たり前の時代に、バラバラの板をなんとか並べて仕上げるということは、とても繊細で風流なことである。ぜひこの仕上げはご提案してみたいと思う。

「森の生活」についての文章を求められたので書いてみた。

2021/07/19

午前中、HP打ち合わせ。「森の生活」についての文章を求められたので書いてみた。この家は今の僕が本当に良いと思う家でである。何が良いのか、それを書いてみたのでご一読願いたい。

森で暮らしたい
鳥の声、川のせせらぎ、キャンプの朝は自然の音で目が覚めます。色々な事情があって、都会でも暮らしをしていても、家族で過ごす時間はまるで自然の中にいるような過ごし方をしたい。
家は生きるための箱です。心を休めゆったりと過ごすためにはを考えると必要なものとはなんでしょう。自然を感じる様々な自然素材、家族団欒の場の中心にある薪ストーブの炎、ゆったりとした庭、柔らかい光、僕たちが欲しいものを一つ一つ丁寧に集めてみました。

僕たちの未来は一体どうなるのだろう
現代の家づくりでは、作業の効率化などの理由で多くの工業製品が使用されています。多くの製品はF☆☆☆☆という基準で管理された低ホルムアルデヒド製品ですが、それでも僅かな化学物質を放出します。
これらの工業製品は、製造の段階で接着剤などが大量に使用されております。素材によっては自然には還ることができないものも多くあります。こうした建材を使用して作られた住宅は、建築するときから解体廃棄を通して地球環境に多くの環境負荷を与えてしまうのです。

未来って、誰が作るの?
ますいいでは、少しでも持続可能な社会の創造のためには、家づくりにおいてもこうした製品の使用を削減することが必要だと考えます。そこで工業製品を排除し、空気中の化学物質がない特別仕様の住宅「森の生活」を設計しました。この家づくりでは合板や新建材などの使用を避け、グラスウールの代わりに羊毛断熱材を使用し、仕上げにも漆喰などの自然素材を使用するなどの工夫をすることで、環境負荷が少なく、清浄な空気の住宅の実現を目指しています。子どもたちが安心して暮らせる未来を今からでも作れるかもしれない、そんな思いで取り組んでいます。

セルフビルド講座。

2021/07/17

午前中はセルフビルド講座。今日は合計5名の方々がタイル貼りや八溝杉を使用したスプーン作りに来てくれた。体験の前に簡単な講座をやっているのだが、この講座では具体的な手法というよりもセルフビルドでこんなことができるんだよという紹介を中心に行うようにしている。今日お話を聞いてくれた方々は実際に自分の家でタイル貼りなどをやってみたいというご要望があるようで、色々と質問までしてくれた。こういうことをやっていると真剣に話を聞いてくれる人がいることのありがたさを強く感じるものである。興味ないのになあ・・・、の雰囲気が漂う中でお話をするほど難しいものはないのだ。

日本の家づくりは高すぎる。そもそもが合理化を第一として色々な組織運営をしているから、いわゆるパッケージとしての状態から一歩でもはみ出した注文をすると莫大な手数料を請求されたり、はたまた既製品のキッチンを定価で販売したりなどの足枷がある場合が多い。ローコスト系の会社になると、プラン打ち合わせの回数が3回までと決まっていたり、プラン以上の図面は提示されなかったりの、いわゆるおまかせ系となってしまうので、出来上がりは大抵どこにでもある建売の如き形状となる。こういうことは経済原理から考えても当然の結果であり、これを覆そうと思えばやはりどこかで努力をしなければならない。

ますいいリビングカンパニーは工務店機能を兼ね備えた設計事務所である。二つの機能を同時にやってしまうので会社経費が一つで良い。その分は確実にコストがダウンできる。さらに材料の調達などでは、製材などを実際に行なっている山と直接の取引をすることで良材を市場価格の半額程度で仕入れることができるように工夫している。また、先のセルフビルドも大切な手段の一つである。建築の世界では材料費と人件費が同じくらいかかるのだが、この人件費の部分を削減できることは大きい。例えばキッチンの前にあるタイル貼りの場合、材料費が3万円程度で人件費・会社経費が合わせて5万円程度かかることが多い。タイルを貼る日と目地入れをする日の二日間を必要とすることがこの金額を構成するのだけれど、これをセルフビルドで行えば3万円だけでタイルを貼ることができるようになるわけで、つまりは味気ないキッチンパネルの価格でタイルに片変更することができるわけである。

こだわりを安く手に入れる・・・、これはなかなか大変なことなのだ。でもそこをなんとかしないと日本人はみんな建売やローコスト住宅に住むしか無くなってしまうの不自由からの脱却を目指すことこそますいいの活動の意義である。これからもこだわりのローコストを目指して頑張っていきたいと思う。

午後、東京都世田谷区にて家づくりを検討中のWさんご夫妻打ち合わせ。今回は第2回目のプレゼンである。バルコニーから屋上に上がることができる木造の3階建て住宅のご提案だが、狭小地をギリギリまで使用した伸びやかなプランができたと思う。是非是非ご依頼いただきたいものである。

川口グリンセンターでのワークショップを開催した。

2021/07/16

今日は川口グリンセンターでのワークショップを開催した。このワークショップはグリンセンター内の大集会堂のリノベーションを計画するにあたって、川口市内で魅力的な事業を運営されている方々のお話を伺ってその意見を参考にしながら進めたいという思いで開催したものである。これまでのこの施設は、一つの業者さんが運営を任されており、その業者さん以外の人がこの場所で何かをやりたいという提案をしてもまず許可が降りることはなかった。(施設の部屋の貸し出しを利用すればその部屋の内部は利用できたが、建物全体を利用してのイベントなどはできなかった。)

民間には勝手にイベントなどを開催させることはできない、じゃあ行政がイベントなどを得意として運営しているの?と言えばそうでもなく、実は行政も民間の力を取り入れて魅力的な施設にしたいという思いはある。じゃあなんでやらないのと言えば、やっぱりこういう仕組みを真剣に考えて、前例なき挑戦をしなかったからであり、今回の計画ではこういう挑戦をさせていただいている、つまりはとても前向きな行政の支援あってのことなのである。建築はまちづくりの一助となる要素である、でもそれは街に求められる施設を作った場合の話であって、そうなることができなかった悲しい建築もまた沢山ある。こんな時代に建築を造るからには、やっぱり必要とされる建築にしたいと思うのである。

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増築を伴うリフォームを検討中のYさん打ち合わせ。

2021/07/14

午前中、東京都杉並区にて増築を伴うリフォームを検討中のYさん打ち合わせ。色々と検討した結果ますいいにご依頼いただくことになったということで、久しぶりの打ち合わせに出向いた。クライアントは設計事務所にお勤めの方である。これはまさに「自分の家は自分で設計する」のパターンであり、僕たちの家づくりにはぴったりと言える。

ますいいリビングカンパニーという会社は、日本の家づくりをもっと自由にしたいという思いで発足した。家を建てようと思うと、普通の人はまず建売の広告を見たり、住宅展示場に行くくらいしか情報源がない。地元の工務店に依頼しようと思っても、一体どこにあるのの状態なわけだし、では建築家に依頼しようと思ってもなかなか敷居が高いのが現実である。情報社会、不要な情報はゴミのように溢れていてもいざ誰かに頼ろうとするとやっぱり悩んでしまうという社会の中で、少しでも自由な家づくりに向けたお手伝いをしたいという思いでスタートしたのがこの会社というわけだ。

僕はカヤックを趣味にしている。カヤックを上手くなりたいなあと思ったときに、一体誰に相談したら良いのか悩んだ時の感覚はちょっと近いような気がする。初めて体験したのは川治温泉の体験であった。これは静水でレクリエーションカヤックを漕ぐ程度のもので、本当の初心者体験であった。次に体験した中禅寺湖はなかなかのスリルであった。ここでは雷が鳴る中禅寺湖の対岸まで渡ったのだけれど、ガイドさんのネパール人と日本人の二人組は大して気にしている様子もなかったものの、落雷の危険がそれなりにあったような気もする緊張感を伴う物であった。でも何かが違うなあと感じて、ネットを検索し、電話をして実際に話をしてみて、なんとなくここかなあという直感のもと出会ったのがカエルアドベンチャーの斉藤さんだった。初めて行った時は10名のグループに混ぜていただき、これまた体験程度の川下りをしたのだけれど、それでも沈1回のハプニングもあるなかなかの体験であった。
それから10回ほど通っただろうか、プライベートで参加し中級者が下るコースに案内され、初めての沈を経験し、今ではロールの練習をするまでになってきている。ロールの練習は大変だし、体力も使うのだけれどでもそれが楽しくて川下りをしているのだから、ときに厳しく自分をそこに導いてくれる斉藤さんの指導はやっぱりとてもありがたい物なのだ。

自由な家づくりも川下りと同じだと思う。めちゃくちゃにやっていてもなかなか上手くはいかないので、やっぱりこうあるべきの方向に導いてくれる僕たちは必要だし、上手くいくような設計を初めからするというテクニックも必要だ。どう考えても初心者が乗り越えることができないようなライン採りをすることなく、でも少しの背伸びはしてみるという感覚もとても近いように思える。さてさて、今日の午後契約をしたワイワイさんは川口市で子育て支援をしている方達である。この建物の2階をたったの100万円でリフォームをする、つまりはセルフビルド満載で綺麗にしようという計画を始めることとなった。お客様を沈させることなく最後まで導くことが僕たちの使命、なかなか大変そうな旅だけれどしっかりと漕ぎ進めたいと思う。

15年ほど前に作った東川口の家のリフォームのご相談に伺った。

2021/07/13

午前中は、15年ほど前に作った東川口の家のリフォームのご相談に伺った。この住宅は外壁をガルバリウム鋼板で仕上げ、2階部分の上には屋上を配置し、内部から階段を登ってその屋上に出ることができるようになっている。屋上部分はFRP防水で仕上げていて、その上にウッドデッキを敷いているだが、今回はそのウッドデッキや手摺といった木部の交換、FRP防水のやりかえ、外壁などのガルバリウム後半の塗り替えなどを行うご相談であった。

ガルバリウム鋼板は他の素材に比べるとメンテナンスをしないで良い素材である。この外壁ももう少し先のメンテナンスにしても大丈夫ではあるのだけれど、屋上の防水や木製部分のやりかえを行うためにどうせ足場を組まなければいけないので、この際一緒にやってしまおうという判断をしたというわけである。この家の写真を見ていただくと1階と2階の中間にある水切りがないことがわかる。この水切りがないとガルバリウム鋼板は6mほどの長いままの材料を入れることになるので、現場での施工はとても大変だ。そもそもそれなりに広い敷地や道路がけなければ施工することができない。でもここでは板金屋さんに頑張ってもらって、長物の施工をしたおかげで、ファサードのプロポーションがとてもバランス良くなっている。こういう小さな努力が15年も経って良い思い出となる、これも設計の楽しいところなのである。

セミナーで徳武産業の十河会長のお話を伺った。

2021/07/09

今日はとあるセミナーで徳武産業の十河会長のお話を伺った。初めてお会いさせていただく方である。この会社は介護シューズという分野を扱っている会社で、日本で初めて左右のサイズが異なる靴の販売を行なったりの介護という分野に特化した靴屋さんである。元々はスリッパなどの下請け製造をしていたらしいのだけれど、ある時に相談を受けたこの介護シューズという未知の分野と真剣に向き合い、まさに先駆者としてその道を作り上げたことで今では国内シェアNo.一の会社に育てたということであった。

僕も常日頃より仕事というものを誰かの役に立つことと定義している。だからますいいの家づくりではクライアントの一人一人の想いを大切に、そのこだわりを実現することができる工務店機能を兼ね備えた設計事務所を運営している。左右のサイズが違う靴、マジックテープの向きが不自由な体に合わせて左右変えられる靴、足が変形してしまっていてもそれを包み込むように履くことができる靴、・・・こんな靴づくりが存在したのか!!の驚きであった。そしてまさに一人一人の要望に合わせて丁寧に靴づくりを行っていく姿勢を拝聴し、ますいいの家づくりにも共通する理念があるよなあと感じることができた。大変暖かい人柄を感じる会長さんのお話を伺うことができ何だかとても良い1日であった。

毎年盛大な七夕祭りというものを開催している。

2021/07/07

僕の家の近くのふじのいち商店街というところでは、毎年盛大な七夕祭りというものを開催している。各お店が飾り付けをして、当日は結構な数の屋台も出て、地域の若者が大勢集まるお祭り、こんな状況で開催できるはずもなく今年もまた中止となってしまった。こういう文化は継続することが結構大変なもので、2年も連続で辞めてしまうとその先にまた復活することができるのかどうかが不安でもある。辞めた方が楽・・・という意見も出るだろうし、それがコロナの状況で・・・という言葉付きで出てきては誰も抵抗することもできないだろう。ワクチン接種が進み、感染が抑えられれば状況も変わるのだろうが、それもなかなか進まないのが歯痒いところなのだ。

オリンピックも然りである。懸命に誘致したことすら後悔の念が湧いてくるような状況で、それでも開催しなければいけない現実と、もう開催しない方が良いのではいかというような世論との狭間で、どのように決断することが正しいのか誰にもわからないだろう。進め方がおかしいというような意見はたくさんあるが、実際にリーダーとして采配を振るう役にいる人の心労は本当に大変だと思う。

今日は川口グリンセンターの定例打ち合わせ。意匠・構造・設備の各担当者が集まり、それぞれの計画についてのすり合わせを行なった。今回の成果として最も大きいのはコア抜きしたコンクリート構造の試験体の破壊検査をしたところ、設計基準強度を満たしていたということがわかったところである。これが満たされていないと、今後のリノベーションの計画がなかなか進めることができなくなってしまうところだったのだけれど、まあ一安心というところだろう。築50年、何も考えなければやっぱり壊してしまわれる可能性が高い建築である。でも、平成天皇が皇太子として川口氏を訪れた際にお泊まりになった部屋がある建築をもしもあっさりと壊してしまうような街に文化など芽生えるはずはないと思う。この建築一つの力など大したことはないかもしれないけれど、でもこういう古き良き建築が群として存在する街となればそれがすなわち文化であると思うのだ。文化がないから今年は文化を作りましょう・・・、のごとに空想は絶対に実現しないと思う。時間や時代を経て、そこから何かを感じることができるような何かを背負っているものたちを大切に扱い、そういうものたちと向き合いながら暮らしていくことこそ文化を育む・・・というようなことにつながるような気がするのだ。

埼玉県川口市にて検討中の某貸家打ち合わせ。

2021/07/06

午前中は埼玉県川口市にて検討中の某貸家打ち合わせ。よくよくお話を伺ってみると大量生産品の建売の如き建築が良いというお話しだったので、丁重にお断りをさせていただく。いかに川口市が人口増加中の街だとしても近い将来減少に転じることは明確である。さらに空き家の問題が顕著となっている昨今、それでも貸家を造る意義があるとすればなんなのか、そういうことを真剣に考えて造らないとあんまり意味がないと思うのだけれど・・・

13時30分、埼玉県さいたま市にて設計中の茶室打ち合わせ。今日は全体のプロポーションの調整のためにプランを一部変更したことに関するご説明をさせていただいた。こうすることで屋根の形状がとても綺麗になって、その結果なんとなく和風建築と感じることができる領域に入ることができたのではないかと思う。次回はこのプランで50分の1の模型を作ってみることに。なかなか良い感覚である。

夕方、建築士事務所協会理事会に参加。研修委員会ということで何らかの企画を作らないといけないのだけれど、何となくコロナでそういう企画を積極的に行う意欲が湧いてこない今日この頃である。でもなんかやらないとなあ・・・、、ちょっと考えてみることとしよう。

栃木県那須烏山市にてカヤックである。

2021/07/04

今日は栃木県那須烏山市にてカヤックである。静岡県では豪雨による土砂災害が発生し大変なことになっている。今の梅雨は豪雨が集中する傾向があるので、たまたまそのエリアに当たると何が起こるかわからない。横一線上の雨雲だから南北には狭い範囲で影響を与えるようで、この栃木県ではほとんど雨が降っっていない平穏な状況だ。

29日(火)、カナダ西部ブリティッシュ・コロンビア州のリットン(Lytton)という小さな田舎町で、気温が49.6度まで上昇した。ほぼ50度になるなどとは、住民はもちろんのこと、多くの気象関係者も予想していなかったらしい。そもそもリットンの6月の平均気温は25度ほどだというのだ。この原因と言われているのが、ヒートドーム」現象でである。これは停滞する高気圧が、加熱中の鍋の「ふた」のように機能するもので、高気圧が長期間続けば続くほど、熱波も続き、気温は日に日に上昇を続けるという。気候変動が異常気象の頻発につながると専門家の間で言われているが、個別の気象事案を気候変動と結びつけるのは容易ではないだけに対策はすすまない。でもなんだか加速度的に悪い状況に向かっているような気がするのである。

人が安全に暮らすことができる場所は?まさに生き延びるための建築とは何かを考える。二酸化炭素排出量を抑えるためのZEHやLCCM住宅は欠かせないものとなるだろう。ソーラー発電はもちろんのこと、井戸水利用、雨水利用などについても検討したい。車も電気自動車の時代に変わろうとしているが、住宅もそれが当たり前の時代にしなければいけない時が来ているようだ。こうしたものに加え地下室利用による高温対策や住宅全体をドームで囲うことによる外部環境のコントロールなども必要になってくるかもしれない。

ウクライナの建築家が地下室空間での暮らしを提案している。これはもしかしたら未来の住宅の姿になるかもしれない。そうすると低地では建設することが不可能だから、自ずと高台の宅地が必要になる。こういう現象は不動産価値の変化をもたらす原因になるだろう。

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MOKIのボイラーは竹1本で8時間くらいお湯を沸かすことができる。これだってとてもシンプルな仕組みだけれど、立派なエコ設備だ。毎日お風呂を沸かすときに井戸水と竹・・・、これは流石に手間がかかりすぎだけれどでもそういうことをどうにかして考えることが大切だと思うのだ。

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「睡足軒」にて茶会に参加。

2021/07/02

今日は埼玉県新座市にある平林寺さんの向かい側にある茶室「睡足軒」にて茶会に参加。こういう茶会に参加したのはもう2年ぶりのこと。それくらい世間では茶会が中止されている。今日は彩の国青松会さんの10周年記念ということで、裏千家のお家元がわざわざ京都から足を運んでくれている。この茶室は電力事業に生涯を捧げ、「電力の鬼」と言われた大実業家で、近代の三茶人でもあった松永安左エ門(松永耳庵)が数寄を凝らしてつくった茶室。馬屋だった建物を茶室に再利用しており、その奔放さが面白い。最後は参加者みんなで記念撮影。久しぶりにお顔を拝見する方々と集い、何気ない言葉を交わすただそれだけのことがこれほどありがたいと思うことはなかなかない。良い1日を過ごさせていただいたことに感謝したいと思う。

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住宅街にて家の建て替えご相談。

2021/07/01

午前中、東京都の駒込駅にほど近い住宅街にて家の建て替えご相談。北区、文京区、荒川区にほど近いこのエリアはとても住みやすい住宅街で、僕もたまに食事などをしにいく場所である。川口市からは京浜東北線や地下鉄南北線に乗れば20分ほどで移動可能、まさにご近所のような感覚の場所だ。今回は借地で借りている土地の建て替えということで、建て替えの承諾に関することなどについてのお話をさせていただいた。

午後、東京都練馬区にて住宅の建て替えを検討中のWさんご夫妻打ち合わせ。ご両親が住われていた場所と今自分たちが住んでいる土地を合体させて、庭のある広々とした住宅に造り替えようというプロジェクトである。3週間ほど先のプレゼンに向けてヒアリングをさせていただいた。

たばこ屋さんの改修工事ご相談。

2021/06/30

午前中、埼玉県川口市にてたばこ屋さんの改修工事ご相談。長らく店舗運営をされてきたがだいぶ老朽化している店舗内装を綺麗にしたいというお話である。建物は雨漏りもひどく、既存のビニルクロスが剥がれてしまっている状況らしい。木造建築の場合には雨漏りをしていると石膏ボードがふやけてきて、仕上げが剥がれるという状況がよく起こる。場合によってはその部分の柱や梁が腐ってしまうこともある。さてさてどんな状況だろうか。まずは来週見にいくことにしよう。

午後、子育て支援施設のわいわいさん訪問。今ある既存の施設の2階をコワーキングスペースに回収したいというプロジェクトにあたりクラウドファンディングで資金集めをしてきたのだが、最終的な予算は100万円弱ということになった。・・・なかなか厳しい予算である。地元のボランティア団体の活動だけにどうにかして支援したいところだけれど、どこまでできるだろうか。なんとかある程度のところまで進められればと考えている。

夕方、近所の方で貰い火で火事になってしまった家の修理の打ち合わせ。それほどひどい被害ではないものの、それでも外壁の塗装が全て剥がれ落ちてしまったり、電気関係のボックスが溶けてしまったり・・・、やっぱりそれなりの被害はある。今回はたまたま風上側だったからよかったものの、風下側の家は六件が全焼しているのだ。風向きで運命が変わる、まさに紙一重なのである。

なんだか今日の日記を書いていると、僕の仕事はつくづく町医者のようだなあと思う。昔ドクターコトーという漫画があった。主人公のモデルは鹿児島県の下甑島にある「手打診療所」にて、30年間離島医療に携わってきた医師・瀬戸上健二郎である。瀬戸さんのような町医者外科医は、なんでもやったという。一度手術が成功すると、島の人は信用してくれて、わざわざ東京から帰ってきて瀬戸先生に手術をしてほしいと頼むそうだ。しかも何故か帝王切開まで・・・。全くの専門外でも頼まれればやる。そういうことになったのは離島という特殊性からなのだろうが、僕の仕事もなんだか同じような気がするのだ。

上記の3名のご相談はおそらくどんな会社でもできる工事だと思う。建築の工事自体は方針さえ決まってしまえば、誰でもできるのだ。でもその方針を決めるのが大変だ。十分ではないコストの中で何をやるか、そもそも施主は何をやってほしいか、一人一人に合わせてそこでの答えを考え、大抵の人は任せるよと言ってくれる中で、その人にとっての最善の答えを生み出すのはまさに町医者の如き仕事であると思うのである。町医者のような建築家になりたいと思って始めたこの状況、まさに今がそうなのだけれどやっぱり予想通り大変だ。答えのない模索・・・、工事・・・、笑顔。この繰り返しをずーっと続けていきたいと思うのである。

今日は午後からスタッフ全員が集まっての研修会を開催した。

2021/06/28

今日は午後からスタッフ全員が集まっての研修会を開催した。今日の題材は松永現場管理室長による現場研修と、高崎分室の柳澤室長による中之条ビエンナーレの出展について。松永室長からの説明では、普段やっている現場管理の要点についての説明ということで参加者全員が興味深く聞いていた。

中之条ビエンナーレは、群馬県出身の柳沢君の思いから参加することになったわけだけれど、実際に作り上げる建築的オブジェは一つの古い古屋をスケルトンにして、屋根は野地板、壁は木舞竹下地の状態にして、光が透過するスケスケの状態にするというなかなか面白いアイデアである。建築と外部の狭間のような場所を作り上げ、空間の面白さを感じてもらおうという企画、まだ作業はだいぶ残っているけれど、みんなで協力してやろうという話にも向かっていった。

夕方はビールを買ってきて建築談義である。こういう時間を積み重ねた先に良いものを作ろうという意欲やアイデアが生まれてくるものだ。コロナ禍でなかなか外ではできないけれど、なんとかみんなでの研修も開催していきたいと思う。

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岩槻市にある円福寺さんの塀新設工事ご相談。

2021/06/25

午前中、埼玉県岩槻市にある円福寺さんの塀新設工事ご相談。立派な山門の両脇に造る塀についてイメージの共有をさせtれいただいた。

午後、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打ち合わせ。今日は田村くんと上原くんが二人でプレゼンテーションである。二人で一案ずつ、Nさんも嗜好の異なる二つの住宅の案を楽しそうに聞いてくれていた。住宅設計というのは、土地の形や施主の家族構成、予算、好み、・・・その他諸々の設計条件を伺った上で行うものである。当然二人でやっても同じ条件の中での提案となるわけだけれど、それでも全く異なる提案が出てくるわけで、つまりはどういう点を大切に扱うかによって同じ土地でも全く異なる住宅が建つところが面白い。

今回プレゼンした上原くんの案は玄関を敷地奥まで引き込むという操作をしている。通常の玄関は道路に面していることが多いが、ちょっと周りの住宅に目を向けてみれば確かに敷地奥に玄関がある住宅もあることに気がつくはずだ。庭を同然の一部とすることで得られるメリットとは、玄関という毎日の出入り導線と庭という場所が近くなること。その結果どのような魅力が生まれるかを想像したながらプレゼンを聞くのはとても楽しいものであるのだ。

川口グリンセンターにて構造の耐力度調査立ち合い。

2021/06/24

午前中は川口グリンセンターにて構造の耐力度調査立ち合い。今日はコンクリートのコア抜きを行うということで構造担当者の名和サンと田中さんが来てくれた。コア抜きは直径10センチほどの試供体を抜き取る作業なのだが、それを行うためには大工さんに内装を剥がしてもらわないといけないので、大工さんも登場しての作業であった。

意匠担当の佐藤研吾くんは屋根の上に登っての現状確認である。ちょっと急勾配の瓦屋根は歩くとヒヤッとするものだが、あまりに見晴らしの良い屋根の上はそのヒヤヒヤ感よりも開放感の方が優っていた。屋根に登ることができるメンテナンス用の梯子を登ると煙突のようなところから出ることができるのだけれど、こういう仕掛けは通常の家づくりでも取り入れたら良いのではないかの気がするくらいであった。やっぱり屋根の上は気持ちが良いのだ。

設備担当者のALL WINの藤木さん達も現状確認と今後の計画についての調査を進めてくれた。やっぱり心強いチームである。2週間後の提案の内容を楽しみにしたいと思う。下の写真はスタンド形式のカフェバーのように利用することを検討している増築部分の模型である。鉄で作った造形的な屋根の下にオープンなスペースを設けることでこちら側のメインの入り口として機能することを期待している。まだ具体的なことは決まっていないけれど徐々に進めていきたいと思う。

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夕方、今年3回目のますいい茶道教室。今日は小林さんと高野くんの二人が参加してくれた。新人さん二人の参加である。小林さんは2回目ということで、お辞儀の仕方や歩きかただけではなく、帛紗さばきや棗の清めかたなども稽古した。もちろん抹茶を点てみるの実践も行った。毎回自分でお茶を点てていると段々と上手になるものである。お菓子は東松山の清晨庵さん、変わらぬ美味しさに感謝感謝だった。

僕の自宅を1年ほど前に造った。

2021/06/23

僕の自宅を1年ほど前に造った。この建物はモデルルームとして利用しており、もちろん住んでいるから完全予約制ではあるのだけれど、ご希望があればご覧いただけるようにしている。その建物のアプローチ部分に照明器具を取り付ける場所があって、でも普通の器具をただ購入するのもつまらないので、川口で活動しているアーティストの高田さんに依頼していたのだけれど、それがようやく完成したのでご紹介したい。この丸い形は円相である。この住宅が2世帯住宅ということで、僕が書いた円相と僕の母が書いた円相を裏と表に鉄で表現している。微妙な掠れ具合は墨で書いた円相の掠れを鉄で表現したものだが、細い鉄筋棒を曲げたものに溶接のノロを散りばめての表現はなかなか幻想的で面白い。

問題はこの照明器具のスイッチが母世帯にしかついていないこと・・・。
せっかく取り付けたのに僕にはつけることができないものとなってしまったのが唯一の後悔であった。

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プランニングをしていると平面の形状について色々と考える。

2021/06/22

午前中事務所にて雑務。

プランニングをしていると平面の形状について色々と考える。単純な長方形が最も合理的なことは十分わかっているのだけれど、それでもやっぱりこの方がいいんだよなあと変えてしまうことがある。埼玉県の坂戸市に作った庭とつながる家ではL字型の配置計画を採用した。ほぼ平家、一部が2階建ての各部屋は敷地の中右往に配置された庭に面していて、どこにいても庭を意識して過ごすことができるようになっている。リビングには庭に向かって座ったときの正面に薪ストーブを配置しているから、家族は自然に庭の方に向かって座るようになる。「庭とつながる家」とは、視覚的、物理的につながるだけではないつながり、意識的なつながりを大事にしているのである。

家には重心があると良い。重心とは心の集う場とも言える。冬、ストーブに向かって家族の団欒を過ごすとき、まさにここは家の重心と言える。そしてもう一つ家の重心となる場所こそが庭だと思うのだ。庭では色々な野菜を育てたり、花が咲き、木の実が着いたり、まさに生命の息吹きが感じられると共に子供たちが元気に遊ぶ場ともなる。だから家のどこの部分も庭に面するようなプランは例え少々非合理的なL字型のプランとなってしまったとしてもやっぱり素晴らしいと思うのである。

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リフォームを検討しているMさんご夫妻打ち合わせ。

2021/06/19

午前中、中古住宅を購入してリフォームを検討しているMさんご夫妻打ち合わせ。今日は目星の物件があるというよりは、一般的なお話を聞きたいという感じだったので中古物件を購入する際の考え方についてお話しさせていただいた。古い住宅を買ってそれをこの先何十年もの間住み続けていこうと考えるのであれば、それなりに物件選びには注意をしなければいけない。まずは構造の種別、鉄骨造のように比較的長持ちしやすい構造であれば信頼しやすいが、木造の場合は注意が必要だ。鉄骨造ならばなんでも良いかというとそうでもない。昔のセキスイハウスの軽量鉄骨造の家をリフォームしたことがあるのだが、壁の内部結露のせいで鉄骨の柱が錆びてしまいボロボロになっていたのを覚えている。軽量鉄骨の場合肉厚が薄いので、錆が発生すると穴が開くまでにそうそう時間がかからないのだろう。築年数が30年を超える建物の場合には、結露や雨漏りの形跡がないかどうかの調査を十分にした後でないと購入は控えた方が良いと思う。

鉄骨造の住宅をリフォームした事例としては荒川区の住宅がある。この住宅はもともと1階が八百屋さん、2階以上が住宅として利用されていた建築だけれど、構造が鉄骨造だから古くても安心して利用し続けることができる。写真は2階のリビングの様子だ。天井を剥がすことで高い天井高を確保し、開放的な空間を実現している。間仕切りの壁などが少ないのも鉄骨造ならではの特徴である。

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それに対して木造の場合はどうか。やっぱり一つの年代的な目安は昭和56年の新耐震基準以前かどうかではないかと思う。この年数以降であれば絶対に大丈夫という風には思わないけれど、大丈夫な可能性はだいぶ上がるのがこの年だと思う。あとはその住宅が建て売りなのか、それとも丁寧に設計された注文住宅なのかどうかが判断の目安となる。クライアントがいない状態の建売と、週に一回くらいの頻度で現場に顔を出してくれる施主がいる建物とでは当然作り手の丁寧さも変わると思うからだ。さらに判断材料となるのは、メンテナンスの頻度である。人間の体と一緒で、メンテナンスをしてあげれば建物は結構もつものだ。でも健康診断もしないで、暴飲暴食をし続けている人の体に無理がかかるように、雨漏り補修や外壁補修もしないで乱暴に使い続けている建築はやっぱり無理がかかっている。こういう建物は購入してもその後が大変な場合が多い。

中古住宅の購入には、それなりの調査をお勧めする。最終決断の前には専門家に見てもらい、メンテナンスにどれくらいの経費が必要かを把握してから購入することが大切だろう。

午後、OZONよりご紹介いただいたWさんご夫妻とのZOOM初顔合わせ。

夕方、同じくOZONさんよりご紹介されたSさんご夫妻打ち合わせ。夜9時ごろ帰宅。

グリーンセンターにてシャトー赤柴の耐力度調査にあたって

2021/06/18

朝10時、川口市のグリーンセンターにてシャトー赤柴の耐力度調査にあたってのコア抜きに関する打ち合わせ。この建築は10年ほど前に耐震診断をされていてその時点では耐震強度が十分に確保されているという診断を受けているのだけれど、さすがに10年も経っていると今でもその強度があることを調査しなければいけないという決まりがあっての調査である。実際には壁のコンクリートをくり抜いて強度試験を行い、設計基準強度を超えているかどうかの試験を行ったり、コンクリート自体がどの程度中性化をしていてだから鉄筋が錆びてしまっていないかを判断したりする。今日は意匠設計担当の佐藤研吾さん、構造設計担当の名和研二さん、そしてコア抜きの調査をしてくれる業者さんがきての打ち合わせであった。12時過ぎ終了。

夕方スタッフの面接。今日は有給休暇の取得率を70%に上げようというテーマについて会長とスタッフで話し合いを持っている。まず大切なことはう有給休暇を取ってもいいんだという雰囲気作りだと思う。おやすみというのは皆がのびのびと働くことができる環境を整えるための大切な要素だからこそ、本当に達成できるように進めていきたいと思う。

住宅の建て替えを検討している方のご相談。

2021/06/17

午前中は東京都新宿区にあるリビングデザインセンターオゾンさんにて、住宅の建て替えを検討している方のご相談。コロナウィルスの影響でこのオゾンも閉館していたのだけれど、今日は久しぶりにオープンしている様子を拝見した。普段当たり前に営業しているところが閉館んしているのはなんとも味気ない。今後はこのまま通常営業にいこうしていってくれれば良いと思う。

午後は自宅の茶室にて茶室の新築を検討中のAさん打ち合わせ。茶会というほどではないものの、でも茶室にお招きするとなると茶会のような感覚で準備をするものでなんとなく楽しいものだ。お菓子は東松山の清晨庵さんで購入した青梅、まさにこの季節にぴったりの意匠である。床の間には大宗匠の円相を掛けた。早くコロナが終わって平穏無事な世の中に戻ってくれれば良いなあの願いを込めた。世間ではワクチンの接種がどんどん加速しているそうだ。僕の年齢に順番が回ってくるのもそうそう遠くはなさそうである。まだ完全なものではないようだけれど、でもそれでみんなの安心が手に入るのでればやっぱり早く接種した方が良いと思う。健全な社会の情勢にはまず根底に健全な心の状態が必要だ。誰とあってもちょっっと咳をしただけで顔を背けなければならないような状態は早く終わって欲しいと思うのである。

雑誌チルチンビトの撮影立ち合いを行った。

2021/06/15

今日は雑誌チルチンビトの撮影立ち合いを行った。取材したのは10年ほど前に作った二つの中庭の家である。この住宅はご両親を亡くした女性が一人で暮らすための住宅である。ご両親の不幸の直後という時だったので、神田日勝の後ろ足のない馬の絵の模写を持ってこられて「これが今の私です、でも家を作れば後ろ足が生えてくるかも」のご相談のように家づくりの打ち合わせが進んでいったことを記憶している。道路側にオープンの庭を作るようなプランも作ったが、最終的には二つの中庭が室内空間と並列して配置されている今の案に行き着いた。中庭は外部とは外壁で隔てられており、日常の生活の中で完全に暮らしと一体化して利用されている。家には数匹の猫がいて、中庭と外とを自由に行き来している。この中庭は外部でもなく内部でもない、ちょうど中間領域として存在しているのだ。

床には杉板を貼っている。天井はラワン合板の柿渋染である。柿渋を塗る作業はもちろんセルフビルドで行なった。キッチンはモルタルキッチンだ。ますいいの左官屋さんが丁寧にモルタルを塗って仕上げた。素材の質感を大切にして、人工的な色などは極力使わないで仕上げている。中庭との境界は木製建具を採用した。これも大工さんによる手作りである。木製建具はアルミサッシよりも柔らかいイメージで仕切ることができるので良い。

この住宅は何となく胎内空間のイメージで設計されている。そこにいることで心が安らぐ場所、何となく安心できる場所とするにはの工夫である。家というのは華美である必要はない。家は人がそこで生きるための場所なのだ。生きるための場所の形は人それぞれであるが、僕はこの住宅がMさんにとっての生きる場所になっていると思っている。そういう家を作ることができたことは何より嬉しいことだと思うのである。

この取材の様子はチルチンビトの9月号に掲載される予定である。竣工から約10年の渋い住宅を楽しみにしていて欲しい。

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住みやすい街大賞2年連続NO1記念の川柳コンテストの授賞式を開催した。

2021/06/13

今日は埼玉県川口市で開催してきた住みやすい街大賞2年連続NO1記念の川柳コンテストの授賞式を開催した。住みやすい街大賞自体はアルヒさんという住宅ローンの会社がさまざまな指標を分析して出しているもので、住みたい街ではなく住みやすい街、つまりは利便性とか求めやすい地価とかの現実的な事情で選定されているものである。今回の川柳コンテストは、市民自体がこの街のどんなところを住みやすいと思っているのかを抽出するとともに、さらにこの街に関心を持ってもらうきっかけになれば良いなあということで企画した。2000を超える応募があったりの反響の多さに感謝感謝である。開催にあたっては地元の金融機関さんたちや役所、商工会議所や一般企業さんの多くの協賛のもとに開催させていただいた。皆様のご協力に心より感謝したい。

授賞式には10名の受賞者が来てくれた。受賞者の中には高校生が3名ほどいた。小学5年生の少年もいた。彼は家族みんなで応募したら自分だけが受賞してびっくりしたらしい。授賞式を終えた後は皆口々に喜びのことばを口にしていた。市長と一緒に写真を撮る5年生の少年、僕と一緒に写真を撮る障害者の少年、皆それぞれに喜びの言葉を伝えてくれた。こういう姿を見るとなんだか本当に開催して良かったなあの想いを感じた。

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恩師の石山修武先生の個展に足を運んだ。

2021/06/10

今日は恩師の石山修武先生の個展に足を運んだ。場所は先生の自宅である世田谷村のある千歳烏山にある板金屋さんの工場である。工場の壁に展示されている作品の多くは今回のために作られた護符、銅版画が施された金属片の作品であった。今日はすでにオープニングから数日が経過していることもあり、多くの作品は僕も知っている知人たちによって購入されてしまっていた。その中でも最も存在感のある牛の護符、いいなあと思ってみていると「それは早稲田大学の渡辺先生が購入したよ」の一言。先を越されたなあの感であった。それにしても絵画から始まり、彫刻にいたり護符となるとまるで石山教の再現である。早稲田大学の教授時代、本当に早稲田の教祖のような存在であった石山先生だが、これはいよいよ本当にそんな感じになってきた。まあ僕にとっては昔からそんな存在であったのでたいして変わらないのであるが・・・。

人生の中で恩師と呼べるような存在に出会えたことは何よりもの幸せであると思う。普通に生きているだけではなかなか出会うことはできない人、親ではなく、でも親のように自分自身を厳しく見つめてくれて、そして愛情を持って指導していただいたと実感のできる存在、僕にとっての石山先生はそんな存在だ。今の僕は47歳、そろそろ僕自身がそんな存在にならなくいてはいけないなあと思うのである。ますいいにいるスタッフ一人一人と向き合って、そんな存在になってい行くことを目指そうと思う。それが「順送り」、石山先生から引き継いだバトンを次の世代に渡すことになるのだろう。

工場兼住宅のリフォームを計画しているOさんご夫妻打ち合わせ。

2021/06/09

10時過ぎ、埼玉県坂戸市にて工場兼住宅のリフォームを計画しているOさんご夫妻打ち合わせ。坂戸市というところは昨年Yさんの家を作ったばかりで、なんだかとてもご縁のある土地である。今回は鶴ヶ島インターを降りてすぐのところにあるのどかなで農村地帯の中にある建物であった。現場の近くにはなんとダチョウさんが飼われていたりもする。こんなところになぜダチョウ??の不思議を感じながら現地に向かった。

工場は古い楽器の修理や復刻をしている場所で、とてもおしゃれなお二人が楽しそうに楽器を作っている。みたこともない100年以上前のピアノを試しに弾いてもらうと、これ肩聞いたこともないビーンという音色である。ピアノの中身はまるで弦が無数にあるギターの如き様相で、その弦をハンマーのようなもので叩くと音が出る、こういう姿も初めて見るものであった。

ご相談の内容は展示室の内装解体と一部仕上げ工事である。今のところはこれだけしかやらない予定であるけれど、古い建築をリフォームしてある状態で購入し、その先をどのように使うかの悩みをかれこれ3時間ほどご相談しただろうか、この先の展望については無限の可能性がある。周辺の環境を見ても色々な意味でおおらかな雰囲気なので、今後の建築の成長と工房の成長がとても楽しみである。

住みやすい街大賞2年連続NO1記念川柳コンテストの受賞作品の飾り付けを行なった。

2021/06/08

今日は川口市にある市民ギャラリーアトリアにて川口市が受賞した住みやすい街大賞2年連続NO1記念川柳コンテストの受賞作品の飾り付けを行なった。このコンテストはますいいリビングカンパニーが中心的に活動している川口裏路地実行委員会で企画しているもので、実は僕が実行委員長になっている。約2ヶ月間にわたり作品を募集したところ、とても多くの応募をいただき、その中から優秀作品を選定させていただいた。選ばれた川柳作品は大きな布に描かれてアトリアの空間いっぱいに展示されることになった。書を描いてくれたのは川口市在住の書道家さんである。今週いっぱいの展示なのでぜひ足を運んで欲しい。

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セルフビルド講座に参加。

2021/06/05

午前中はセルフビルド講座に参加。今日はお客様と二人きりの講座だったのでなんだか世間話の様相であった。

午後、東京都杉並区にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打ち合わせ。ご家族4人で暮らすためのコンパクトな住宅を検討されているとのことである。Nさんご夫妻はシェアカーを利用していた。都心に住んでいると車を所有することはあまり大きな意味を持たないという。近所のステーションには乗りたい時に車があって、燃料費込みで一時間800円で利用できる。だから駐車場などを計画し、高い車をほとんど止めっぱなしで所有する必要もないのである。コンパクトな暮らし・・・これはなかなか面白い。コンパクトだからこその豊かさにつながる感覚なのだろう。早速プランを考え始めたいと思う。

先日、町田分室で作ったIさんの家を見学した。スタッフ全員での見学会、コロナの中で受け入れていただいたIさんご家族には心より感謝である。Iさんは東京都で新規就農を果たしたとても珍しい方である。(どうやら東京都で初めての人らしい)そのIさんが家を建てるということで、ご相談に来た。できればセルフビルドでそして安く、そして住みやすい家を作りたい。そんな思いを実現したのがこの家である。

セルフビルドをなるべく多くやるには、それに適した工法は何か?のスタディーの結果、角ログを積み上げる工法を採用することとなった。大工さんは全部で10人だけ、それ以外はセルフビルドで作りあげた。Iさん、奥様、そしてますいいのスタッフ、みんなの力で木を積み上げてできた住宅である。キッチンは細い角材を積み上げて作っている。これも小さなログみたいなもの、とにかく素人でもできる工法を採用した結果のデザインである。構造は名和研二さんの協力で作った。みんなで力を合わせて作られた名作、また一つ良い家が出来上がったと思う。

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洪水時の在宅避難施設の設計中のIさん打ち合わせ。

2021/06/04

10時、埼玉県川口市にて洪水時の在宅避難施設の設計中のIさん打ち合わせ。本当なら昨年中に出来ているはずだったのだけれどこういう建築はやっぱり難しい。いつの間にやら2021年になってしまった。ここに至る経緯を思い出してみると、まず最初に2019年の台風13号の際に福島県で1階にいた寝たきりのお爺さんが亡くなったことが引き金となった。老老介護のご夫妻で、ご主人が奥様に俺は良いから一人で逃げろの言葉をかけお亡くなりになったという悲惨な事件を見て、なんとか家の中で力を使わずに逃げることができないかのスタディーが始まったのだ。僕たちはまず最初に、停電時でも軽い力で人を2階に持ち上げることができるための装置を開発した。場所は「押し入れ」の中、非常時にチェーンブロックで2階の押し入れに移動できるという装置である。初めはもっこという包み込む布によってIさんのお母さんを引き上げる装置を作ったが、やっぱり車椅子のまま上に上がれた方がいいだろうという意見もあって、箱を釣り上げる方式に切り替えた。これで2階までは上がることができる。問題はその先だ。2階の床は地上から3m、洪水時にはさらに1mほど上に上がりたい。そのためには、家の外に塔のようなものを作ればよい、その思いで考えられたのがこの避難観測所である。なんとか今年こそ、完成まで漕ぎ着けたいと考えている。

13時30分、川口グリンセンターにて大集会堂の改修工事打ち合わせ。今日は基本設計の進め方などについて意匠・構造・設備それぞれの項目について確認を行なった。この建物は築50年の公共建築である。元々この建築は、川口市で開催される国体を今の天皇陛下が皇太子様だった時代にご覧になる際に、川口市に宿泊するための施設として作られたものだ。もちろんそれで解体するわけにもいかず、そのあとはレストランや結婚式場として利用されてきた。今60歳以上の川口市民の中にはここで結婚式を挙げたという方が多くいる、そんな施設なのである。

数年前のある一時期、この古い建物は取り壊されるという話がまとまる寸前までいっていた。設備も古い、様式も洋館建築という具合に今の流行のスタイルには程遠い異建築だから仕方がないのかもしれない。でも僕にとってこの建築はとても思い入れのあるものだった。それはなぜかというと、天皇陛下がお泊まりになった部屋を記念館にするための改修工事を僕がやったからである。たったの5年前にそんな記念すべき工事をやったのに、もう壊すの?の疑問は当たり前である。当然ながら保存すべきの声を上げ続けた結果、保存及び利活用のコンペが開催された。そして僕がこの改修計画を任されることになった。だから一生懸命やらなければ行けない。

僕はこの施設の利用法についてワークショップを開催しようと思っている。メンバーには川口市内で木のおもちゃを作っている方、カフェの運営をしている方、地元の街づくり協議会を運営している方などなど、こうした方々が市民公園の中で何をしたいかを抽出し、そういう活動の拠点となるような場所としてのシャトー赤柴大集会堂のあり方を探り、この先も長く使われ続ける建築として生まれ変わることができたらなんと意味のあることかと思うのである。

さいたま市のSさん打ち合わせ。

2021/06/02

午前中、リビングデザインセンターオゾンさんよりご紹介された埼玉県さいたま市のSさん打ち合わせ。以前ミングルという単身者向けの小さなキッチンを作った別所沼公園の近くにあるマンションの別の階からのご依頼である。工事の内容はお風呂と洗面室、そしてトイレや左官壁の塗り替えといった内容だ。まずは造作で作るタイル貼りの洗面化粧台からご提案していきたいと思う。

・・・・・・こちらはミングルの発注者のブログだ。建築家がこうした理念と一緒に新しいキッチンを作るという動きは昔からあった。今は普通のシステムキッチンもそうして作られたものである。建築家は常に人々の暮らしに寄り添い、新しい暮らし方を描き実現する舞台を作り続けるのだろう。リフォームと言う行為も同じことなのだと思う。

・・・・・以下抜粋

テーブルサイズは95×95と大きくはありませんが、上下水道、IHコンロ、食器洗浄機が組み込まれ、簡単な料理と、食事と、片付けの機能がオールインワンになっています。

仕事をして帰ってきたらさっと野菜を洗い、
卓上のコンロで煮炊きし、
食べ終わったら食器も鍋もそのまま食洗機へ。
器はしまう必要はなく、食洗機から出してまた使う。

これまで「ズボラ」と言われてきたキッチンでの行動を促すデザインになっています。作業そのものは極限まで簡略化しながらも、生活の中で手作りの食事を中心に据え、健康的で幸福感の多い暮らしに変えることが目的です。

また、これからの時代は夫婦や親子間での家事シェアも一般的になっていくはず。ミングルは、そんな関係にフィットするよう設計しました。
リビングにキッチン機能を持ち込むことで、一人で料理を引き受ける負担も減ります。二人以上のくらしであれば、料理も片付けも一緒にやれば楽になるし、料理自体がコミュニケーションになっていきます。

やれる人がやる。やりたい人がやる。
みんなで、ぐるぐる料理する。
だから、ミングル。

“ミングル”は、もともと「入り混じる、混ざる、一緒になる」の意味で、シェアハウス的な住まい方を指す和製英語でもあるそうです。
家事をシェアして、場の中に固定化した関係性ではなく「人の循環」「作業の循環」を作り出せる、そういう願いもあり、愛称としてつけました。

ミングルをもっと実用的な内容と価格にして、販売するという商売もあるかもしれません。あるいは自分の料理スタジオや料理サロンとして、使うことも。

でも、私がいま望むのは、もう少し別のことなのです。

ミングルは、このキッチンそのものを指すというより、こうしたキッチンを中心に繰り広げられる、人々の新しいライフスタイルの概念です。ミングルは、簡素でありながらも、家族のコミュニケーションや、料理の時間を楽しむことを大切にする生活をめざしています。
これからの時代は、こんな食卓のあり方が好ましいのではないか、そんなことをみんなで語り合うための場でもあります。ミングルをきっかけに、これからの新しい家族のくらしを発信したい。

ですから、これを使ってどんな楽しいことができるか、どんなクリエイティブな生活が考えられるかを、今からみなさんと一緒に考えてみたいのです。

誰もが家のごはんで癒され、食卓の力を信じられるようになること。
自分たちの豊かな食を、新しいやり方で一緒に作っていきませんか?
それが、このミングルに込めた、私のメッセージです。

フェリカ建築学院の上野さん面接。

2021/06/01

10時、フェリカ建築学院の上野さん面接。この学校からは柳沢くんや上原くんの二人がこれまで就職してきてくれたのだけれど、家づくりに関するとても専門的な教育をしているとても面白い学校だ。場所は群馬県の前橋市、専門学校として建築設計を教えているのだが、何年かに一度本当に家を作ってしまうという活動をしている。作った家は建て売りとして売却するのだが、いわゆるそこら辺にあるようありふれた建売住宅ではなく、学生たちが議論に議論を重ねて作り上げたいわゆるアトリエ系の住宅としての建売住宅なのである。上野さんもこの活動に参加してきたというからとても期待のできる学生さんだ。そして何よりもそんな教育を続けているフェリカ建築学院の学長さんに敬意を表したいと思う。

夕方、知人のお母様のお通夜にて受付のお手伝い。親の死というのは経験したことはないけれど、きっととても大きなことなのだと思う。葬儀の喪主を務めるなどまだ想像しないけれど、でも誰にでも来る順番のお勤めであるのだ。一緒に受付をした仲間ともなんとなく親孝行の大切さを話し合った。生きているうちにしかできないことをしていきたいと思うのである。

設計中のYさんの家、リフォーム打ち合わせ。

2021/05/29

午前中、東京都杉並区にて設計中のYさんの家、リフォーム打ち合わせ。Yさんは設計事務所にお勤めしている方、ますいいのクライアントにとても多いいわゆる同業者だ。同業者の家ってやりにくいでしょのご意見をよく言われるのだけれど、実はますいいのクライアントの3割くらいは同業者である。設計事務所、ゼネコンマン、ハウスメーカーさん、こういうところで働いている人は大学時代に建築を学んでいる方が多い。歳をとっていざ自分の家を作ろうと思うと、やっぱり自分の家は自分で設計をしたいと思うものだ。でもいざ設計しようにも木造建築の設計はそんなにやったことがなかったり、はたまた普段の仕事が忙しくって実施設計まではやる時間がなかったりの事情がある。だからスケッチまでは自分で書くからその先はいろいろ相談しながら一緒に造りあげて欲しいの要望になるのだ。Yさんも今住んでいる家は自分で設計したらしい。今回のリフォームもきっと色々なご要望があることだろう。そういうことを丁寧に汲み取りながら、ご満足いただける家にしたいと思っている。

15時、埼玉県さいたま市にて茶室の建築を設計中のAさん打ち合わせ。今日はAさんのご自宅にお邪魔しての打ち合わせである。ご自宅に着くとまず初めにお茶室に通され、お茶を一服いただいた。お菓子もとても美味しい。仕事の中にあるこうしたひと時はとても豊かな気持ちにさせてくれるものだ。そしてなんとなく頑張っちゃおうという気分にもなるとても良い心の薬である。打ち合わせは室内展開図についてのお話であったが、さらに良さそうなプランを思いついてしまったのでもう一度作業を巻き戻してみようと思う。

ますいいでは毎日生活する家だからこそ、健康・自然素材を取りいれる

2021/05/28

ますいいでは毎日生活する家だからこそ、健康・自然素材を取りいれることにこだわっている。工業製品で造られた空間は時間が経過し古くなると共に、汚らしくなっていく印象がある。しかし自然素材は古くなってもその経年変化を美しさとして捉えることが出来ると共に、メンテナンスしながら長く使うことができる。更に自然素材を用いることで、室内の調湿作用や抗菌作用も期待でき、ご家族全員が安心して暮らすことが出来る空間となる。

床:八溝杉(栃木県)・信州唐松(群馬県)
壁天井:村樫の漆喰(栃木県)
その他:大谷石(栃木県)・タイルなど
これらの素材がますいいの家づくりの定番だ。

近年の家づくりではベニヤなどの工業製品を大量に使用していることが普通だ。化学物質に敏感な方は、仕上げ材に自然素材を選択しても下地剤のベニヤに含まれる化学物質の影響を受けてしまう方もいる。そういう方にはベニヤを一枚も使用しない完全無垢材の家「森の生活仕様」を提供している。上記のような自然素材の仕上げに加えて、下地に使用するベニヤをなくすことで、(もちろん構造材も無垢材を使用して)化学物質の放出を最低限に抑えることができるのである。

この写真は現在進行中の川口市安行の家にある洗面化粧台の造作の様子だ。通常であればこういう天板の下地には合板が使われているがここでは杉板を使用している。この上に仕上げのタイルなどを貼ることで天板が出来上がる。ベニヤを使用しないでこのような家具を作ること自体は今の時代に生きる僕たちにとってはとても珍しいこと、でも昔ながらの家づくりの中では当たり前のことである。そういうことを学びながらものづくりを行うことはとても楽しい。そしてとても有意義だと思うのである。

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昨年作成したカビの実験装置にカビが生えた。

2021/05/27

昨年作成したカビの実験装置にカビが生えた。カビが生えてこんなにうれしかったのは人生で初めての事である。この実験装置はアクリルの箱を二つ作成し、一つは漆喰で仕上げた壁と杉板の無垢フロアリング、もう一つはビニルクロスで仕上げた壁と合板フロアリングで内装を作成している。どちらの箱にも水を入れたコップを置き、湿度と温度を図ることが出来るようになっている。小さな空間の内部での話なので、すぐに飽和状態になってしまうのであろう。湿度の差はわずかである。わずかであるけれどでも漆喰と杉板の部屋の方が少しだけ低いのが不思議なのだが、それが調湿作用という事なのだろう。

この実験ではこの二つの部屋に食パンの切れ端を入れている。初めはコンビニで購入したヤマザキパンを入れた。待つこと数か月、どちらのパンにもカビは生えてこない。何度か改良を加えるもののカビが生えないのはもしかしてパンに原因があるのではないかと思い調べてみると、「ヤマザキパンにはカビが生えない・・・」の記事がたくさんあった。これでは実験にならないということで、今度は近所のパン屋さんにて購入することにした。最近雨が多い。そろそろカビが生える頃と思ていたら、なんと本日カビが生えているではないか。しかもビニルクロスの部屋だけに生えているのである。これは漆喰の抗菌作用、杉板や漆喰の調湿作用のおかげである。こういうことが実験でわかると、こうした自然素材の効果を実感することが出来るので良い。カビが様々なアレルギーやがんの原因となる事は知られているし、それを防ぐために換気をしたりの生活習慣も大切であるけれど、家づくりで防げるなら防いだ方が絶対に良いに決まっているのだ。少しでも早くお知らせしたい、そんな思いで日記に書かせていただきます。

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10時、扶桑社「住まいの設計」立石編集長と打ち合わせ。

2021/05/24

10時、扶桑社「住まいの設計」立石編集長と打ち合わせ。今度作るますいいリビングカンパニーの冊子について。

14時、こまむぐの小松社長打ち合わせ。こまむぐさんは子供向けの木のおもちゃを作る会社で、小松社長は実は僕の従兄弟である。元々は木型屋さんだった僕の母型の実家で生まれ育ち、一時は木型の職人の道に進みかけたところで、無垢の木を使ったおもちゃ作りの道へと入っていった。初めてしばらくしてテレビチャンピオンで優勝し、そのあとは確かNHKのEテレでおもちゃ作りの講師役で登場したりもしていた。今は川口市内で切った木を使用したおもちゃ作りを検討しているとの事である。今後も一緒に何か楽しいことをコラボしていこうのお話で楽しいひと時を過ごすことができた。

夕方、HPリニューアルに向けての小作業。19時ごろまで。

大集会堂のリニューアルに関するコンペの結果発表

2021/05/21

今日は川口市立グリンセンターの中にある大集会堂のリニューアルに関するコンペの結果発表である。審査の結果ますいいリビングカンパニーが一等となり設計を行うことができることになった。結果が出るまではなんとなくハラハラしたものの、いよいよ本番ということでしっかりと取り組んでいきたいと思う。

17時、ますいい茶道教室第2回目開催。今日は堀部くんと小林さんの2名が参加してくれた。盆略点前に向けて2回目の割稽古であるが、やっぱり今日はお辞儀の仕方と畳の上の歩き方をしっかりと教えることにした。こういう基本を教えるのはとても大切なことだと思う。畳の縁は踏まないように・・・のような事はおばあちゃんから聞いた記憶はあるものの僕だって親に言われたことは記憶にない。そもそも畳の部屋がある家に住んでいたのは小学生までだったのだ。割稽古は帛紗さばきと棗の清め方まで。最後に自分で薄茶を一服点ててもらってご自服で終了である。今日のお菓子は富山県の五郎丸屋さんの薄氷。毎回全国のお菓子を用意するのも楽しみの一つであるのだ。

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午前中は各プロジェクト打合せ。

2021/05/20

午前中は各プロジェクト打合せ。無垢材を使用した家具の作り方などについてスタディー。写真のキッチンは主に栃木県の八溝杉と北海道の栗材を使用してつくられている。面になっている部分は杉の板をはぎ合わせて板状にし造作加工した。栗は丸太で購入し約1年間ほど寝かしたものを加工している。栗のような国産広葉樹は新木場の材木店などで購入するととても高価な素材だが、丸太で購入することで輸入材のスプルスなどと同等の価格になる。1年間在庫を抱えるという手間を惜しまなければ、とても使いやすい良材なのだ。このように無垢材を利用すればベニヤを使わないでキッチンを造ることも可能だ。今日はディテールについてのスタディー。少しでも良い造りかたを改良していきたいと思う。

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製材される直前の栗丸太(ま はますいいの ま です)

14時、建築士事務所協会総会に参加などなど。

午前中は事務所にて各プロジェクト打合せ。

2021/05/18

午前中は事務所にて各プロジェクト打合せ。

12時、ますいいのサラメシを食べながらの打ち合わせスタート。茶室の建築を検討しているAさんと一緒に今日のサラメシ「豆カレー」を食す。なぜ「豆?」というと、この1週間ほどであろうか、僕がベジタリアン体験をしているからである。絶対的なベジタリアンというわけではないのだけれど、食肉産業や漁業が環境にどのような影響を与えているかという記事を目にしてから何となく初めて見たこの習慣、やってみるとそれほどの無理はないようだ。そもそも僕ももう47歳である。野菜中心の食生活にした方が良い年齢になってきたのだろう。

このサラメシ、作ってくれるのは東野さんである。プロの調理師の東野さんがつくる料理はとても評判が良い。営為要管理がされているだけでなく、具から作る手作りシュウマイという具合にとても手がかかっているのだ。週に3日、一人暮らしが多い若手スタッフの為に始めたのだけれど、ついにお客様と一緒に頂く日が来た。これはまた新しい利用法、またどなたかをご招待してみようと思う。

14時ごろ、二つの中庭の家の植木の刈込立ち合い。来月のチルチン人の撮影に向けて身だしなみを整えるための工事である。お出かけ前の床屋さんのごとく、あまりにも短くしすぎる事のないようにお願いをする。刈り込みを終えると、込み入ったモミジの葉のあいだから木漏れ日がこぼれる程度にちょうど良い具合となった。やっぱりプロである。無造作に切っているようで、手際よく刈り込む姿は見ていて気持ちが良いものだった。

15時、事業再構築助成金に関するレクチャーを受ける。この助成金は新たな取り組みを応援するもので、建築物に対しても補助金が支給されるという点では45年ぶりの珍しい補助金である。非常に複雑な申請様式なので、しっかりと勉強したいと思う。

今日は一日、コンペの日である。

2021/05/17

今日は一日、コンペの日である。このコンペには佐藤健吾さんと名和研二さん、ますいいからはスタッフの堀部君が参加して合計4名でのチームを作って挑んでいる。対象となる建築は川口市のグリンセンターの中にある1600㎡ほどの集会堂だ。この古い建築を新しい用途を付加して利活用するための提案が主な内容、今日は先日提出した提案書についてのプレゼンテーションなのである。

朝9時すぎ佐藤健吾君が来社した。内容確認などを行いつつ、10時ごろパソコンの動作確認のために会場を訪れた。会場にはプロジェクター、スクリーン、そして誰もいない席。パソコンを繋ぎ画像を映してみること約5分、まあ調子は良さそうだ。ほかにすることもないので事務所に帰る。読み合わせをして時間が余ったので、隣の青木食堂で少々早めの昼食を採る。12時過ぎ、名和研二さんが来社して最終確認を行い会場に向かった。会場には審査員が10数名、緊張した雰囲気の中プレゼンを行った。

今回の提案の中では、グリンセンターの改修工事ですでに伐採されてしまった川口市産材のケヤキなどを使って、家具工事や子供向けのおもちゃ作りなどのワークショップなどに利用するという計画を考えている。地産地消の地域材を使ったものに触れた子供たちはきっと何かを感じてもらうことが出来るのではないかと思っている。地域の公園の将来の姿を考えるなんて、なんて素晴らしい仕事ではないかと思う。だってこの公園は僕が小さいころから子供たちの代表的な遊び場であり、今もこの先も川口市で育つ子供たちの記憶の原点となるような場所だからだ。街づくりはその街に暮らす人々の力があって初めて完成する。さてさて、どんなことを実現できるか、これからの進行がとても楽しみである。

終了後は我が家にてお疲れ様会である。途中お酒を買い込み、家にあった食材での即興料理を味わいながらしばし楽しい時を過ごした。

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祖母の49日の法要で川口市芝にある長徳寺に参集した。

2021/05/16

10時過ぎ、4月8日に亡くなった祖母の49日の法要で川口市芝にある長徳寺に参集した。このお寺さんは鎌倉建長寺派の臨済宗のお寺さん、いわゆる禅寺だ。禅寺というのは座禅堂があるところが他の宗派との違いだと思う。京都などの観光地で座禅体験会などを行っているお寺さんを見かけるけれど、このお寺では月に2回日曜日の早朝に座禅会を開催している。それ以外には・・・、僕にはまだよくわからないというのが正直など頃だ。今日は雨が降ったりやんだり、なんだかいかにも法要というお天気だ。待合から本堂に移動しお経をあげ、納骨を行ってという一連の流れ、親族だけが集まってのささやかな式である。

おばあちゃんのおかげで最近あんまり顔を合わせることがなくなっていた父方の親戚との交流が復活しそうだ。茶道を初めたことがきっかけで、禅寺の檀家になろうと浄土真宗から改宗し、お寺さんを千歳烏山から川口市の禅寺に移して一年、偶然にも父の姉が嫁いだ家のお墓がこの度新設した我が家のお墓のすぐ隣の列にあることが分かったのである。本来の目的ではないけれど、親戚のお墓にも手を合わせての談笑。こちらも最近お墓を新しく直したらしく、朱字で入っている建て主の叔父の名前を見つつ独特な意匠の解説を聞いた。消して意識したわけではないが、偶然のお近づきに何だかみんなよかったねの一言であった。

僕は何となくお寺とか神社が好きだ。勝った負けた、成功失敗のごとき世の中の雑念や景色のようなものが入り込まない空間だからこそ、心を落ち着け自分自身と向き合うことが出来るのだと思う。これからはこの川口市におばあちゃんの眠る墓があるのだ。月に一度くらいは足を運ぶことにしようと思う。

午前中、ホームページのリニューアルに向けた打合せ。

2021/05/13

午前中、ホームページのリニューアルに向けた打合せ。ますいいのホームページも今の形にして7年程がたち、スマホで見るにはちょっと不便だと感じるようになってきたということで、新しくデザイン変更することになった。僕の日記も時代遅れらしく、SNSにした方が良いなどの意見もあるのだが、こればかりはもう何年も続けてきたことなのでなかなか変える気にはなれない。

というのも僕は世の中のいろいろな現象を眺めたり、仕事を通していろいろなことを考えたりしたことを時間を見つけては日記という形で書き上げることで自分自身の頭の中で現象の再構築を行い、それでようやく本当の意味で理解が出来るという思考回路を身に着けてしまったようである。だからもしこの行動を大きく変更すると、こうした思考回路までを変更しなければいけないわけで、それはもしかしたらいろいろなことを本当の意味で理解できない自分になってしまうリスクを生じてしまうのだ。

この傾向は日常生活でも実は意識している。会話の中でとっさに思いつく意見よりも、家に帰って文章にしたときに思いつく意見の方が面白かったりの気づきである。多くの人が集まる場で、会話の中に瞬時に入り込んで自分の意見を言うというような芸当は実はとても苦手である。会話は3人程度が良い、実はいつもそう思っている。HPがどんな風に変わろうとも、僕はこの日記を続けていきたいと思う。何となく大げさに言うとこの日記に自分の人生が綴られているような気がするのだ。

大集会堂の改修工事に関するプロポーザルコンペの提出

2021/05/12

午前中、川口市のグリンセンターという公園の中にある大集会堂の改修工事に関するプロポーザルコンペの提出を行った。この集会堂は築50年の洋館建築で、その昔、今の天皇陛下が川口市で開催される国体にいらしたときにお泊りになるために造られた建築である。その後は結婚式場やレストランとして利用されてきたのだけれど、最近は建物の老朽化に伴いほとんど使用されることがなくなっていた。取り壊しの声も出始めていたのだが、数少ない歴史的な建物と言う事で利活用のコンペが行われたのである。今日はその提出日、これまで準備してきた資料を提出させていただいた。あとは来週のプレゼンに向けて準備を進めていこうと思う。

Oさんの家では、健康住宅「森の生活」仕様での家づくり

2021/05/10

午前中、埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の現場管理。Oさんの家では、健康住宅「森の生活」仕様での家づくりを行っている。

「森の生活」とはヘンリーデイビッドソローの著書からとった名前だが、今の環境破壊のなかで家を造るのならば、こういう家を造らなければいけないのではないかという思いでつけさせていただいた。ソローが産業革命の中で2年間にわたる自給自足の暮らしを行い、その日記を著書に記したときの状況とは異なるものの、そのころから同じような意識は人間の中にあったともいえる。

この住宅、具体的には以下のようなコンセプトのもとで行う家づくりである。
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自然素材
地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東で採れる杉や檜を使用
土:内装仕上げに漆喰を使用
石:大谷石などの関東で採れる石を使用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに使用

健康配慮
住まい手とかかる職人の健康を害する部材を使わない
(合板、ベニヤ、ビニルクロス、新建材、サイディングを使用しない)

環境負荷
廃棄時の環境負荷を考慮した部材を使用する

空気環境
室内空気環境を測定する
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1.外壁(左官系仕上げの推奨)
1-1 モルタル通気工法
■透湿防水紙(デュポンタイベック)+通気胴縁(杉)+ラス下地杉+ベースモルタル
B 15mm
※耐力は筋交いで取る

2.屋根(ガルバリウム鋼板)
■垂木(杉・ひのき)+野地板(杉15㎜)+ガルバリウム鋼板
■軒の出は450㎜以上。

3.床(ベニヤ下地不採用)
■根太(杉)@303+無垢フローリング30㎜

4.断熱(グラスウール不使用)
■床下   ウールブレス
■壁・天井 ウールブレス

5.構造材(国産材)
土台  桧(北関東の地場産材、栃木・茨城県)
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今日は左官屋さんが漆喰を塗っているところである。勾配のついた天井の漆喰塗はなかなか難しい作業だ。材料は村樫の漆喰、これまた栃木県佐野市で造られている地元の素材だ。とても手間暇をかけて作っているけれど、この住宅の中に入るとその空気のきれいさに驚かされる。工事中の建材から出るいろいろなにおいとか目が染みるような感覚がが全くないのだ。お嬢さんのアトピーが良くなるように・・・、そんな願いを込めて作らせて頂いているのだけれど出来上がるのが本当に楽しみな住宅である。

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久しぶりに躙口から茶室の中に入った。

2021/05/09

先日茶事に招かれたときに、久しぶりに躙口から茶室の中に入った。躙口というのは高さ670㎜幅630㎜程の小さな板戸で、この前で草履を脱ぎ頭を下げてくぐるように入るのだけれど、身長180センチで少々おなかが出ている僕の体型だとなかなか厳しいものがあって頭をぶつけないようにするのが大変な入り口である。この扉、実は羽目板や桟の割り付けが均等ではない。なんで割付が均等でないかというと、普通のサイズの板戸の一部を切り取って使用した、つまりリサイクルの扉なのである。まあ、利休さんがリサイクルをしたかもしれないという話なので本当かどうかはわからないけれど、もしこれが本当だとして、リサイクルではない扉をリサイクルをまねて作るのは何ともおかしな話なので、僕は板戸がある家を解体するときには板戸だけを取っておくようにしている。こうすればもし躙り口を造るときに本当にリサイクルできるからだ。しかも安くである。

躙り口は万華鏡の覗き口のごとき効果がある。小さな入り口から中を覗き込む瞬間、目に映る世界は床にかけられた軸、炉前の棚、そして炉にかけられた釜である。茶室の意匠を初めて目にするのもこの時だ。小さな入り口からのぞき込むからこその中の広がりを感じる。壺中日月長という言葉がある。虚堂録(宋の虚堂智愚の語録)に出てくる言葉だが、壺の中とは茶室、日月流しが時間を超越する主客の交わりをイメージする、まさに茶道の本質を表す言葉と言える。ここに出てくる壺の形を思い浮かべると、壺の上にある細く小さな入り口こそがまさに躙口と言えるだろう。

僕以外にも連客がやはり頭をぶつけていた。しかも結構な強さである。躙口を大きくすべきか、僕の体型でも無理なく使うことが出来るにはあと10㎝高くすればよいのだが・・・。

今日は恒例のセルフビルド講座を開催した。

2021/05/08

今日は恒例のセルフビルド講座を開催した。メニューは「タイルでカフェトレー」又は「国産杉スプーン」のどちらかということで、造りたい方を自由に選んでいただく形式だ。国産材スプーンは僕がキャンプをしているときに杉の端材をナイフで削っていたら何となく箸が出来たのでそれを持ち帰ると、これいいね!!となって生まれたメニューである。カフェトレーは妹の真理子さんが考えてくれた。100均の木製トレーがタイルを貼るだけでこんなに素敵に生まれ変わるのはまさにセルフビルドの良い所だ。

総勢7名、皆さん楽しんでいただけたようで何よりである。次回は何にしようかな、の案を考えるのもまた楽し、次はバードコールの作り方を考えてみよう。

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今日は昨日までの疲れがたまっているようで

2021/05/05

連休最終日、今日は昨日までの疲れがたまっているようでなんだか体がだるい。やっぱり二日連続でのカヤックなど何年ぶりの激しいスポーツに体がついていかないようだ。午前中は昨日までの片付けなどして過ごすことにした。

午後畑に出向く。僕の畑にはいくばくかの茶花が植わっているのだけれど、今日はあやめがきれいに咲いていた。2年ほど前に植えたあやめもだいぶ増えてきたけれど、沙羅の木の下の陽の当たり具合がちょうど良いのかもしれない。花は野山に咲くようにという環境を人工的に造るとこんな感じなのだろう。畑の作物はそれほどとるものがない。春菊と玉ねぎは丁度良い具合だけれど、それ以外の夏野菜たちはこれから暑くなるにしたがって育ってくるだろう。昨年は長梅雨で全然育たなかったトマトやらの夏野菜も今年はうまくいってくれると良いなあと思う。

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今日からは昨日までとはうって変わって連休の遊びである。

2021/05/03

今日からは昨日までとはうって変わって連休の遊びである。密を避けて遊ぶことが出来る場所となればやっぱりカヤックしかない。というわけでテントをもっていつもの栃木県那須烏山市にある那珂川に出かける事にした。キャンプサイトはいつもの通り貸し切りというわけにはいかなかったものの僕たちの他には1組だけしかいない。すぐ目の前には大きな川があるので居場所には困る事がないのが良い。今回は妹の家族も一緒に来たのでいつもよりもちょっと賑やかである。旦那さんはこの手の遊び初登場だが、やっぱり元柔道家であり、谷川岳に挑戦するような山家でもあるのでカヤックをやっても器用にこなす。こんな風に過ごすことが出来る事に感謝なのである。

僕たちの家族は2日連続で川下りを行うことにした。二日連続でカヤックをやるのは初めての事なのだが、一日目は腕慣らし、二日目は20キロのロングコースという具合に楽しむことが出来た。一緒に下ったご家族のうちのお一人はなんと僕の会社のすぐ近くにご実家があったそうだ。こんな不思議なご縁もまた楽しいところ。いろいろなことがあっても自然は変わらず僕たちに語り掛けてきてくれる。遊びに行けばどれだけでも遊ばせてくれるし、なめてかかれば事故にあう事もある。優しさと厳しさを併せ持つ存在だし、なくてはならない物でもある。そういう中に身を置いて、ゆったりと流されていると、僕たちはこういう自然に守られて生きているんだなあという事を改めて感じるのである。

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連休二日目。今日も朝4時から事務所に来ている。

2021/05/02

連休二日目。今日も朝4時から事務所に来ている。あまりの心地よさに心が安らぐ。早朝のマニアになりそうだなこれは。

10時ごろ福島から佐藤研吾君が来て現在一緒に取組んでいる埼玉県川口市にて開催される公共建築物のリノベーションに関するコンペの打ち合わせを行った。このプロジェクトは構造化の名和研二さんと佐藤君の3人で一緒に行っているのだが、チームで取組む仕事は普段の住宅とは違う面白さがある。1600㎡ほどの建築をどのようにアレンジしていくかの計画について知恵を絞る事約4時間ほど、2時ごろまで作業を行って解散した。引続き昨日の農家レストラン計画についてのスタディー。4時ごろまで行い眠くなってきたので家路についた。

朝4時過ぎ事務所にて雑務。

2021/05/01

朝4時過ぎ事務所にて雑務。今日からゴールデンウィークという事だけれど、なかなか外に出る事も出来ないので思わず仕事である。誰もいないアトリエはとても心地よい。早朝は庭に植えられている柿の木に多くの鳥が集まってくる。今日は尾長鳥だろうか、5羽ほどのちょっと珍しい鳥たちが人気のない庭で遊んでいるようにはしゃいでいた。こういう時間帯は何となく空気が澄んでいるというか、昼間とは違う世界のような気がする。この違いは何かなあと思うと、携帯電話とか固定電話とかの空間を飛び越えてくるアクセスが無かったり、そもそも道路を歩いている人もいないし、この世の中にまるで独りぼっちかのような状態になっていることが原因であるような気もする。

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今日は農家レストランについてのスタディ―を行った。この計画は川口市内の農地を使用してレストランを計画しようというものである。埼玉県川口市は、東京からわずか1駅にもかかわらず、植木の街「川口市安行」が知られているように都市型農業が盛んである。近年農業従事者の高齢化により、耕作放棄地が増加し、資材置き場などへの用途変更も増え、良好な景観が損なわれるなどの問題もある。僕はこの地において2000㎡の農地をかれこれ10年位耕作している。そこで、埼玉県川口市にある「2000㎡の農地」と「コロナに配慮した分室農家レストラン」を拠点とする農家的暮らしの拠点を造ることとしたわけだ。この計画には当然であるが農家さんの理解と協力が必要である。さてさて実現するかどうか、頑張ってみたいと思う。

埼玉県川越市の茶道の仲間から茶事に誘われて

2021/04/30

今日は埼玉県川越市の茶道の仲間から茶事に誘われての参加である。茶事というのは茶道の一番最終的な目的で4人程度のお客様が集い、懐石料理を食しお菓子を頂き濃茶と薄茶を頂くという合計4時間程度の会をいう。席主は創意工夫の料理を作り、酒を用意し客をもてなす。茶席には何らかの思いが込められており、客はそれを様々なしつらえの中から読み取っていく。当然それなりの経験がなければそういう思いを感じることなどできるわけがないので、理解が出来た時の嬉しさというのは何とも言えないものがある。

今日の軸は「日月」と「翠月」だった。日月は太陽と月と理解するのか、はたまた壺中日月長しの意を表しているのか、翠い月は今の季節の表現であろう。今日この時の出会いを大切にしようという思いなどなど、様々意味を込めてのもてなしである。最後に月の茶碗が出てきたがそれは3つ揃えの月である。月というものに対する思いは、茶道に関係なく昔から感じるものがあったことを思い出した。

晴れた夜には誰の後ろにも 月はついてくる
変わったもの 変わらないもの すべては胸の中に

回り続ける季節のない毎日も
振り向けば ほら、月の影は今 僕らの街の上

とは斉藤和義の月影の歌詞だ。今の時期だからこそ、大切にしたい何かが感じられた茶事であった。

茶室の建築を計画中のAさん打ち合わせ

2021/04/27

午後、埼玉県さいたま市にて茶室の建築を計画中のAさん打ち合わせ。30坪弱の土地に造る茶室だけの為の建築である。この茶室は4畳半と8畳の二間を造る予定だ。初めは寄り付きも作ろうかと計画していたが、広さ的に中途半端なものになってしまいそうなので路地風の土間から直接入ることのできる茶室と、少々広めの水屋を造ることにした。

茶室専門建築などというとなんだかとても珍しいものを造るようにも聞こえるのだが、僕はあんまりそういう風には思わない。茶室とはなんだか特別な作法を知らないと足を踏み入れる事すら許されないような空間のように聞こえるけれど、でももともとは人が人をもてなす場、つまりは応接間のようなものなのだ。「平面・構造の簡素、明快さ」、「素材の美の尊重」、「無装飾」、「左右非相称」、「自然(建物周囲の環境)との調和」、「規格統一(畳の規格)」などの特徴ある美しい生活の場なのだ。

建築家の堀口捨巳は 茶の湯を「日常生活の形式を借りて美を求める藝術」であると言った。茶室の中では主人の好みからなる「見立て」と「取合はせ」によつて器物の持つ視覺的効果や、飮食の味や、香等を素材として一つの個性によって貫かれ統一された構成の世界を造る。その芸術まで高められる日常生活の形式の世界を表現する場こそが茶室なのであり、だからこその丁寧な設計が求められるのだ。連休中にまた新しいプランを考えてみるとしよう。

増築を検討中のYさん打ち合わせ

2021/04/24

午前中、東京都杉並区にて増築を検討中のYさん打ち合わせ。最近はコロナの影響で自宅に新しいスペースを造りたいというご要望を伺うことが多いのだけれど、今日は設計士さんのご自宅、しかも今住んでいる住宅は自分自身で設計をしたということで、増築時に問題となる建蔽率や容積率なども事前に検討していただいているとても用意周到な状態であった。

テレワークの普及によってワークスペースなる要望が増えたのだが、もともと住宅には書斎という場所があってそれが今風に言うとワークスペースとなる。本来はそういう場所があってしかるべきなのだろうが、だんだんとお父さんの居場所よりも子供室などの方が優先されるようになった結果姿を消してしまったのだろう。でもそのお父さんが、というより最近は共働きの家庭が多いのでお母さんも含めて家で仕事をする機会が増えてくるとやっぱり書斎という特別な場所があった方が良いという事になってくるわけだ。家で仕事をする姿を子供たちが目にする機会が増える事は、それはそれでよい事だと思う。父親の尊厳?みたいなものも賦活するきっかけとなるし、子供たちにとって仕事とはの気づきになるかもしれないなあと感じたりもするのである。

地域主義工務店の会で、ZEHに関する講習会を行った

2021/04/23

今日はチルチン人の地域主義工務店の会で、ZEHに関する講習会を行った。ゼロエネルギーハウスにはこれまでも取り組んできた経験はあるものの、それほど積極的にやってきたわけではない。家庭でのエネルギー消費をゼロとするための代表的な手法としては、断熱性能を高めたうえで省エネ機器を選択し、その結果の消費電力の計算を行い、それを上回る太陽光発電を行って消費電力を計算上ゼロにするという事なのだけれど、太陽光パネル頼みのこの手法にものすごく積極的になる気にもなれずに今に至っていたわけだ。

前日菅総理大臣が2030年までの二酸化炭素排出量46%削減という目標を掲げたことが話題になったが、家庭での消費電力を削減するためにはこの手法しかないというのが現実である。エネファームなどの省エネ機器もあるがこれは初期費用が高額なのでなかなか普及が進まないのが現状だ。中国で40万円台のEVが販売されていることは有名な話だが、先日の佐川急便のニュースは結構衝撃的だった。

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佐川急便の本村正秀社長は13日、配送に使っている軽自動車約7200台を来年9月から順次、中国製の電気自動車(EV)にすると明らかにした。ベンチャー企業のASF(東京・港)と共同開発し、中国自動車大手、広西汽車集団(広西チワン族自治区柳州市)がOEM(相手先ブランドによる生産)供給する小型商用車のEVに置き換える。本村社長は記者団に対して、車両のEV化について「(日本政府が推進する)2050年のカーボン・ニュートラルに向けた施策の一つ」と説明。荷主や投資家の環境意識が高まる中、二酸化炭素(CO2)排出量を削減するため「30年までにはすべての(軽自動車の)車両をEV化したい」と述べ、ドライバーが使いやすい車両にし、業務の効率化や安全性も高めていくとした。

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日本の自動車産業大丈夫?と心配になるようなニュースであるが、これが現実なのだ。やらなければならない事に積極的に取り組み、普及に値する価格で販売すればそれは社会の一般解になるという典型的な事例だろう。日本は得てして大手企業と国の結びつきによる補助金頼みの事例が多いが、中国のEVは企業による挑戦だと思う。僕たちも日本で家づくりを行うものとして、ZEHの重要性を理解し実現に向けてどのような手法がありうるのかを探っていきたいと思う。エネルギー消費を抑える工夫はプランや断面の工夫でも考えうることである。多方面からの工夫を重ね、より創造的な答えを生み出せたら良いと思うのである。

土地探しをしているというKさんご夫妻打合せ。

2021/04/22

10時過ぎ、埼玉県川口市にて新築住宅をあってる為の土地探しをしているというKさんご夫妻打合せ。27歳という若さで3人のお子さんを育てているという頑張るパパさんである。こういう人を見ると本当の心から応援したくなる。奥様も毎日働いているというから二人で力を合わせて子供たちを育てているのだろう。

子どもは国の宝とかって決まり文句をいうのは簡単だけれど、本当に3人ものお子様を育てるということはなかなか大変なことだ。だって僕自身がそれをやっているから心から実感してよくわかるのである。こんな国には未来がないとか、環境問題で人類が幸せに暮らせなくなるとかの意見も良く耳にするけれど、でもそういう事を何とかしていこうとして人類はここまでやってきたのだと思う。ダメだと思うからこその工夫、努力、そして新技術の開発・・・、未来を切り開いた先にある子供たちの幸せを造る事こそ今を生きる僕たちの使命だと思うのだ。

家づくりの前にまずは土地探し。川口市でも駅から遠いエリアであれば土地の価格は結構安い場所もあるから、神戸や木曽呂などを中心に柳崎方面に向けての土地探しをしてあげたいと思う。

14時、埼玉県川島町にて新築住宅の設計中のNさん打ち合わせ。奥様が川越市の農家の出身ということで、隣同士の市の川島町にて農地を転用して住宅を作ろという計画である。今日は農地転用などの申請に関する打ち合わせを中心に行った。

朝礼終了後各プロジェクト打合せ。

2021/04/19

朝礼終了後各プロジェクト打合せ。10時、リニューアル計画中のHPデザイン打ち合わせについて。骨格は大体出来上がったので、これから詳細ページの制作に入る段階になってきた。いよいよ大詰めというところだ。

14時、既存の住宅の2階にあるリビングから続く、下に車を2台留めることが出来る大きなウッドデッキを造ってほしいというUさんの家打ち合わせ。すのこ上のウッドデッキであったとしても車2台分となるとやっぱり建築物として確認申請を行う必要が出てくる。そして今回の場合は駐車場の上に屋根をかけてほしいの要望もあるので、そうすると完璧に建築物、つまり確認申請が必要となる建築として扱わなければならないわけだ。確認申請が必要な場合最もネックとなるのは建蔽率に余裕があるかどうかであろう。土地の面積が100㎡建蔽率が60%の場合、60㎡までは建築を造ることが出来るのだけれど、それを超えてしまうと確認申請で許可が下りることはない。今回は30㎡弱の余裕があったのでこの点はクリアできそうだ。既存建築の検査済証もあるので法規に抵触している心配もなさそうだから、あとは予算と相談しての判断を待つばかりである。

今日は家族で畑の作業を行った。

2021/04/18

今日は家族で畑の作業を行った。昨日の雨も止んでなかなか良い天気である。この時期は夏野菜の苗を植えるのだが、今日はトマトやキュウリ、ゴーヤ、そしてサツマイモの苗の植え付けを行った。ゴーヤなどのつる系の野菜は、そのための棚を造らなければいけない。毎年台風などの被害に耐えうるように、職業柄何となく構造を考えながら作るのだがこれがなかなか難しい。昨年は家型の棚を造ったのだけれど、ゴーヤの重みで垂れ下がってしまったので今年は家型にはせずに壁型にすることにした。さてさて、うまくいくかどうか。以前植えたジャガイモは丁度土寄せの時期、たくさんありすぎる芽を摘んで土寄せをしてあげると、また更に大きく成長する。畑作業の楽しみは収穫を想像しながら、いろいろ工夫をして育てている瞬間が一番なのである。

春菊などの野菜の収穫も好調で、夜は春菊とネギ坊主のてんぷらを食した。無農薬のとれたて野菜、とてもおいしくいただくことが出来た。

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二日目、朝方葬儀場に集まった後に告別式をお取り行った。

2021/04/14

二日目、朝方葬儀場に集まった後に告別式をお取り行った。今日は臨済宗建長寺派長徳寺のご住職に来ていただいた。式が終わると新しく川口市に出来ためぐりの森という火葬場に移動。この火葬場は伊藤豊雄さんが設計をした建築で、池に面したガラス張りのホールが印象的な建築である。約2時間の時を過ごし、再び葬儀場へ。そして精進落としを済ませ終了である。なんだかあっという間に過ぎていった二日間だったけれど、何となく改めて家族の大切さなどを感じたひと時であったと思う。こういう気持ちにさせてくれたおばあちゃんに改めて感謝したい。

祖母の通夜、こんな時期なので身内だけの葬儀とした。

2021/04/13

今日は祖母の通夜、こんな時期なので身内だけの葬儀とした。15時ごろ納棺を行うというので、その前に茶道の稽古に行った。何となく仕事をしている流れを一度断ち切って、亡くなった祖母に濃茶を一服ささげてから通夜に行こうと考えたのだが、そんな僕の考えをくんでくれた先生は真の行台子のお稽古を勧めてくれた。このお点前は奥伝と言われるものであんまり思い付きでやるようなものではないのだけれど、でもこういう時だからと言う事であえて選んでいただいたのかなあと真剣にお点前をさせて頂いた。約1時間の正座である。僕のような凡人にはそれだけでも苦行、さらに奥伝となると集中せざるを得ない。でもそれがいいのだ。

何となく心を落ち着け、15時過ぎ葬儀場に着いた。納棺など初めての経験である。緊張の中指示を受けながら棺に納めると、改めておばあちゃんが亡くなったんだなあの実感がわいた。98歳、施設に入ってからはあんまり会う事もなくなってしまっていたが、僕が小さなころは鋳物屋の娘らしく、日本舞踊を教えたりの活発な人で、いつも人が周りに集まっていて本当に気丈で優しい人だったことを思い出した。小学生のころまではよくおばあちゃんの家に預けられたから、一緒に食事をしたりの夜も多かった。昔の女性の風習だろうか、おじいちゃんが食事を終わるまでは席に着かずに何かを造り続けていて、僕達が食べ終わると自分はさっと食事を済ましている様子が今でも目に焼き付いている。

18時ごろになると親族が集まってきた。久しぶりに見る顔ぶれに懐かしさを感じる。こんな時にしか会わないひともいるけれど、こんな時に会っていればお互いの安否の確認位はできるものだ。冠婚葬祭を行うことはそういう意義もあるのだと思う。親戚が集まると機械屋さんやら木型屋さんやら、とにかく職人ばっかりである。やっぱり僕は鋳物の街の生まれなんだなあと思う。そして何の因果か僕もモノづくりをやっていることに運命的なものを感じたりもした。

式が終わり、皆が帰りだす。最近は朝までお線香・・・ではないらしい。僕たちも葬儀場を後にした。明日は告別式、寂しさとなつかしさを感じつつ、家路についた。

夕方、新人大工の石井君来社。

2021/04/12

夕方、新人大工の石井君来社。ますいいには5人の大工さんが家づくりをしてくれているのだが、ついに全くの初心者の大工さんが登場しそうだ。石井君は21歳、小さいころから大工さんにあこがれていたこともあって、大工さんになりたいと思ったそうだ。僕は大工ではないから石井君に技術を教えてあげることはできないけれど、ますいいにいる大工さん達なら教えてあげることが出来る。だから石井君を採用することにしたわけである。

僕が自社大工さんの組織作りを行い始めたのは5年程前からである。それまでは手間請け大工さんに大工工事を発注していたが、そうすると職人さんたちは手間の請負会社の社長さんに天引きされたお金しかもらうことが出来ない事になる。請負会社の社長さんたちの言い分も解る。だって毎日の仕事を保証したり、車などの経費の分を指し引くことは当然だからだ。本当にその分だけの差し引きだったら良いのであるが、でも本当にそれだけかどうかが問題なのだ。また、短期的な利益追求の姿勢は効率重視の物づくりを推進する事になる。そうするとどうしても既製品の取り付けだけをするような人が増えてくることになる。無垢材なんて・・・、こういう発言をする大工さんを見ると僕はちょっと悲しくなる。だって自分自身で自分の価値を下げているのだ。そしてそういう親方がいる工務店にいたら、弟子だってそういう考え方になってしまうだろう。

大工さんを育てたい、この夢を果たす初めの一人になってくれるかもしれない青年に大いに期待したいと思う。そして出来る限りのことはしてみようと思う。実際にものを造る人を一人でも豊かにすることは、良いものを造ることにきっとつながると思うのだ。

神奈川県川崎市にある川崎大師様お参り。

2021/04/11

朝一番で神奈川県川崎市にある川崎大師様お参り。今日は御供茶式に裏千家のお家元がいらっしゃると言う事で参列した。コロナで1年余り茶道の大きな行事はなかったのだが、久しぶりのこのような場で何となく落ち着かない。いつもよりも人数が少ないように感じたが、ほかの県からの茶道関係者の招待をしていないということだから、いつもより半分以下の人数で執り行っているのだろう。本堂に入り開式を待っていると、大勢のお坊さんと一緒にお家元が入場された。本堂の中も密を避けるためにある程度の距離を保って座っているから、いつもより何となく広々としているように感じる。そしてその状況こそが実は適正の状態なのではないかと感じたのである。

僕はもともと大寄せの茶会よりも少人数の席の方が好きだ。大寄せの茶会はひどい場合入りきれないお客様を廊下に座らさせたり、もっとひどい場合は水屋の入り口を入ったところに座らされたこともある。そういう場所に座っていると、たまたま僕の前に座った人が「こんなことしているから茶道っていやなのよね・・・」、の陰口だって聞いたこともある。そりゃそうだ、だって1万円近い茶券を買って同じお金を払っているのに、たまたま自分がその順番で席に入ったからと言って廊下に座らされたら、だれだっていやな気分になるだろう。

1. 茶は服のよきように点て
2. 炭は湯の沸くように置き
3. 花は野にあるように生け
4. 夏は涼しく冬暖かに
5. 刻限は早めに
6. 降らずとも傘の用意
7. 相客に心せよ

これ利休七則と言って、僕たちが基本とする考え方、規範である。でもこれ大寄せの茶会だとなかなか実践することは難し。だって一日に10席、一度に50人!!こういう茶会ではお茶を出すだけで全力疾走状態だ。多くの場合一席当たり30分程度で進める事になっていて、席と席のあいだは15分程度しかないことが多い。しかも6席目くらいになってくると、だんだんと疲れが出てきてしまい、どうしてもお客様第一の意識が低くなってしまうのだ。今日はいつもの半分くらいの人数だった。でもそこにいる人たちを見ているとそれが丁度良いような感じがした。コロナを経て、いろいろな物事が変容しようとしている。茶会もその一つかもしれないなあと思ったのである。

進行中のIさんの家とSさんの家の上棟式

2021/04/10

15時、東京都中野区にて進行中のIさんの家とSさんの家の上棟式を行った。IさんとSさんの奥様のご両親が暮らしている一つの広い敷地に建っていた古い建築を取り壊し、そこに二つの住宅を造るというプロジェクトである。一つは2世帯住宅、もう一つは単世帯住宅、二つの住宅に挟まれたスペースに造る庭は一緒に使うようになっている。集まって住む、まさに大家族住宅なのである。

現場に付くとまずは棟飾りの組み立てである。広い方の住宅のリビングにはテーブルが組み立てられている。その正面に棟飾りを仮置きし、飲み物などの準備をして開式をした。初めに家の四方に米、塩、酒を撒いて清める。続いて簡単に祝詞を奏上し、ご挨拶、乾杯と会を進めていった。お酒は飲まずとも、約1時間和やかに過ごすことが出来た。大工さんもだれのための家づくりをしているかがわかることでやる気も変わるというものである。せっかく注文住宅を建てるのだから、こういう儀式もやっぱりやる方が良いのである。

Mさんの家の火災保険調査の立ち合い

2021/04/08

朝10時、隣家の火災のもらい火で被害を受けてしまったMさんの家の火災保険調査の立ち合い。僕の見積もりは壁の内部に放水時の水が回ってしまったこと、表面を高温でさらされてしまったことでモルタル下地からやり替えた方が良い事、また屋根に大量の火の粉を被ったことで屋根の吹き替えをした方が良いことを考慮した計画を作成したのだが、果たして保険会社さんがどの様に判断をするかはまだわからない。概ね同意をしてくれていそうな感じはしたのだけれど、でもやっぱり査定の後に金額が満額出るかどうかはやってみないと何とも言えないところであるのだ。

火災による被害というのは自己責任、つまり自分の火災保険によってしか保証されない。交通事故などの場合はあくまで責任のある方が入っている保険から補償金が払われるのに何で火災保険はそうではないのだろう。日本には失火責任法という法律があるらしく、火災の場合には火を出した人も責任を負う必要がないらしい。確かに火災による損害賠償となると相当な額になるであろうから、こうでもしない限りどうしようもないのであろう。

14時、埼玉県川島町にて新築住宅兼皮工房を設計中のNさんご夫妻打合せ。プランニングがだんだんとまとまってきたところで、内外装のイメージなどについてのすり合わせを中心にお話をした。住宅の一つの形として、職住一体型の暮らしかたというものがある。この工房兼住宅も同じだが、日々の暮らしの中に自然に職というものが入り込んでいるというのはとても自然な形だと思う。最近ではテレワークが普及してIT系のお仕事の方もこの職住一体の暮らしになっているようだが、通勤の為に長い時間電車に揺られる必要もない暮らし方はとても快適な物だろう。プライバシーをどのように確保するかなどのプランニングの要点を抑えつつ快適に暮らすことが出来る建築を造り上げたいと思う。

子供室の増築を検討中のNさんの家現場打合せ

2021/04/07

午前中、東京都豊島区にて子供室の増築を検討中のNさんの家現場打合せ。1階にある寝室の隣に6畳ほどの部屋を増築したいとの事である。増築の場合、確認申請が必要となる場合とそうでない場合がある。防火や準防火の規制がない地域では10㎡に満たない増築であれば確認申請の必要はないとされているのだけれど、今回は準防火地域なのでたとえ1㎡であっても確認申請をしなければいけない事になっている。増築する場合にはもともとの既存建物がきちんと法律に沿って作られているか、つまり完了検査を受けているかどうかが槍や視差の一つの目安となるのだが、もしもそうでない場合には法律に沿っていない部分を改めるなどの対応を求められる場合があるので協議が必要だ。

最近はコロナによる影響で在宅の時間が伸びたことから、増築のご相談を多く受ける。確認申請審査機関も結構柔軟に対応してくれるので建蔽率がオーバーしてしまうというような致命的な場合を除けば、基本的に申請も通りやすくなっているような気がする。そもそも住宅というのは住みながらにして変化するものである。昔の家なんか平屋だったものがいつの間にか2階建てになっていたりの七変化が当たり前だったわけだし、場合によっては3階部分まで増やしてしまっているようなアクロバティックな事例だってあった。日本は地震国だからそれが良いとは言えないけれど、でも個人住宅の世界だけはそれくらいの自由が許されるべき領域であると思うのだ。

12時、構造家の名和研二さんと建築家の佐藤健吾さん来社。現在ますいいで取組んでいる川口市のプロポーザルコンペチームの初の打ち合わせである。ますいいのスタッフからは堀部君を加えて、総勢4名で最高のプロジェクトチームを立ち上げることが出来た。これから3年間にわたる長丁場のプロジェクトだけれど、じっくりと取り組んで街の記憶となるような建築を造り上げていきたいと思う。

進行中のHさんの家の現場確認

2021/04/06

朝一番で埼玉県上尾市にて進行中のHさんの家の現場確認。今日は水道屋さんが排水の桝を設置する工事に立ち会った。Hさんは地元の農家さんのお嬢さんで、今回の計画では畑として利用していた農地の一角に家を建設する。普通は農地に家を造ることは出来ないのだけれど、農家さんのご家族は農家を営むために必要なので家を造ることが出来る事になっている。農地だから敷地は当然住宅地よりも大きいし、植木をたくさん植えることが出来る広い庭を造る事だってできるわけだ。この家は広い庭に対して、への字型に配置された木造2階建て住宅である。への字の真ん中付近にリビングを配置し、吹き抜けの部分に薪ストーブを設置する。ストーブの反対側には幅が1800㎜程の広い階段があって、階段がとても居心地の良い場となる事を想定している。2階のバルコニーからは屋根の上に出ることが出来るように階段をしつらえる予定だ。1寸購買の屋根の上で寝転がってビールでも飲もうかの楽しみを想像しつつ、工事がいよいよ本格的にスタートする。

栃木県の那須烏山市にある那珂川のベースキャンプ

2021/04/03

今日は栃木県の那須烏山市にある那珂川のベースキャンプにて、新しいスタッフの歓迎会を行った。僕が普段から趣味で行っているカヤックとバーベキューの二つのグループに分かれてのイベントである。ご家族や彼女等も参加しているので総勢35名ほどの大所帯となった。15時ごろにはカヤックを終えたメンバーも合流し、みんなが集まることが出来たので集合写真を撮影した。小さな子供がいるスタッフもいるのでこの時点で一度解散である。

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続いて第2弾、宿泊組によるキャンプ開始だ。今日は桜が満開、その木の下にテントを張ってのキャンプはとても気持ちが良い。僕たち以外に誰もいない、貸し切りのキャンプである。昼間は焚火をしなくともそれほど寒くない季節になってきたけれど、やっぱり夕方は少しひんやりするものだ。明朝はドラム缶のピザ釜でピザを焼いてみた。子どもたちがトッピングしたピザを窯に入れる事3分程、おいしいピザを焼くことが出来た。ドラム缶・・・なんとも野性的なピザ釜だけどとてもおいしく焼き上げることが出来ることは保証する。おそらくもっともお手軽なピザ釜である。興味のある方は挑戦してみてほしい。

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埼玉画廊の竹内さん来社。

2021/04/01

14時、埼玉画廊の竹内さん来社。埼玉画廊というのは川口駅の目の前、元そごうがあったビルの2階にある画廊で竹内さんはその2代目に当たる。今日は地元の蒔絵作家さんの展覧会のご案内に来てくれた。埼玉県の川口市というところはもともとモノづくりの街である。鋳物産業が有名なことは多くの人が知っているけれど、それ以外にも様々なものを造る人がいる。この蒔絵作家さんは豊平さんという方で棗などの茶道具で有名だし、ほかにも僕の従弟のこまむぐさんのようにもともと木型屋さんだった技術を生かして無垢材のおもちゃを造っていたりする人もいる。渋い所では竹の釣り竿なんかも有名だし、機械加工などの技術は今でも相当高いものがあるだろう。この街に何代かに渡って暮らしている人は大抵何かを造って生きてきた人たちで、造る対象は変われどモノづくりの精神は脈々と引き継がれている。僕の親戚だって、祖父は機械職人と木型職人、従弟は機械職人とおもちゃ職人という具合なのである。

15時、埼玉県川口市の藤の市商店街にあるワイワイ広場さん訪問。ここはボランティアで運営されている子育て支援施設で、ママとお子様が集うサークルのような場所なのだけれど、公的な資金は一切ないとてもピュアな状態で運営されている施設だ。川口市ではこれまで多くの保育園や学童保育などを整備しており、同時に公民館を拠点とした子育て支援の窓口もあるのだが、こういう民間の施設には手を差し伸べられていないのが現状である。今日は川口市の市会議員さんお二人と共にこうした現状のお話を伺うと共に、将来の展望などについてのディスカッションを行った。行政の制度というのは国の方針などによって出来上がると、途端に多くの業者が参入してそのサービスを行うようになるという傾向がある。特に社会福祉の世界はこの傾向が高く、民間学童保育などもそうした手法で突然に増加した事例だろう。有志に近い志でスタートしたものがいつの間にか行政サービスの一端を担う出先機関のようなものに変貌する。こうして福祉の世界は構成されていくのだ。膨れ上がる社会福祉費、一方で社会のゆがみを直そうとする人たち、これをバランスよく解決するなど一地方政治家に出来るような優しい事ではないことは明白だ。まして僕のような民間人に出来る事などほとんどないのかもしれないけれど、でも少しでも良い社会を造るよう頭と体を動かしていきたいものだと思うのである。

リフォーム工事を検討中のYさん打ち合わせ。

2021/03/31

午前中、埼玉県川口市にてリフォーム工事を検討中のYさん打ち合わせ。Yさんは僕の子供たちが小学生の頃にお世話になったアート教室の先生で、この度老朽化した賃貸の教室の近くに中古の建物を購入し、そこをリフォームして教室に使用という計画である。建物は築50年以上たつなかなかに年季の入った建築だ。構造計算に基づいて緻密に建てられたというよりも、経験と勘に基づく手作りトラス柱・梁という代物であるのだけれど、その状況が妙に安定感があって面白い。きっと熟練の鉄骨職人の手によるものだと思う。外壁はリブラスにモルタル塗りという簡素なものだ。1階部分は倉庫のように使用されているので、もちろん断熱も入っていない。トイレに至っては扉もない簡易間仕切りの裏側に置いてあるだけ・・・、これはなかなか見ることが出来ないシュールな姿である。マルセルデュシャンの泉をほうふつとさせる感じにちょっと笑みがこぼれる、そんな感じかな。

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と冗談はさておき、これほど年季の入った建築を再利用する価値はある。大概の人は古いものをすぐ壊す。でも建築の魅力は古くなってからが本番だ。そしてその魅力は使い手によってさらに高みへと昇っていく。皆さんも新しいピカピカの施設を見て感動したことなんてほとんどないと思う。それよりも創意工夫してその人と建築がマッチして、ちょうどよい状態に磨きこまれている今のその瞬間に心を動かされる方が圧倒的に多いと思うのだ。

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この建物は入笠山にあった入笠小屋である。この小屋は詩人の尾崎喜八さんが戦火を逃れるために疎開したときに作ったとのことだが、しばらくは小間井さんという初老の主が宿泊客を迎えてくれた。

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写真のガラス張りのリビングは小間井さんの手によるセルフビルドだ。聞くところによると毎日、毎日セルフビルドでどこかしらを手直しし続けているということ。。周りを見回してみると、例えば杉の貫板という雑材料で窓枠を作っているところもあれば、本当にこれでよいの?と疑ってしまうような暖炉、連続してガラスがはめ込まれている普通に作れば多くのコストがかかりそうな羽目殺し窓が90角くらいの雑材でいとも簡単に作られている様子、どうやって防水しているのかまったくわからないような3階に作られた露天風呂、そしてそこに上っていくためのくねくねとした長い長い渡り廊下、ここには一般常識では考えられないような自由な建築があった。

日本の建築は高すぎる、これは歴然とした事実だ。この建築は小間井さんの手によって、法律も一般的な収まりもすべて無視した自由な作品である。そして、ものすごく安く作られている。虫が入ってきたり、隙間風が吹いたりの苦労は当然ある。しかし、肌寒い季節に暖炉に火を入れてゆったりとくつろいでいるとき、そんなことすら愛おしく思えてくるのだ。

この建築は小間井さんが亡くなる前に焼失してしまった。というより建物が燃えて、小間井さんが亡くなったんのだけれど、死期を悟った老人が燃やしてしまったのかなあと思うくらいに、小間井さんの人格と本当にマッチしている小屋だった。僕はこれ以上に素晴らしい建築と出会ったことがない。そしてこの建築はもう二度と見ることが出来ないのである。そして今回の工房もこんな風になれば良いなあと思うのである。

モキ製作所の坂本さん来社。

2021/03/30

午前中モキ製作所の坂本さん来社。2月にストーブを設置したことがご縁でますいいでもモキ製作所の薪ストーブを販売することが出来るようになった。

僕は住宅には重心があると良いと思う。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れて生まれるひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。

ストーブを入れるかどうかは初めに決めた方が良い。ストーブにふさわしい場所を設計するにはやはり初めから決まっていた方がやりやすい。ストーブには薪ストーブとペレットストーブの2種類がある。薪が手に入るのであればもちろん薪ストーブの方が良いのだが、その入手が難しいなどの理由があればペレットでも同じような雰囲気は味わえる。薪ストーブに決定したら、次は機種の選定だ。輸入品の場合は鋳物製であることが多く、国産の場合は板金で造られていることが多い。これはストーブの文化の違いだと思う。

モキ製作所の様にスギやヒノキ竹といった日本で手に入りやすい樹種を燃やすことを前提として制作しているものもある。これはどのような樹種の薪が手に入りやすいかという問題と関連してくるが、もしも近所の山で薪を手に入れるなどというのであれば針葉樹の方が手に入りやすいかもしれない。ますいいでは建材の廃材を薪に使用しているので圧倒的に針葉樹の方が多くなるわけだ。
機種を決めたら煙突の出し方を決める。煙突の位置は機種によって異なるので決まったらストーブの図面を入手する。煙突は2年に一度くらいは掃除をしなければいけないので、屋根に上りやすいような設計をしておく方が後々の為である。あまりに急こう配で屋根の上に立つことが出来ないというような設計は避けるべきであると思う。

ペレットストーブの場合煙突というよりは、排気ガスを出すための管を壁から出すことになる。これは煙突ではないので、屋根の上まで上げるような工事は必要ない。こちらも定期的な清掃の為にテラスなどから手が届くところに設置することをお勧めする。これで僕が好きな家づくりの為のストーブを自分で販売することが出来るようになった。もちろんますいいの事務所でも実際に体験できるので是非ご覧いただきたいと思う。ちなみに上に載っているのはスノーピークのパーコレーターだ。これで入れたコーヒーが僕はとても好きだ。

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数年前に造った住宅のリフォーム打合せ

2021/03/26

朝10時、埼玉県さいたま市にて数年前に造った住宅のリフォーム打合せ。今年に入って2件目の子供部屋の間仕切り工事についてのご相談である。現場の状況は将来二部屋に分けることが出来るようにそれぞれのスペースに窓を配置し、コンセントやスイッチなども取り付けられているように造られているので、そこにどのような間仕切り壁を造るかの点さえ考えれば良い。今回は天井までの高い壁を造るのではなく、2m程度の壁で間仕切り、その上は開放とすることで圧迫感がないようにすることを考えた。壁はT字型に配置され、Tの上の部分が廊下との間仕切り、下の垂直線の部分が子供室同士の間仕切りである。2mの高さには梁を取り付けて安定させ、子供がぶら下がったりの行為にも耐えることが出来るようにしている。間仕切り部分は、柱の片側からだけシナ合板を貼ることで、貼っていない方からは本棚として利用できるようにした。狭い空間をどのように有効利用できるかの工夫である。下の写真は以前造った子供室の間仕切り壁の様子である。10.5センチの隙間がいかに大容量かがわかる写真だ。

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雑誌チルチン人の取材に立ち会った。

2021/03/25

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家の雑誌チルチン人の取材に立ち会った。撮影には編集長の山下さん、カメラマンの秦さん、ライターの松岡さんの3名が訪れてくれた。僕は朝一番に地元川口市に依頼されている公職の保育園施設認可部会があったのでそれに参加し、終了後駆け付ける形となったのだが、現場ではすでにクライアントのKさんへのインタビューなどが始められているところであった。僕への質問にはあらかじめ答えを印刷しておいたので、到着後に一つ一つご説明させていただいたのだがこの住宅ではやっぱりこだわって使用した杉などの自然素材の話が中心となった。(内容は3月20日の日記に記載)

この住宅で使用した杉は栃木県の八溝山系で育った。八溝山系というのは栃木、茨城県に渡る低い山岳地帯で良質な杉が採れることで知られている。僕は昨年からこの八溝山系に添って流れる那珂川という川でカヤックやキャンプをしているのだが、この川は季節になるとたくさんのアユが採れたり、サケが遡上したりしてくるという場所で東京近郊のとても豊かな自然だ。翡翠やしろさぎなども毎回のように見ることが出来るし、すぐ近くで漁師がイノシシを解体しているとその上に鳶が数十羽も集まってきてその場をきれいにしてくれる様子なんかも見ることが出来る。山の木を積極的に使う事でその山が豊かになり、その結果そこから海に流れ込む川も豊かにすることが出来る。そしてそれは僕たちのふだんのくらしを支えてくれる海の漁業にも良い影響が生まれる、そういう循環を体で感じることが出来るのである。

そしてもう一つ、この現場で多用している栗の木は岩手県や北海道で採れた丸太の買い付けをして製材したものだ。もしも埼玉県の材木屋さんに栗の板を注文したらとてつもない金額を言われてしまうところだけれど、丸太の状態で購入し製材して1年間乾燥させてから使用すると、立米単価は20万円位で使うことが出来る。歩留まりが50%くらいなので実際には50万円見て置けば足りる事を考えると、中国産の運杉などと同じ価格で国産広葉樹の枠やカウンターを造ることが出来ることになるのでとても良い。栗の木は何となく黄色っぽい色をしていて、木目もとても柔らかい印象だ。ほかにも桜の木を玄関カウンターに使ったが、これは逆に赤身に魅力がある。下の写真はそのカウンターの様子である。

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最近は撮影の様子も様変わりしていて、この現場の上棟の様子はドローンを飛ばして空からの撮影を行っている。今日はさすがに空撮はしていないけれど雑誌の出来上がりはとても楽しみなところだ。

設計中のHさんの家の打ち合わせ

2021/03/24

10時過ぎ、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。いよいよ確認申請作業も終わり工事に入る段階である。契約を来週に控え、最終的な見積り書の確認などの打ち合わせを行った。

Hさんの家ではアグニというメーカーの薪ストーブを取り付けることになった。国産でデザイン性もよく大型でなかなか良いストーブだと思う。僕は基本的にストーブを取り入れることが好きなのだけれど、ストーブのデザインもいろいろあるので知っておくと面白い。

薪ストーブには鋳物でできたものと鉄板を曲げて作ったものの2種類がある。鋳物というのは型を造ってそこに溶けた鉄を流し込むことで形作られる。板金の場合は厚い鉄板を曲げたりボルトで固定することで形作られるのでそもそも製造工程が全く違う。鋳物というのは型を使用するから様々な造形を大量生産することで低価格で施すことができるという特性があるから、鋳物のストーブの場合は装飾的である場合が多い。例えばマンホールなども鋳物でできているが、その表面にご当地の風景などが描かれているのも鋳物ならではなのである。それから鋳物という素材は熱しにくく冷めにくいという特徴がある。それに反して板金はすぐに温まりすぐに冷めるので、事務所などのように出たり入ったりの箇所には板金のほうが適しているといえるだろう。しかしながら高温域を保つために使用する薪は板金のほうが多く必要であるわけだから、一長一短を理解して選択することをお勧めしたい。

Kさんの家のオープンハウスを開催した。

2021/03/20

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家のオープンハウスを開催した。Kさんは2011年に造った北の常緑ハウスのお施主さんのご紹介である。北の常緑ハウスは渡邊篤史の建物探訪に登場したのだが、Kさんの家も建物探訪に出るような家にしたいというお話を受けた。土地の購入前に一緒に敷地を見に行って、気に入ったという旨を伝えられ、この景色や陽当たり生かして心地よい家を造ってほしいと言う事を依頼されたことを記憶している。以下にポイントを記載する。

設計するうえで重視したこと、その理由や背景
クライアント主体の自由な家づくりを実現するために、設計時点から積極的に家づくりに参加していただき、工事中も多くのセルフビルドを行う事で「自分の家は自分で造る」の実現を目指した。設計は基本設計から実施設計まで、多くの模型を作成して丁寧に行った。古い街並みに自然に溶け込む印象的な外観を造り上げた。

設計施工のコンセプト、ポイント
傾斜地からの眺望を暮らしの中に取り込むことを意識して、舞台のような外観とした。南側に面する窓からは近隣住宅の屋根が見渡せる。そしてその向こう側には反対側に上っていく坂がある。この伸びやかな景色に向けて長い階段状のベンチが配置されている。南の開口部を強調するために南側の天井はあえて低く抑えている。リビングにはペレットストーブを配置し、火が家の重心にあるようにした。

住まいへのこだわり
今回の家づくりでは、ビニルクロスなどの工業製品を仕上げに使用しないことを目指した。八溝杉の天井羽目板や家具の造作材、唐松のフロアリング、丸太で購入して製材した栗や桜の素材をふんだんに使用し、壁などの仕上げには左官屋さんの指導を受けながらセルフビルドで漆喰を塗り上げた。キッチンや洗面の前にはタイルをセルフビルドで施工している。照明カバーなどの部材も杉を使用して優しいデザインを考案している。

家づくりの過程で印象に残っている事
・タイルのセルフビルド(ますいいスタッフによる指導)
・漆喰塗のセルフビルド(左官職人による指導)
・植樹のセルフビルド
・床のワックス塗のセルフビルド
・外壁の撥水材のセルフビルド
・ウッドデッキ塗装のセルフビルド

以下はオープンハウスにいらしていただいた北の常緑ハウスのクライアントの木村さんに撮影していただいた写真だ。こんなことまでして頂いて・・・、本当にありがとうございました。

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天井には八溝杉、床には唐松を使用した。

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キッチンタイルはセルフビルドで施工した。

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南側には連なる屋根が見渡せる。

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テレワーク用のワークスペース。

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照明カバーは僕がデザインして大工さんに造ってもらった。

完成したKさんの家の植木を購入

2021/03/18

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家の植木を購入するために川口市の安行にある樹里庵という場所を訪れた。ここは生産者が直接僕たちのようなエンドユーザーに植木を売ってくれる場所なのでとても多くの種類の木がとてもお手頃なお値段で販売されているのでお勧めだ。もともと安行というところは植木の町として有名で、その昔は染井吉野の生産を多く手掛けていたらしい。僕たち川口市民にとっても安行は何となく誇らしい場所なのである。

今回選んだ木は、「ナンテン・馬酔木・雪柳・レンギョウ・山茶花・ヒイラギ・紅葉」の7種。季節を感じることが出来るようなお庭にしたいという奥様のご希望を伺ったうえで僕が選定させていただいた。植え込みはKさんとスタッフの堀部との二人で約1時間ほどの作業であった。木々の成長と共に楽しい暮らしが営まれていくことを期待したいと思う。

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工房集という障がい者支援施設を訪れた。

2021/03/17

先日工房集という障がい者支援施設を訪れた。この施設は重度の知的障がい者の支援をしているのだが、そこにいる障がい者の人たちが作った作品をアート作品として発表し、それを収益に繋げているとても面白い施設である。

もともとは企業の下請け仕事をやることで、障がい者の仕事にしていたそうなのだが、地元の企業から「ここは遅くて、量が出来なくて、正確ではない・・・。」と言われてしまうような、無理や疑問を感じる状況だったそうだ。そんな中で絵を描く事、ものを造る事を楽しんでいる、それもとても独創的で味があり、見たこともないような世界観がある、そんな表現をする障がい者たちを見ているうちに、これこそまさにここにいる障がい者の仕事にするべきことなのではないかと考えて今に至ったという。

ますいいではオリジナルのセルフビルドエプロンをデザインしているのだが、このエプロンの記事に工房集の作品を使用する予定だ。使用する予定の金子君の名言集にこんな言葉が書いてある。

「夢はいつまでも思い続けることが大切です。もしかしたらとってもいいことがまいおりてくるかもしれないし、それはきっときれいなものだとおもいます。その日までまっていよう。きっときっとかなう。」

なんだかうなずける、こんな言葉を詩集にして発行している金子君も障害を持っていると聞くと驚いてしまうが、そもそも知的障害というものも一つの個性であるので、彼が持っている素晴らしい所を生かして表現をしているということなのだと思う。

14時、わいわい広場さん訪問。ここは川口市幸町の藤の市商店街にある、子育て中のお母さんとお子さんが遊びに来る子育て支援施設である。今回はこの2階を改装し、いろいろな人が集う場として利用していく計画をご相談された。もちろん費用はとてもお安くと・・・。地元のボランティア団体からのご依頼を頑張らないわけにはいかない。うーん、ここは一肌脱ぐとしよう。

進行中のOさんの家の現場管理。

2021/03/15

埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の現場管理。「自然素材の家造り・森の生活」仕様で設計をした現場では現在断熱材の工事が進んでいる。この現場ではウールブレスという羊毛を原料とする断熱材を採用しているがこれがなかなか良い。この材料は家の中の湿気を吸収してくれるのが特徴で、ペットボトル100本以上の水分を吸収するというから驚きだ。施工してみるとなんだかセーターに包まれているようで心地よい。大工さんもなんだか心地よさそうである。

平面計画はC字型の形状をしていて、真ん中に中庭を設けている。中庭に対してどこにいても開放的に窓を設けることで、子供たちが庭で遊んでいたりの時も安心して過ごすことが出来る。リビングには薪ストーブを設置している。いつも過ごす場所にはやっぱりストーブが良い。揺らめく炎を眺めているだけで暮らしが豊かになるような気がするのだ。

工事途中、間仕切り壁を設置するのをやめてしまった箇所がある。現場でリビングを眺めていたら開放的にした方が良いかなあと思ったので設計を変更することにしたのだ。リビングの天井は5面の勾配天井とした。こうすることで住宅の中心を空間から感じることが出来るような効果を狙っている。とにかく完成が楽しみな住宅なのである。

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セルフビルド講座を開催。

2021/03/13

今日は10時よりセルフビルド講座を開催。合計8名の参加者のお越しいただき、いつものようにセルフビルドについてのレクチャーを1時間程行わせていただいた。レクチャーが終わると続いてタイル貼り講座の実演である。ワークショップでは30センチほどの板にモザイクタイルを貼る作業を行っていただく。2センチ角ほどの小さなタイルをさらに小さく割って好きな配置に並べていくと結構かわいい鍋敷きが出来る。予定では1時までのところだが、ついつい時間が長引いてしまう楽しい作業である。

15時より、埼玉県川島町にて新築住宅を検討中のNさんご夫妻打合せ。場所は10年程前にますいいで造ったアスタリスクカフェのすぐ近く、歩いて10分ほどの距離である。Nさんはこの場所で革製品の工房を営む予定だ。今回はその工房兼住宅、延べ床面積を25坪ほどにした小さな建築を計画している。すでに一緒に購入前の敷地を拝見しているのでイメージは共有できているが、今日は第1回目のプラン打合せを行った。川島町というところはとてものどかな田園風景がある。最近は圏央道が開通したけれど、電車もないし結構不便なところなのだ。この不便というのは大切なところで、だからこそいまだに田畑が広がる景観が残されているし、そういうところだからこそわざわざ車で川越などの近隣地域からカフェにコーヒーを飲みに来てくれる。農村の開発は一度されてしまうと再び農地に戻ることはほぼ不可能といってよい。農地にならずとも建設会社の資材置き場などになり果ててしまえば景観などと呼べる状態には絶対に戻らないだろう。美しいと感じる状況を維持できているこの周辺の町並みは埼玉県にとって本当に大切な資源かもしれない。こういう場所でモノづくりを行うことが出来るNさんは本当に幸せだなあと思うのである。

設計中のHさんの家の地鎮祭を行った。

2021/03/12

今日は埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の地鎮祭を行った。神主さんはいつもお願いしている川口市の氷川神社さんである。10時過ぎ現場につくと既に神主さんもHさんご夫妻も現場に到着していたので、早速準備に取り掛かった。Hさんのご実家には竹が植えられているので今日は本物の竹を使って祭壇を組むことにした。10年以上前までは川口市にも多くの竹藪が残っていて、そこで地鎮祭に使用する竹を分けて頂けたのだけれど、最近はどこもかしこも造成工事などで姿を消してしまったから、プラスチック製の竹を使用することが多くなっているのだ。

地鎮祭は晴天の中滞りなく執り行われた。広大な敷地に家を造る計画がいよいよスタートする。気を引き締めて取り組んでい行きたいと思う。

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今日で震災から10年がたった。

2021/03/11

今日で震災から10年がたった。津波、福島の原発の爆発、これまで見たこともないような現実と向き合う中でいろいろなことを考えたことを思い出したが、あのの時考えたことの多くは既にどこかに無くなってしまったような気もする。突然陥れられた非現実的な現実のなかでしか思うことが出来ないこと、そういう事を普通の日常の中で意識することは意外と難しいのだと思う。

10時、埼玉県さいたま市にて設計中の茶室打ち合わせ。28坪ほどの土地に建蔽率ぎりぎりの16坪ほどの床面積を確保し、茶事ができる4畳半とお稽古ができる8畳の茶室を考えている。4畳半は裏千家の又隠茶室をイメージしているのだが、やっぱり躙り口から入るのがいいかなあと言う事で玄関周辺の土間を路地に見立てた設計とした。

玄関を入るとすぐに3畳ほどの待合がある。待合には小さな床の間があり、軸や花を飾ることが出来るようにした。3畳の待合からまた玄関に戻るとそこには蹲があって、そのまま躙り口へと向かうことが出来る。躙り口を入ると上座床の茶室となっている。躙り口の上には路地に見立てた玄関に面して連子窓を設けた。路地をまっすぐ進むと8畳の入り口がある。ふすまを開けるとこちらも上座床の8畳間である。南側に面する壁には一面に障子を設け明るい空間とした。風炉先窓はあまり開けることはないけれど、その向こうには思い出のツバキが植えられている。

水屋はなるべく広くなるように設計した。いわゆる水屋とその横にミニキッチン、茶事の配膳が出来るカウンターも設ける事にした。トイレの前にはかぎのかかる袴脱ぎ、これは男性にはとてもありがたいスペースである。2階には様々な道具を保管する倉庫スペースを設ける事とした。茶道具はついつい増えてしまうのでこういうスペースはとても大切だ。茶室は空間と共にその人の動きを設計するのが楽しい。広大な庭があったりの条件でなくとも工夫次第で何でもできる。限られたスペースの中でどの様にスムーズに茶事が出来る空間を生み出すことが出来るかの想像こそ設計の醍醐味のような気がするのである。

夕方、スタッフを招いて自宅で茶道教室を開始した。震災から10年を経たこの日を境に月に1回だけだけれど僕がこれまで経験させていただいた茶道を誰かに伝える事にした。僕が茶道を始めたのは2010年の10月、ここまで辞めずに続けたのだからそろそろ誰かに伝える役割も果たすべきのような気がする。まだ早いかもしれないけれど、でもこういうことを始めてみないと自分自身もこれ以上成長しないような気もするのである。

初めての稽古、一体何を教えたら良いのやらということで、まずは一服のお茶をふるまうことにした。炉に炭をおこし湯を沸かし、その湯で点てた薄茶を一服飲む、まずはそこからスタートした。お稽古中の話はどうしても茶室の話になってしまう。でもこれは仕方がない。だってその専門家なのだ。そうだ毎回一つの茶室について紹介してあげるのもいいだろう。割り稽古は確か盆略点前の部分的な指導だったから僕もそこから始める事にした。今日は袱紗捌きを教えたが、次は・・・。やっぱり人に指導するのはなかなか難しい。これまで以上に勉強しないといけないなと思う。

いつまた大きな災害が起きるかもしれない。その時に誰がどんな風になるか、そんなことはだれにもわからない。僕が好きな言葉にトゥインビーという人の言葉がある。
「理想を失った民族は滅びる」
「歴史を失った民族は滅びる」
「物の価値をすべてと捉え心の価値を失った民族は滅びる」
僕にとって茶道はこんな言葉に心を動かされて始めた行為だ。そして建築を通してそれを行う場を造る事もまた大切な行為だと思う。自分が大切だと思う事を行う事、それ以外にいつ起こるかわからない災害に備える行為など存在しない。だってずっとどこかに隠れていても仕方がないのだ。まずは月に1回のお稽古、これを一年間続けてみようと思う。

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セルフビルド講座の時に行うワークショップについて

2021/03/08

セルフビルド講座の時に行うワークショップについて考えていたのだけれど、家づくりで使用している八溝杉の板材を細く割って箸を造ってみたらこれがなかなか良い具合であった。これを伊藤さんに言ったらスプーンを造ってみたらどうかというので試してみたら、下の写真のようなスプーンが出来上がった。なんともいびつであるけれど、これがなかなか味が合ってよさそうだ。杉という木は柔らかいから小刀があれば簡単に加工することが出来る。かかった時間は約2時間というからワークショップにはちょうど良い。と言う事で4月のワークショップは「八溝杉でスプーンを造ろう」に決定した。もちろん好評のタイルの鍋敷きは継続するつもりである。どちらかの選択制という形が良いかなと思っている。

材料となる杉材は家づくりで使用した端材だ。そのまま産業廃棄物にしてしまえばゴミになる。でも細く割ってスプーンにしたり箸にしたりしたらまた別の命を持つことが出来る。同じものでもゴミにするか資源にするかは僕たち次第なんだと思う。木が育った山は栃木県の八溝山系である。この小さな端材を加工しながら、何となく山を意識してくれたらなんと素晴らしい経験かなあと思うのだ。

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僕の家のお墓の移動の儀式を行った。

2021/03/07

今日は僕の家のお墓の移動の儀式を行った。もともと僕の家は世田谷区の千歳烏山にある浄土真宗のお寺にお墓があった。川口市に住んでいるのに何で世田谷区の千歳烏山なのかというと、日暮里のあたりにあった寺町が戦争によって移動したことによるらしい。まあそんな状況になった後に僕は生まれたわけなので、それに対する違和感のようなものは特になかったのだが、かれこれ11年ほど前に裏千家の茶道をはじめて禅に触れる機会が増えるにつれて、そもそも浄土真宗という宗派よりも禅宗に興味が移ってきたことが今回のお墓の移動のきっかけとなったのだ。

茶道をやっていると座禅を組む機会が増える。座禅は禅宗の修養の一つで足を組んで座る行為の中から自分自身を見つめる時間を過ごすものである。茶道と座禅が直接的に関係あるわけではなく、茶道をやっていると座禅の体験をすることが増えるという事なのだけれど、やっぱりこういう事を体験しているうちにいろんなことを考えるきっかけとなったことは確かなのである。その他にも茶道では床の間に軸を飾るのだが、そこには禅語が書いてあることが多い。例えば「一期一会」とか、「松に古今の色なし」とか・・・、こういう言葉を何度も何度も見ているとやっぱり禅というものに関心がわく。だって茶禅一味なんていう言葉があるくらいなのだ。

そこで今回、埼玉県川口市にある臨済宗の長得寺というお寺にお墓を移すことにしたわけである。小松石という石を磨き仕上げにしないで使用することで、ちょっと侘びた雰囲気のデザインとした。ちなみにこのお団子のような形は禅宗のお墓の基本形である。ご先祖様のお骨をおさめお経をあげてもらうと何となくお墓として機能を開始したような気がするものだ。これからはこまめにお墓参りをするようにしようと思う。

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裏千家淡交会役員会議に参加。

2021/03/06

午前中、地元埼玉県の裏千家淡交会役員会議に参加。これまで埼玉県の支部長を務めてこられた相川元埼玉市長がお亡くなりになって新たな支部長が決まったとのことで参加させていただいたのだが、コロナで久しぶりにお会いする顔ぶれに何となく懐かしさがこみあげてみた。これまでは当たり前に会うことが出来た人たちと会うことが出来ないというなんとも不自由な状況だけれど、やっぱりZOOMよりもリアルでお会いする事こその交流であるなあと思うのである。

午後、東京都文京区にて新築住宅を検討中のSさんご家族打合せ。今回は第1回目のプレゼンテーションということで、3階建てのプランを80㎡と90㎡の2パターンでご提案した。都会の狭小住宅はこれまでも多く作ってきたけれど、この広さの中での10㎡というのは、空間の伸びやかさや広がりを体感できるプランにするうえでものすごい効果がある。たかが10㎡されど10㎡なのだ。

相撲の桝席だって昔は座布団を4枚敷くことが出来る4尺(120センチ)四方だったという。でも昭和の時代になって130センチ四方になった。令和の人間のサイズに合わせたらそろそろ140センチ四方に変更されても良いかもしれないが、このたったの10センチで4人の人がゆとりをもって過ごすことが出来る空間になるのだから狭い中での小さな寸法は侮れないのである。

7年ほど前に造った道祖土の家の撮影に出かけた。

2021/03/04

今日は妻と妹の真理子が7年ほど前に造った道祖土の家の撮影に出かけた。僕は打ち合わせがあって参加することができなかったのが、とても良い雰囲気の暮らしぶりだったというのでご紹介しよう。住宅自体もだいぶ味が出てきたようである。当時まだ小さかったお子様もだいぶ大きくなった。二人兄弟のお兄ちゃんはクィーンのフレディー・マーキュリーのファンだから髪を伸ばしていてピアノもとても上手に弾くそうだ。(写真の髪の長いお子様がお兄ちゃんである。)日々の暮らしをとても大切にしているTさんご夫妻だからこそ、こうしてのびのびとしたお子様が育つのであろうが、本当にうらやましくなるようなご家族であったという。家は家族が暮らすためのものだ。家族が幸せ肉r差うことができてこその住宅である。造ったときにはわからない未来の幸せをこうして伝えることができる住宅こそ本当に成功した建築作品と言えるような気がする。

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僕はといえば10時より埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の最終打ち合わせ。現在は見積もりの最終段階であるが、いよいよ解体工事や水道の引き込み工事といった建築の準備段階に入るところだ。図面習性や確認申請の準備なども同時並行で進行予定。9月の着工を目指して頑張っていきたい。

14時、7年前に1000万円プロジェクトで家を造ったSさん来社。Sさんは都庁に勤める方なので当然もっと予算をかけることはできるのだけれど、家を造って余裕がなくなる現代の家造りに巻き込まれるのではなく、自分らしく楽しめる暮らしに適した家を造りたいということで、数百万円の土地に1000万円の家を造るという計画を立ち上げた。当時の僕もこの計画には大賛成で、実際には1100万円で家を造ることができた。この度増築計画のために隣の土地を購入したということでご相談に来ていただいたのだが、今日は増築計画についての全体的な話し合いを行ったところである。1000万円住宅プロジェクトの第2弾は800万円プロジェクトになった。さてさて次はどんな家が広がることやら‥楽しみなところだ。

新築工事を検討中のSさんご夫妻打合せ。

2021/03/03

午前中、東京都世田谷区にて飲食店と住宅の新築工事を検討中のSさんご夫妻打合せ。コロナウィルスによる影響もあった50歳となる年にこれまで長年勤めてきた飲食店を退職し、新たに自分自身のお店をスタートしようという計画である。まだ具体的な場所などは未定だけれど、こういうことは考え始めた時がその計画のスタートである。土地を探してみたり、はたまた中古の物件を見てみたりの行動をしているうちに運命的な出会いとなった場所で計画を進めていけばよい。思いがなければ何も先には進まないし、思い始めた時点ですでに計画は少しずつ進んでいるともいえるのだろう。

飲食店というとアスタリスクカフェを思い出す。早期退職をしたご主人と奥様のお二人で訪れたときに言われたことが1200万円でお店と住宅を造れないかという事であった。退職金の2000万円の内700万円は土地の購入に使ってしまったと言われたときは思わずお断りをしようとしたわけだけれど、どうしてもという熱意にこちらも熱い気持ちになってお仕事をお受けしたことを覚えている。そのアスタリスクさんもかれこれ10年間、順調なお店の運営を続けてくれている。途中増築のご相談もあったのだけれど、無理せず二人で運営できる範囲で続けていたことも良かったのかもしれない。先日久しぶりにコーヒーを飲んできたのだけれど、お二人の変わらないお元気そうなお姿を拝見してとても嬉しい気持ちになった。これからも末永く営業してほしいと思う。

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3月に入り、陽気もなんだか暖かくなってきた。

2021/03/01

3月に入り、陽気もなんだか暖かくなってきた。梅の花が咲き始め、花粉が飛び始めるといつの間にやら季節が変わったんだなあと感じるが、これで少しはコロナも収まってくれると良いと思う。庭には花が咲き始めている。椿の花も次々と開花しているし、白いクリスマスローズもだいぶ咲き出した。少しずつ切って来ては事務所の小さな花瓶に生けているが、こうして季節の移ろいを感じられるのは何よりもの楽しみである。こういう事に気が向くようになったのは最近の事だ。茶道をやっていても花だけはどうしても苦手で覚える気にもならなかった。それがどういうわけかこういうことに小さな感動を覚えるようになったのだけれど、これも年齢のせいなのかなあと思う。

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夕方、埼玉県川口市にて設計中の工場の2階に造るギャラリーについての打合せ。前回ご提案した内容からの変更についてご意見を伺った。シンプルな内装をと思っていたのだけれど、どちらかというと大正モダンような雰囲気がお好きらしい。ぜひご満足いただけるように変更したいと思う。

栃木県の那須にハイキングに出かけた。

2021/02/27

今日は栃木県の那須にハイキングに出かけた。場所は三本槍岳という山の取り付き尾根の一つである大倉山というところである。尾根まで登るとなると本来はきつーい登りがあるわけだけれど、今回は楽々ハイキングだからスキー場のゴンドラを利用しての移動だ。山頂駅は午前中あいにくの天候で全く前が見えないような状況だったので、山を登るコースをあきらめて山を下るコースを取ることにした。足にはスノーシューをつけての移動である。誰も歩いたことのない新雪を踏みしめながら約4時間をかけて山を下っていくのは実に気分が良い。雪の上に寝転んで上を見てみると、いつの間にか青空が見えている。木々が揺れているのを眺めているとまるで森が動いているかのような錯覚を起こす。山岳部時代の雪山を思い出し窪みの斜面を利用して雪洞を掘ってみたら、意外と一人が寝ることが出来るくらいの広さを造ることが出来た。

自然を感じるには自然の中で過ごすに限る。環境問題などと口で言っていても都会の中だけではなかなかイメージできないものだ。険しい山も里山も僕たちの暮らしの中に近い存在ではない。川だって荒川を時々電車の中から見るくらいだし、海だって一年に数回見るだけである。環境問題が叫ばれる昨今、こういう時代に生きるものとして真剣に取り組むためにはやっぱり自然の中に身を置く必要がある。日本の山を守るために日本の木を使う、僕の会社では栃木県の木を使用するようにしているのだが、その結果豊かになる森の中にまさに身を置いているのだという実感が強く意識される瞬間だった。

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11時、川口市長面談。

2021/02/25

11時、川口市長面談。3月からいよいよ僕が実行委員長を務めている川口住みやすい街2年連続NO1記念川柳コンテストがスタートする。様々な住宅地の中から住みやすい街として2年連続で選ばれたことはやっぱり嬉しいことだし、こういう事を住んでいる人々がもっと意識をすることで、さらに文化的で暮らしやすい街になっていくきっかけになるのだと思う。この選考は住宅ローンの専用銀行であるアルヒさんがポイント制で公平に評価した結果だというから、例えば地価が上昇してしまえばそれがマイナスとなって次年度は選ばれなかったりもするらしいのだけれど、よりよい街へと変わっていけばそれくらいのマイナス点は吸収してしまう事であろうと思うのである。

街というのは生き物である。特に文化などという形のないものはイメージとして定着するまでに様々なきっかけが必要となるし、それを定着させるには多くの時間もかかるであろう。川柳のコンテストなどというのは一つのきっかけにすぎないわけだけれど、住みやすい街というテーマで何かを考えると言う事を多くの市民がやることは確実によりよい街をつくりたいという思いに繋がっていくと思う。そしてその思いが何らかの形になった時にそれが文化的な何かだったり、例えば街がきれいになる事だったり、例えば街が安全になる事などに、つまりさらに良い街に繋がってゆくのである。街は政治家がつくるものでも、行政がつくるものでもない。街はその市民のものだと思う。このイベントが少しでもそれに寄与してくれることを願う。

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15時、埼玉県川口市にて設計中の某家打ち合わせ。この家は江戸時代末期に造られたとても古い建築群を有していて、それを改修して住宅として利用しているのだけれど、この度その建築群を登録文化財に申請することを目指している。今日はご協力いただいている東京芸術大学の小林先生による所見が出来上がったと言う事で打ち合わせを行った。古い建築は絶対に造ることが出来ない町の文化遺産である。50年という時間は建築にとってはかなりの時間である。だってほとんどの建築は50年を過ぎる前に壊されてしまうのだ。江戸末期・・・、100年以上の時間を経た建築を再び作るには江戸時代末期から今までと同じだけの時間が必要なのだ。何とかその魅力を次の世代へとつなげていけたらと思うのである。

設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2021/02/24

午前中、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日は確認申請書類の提出前確認などを行った。この住宅では庭の工事を埼玉県内の造園屋さんの大石さんにお願いしている。建築の設計段階から造園の計画も行う事でより魅力的な庭を造ることが出来るように同時進行で進めている。人が暮らす住宅には緑が必要だと思う。クライアントの嗜好に合わせて適した緑を配置してあげることで初めて家づくりが完成するからこそ、優れた造園屋さんとのお付き合いは大切にしていきたいものである。

火災により被害を受けてしまったMさんの家の現場確認へ。

2021/02/22

午前中は埼玉県戸田市にて火災により被害を受けてしまったMさんの家の現場確認へ。周辺一帯が燃え尽きてしまうほどの大きな火災の現場の隣の建物なのだけれど、なぜかこの建物は燃え尽きることが無く一部が溶けてしまったり、はたまた焦げてしまったりの被害であった。ただこれだけの高温であぶられたとなると壁の中の炭化が起きている可能性もあるわけなのでもう少し詳しく調べてみる必要がありそうだ。それにしても、風下側の建物は本当に跡形もなく燃え落ちているのを目の当たりにすると、火災の怖さというものを改めて感じた。建築基準法には様々な防火に関する規制があるが、地域で定める規定を順守することはまさにこういう時に役に立つのだろう。

茶室を造りたいというご相談。

2021/02/21

午前中、埼玉県さいたま市にて茶室を造りたいというご相談。今回のご相談は茶道を楽しむためだけの建物として専用の茶室を造る計画である。茶室は通常8畳の広間と4畳半の小間の二つを造ることが多い。もちろんそれよりもさらに小さい2畳や3畳といった部屋もあるのだが、これらはどうしてもこういう小間をほしいという場合か、通常の広さだけでなくさらに多くの茶室を造るような場合に造ることの方が多い。8畳と4畳半の二つはいわゆる基本形なのだ。さてさて、どういう茶室がいいだろうか。

裏千家は京都市上京区小川通寺の内上る本法寺前町の表千家の北側にある。僕は表さんには入ったことはないけれど、裏千家の方には何度か足を踏み入れたことがある。最近数年間の全面改修工事を行ってきれいにお色直しをしたのだが、このコロナ騒ぎで工事の後は見たことがない。良く記念撮影の場として利用される正門は寄棟造り檜皮葺の端正ある様相をしており、いかにも茶道の宗家といった佇まいである。この門をくぐって一番奥の方まで進んでいくと、又隠という茶室がある。この部屋は四畳半本勝手で床の間は南面している。この茶室は宗旦の好みといわれているが、もともとはその宗旦が利休の4畳半を好んで造ったと言われているので、この部屋を見れば利休の4畳半を想像することが出来ると言われている。

この部屋の隣には水屋がある。この水屋の向こう側にあるのが寒雲亭という8畳だ。この部屋も宗旦が隠居するために造った部屋である。ふすまは「探幽の手違いの襖」と言われている。探幽がまだ若いころ、宗旦の不在中にこの部屋を訪問し白紙の襖に無断で絵をかいてしまったそうだ。まさに書き終わろうと言いう時に宗旦の気配に慌て、仙人の手を左右取り違えて書いてしまったそうだ。僕はこのエピソードを確か関根専務理事に伺ったと記憶しているのだけれど、薄くなって見えるか見えないかの江戸時代に書かれた絵がこんな風に残っていることに感動したことを覚えている。

4畳半と8畳の組み合わせを考えるスタートにまずはこの二つの茶室を思い出してみた。

各プロジェクト打合せ。

2021/02/19

朝礼終了後、各プロジェクト打合せ。

埼玉県川口市にて進行中のKさんの家が完成間近になってきた。この現場では壁の漆喰塗やタイル貼りなどのセルフビルドを取り入れているのだけれど、それらの作業も週に2回の作業日を順調に経て終盤戦に差し掛かっている。下の写真はセルフビルドでキッチンのタイルを貼っている様子だ。奥様と僕の奥様が一緒に作業をしているのだけれど、これくらいの広さの壁であれば、タイルを貼る作業自体は大体一日で終わることが出来るので以外にお手軽な作業である。セルフビルドで行う場合に設計で気を付ける点は、なるべくタイルを細かく加工しないで済むようにコンセントやスイッチなどを壁に着けないように設計する事である。完全になくすことは難しいけれど、すぐ横の壁に着けることが出来るような場合にはそうするだけで作業が断然楽になる。

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この家では天井や窓枠、階段の板や造作家具などに八溝杉を使用した。栃木県から茨城県にかけて採れる杉材はとてもきれいな木味をしており、いま日本で採れる杉材としてはかなり良質のものと言える。この杉の無垢材をふんだんに使用したKさんの家のオープンハウスを3月20日に開催する予定である。興味のある方は是非ご連絡いただきたい。

進行中のOさんの家の現場管理。

2021/02/17

埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の現場管理。Oさんの家では「健康住宅・森の生活ー仕様」の家づくりを行っている。この仕様ではベニヤ板やグラスウールなどの工業製品を使用しないで、国産の無垢材を中心に家づくりを行うのだが、断熱材はウールブレスという羊毛を使用したものを使っている。この断熱材は調湿作用があるのが特徴で、家1件分の断熱材でペットボトル150本分くらいの水分を吸収・放出してくれるというから驚きだ。グラスウールを使用する場合は断熱材に湿気を近づけないようにするという考え方なのだが、この羊毛断熱材だと湿気をあえて近づけて吸収してもらうという考え方になる。つまり全く逆の発想なのである。再来週くらいには断熱材の施工を行う予定なのでまたご紹介したい。

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ますいいでは、栗の板材を常備在庫として保管している。

2021/02/15

ますいいでは、栗の板材を常備在庫として保管している。栗というのは最近だと岩手県や北海道で採れるのだけれど、なかなか珍しいものになってしまってきているのでどこでも手に入るというものではなくなってしまった。僕はこの材料を玄関建具の枠材とかカウンター材として利用しているのだが、欲しいと思ったときに注文するという従来の手法ではまず手に入れることはできないので、丸太を購入して製材し1年間寝かして乾燥させ、いつでも使うことが出来るようにしている。

僕がよく購入する栗の木は直径60センチほどの丸太が多い。その丸太を大体27㎜程でスライスすると、10枚くらいの板材と2本の角材が手に入る。角材は丸太の芯の左右の部分であるが、この部分は玄関枠、框などの太い材料に利用できる。丸太の価格は製材まで入れて1本3万円ほどだ。この金額は驚くほど安い。慣らすと立米当たり25万円程度の原価なので、みんなが造作材として利用しているスプルスなどの材料とそう変わらない。ただこれを使って木取をしてみると実際に使用出来るのは50%程なので、立米当たり50万円程度の予算を見て置けばよいという事になる。これもまたスプルスなどと変わらない金額なので、つまり何が言いたいかというと栗というのは丸太で購入して保管しておけば決して高価な素材ではないという事なのである。

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家族で畑の土づくりを行った。

2021/02/14

今日は家族で畑の土づくりを行った。この時期の畑では基本的に新たな苗などを植える作業はできないのだが、3月の彼岸過ぎに行うジャガイモの植え付けなどを行うための土を造るなどの準備作業だけはやっておかなければならない。腐葉土と鶏糞を購入し畑にまいて耕運機で耕すという結構な重労働なのだが、みんなでやればそれほどでもない。2時間ほどで写真に写っているスペースが終了した。耕運機をかけると近くの木からたくさんの鳥たちがやって来る。土の中に隠れている虫をついばみにやってくるのだが、一体どこに隠れていたのやらというくらいに多くの鳥たちがいる。冬の寒い時期、掘り起こされた虫たちはきっと鳥にとっては大変なごちそうなのだと思う。

大根をもってポーズをとってるのは中学2年生の次女である。この時期の収穫は少ないけれど、大根と人参だけは採ることが出来た。こういう姿を見ていると畑作業はいいなあと思う。土を耕して自分達が食べるものを造り、自分たちで収穫してそれを料理して食べるという一連の流れは、とても当たり前の古くから続く事なのに、今の都会の生活ではなかなか体験することが出来ない特別なことになってしまっている。人間の体は食べるものでしか構成されないわけで、そういう基本的な事を再認識できる機会は大切にしたいなあと思うのである。

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一昨日ストーブを設置してから毎日薪を焚いている。

2021/02/12

一昨日ストーブを設置してから毎日薪を焚いている。ストーブを設置してから僕にとってはこの空間がとても居心地の良いものとなった。朝、火をつける瞬間が楽しみで何となくいつもよりも早くアトリエに行きたくなるくらいにである。今後はますます、ストーブをお勧めしたくなったから、今日はそんな話を書きたいと思う。

住宅には重心があると良い。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れて生まれるひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思う。

蒔きストーブを注文住宅に取り入れるために、とどのようなことを事前に決めておけば良いか。そのタイミングは?

ストーブを入れるかどうかは初めに決めた方が良い。ストーブにふさわしい場所を設計するにはやはり初めから決まっていた方がやりやすい。
ストーブには薪ストーブとペレットストーブの2種類がある。薪が手に入るのであればもちろん薪ストーブの方が良いのだが、その入手が難しいなどの理由があればペレットでも同じような雰囲気は味わえる。薪ストーブに決定したら、次は機種の選定だ。輸入品の場合は鋳物製であることが多く、国産の場合は板金で造られていることが多い。これはストーブの文化の違いだと思う。国産のストーブの場合、MOKI製作所の様にスギやヒノキ竹といった日本で手に入りやすい樹種を燃やすことを前提として制作しているものもある。これはどのような樹種の薪が手に入りやすいかという問題と関連してくるが、もしも近所の山で薪を手に入れるなどというのであれば針葉樹の方が手に入りやすいかもしれない。

機種を決めたら煙突の出し方を決める。煙突の位置は機種によって異なるので決まったらストーブの図面を入手する。煙突は2年に一度くらいは掃除をしなければいけないので、屋根に上りやすいような設計をしておく方が後々の為である。あまりに急こう配で屋根の上に立つことが出来ないというような設計は避けるべきであると思う。

ペレットストーブの場合煙突というよりは、排気ガスを出すための管を壁から出すことになる。これは煙突ではないので、屋根の上まで上げるような工事は必要ない。こちらも定期的な清掃の為にテラスなどから手が届くところに設置することをお勧めする。

朝からセルフビルド講座を行った。

2021/02/11

今日は朝からセルフビルド講座を行った。コロナ禍と言う事で人数を絞っての開催なので、先月に引き続き満員御礼のご参加である。講座前半は僕のレクチャーである。今日は前回よりもセルフビルドの事例を増やして、様々な種類の工事を出来る可能性をご理解頂けるように話をした。

例えば珍しいセルフビルドの事例ということで一つご紹介しよう。ますいいでは和紙を漉いて自分で壁の仕上げとして貼るという工事を行うことが出来る。埼玉県の川島町にある岡崎さんの工房では一日がかりで天然素材の色で染めた和紙を透かしてくれる。1人工お支払いすれば当日現場に来て壁に貼る作業も手伝ってくれるのでとても良い。ビニルクロスのごとき製品に比べると完全にオリジナルの壁紙、本当に愛着のわく仕上げとなる。

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約1時間のお話の後はタイルを貼って鍋敷きを造るワークショップを行った。今日の皆様はなかなか粘り強く2時ごろまでの作業であった。小さな鍋敷きも、大きくすればキッチンの壁となる。まずはお手軽な体験をと言う事で始めた講座だがすでに4月の募集まで入っている人気講座となっている。興味のある方は早めのお申し込みをお願いします。

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午後、埼玉県川島町にて家を造りたいというNさんの土地下見。偶然にも以前造ったアスタリスクカフェの100m程先の敷地だったので、Nさんご家族と一緒にカフェでコーヒーを頂くことにした。Nさんもこのお店には何度も来たことがあるというので、僕が紹介するまでもなくすでに顔見知りだったのだけれど、カフェと皮工房の相乗効果も期待できるとても良い条件の敷地だったように思った。

薪ストーブの設置工事を行った。

2021/02/10

今日は朝から薪ストーブの設置工事を行った。まずは煙突工事である。3階建ての建物に煙突を設置する場合、やっぱり煙突は3階の屋根の上まで出さなければならないわけで、そうすると全部で10mくらいの長さになってしまう。ストーブ工事というのは実はこの煙突が一番コストがかかるのであるけれど、しっかりとした工事を行わないと煙道火災の危険もあるのでやはり信頼のできる工事店が重要だ。

今回の様にリフォーム工事で薪ストーブを設置する場合、その部屋から煙突を外に出すための外壁の穴あけが必要だ。普通の木造の建物であれば壁に450角の穴をあけることは容易である。この穴にめがね石という断熱性のある部材をはめ込み、その石の真ん中に空いている穴を煙突が貫通する事となるわけだ。ますいいの事務所の場合には深い軒の出がある屋根なので、屋根の上に煙突を出すためにはその屋根に穴をあける必要があった。この工事は通常の軒の出の住宅の場合には不要であるが、屋根に穴をあける工事となるとやはり雨仕舞をしっかりと行う必要があるので注意が必要だ。

あらかじめ大工さんや屋根屋さんが工夫して開けてくれた壁と屋根を穴を利用して、煙突を施工する事数時間、午後に入りいよいよ薪ストーブの組み立てである。今回導入したのはMOKI製作所のMD80だ。このストーブは煙が出にくい構造となっているので、町中に設置する場合にはとても良い。工事が終わりいよいよ点火である。ますいいリビングカンパニー初のストーブ、とても心地よい雰囲気だ。火を見ているといつまでもここで過ごしていたくなる。明日はセルフビルド講座、早速来てくれた方に焼き芋でもふるまうとしよう。

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栃木県那須烏山市に来ている。

2021/02/06

今日は朝から栃木県那須烏山市に来ている。家族が雪山を歩いている間に、僕はとある材木屋さんに材木の買い付けに向かった。以前から日記などに書いているが、この栃木県ではとても良質の杉が採れる。八溝山系の八溝杉と日光杉が有名なのだが、栃木県に右と左のどちらもとても良い杉の産地だ。僕が住んでいる川口市からは東北自動車道一本で行くことが出来るし、時間も1時間30分程しかかからない。とても近くにある名産地なのである。僕がわざわざ山と直接交渉する理由は、少しでも安く提供したいからだ。山で採れた丸太は製材所に運びこまれて製材される。その材料は市場に卸され、そして材木屋さんに売られて、最終的には工務店に売られてくる。でもこういう流通だとどうしてもモノの値段が高くなる。いいものは高いのは当たりまえだけれど、いいものでもなるべく源流で購入すれば安く買える。値段を上げずに家の質は向上する、こんなに良いことはないのである。

夕方よりキャンプ。誰もいない河原近くのベースでゆったりとした時間を過ごすことが出来た。今日も氷点下3度まで冷え込んでいるが、やっぱり冬のキャンプはいいなあと思う。

進行中のKさんの家のセルフビルド立ち合い。

2021/02/04

朝8時、埼玉県川口市にて進行中のKさんの家のセルフビルド立ち合い。先週から始まっている漆喰塗のセルフビルド作業の一つである養生のテープを張る作業のスタートに立ち会った。養生テープというのは作業をしているときに窓枠や床などを汚さないようにするためのものである。なんだか目立たない地味な作業だけれど、実はプロにとっては漆喰の仕上げ塗よりもこちらの方が重要な作業であるのだ。プロの左官屋さんの場合は漆喰を塗りながらその場でこのテープを取ってしまうので、テープを丁度良い所で取り外すことが出来るように塗る方向と距離を計算して養生をする。セルフビルドでもこういうコツを習得すると作業が早くきれいにできるので大切なところである。ますいいのセルフビルドの場合、細かい部分は左官屋さんが現場で直接指導をしてくれるので安心だ。皆様もぜひ挑戦してほしい。

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Oさんの家のリフォーム工事の家払いに参列。

2021/02/02

10時、埼玉県川口市にて行うOさんの家のリフォーム工事の家払いに参列。リフォームの前に行うお払いのようなもので、地元の氷川神社さんをお呼びしての神事である。内容は新築工事の際に行う地鎮祭に近い。僕が現場につくとすでにOさん親子がすでに現場に到着している。神主さんも荷物を運び入れるだけのところまで準備を進めていた。みんなで祭壇を組み、いよいよ神事のスタートである。

住み継がれる住宅が増えていく中でこうした神事はなんとなく必要なものだと思う。科学的根拠があるわけではないのだけれど、人間なんてそもそも科学的にはできていない。心というのは様々な感情の入ったコップのようなもの、その中身次第で楽しくもなるし悲しくもなる、そして体を壊したりの現象にもつながる。その心を良い方向にコントロールしてくれるものこそが、これまた人間が創造した宗教というものであり、その中でも神社で行う日本古来の神事というのは、とても暮らしに密接した慣習のような儀式となっているのだ。お払いが終わり、なんとなく場が清らかになったような気がする、この感覚こそがとても大切なのだと思う。

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事務所の屋根に穴をあける工事がスタートした。

2021/02/01

今日から事務所の屋根に穴をあける工事がスタートした。屋根に穴をあける理由は、薪ストーブの煙突を貫通させるためである。事務所の1階にストーブを設置し、外壁に出した煙突を軒裏から屋根を貫通させて上まで伸ばす、さらにその煙突掃除を年に1回屋根の上から行うことができるようにするために、バルコニーから屋根の上に上がることができるハッチを設置するという二つの穴あけ工事なのである。ガルバリウム鋼板の屋根に穴を空けるというのは僕自身初めて行った工事だけれど、大工さんと板金屋さんが力を合わせて雨仕舞もよく出来上がった。新築工事ではありえない、リフォームならではの創意工夫であった。

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緊急事態宣言下でどこにも行くことができない

2021/01/31

日曜日。緊急事態宣言下でどこにも行くことができないのだが、なんとなく家での楽しみ方にも慣れてきたように思う。僕の場合は家で仕事をすることも多く、というより仕事と私生活の境目がほぼ無いような状況なのであるけれど、もともと家というのは人々の職や暮らしと深く結びついているものなのであるから、これが自然な姿なのかもしれないとも思うのである。今日は先日購入したスノーピークのテントを家の中で試しに建ててみたりのよくわからないことをしていたのだけれど、こういうことも意外と楽しいものだ。

なんとなく気分はアウトドアになってきたので久しぶりの庭でのバーベキューをしてみたのだが、寒い中でのバーベキューもなかなか良いものだ。さすがに焚火をするわけにもいかないから、延長コードで電気ストーブ、持ち運び式のガスストーブを二つ稼働して暖を取ったら意外と暖かかった。夜の7時を過ぎるとなんだか急に冷え込んできた。都会の夜でもやっぱり自然の中と同じように気温は下がるのだ。コロナの影響が今後どんな風に出てくるのかわからないけれど、いつでも楽しむ心だけは大切にしたいと思う。家で楽しむことができれば、こういう危機もきっと乗り越えることができると思うのだ。楽しい家・・・、これからの設計の大切なテーマとなるような気がするのである。

坂戸の家の取材立ち合いを行った。

2021/01/30

今日は埼玉県坂戸市にて建てた坂戸の家の取材立ち合いを行った。この住宅は埼玉県の坂戸市に土地を買いたいというお話を相談されて実際に土地を見に行くところから家づくりが始まった。確かこの土地の前にもう一つほかの土地の下見にも行ったのだけれど、その土地はとても高い崖の上の土地だったのであきらめたことを覚えている。それに比べて計画地は、周りを家に囲まれてはいるけれど視界が開けていて、とても気持ちの良い庭を造ることができそうな土地であった。土地との出会いは結婚みたいなものだと思う。なんとなく直感的に良いなあと思う土地、そんな土地と出会うことができることはとても幸せなことだ。

しばらく奥様とお話をした後に敷地の中央に立ち周りを見渡しながら、こんな家があればいいなあの思いをスケッチにしてみた。ここにはL字型の平屋の様なのびやかない住宅を造りたい。庭と自然につながっていて、京都のベニシアさんのような自然を大切にした暮らしを造ってあげようと思いペンを走らせた。ベニシアさんの暮らしぶりがNHKで放映されてた時期に、どうして日本人よりも日本人らしい暮らしぶりをしているイギリス人がいるのだろうかと思いながら見ていたことを思い出す。国籍など関係ない、つまりは自然のものや植物を大切にしたいと思う思想、そういうものがあふれている人に特有の何かが魅力となっていたのであろう。

リビングの中央には薪ストーブを設置している。家の中央にはやっぱり火があると良い。本当の炎を眺めながら過ごしているとあっという間に時間が経つ。こういうことこそ、豊かな暮らしを造るために欠かせない大切なものだ。ストーブの上には吹き抜けがあり、2階の子供室と緩やかにつながる。家のどこにいても重心である庭に意識が向けられる配置計画とすることで、家族の一体感が育まれる住宅を造ることができた。

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モルタルの内装はセルフビルドによるものである。漆喰と同じような要領で仕上げるのだけれど、ランダムな風合いがとても良く仕上がった。

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ダイニングテーブルも大工さんの造作によるものだ。材質は栗、もちろん僕が昨年丸太で仕入れたものである。下の写真は大工さんの加工の様子。まるで家具屋さんの加工技術に感服である。

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屋根の上にはウッドデッキを敷設した。天気の良い日にはここで寝転がりながら日向ぼっこができる。

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とても良い家ができたので雑誌の発売の前に皆様にご紹介する。初めて出会った頃は赤ちゃんだったお子様が今では立派なお姉さんになっている。次に会う頃はたぶん4歳かなあ、この家とともに健やかに育ってくれればいいなあと思う。

夕方、千葉県鎌ケ谷市にて住宅を検討中のMさんご家族打ち合わせ。前回の打ち合わせで庭に置いてあった薪ストーブを見て、薪ストーブを設置したいとの申し入れがあった。なんでも小学生のお子様がとても気に入ってくれたようなのだ。やっぱりストーブは大人から子供まで誰にとってもいいんだなあと改めて感じた。

設計中のHさんの家の見積もり打ち合わせ。

2021/01/29

午前中埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の見積もり打ち合わせ。今日は第2回目の減額案の打ち合わせである。もともとできるところはなるべく住み始めてからセルフビルドで行いたいというHさんの家では、できる限りのコストダウンのために結構多くのセルフビルド工事を取り入れた。壁の漆喰塗りはもちろんのこと、薪ストーブ置き場に貼る予定の石工事、水廻りの壁に提案しているタイル工事、多目的室の壁や天井の塗装工事などなど・・・、今回の減額案では大体100万円弱の減額ができた。

自分の家は自分で建てるという理念はとても大切な考え方である。もちろんすべての工事を自分自身でできるはずなどないのだが、「自分の家はどのようにあるべきかを真剣に考えて設計図面を僕たちと一緒に生み出すこと」、そして「工事の中で自分自身でできる部分はなるべく自分で行うこと」は誰でもできる事だ。ただ単にコストダウンのためだけではない。家に対する愛着がわき、メンテナンスを自分でできるようになり、さらにはいわゆる金銭のための労働ではない、本当に自分の家を造るという有意義な労働を行うことができる数少ない機会を手に入れることができるのである。一生自分自身が暮らす場所を自分自身の手で造るという住宅の限られた世界の中だけで許されるセルフビルドこそ、人生の中でも最も素晴らしい機会だと思うのである。

14時、商工会議所MOVE取材。川口商工会議所の機関誌の中にある紹介ページでますいいリビングカンパニーの取り組みをご紹介していただけるという大変嬉しい機会をいただいた。約2時間のお話の後終了。

17時、Mさんの工場、ギャラリー内装工事のプレゼン。古くなった内装をすべて壊し、外壁に面する汚れたサッシなどが内部に見えてこないように内側に化粧壁を立ち上げ、窓の明かりを取り入れる部分はパースのように壁とフラットに設置された建具にデザインされた切り込みを入れるという工夫を施している。画家のMさんご自身もとても気に入ってくれたようで何よりであった。早速見積もりの作成に取り掛かろうと思う。

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セルフビルドの中でも石やタイルを貼る工事

2021/01/26

セルフビルドの中でも石やタイルを貼る工事は最近特に多いように思える。キッチンの前や洗面所の前にタイルを貼るのはすごく大変だと思っていたのだけれど、タイルを適正な大きさにカットすることができればそれほど大変な作業ではない。タイルのカットにはタイルカッターという工具を使用するのだがますいいが所有しているLIXILのカッターはとてもキレが良くて使いやすい。カッターナイフのような安価な商品もあるようだけれど、こういう工具は多少高くともよいものを使用したほうが良いようだ。

石貼りの場合はカッターでは切ることができないのでサンダーを使用することになる。サンダーというのは小さな丸い歯が回転していろいろなものを切ることができる道具のことで扱いには少々注意が必要だ。薄い石の場合はタイルと同じくタイルボンドで貼ることも出来る。写真は薪ストーブの周りの延焼防止壁の施工の様子である。部屋の中のワンポイントとなるこうした工事もセルフビルドのお勧めの工事だ。

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数年前に造ったSさんの家の子供室間仕切り壁増設

2021/01/22

夕方、埼玉県川口市にて数年前に造ったSさんの家の子供室間仕切り壁増設に関する相談に向かう。もともと将来子供室を二つに分けることができるように、天井と床に下地を入れておいたので、大工さんによる作業を行えば簡単に壁を造ることができるようにしてある。今回は柱を立てて、その両側に壁を貼るのではなく、片方だけにシナ合板の9mmを貼り反対側からは本棚として利用できるように工夫することにした。柱の厚みは105mmである。この厚みを利用するとちょうど単行本が収まる奥行きが確保できる。壁の床から天井までと言いうと結構な段数が確保できるので子供室の造作としては最適の答えだ。コロナで家にいることが多い時代、なるべく早く快適な空間を作ってあげたいと思う。

進行中のKさんの家にてセルフビルド作業の立ち合い指導

2021/01/21

埼玉県川口市にて進行中のKさんの家にてセルフビルド作業の立ち合い指導を行った。この現場ではほとんどの壁と一部の天井の漆喰仕上げをセルフビルドで行う予定である。今日はその作業の第一弾、ジョイントテープを貼る作業を行った。ジョイントテープというのは石膏ボードの継ぎ目に貼るメッシュテープのことで、それを壁に貼るだけの作業だから指導というほどのことでもない。でもそれでも初めからこういう風にやっておけばよかったと後悔するようなポイントはあって、例えばコーナーになるボードの小口にどのように貼ると良いかなどの細かい部分についてのコツを指導させていただいたところである。

現場では大工さんがまだ作業を行っている。すべての壁を作業することはできなかったものの、それでも全体の1/4ほどの作業は終えることができたようだ。次の作業はパテ処理である。パテ処理の工程には左官屋さんの補助人工を見込んでいるので作業はおそらく1日で完了できるであろう。すべての作業を自分でやるのはなかなか大変なこと、だからますいいではセルフビルドにプロの左官屋さんの補助人工を見込んで、プロとセルフビルドのコラボレーションで行うようにしている。最後まで楽しんで作業を行うことができる事もまた大切な条件だからこその工夫なのである。

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(テープを貼っているKさん)

各プロジェクト打ち合わせ。

2021/01/20

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時、マイシティージャーナル山田さん打ち合わせ。川口市で古くから続く地域コミュニティー誌を運営している山田さんとは地元の団体を通して知り合った。最近もますいいのイベントなどを告知していただいたりの大変お世話になっている方である。紙媒体がだんだんと減少している中で、こういう活動は逆に貴重になっているように感じる。ますいいも地域密着型の会社として微力ながらもお手伝いをさせて頂ければと思っている。

13時、埼玉県川口市にて登録文化財の認定に関するお手伝いをさせていただいているSさんの家にて調査業務を行った。今回学術的な調査のお手伝いをしていただくのは東京芸術大学の小林先生である。Sさんも立会いの下まずは外観からの調査を開始した。外壁に面している木をよーく見てみると、年輪に沿って浮き上がって見える浮造りのようになっている柱と、平滑な木の仕上げ面のある柱の2種類があることがわかる。まさか柱で浮造りなどするわけがないわけだから、こういう状態に自然となったということである。つまりは経年変化で風化した結果、木の表面の柔らかい部分がへこんで固い部分が浮き上がったように見えるということだ。こういう変化を見て、この柱は少なくとも江戸末期から明治初期に建てられたものであるということを予想する、それが今回の調査業務の様相である。

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中に入るとそこには土間が広がっている。昔はこの土間で煮炊きをしたり、いろいろな作業をしたりした。今はいわゆる玄関といて利用されている。土間には同じく古い柱があった。その柱をよく見ると四角い釘が刺さっている。この釘は和釘と呼ばれるもので、1870年ごろに今僕たちが普通に使用している頭の丸い西洋の釘が輸入されるようになるまでは普通に使われていたものとのことだ。和釘があるということは、その時期に造られた建物であるとの予想、文化財の調査とはまるでミステリーハンターのごとく進んでいくのだ。

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内部の調査も梁についた傷や、階段のあったであろう跡などを見つけてはそれに対して考察をしていくの楽しい時間であった。約2時間建物ハンターを楽しんで終了である。今回の調査の写真はすでに改修工事を行っている母屋のものだが、この建物群の中にある古い離れは文化財のカフェなどとして利用できるようにリノベーションをしていく予定だ。こうした歴史を感じることができる建築が街並みを変え、変わっていく街並みは、街全体の価値までもを変えてしまう力があることは、すでに数々のまちづくりの事例で明らかである。自分たちの街を少しでも良い街にしたいの思いを持つクライアントと協働して、少しずつでも実現していきたいと考えている。

設計中のHさんの家打ち合わせ。

2021/01/19

14時、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家打ち合わせ。今日は見積もり打ち合わせの2回目と言いうことで減額提案などについての打ち合わせをさせて頂いた。

Hさんの家では国産材を使用する家造りを設計している。国産材を使用することは日本の林業を守るためにはとても大切なことで、適齢期に入っている材木を伐採し山の循環を造り上げることにダイレクトにつながる行為だ。適正な循環が回復すれば、毎年各地でみられる土砂災害なども防ぐことができるだろう。日本の山林の大半を占める人工林の保水を機能させるためには、間伐などによって森林を育てる手入れを定期的に行う必要がある。植栽後も下刈りや除伐、間伐、主伐など手入れを継続することで、残存木の幹は太くなり基岩層の亀裂に根を張り、地盤の浸食や崩壊を防ぐ機能を取り戻すそうである。

少しでも持続可能な社会をつくるためにますいいとしてできることはないかの一つの答えが国産材の使用だ。大工・左官といった職人さんたちの手と、国産の良質の素材を組み合わせ、洗練されたデザインの住宅を自由に造るというのはなんと素晴らしい行為かと思う。そもそも外材を使った構造に、工業製品のアイテムをくっつけて、最後にビニルクロスを貼っておしまいの職人レスな建築の造られ方はだんだんとなくなっていくような気がするのである。

住宅着工数の予測値がある。野村総研によると2040年には持ち家や分譲、賃貸を合わせて40万戸程度の着工数になるのではないかと予想されている。ちなみに2020年はコロナウィルスの影響で落ち込んで前年88万戸だったものが73万戸になったそうだ。このうち持ち家の数は24万戸である。全国で24万戸、しかもこれには建売も入っている。こういうことを考えると大量生産大量消費をする必要性自体がなくなってきていることに気が付く。そもそも少ししか造らないのであれば、どこかの段階で大掛かりな設備投資が必要な工業化住宅の造り方よりも、職人さんの手にる造り方のほうが生産性が良いという事態に転換するはずである。本当に必要なものだけを丁寧に造り長く使用すること、建築もそういうものでなければいけないと思うのである。

知人のYさんのお招きで茶事に参加

2021/01/18

今日は、知人のYさんのお招きで茶事に参加させていただいた。茶事といっても何のことやらという方も多いだろう。茶事というのは懐石料理を食してから濃茶と薄茶をいただくという会合のことで、いわゆる茶道の最も本格的な形といわれているものである。たいていの場合は少人数で行われ、時間にして4時間弱、とても濃密な時間を過ごすことになる。

今回お招きいただいた場所は埼玉県さいたま市にあるYさんのご自宅である。実はこのご自宅、いわゆる庭のある大豪邸の茶室というのではなく普通の集合住宅の1階だ。その住戸のベランダを路地にしたり、廊下のようなスペースを待合にしたり、普段は寝室にしている6畳の和室を茶室として使用し、様々な工夫をしながら茶事をするという創意工夫の設えにまず感動であった。さらにはYさんらしいこだわりの道具を用いての茶事ということで大変楽しませていただくことができた。

なんだか茶道というと庭付きのお寺さんや大きな豪邸というイメージがある。でもそんなもの普通の人はまず手に入れることはできないわけだから、自宅で茶事などということはあんまり思いつくものでもない。でもYさんのように集合住宅の1階でも工夫次第でこんなにも素晴らしい茶事を行うことができるということを実演していただくと、なんだかとっても勇気がわくものである。これなら僕にもできるかも・・・、そういう思いにさせて頂くためのお招きであることは十分承知していたのだけれど、本当に心からそう感じることができた。和の文化は日本人皆の中に育てていくものであるということはわかっていても、やっぱり文化は一部の富裕層のものになりがちな側面もある。普通の家でもできる茶事!!とても素晴らしい体験に心より感謝であった。

今日は特に外出する用事もなく家でゆっくり

2021/01/17

日曜日。朝目覚めると6時だった。今日は特に外出する用事もなく家でゆっくり過ごすことができる。会社に関する書類の作成が残っていたので10時ごろまで集中して作業を行っていると、ようやく家族が起きだしてきた。休みの日の朝は寝坊するもの、僕も昔はそんな風に思っていたはずなんだけれど、いつの間にやら一人で集中して何かをする時間に変わっている。電話にも邪魔されず一人でものを考える時間というのが、意識はしていないのだけれど、とっても貴重になったということなのだろう。

昼頃、娘たちと一緒に食料品の買い出しに出かけた。みんながいるので1週間分の買いだめができる。近所にあるショッピングセンターはいつもとそんなに変わらない人がいるようで、緊急事態宣言中の緊張感のようなものはほとんど感じなかった。みんな日常を過ごしているのだ。夜の会食は日常ではないからそれほど強く意識しなくとも我慢ができる。でも、日曜日の昼下がりに広場やショッピングセンターに行くことはなかなかやめられるものでもない。もし本当にこの状況を制限するならもう少し強い規制が必要なのだろう。

そのあとは読書の時間である。今日は星野道夫「長い旅の途上」を読了。星野道夫さんのエッセイ集には、しばしば心を揺さぶる言葉が登場する。こういう本を読むことは何よりも自分の心を豊かにする行為だと思う。外に行かなくとも自分を磨くことができる手段はある。こういう時だからこそなるべく前向きに、そうしたことに時間を使うように心がけようと思う。

新築住宅を検討中のMさんの家打ち合わせ。

2021/01/16

10時、千葉県鎌ケ谷市にて新築住宅を検討中のMさんの家打ち合わせ。今日はMさんと奥様、そしてお母様の3人で会社に来てくれた。お客様の到着に合わせて茂木ストーブを庭で焚いていたのだけれど、茂木の薪ストーブが燃えている様子にも興味を持っていただいたようで何よりであった。今回はご両親の代から住み続けている古い住宅をローコストで建て替えたいとのご相談でああったが、もし気に入っていただければいずれ薪ストーブも導入していただければよいと思う。家の中に本当の炎があるというのは、何よりもの贅沢だと思うからだ。

まずは第1回目のプレゼントして、30坪程度のプランを作成させていただくことにした。Mさんたちはますいいのお客様らしい、自分の家は自分でなるべく作りたい人々であった。プランもある程度は描いてきてしまっているし、工事だってできる限りセルフビルドを取り入れたいと考えている。自分の家は自分で作るの考えがある方のローコスト住宅はとても魅力的なものになることが多い。なぜなら高い理想とそれを実現させるための頑張りがあるからである。今回も魅力的なローコストが実現することは間違いない。是非良い家づくりにご協力できればと考えている。

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午後、埼玉県坂戸市の周辺に中古物件もしくは土地を探しているNさんご夫妻打ち合わせ。ご主人は皮を使ったものつくりの人で、新たに工房兼ギャラリーを併設した住宅を持ちたいと考えている。奥様は今のところお勤めだけれど、いづれはご主人と一緒にカフェなどを営みたい。埼玉県の川島町にあるアスタリスクカフェを見てきていただいたということなので、午前中に引き続きまた、自分の家は自分で作るの種族の方である。まずは物件探しからということで、長いお付き合いのスタートというところであった。

打ち合わせを終え、夕方薄暗くなってきたころにストーブを眺めていた。薪ストーブの炎を見ているとなんだかいつまでも飽きないから不思議である。早くこの建物に本格的に導入できるように工事の方を進めていきたいと思う。

鋳物屋さんの事務所にて打ち合わせ。

2021/01/13

朝礼終了後、地元の鋳物屋さんの事務所にて打ち合わせ。地元の大学の先輩であるMさんのお父様の絵を展示するギャラリーのような場所を、事務所の2階にある現在は使われていないスペースに造りたいというご相談である。もともとは従業員さんが住み込みで働いていた時代の住宅だった場所だから、どことなく住宅らしい間取りが断片的に残っている。今回はギャラリーとして利用できるようにほとんどの間仕切り壁などを取り払い、北側の光が安定して入り込むようなスペースとしてリノベーションしたいと考えている。

午後、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の縄張り作業。大きな畑の一部分を宅地に転換してつくる住宅である。敷地には柿の木とかキンカンの木などが植わっているのだけれど、そのうち何本かは移植をしてもらう。でも大切な木々は伐採するのではなくあくまで移植するわけで、今後の庭づくりのポイントとして大切に育てられていくことだろう。家は外構にある緑と合わさることで初めて、何とも言えない魅力が生まれるものである。縄張り作業の終わるころにはHさんご夫妻と植木屋さんのOさんが来てくれた。地面に打たれた杭を頼りに建物の姿を想像しつつ、これからの暮らし方についてのお話をすることが出来て何よりであった。

栃木県の知人が茂木ストーブの薪ストーブを体験

2021/01/11

今日は栃木県の知人が茂木ストーブの薪ストーブを体験用として持ってきてくれた。茂木ストーブというのは長野県にある国産のストーブの会社で、海外のもののように鋳物ではなく鉄板を加工して作っているストーブである。ますいいの事務所にも薪ストーブを設置したいということで準備を始めているところだ。

ストーブの火というのは見ていてとても心地が良いものだ。火を見ていると、いつの間にかそれを眺めているだけで時間が過ぎてしまう。それに焼き芋を焼いたり、鍋を温めたりの料理にも使用できるのである。ますいいの場合は現場で発生したあまり木を薪として利用できるので燃料代も抑えられるし、その分環境にも優しい暖房ということにもなるので一石二鳥だ。問題は煙突屋さんである。知らない煙突屋さんに工事をしてもらい乃はあまりにも心配なので、川口市でいつもストーブの工事をお願いしている伊藤さんにお願いすることにした。

下の写真は埼玉県坂戸市にて薪ストーブを設置したYさんの家の様子である。ストーブの煙突が屋根の上に出ている様子も僕の大好きな景色である。寒い季節、特に雪の日などに煙突から出る煙にはどことなく人の温かさを感じるような気がする。

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セルフビルドのあれこれと題した講座

2021/01/10

今日は朝10時よりセルフビルドのあれこれと題した講座を開催させていただいた。初めの1時間は僕のこれまでのセルフビルドの経験をお話させていただくレクチャー、そのあとの2時間はモザイクタイルを使用してシナ合板の上にタイルを貼る鍋敷きつくり体験の2部構成という内容である。タイル張りというのは近年とても多く採用されるセルフビルドの内容である。タイルという素材はインターネットなどでも安価に購入できるとてもポピュラーなものであるが、タイル職人さんというのはだんだんと高齢化が進み、かつ人数が減っているとても貴重な分類に入る。施工費がとても高い職種であるから、セルフビルドを採用した時のコストダウン効果は大きくなるわけである。新築工事の中では主にキッチンの前、洗面所のシンク廻りなどに多く採用される仕上げである。小さな鍋敷きでの体験も、そのままサイズを大きくすればこれらに応用できるものとなるので是非体験していただきたい。このレクチャーは今後も月に1回(次回は2月11日)開催していく予定としている。

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午後、今日は所属している裏千家の社中の初釜に参加した。とはいうものの、この事態の中での開催ということである。今回は食事は無しで濃茶と薄茶を各自で点てていただくという非常に簡略化した形での開催となった。いつものような初釜は行うことはできないし、1月のお稽古はお休みという残念なお知らせの会となってしまったが、でも年の初めにせめて顔を合わせることができただけでもよかったと思う。当たり前のことに感謝、まさにそんな一日であった。

今日から仕事始め。

2021/01/06

今日から仕事始め。いつもより少し早めに会社につくとすでに皆来ているようだ。なんとなく新年のスタートは気持ちが落ち着かないもので、少しでも早く準備をしたくなるものなのかもしれない。今年は例年ある新年会の類がすべて中止となってしまったので、これといって出かけるところはない。何もなくとも普段と同じような時間が流れていることを考えると、本当に必要だったものとそうでもなかったものと両方あるんだろうなあというような気もしてくる。こういう時に、実際に合う回数は減ってしまったものの、これまでより強い結びつきを感じることができるような人もあったりするのが面白いものである。

現場はすでに動き出している。今年も頑張っていい家を造っていきたいと思う。

今日は9時から僕の家に集まっての会議である。

2021/01/05

今日は9時から僕の家に集まっての会議である。何の会議をしたかというと、この春に開催する「住みやすいまち2021年 第1位」を記念しての川柳コンテストを開催するにあたっての計画を立てるための会議を行った。この住みやすいまちのランキングは、住みたいまちではなくって、あくまで住みやすいまちである。何が違うかというと、理想と現実の違い、つまり土地の価格や治安、物価、東京へのアクセスなど様々な条件を勘案した結果の住みやすさを考えた場合のNO1ということなのだ。実施しているのがアルヒという住宅ローン専門の銀行だというから、こうした事情とローンの販売実勢がリンクしているということなのであろう。

でも、もともと川口市に住んでいる僕たちとしては、やっぱり住みたいまちにしていきたいと思う気持ちは変わらずにあるのだ。

理想と現実でいうところの理想にしたい、そのための文化、そしてそのための建築デザインなんだという自負を持って仕事をしている感覚はかなり強く持ち続けている。住宅というのは外から見ればまちの景観そのものと言えるからこそ、景観をさらに良くするようなデザインに価値があるわけだと思うし、そういう街並みを造ることでそこに住んでいる人だって街をもっと好きになることができるのだと思う。住みやすいまちに住んでいる人たちが、どんな言葉を考えてくれるか、その中にある住みたいまちになるためのヒントを今後のまちづくりに生かしていけたらと思うのである。

明日からはいよいよ仕事始め、また新しい一年が始まります。皆様どうぞ今年もよろしくお願いします。

朝目覚めると、確かに寒い。

2021/01/04

朝目覚めると、確かに寒い。外の気温はマイナス7度というから当然である。でも風もないし、これくらいなら焚火に当たっていれば快適に過ごすことが出来る。火を起こしコーヒーを入れて過ごしているとぞろぞろとみんなが起き出してきた。

すぐ近くに雲海が見れる場所がある。この場所は鎌倉山といって、この辺りではちょっと有名なスポットである。下の写真は先週来た時に撮影したの鎌倉山の様子である。朝日が昇ると雲は嘘のように消えてしまうのだが、その瞬間が何とも言えない神秘的な一瞬だ。

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帰り道の川の様子。朝の静寂のなかで川の流れる音だけが聞こえる。寒いので魚は見えないけれど、この川にはたくさんの命が存在している。そしてこの先には海がある。豊かな自然を感じるとはこういうことを感じる事なのではないかと思う。

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この場所に小屋を造りたいという話を相談されたので、この時間を利用して設計をしてみる事にした。屋外での設計はとても気持ちがよい。敷地を選定して、ボリュームを考え・・・、約2時間ほどでスケッチが出来上がった。今日はオーナーさんが不在なので窓ガラスに貼って帰ることとしよう。

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栃木県那須烏山市でのキャンプ

2021/01/03

新年3日目の今日は、朝から栃木県那須烏山市でのキャンプに出掛けた。今日は2年生の甥っ子も一緒にきてのキャンプデビューである。キャンプ場に付くと、いつもと同じ光景に心を癒される。妻と長女が二人で買い物に出かけている間に、僕は次女と甥っ子と三人でテントの設営を行った。テントを設営して、焚火を起こし、テーブルやいすを並べて、夜の分の薪をチェーンソーで切り出して斧で割って用意する。こういう一連の作業には大体2時間ほどの時間がかかるのだけれど、自然の中で夢中になっているとあっという間に時間が過ぎで行くから不思議である。

僕たちの周りには2種類の時間が存在している。一つはカレンダーとか時計に縛られているバタバタとした日常の時間であり、もう一つは川の流れの様にただゆったりと流れている悠久の時間である。自然の中で過ごしているときに、過ぎていくことさえも忘れてしまうような時間の移ろいを、日差しの向きとか気温の変化で感じるのはとても良い気分だ。動物とは本来こんな風に生きているものなのなのだ。

夕方、喜連川の川沿いで花火が打ち上げられるというので行ってみた。昨年はありとあらゆる花火大会が中止になってしまったと言う事で開催されるらしい。30分ほどの三時間時間ではあったが、5寸玉と尺玉の大きな花火がごく近くで打ち上げられる様子は子供たちに大きな印象を与えたようだ。僕自身も久しぶりに間近で見る花火に感動であった。

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キャンプ場に帰ると気温は0度、だいぶ冷え込んできた。今日の最低気温はマイナス7度の予想である。早速火を起こし、バーベキューを始めるとだんだん体も温まってくる。ここはカヤックの師匠の好意で使わせて頂いている僕たち以外に誰もいないプライベートキャンプ場なのでもちろんすべての事は自分でやらなければいけないのだが、思いつく準備は昼間のうちにやっておいたので大丈夫だろう。極寒の中でのキャンプという事で湯たんぽを持って来たりの準備はしたが、冬山のそれと比べるとそれほどでもないようだ。学生時代の山岳部では極寒の山の稜線でのキャンプも経験した。吹きさらしの吹雪の中でのテント設営に比べたらこれくらいは天国である。

夜2時、気温はマイナス6度である。一番冷え込むのは明け方、今日の場合は6時ごろがピークだ。さすがに外で会話をするのも無理があるのでシュラフに入って休むことにした。

新年を迎えた。

2021/01/01

新年を迎えた。でも今日は特にやることがない一日である。年末に茶室に飾る柳を頂いた。そして昨日は牛の香合を頂いた。しかも一重切りの竹の花入れまで・・・。これは正月飾りをやるしかない。蓬莱山飾りの類は来年の目標として、今年はここにあるもので造ってみよう。

というわけで早速の挑戦である。僕の家の床は千利休が待庵に造ったまわし床、つまり柳飾りを生けるための花入れを吊るす角柱がないのであるが、そこは天井の廻り縁から下げることで解消した。柳飾りはどんな形に生ければよいのか?こんなことやったことがないのでわかるはずがないと思っていたら、なんと妻が昨日のIさんの家でしっかりと観察してきてくれたようだ。硬くなってしまった柳をお風呂のお湯につけて柔らかくし、なんとか生けることが出来た。

軸は・・・、以前お家元より頂いた「松無古今色」の色紙を飾る。香合はもちろん牛である。花入れは信楽。生地の敷板がないので現場のあまり材で造った栗の敷板を利用する。椿の花を探すこと約20分、近所で手に入れた椿を生けたら完成である。明日は親戚を招いての初釜を行う予定だ。炭を洗ったり、お菓子を用意したり・・・、なんだか我が家に新しい文化が芽吹いたようだ。良い機会を頂いたお二人の先生に心よりの感謝である。

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大晦日。

2020/12/31

大晦日。川口市の青木にある氷川神社さんに会社のお札を取りに伺う。お願いしたのは「商売繁盛」と「安全第一」、いわゆる定番の御札である。毎年同じだけれど、同じことを繰り返すことが出来ることに感謝をしなければいけないなあと思うのである。ますいいで造らせていただいた古神札収め所兼トイレ棟も、いよいよ本格的に使われ出した。古神札というのはいわゆるお焚き上げの為に集められる古いお札の事である。いよいよ今夜この建物が出来て初めてのお焚き上げということで、ひっきりなしにお札が運び込まれている。こういう瞬間は、まるで試合に出る子供を見守る親の心境だ。この建物もこれから先ずーっと毎年同じように使われ続けることを祈るばかりである。

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夕方、千葉県市原市にて知人のIさんの家にて除夜釜に参加させていただいた。年越しの為の茶会に参加するのは初めての経験である。すでに暗くなっているIさんの家にはろうそくで灯りがともされている。その明かりを頼りに家の中に入ると、太鼓を改造してつくった火鉢に炭が起こされていて、待合がほんのり温かい。床には円能斎の花押がある小さな船の花入れがつるされていて、椿が可愛く生けられていた。茶室に招かれると、まず初めに後炭を行った。続いて年越しのそば、最後にお菓子と薄茶でしめくくりである。福引に当たると、牛の香合の手土産までいただいてしまった。なんとも至れり尽くせりのおもてなしに大満足の一夜で会った。

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家に帰ると既に10時を回っている。夜はゆっくり家族と過ごしながら新年を迎えた。
皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今日で仕事治めである。

2020/12/28

今日で仕事治めである。年始は6日から仕事を始める予定だ。何かと騒がしい一年だったが、その分ゆったりと家族との時間を楽しみたいと思う。

皆様もお体にお気をつけて良いお年をお迎えください

今年はコロナがきっかけで時間が出来た

2020/12/27

今年はコロナがきっかけで時間が出来たので、キャンプやカヤックに多くの時間を費やすことが出来た。普段は仕事でばたばたしていても、ひとたび自然の中に身を置いてたき火をしたり、川の流れを眺めたりしながら過ごしていると、時間の流れが変わったなあと気が付く瞬間がある。別に本当は何も変わっていないのだけれど、でも明らかに切り替わる瞬間があるのだ。

時間には2種類が存在する。
1つは普段の日常の時間、つまりは様々な事情に追われてめまぐるしく移り変わる現代人特有の時間。そしてもう一つは、「今」しか感じないようなもう少しゆったりとした時間である。

川下りをしていると岩の上に立ってじっと水面を見つめているシラサギに出会う。シラサギは川の中を泳ぐ小魚を見つけると、食糧を得るための狩をする。成功することもあるけれど、その多くは失敗だ。魚だって自分の命を守ることに必死なのである。そうやすやすとつかまるわけはない。だから成功するまでじっと岩の上に立っている。

そういう様子を見ていると、ふと鳥たちの行動には無駄が無いことに気が付く。人間みたいにただ遊びのために川下りをしたりの行動は存在しない。人生について思い悩むこともないだろう。あるのは生存へ結びつく直接的な行動だけだ。この直接的な時間の費やし方が、僕たち人間で言うと子供時代の過ごし方に似ているような気がする。今この時を精一杯楽しく過ごす、友達と遊ぶ時間もそうだし、絵をかいたりして過ごす時間もそうだけれど、過去とか未来とかをそれほど深く意識しない自然体の感覚、まさに今を生きるという状態に似ていると思うのだ。僕たち人間はある時から、日常の様々なことに追われてゆく時間を優先して、このもう一つの時間をどこかに忘れてしまっていることが多いのではないかと思う。

日々の暮らしの中でこの忘れてしまったもう一つの時間を取り戻すこと、それが僕にとっての自然だと思う。川を下っていると自分の意思ではどうにもならないスピードで川下に自然に流されていく。様々な鳥たちと出会うけれど、川の流れに従ってとどまることはできない。まさに今の繰り返しの中では、携帯電話は使う余裕はないのだ。まさに、何も生み出すことの無いただ流れてゆく時を取り戻すという事なのである。
あと一日仕事をしたら、今年最後のキャンプに行く予定だ。那珂川の流れる音を聞きながら過ごす時間がとても楽しみである。

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マンションを購入してリフォームを検討中のOさん打ち合わせ。

2020/12/26

午前中は、埼玉県川口市にてマンションを購入してリフォームを検討中のOさん打ち合わせ。購入予定のマンションでの打ち合わせであったが、偶然にも僕の家から歩いて5分ほどの距離、まさにご近所さんのお仕事であった。不動産屋さんでカギを借りて、Oさんと一緒に車に乗り、僕の自宅に車をとめてマンションに向かう。現場に着くと早速リフォームしたい場所などのご要望を伺った。

新しい住まいにはテレワークや大学の授業にZOOMで参加するためのスペースを造ることとなったが、これはまさにコロナ時代の住宅の形と言えるだろう。と言うよりも、コロナによって気が付かされた新しい僕たちの暮らしの形、つまりはコロナが終わった後も、こういう暮らし方や仕事の仕方のほうが前よりもいいよねと気が付いた結果、その一部分は消えることなく取り入れられるスタイルだと言えると思う。オンラインによる仕事や授業の参加となると、ある程度の区画されたスペースが必要となる。それぞれが落ち着いて集中できるためには音環境的にもセパレートできるほうが良い。時代に合わせた形への変化を楽しんでデザインしたいと思っている。

15時、埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の空気環境測定立会。Oさんの家では「森の生活」の家づくりを行っている。完全な自然素材の住宅を造ることで、現在暮らしているアパートとどのくらい環境が変化するのかを2年間にわたって調査することで、健康住宅の効果を知るための実験である。

調査はチルチン人と共同研究をしている近畿大学医学部の東准教授によるものである。今日はアパートの空気中や床にあるカビの採取、空気中の化学物質の採取、健康状態に関するアンケート、唾液の採取等を行った。それぞれの採取には、それぞれの専門家が来てくれた。東工大、筑波大、工学院大、学芸大、総勢5名の大所帯である。現在の暮らしと新しい暮らしの場による比較が目的なので、今工事中の住宅が完成したら同じ調査を行う予定である。更に1年後にまた同じ調査をしてデータを解析し、健康状態の改善などに住宅が寄与していることを解明できることを期待している。

Oさんのお嬢様はアトピー性皮膚炎の症状があるのだけれど、健康住宅への移住によってその症状が改善する事例は多いという。この症状が改善したら、何よりもうれしい出来事となるであろう。

(写真はカビの採取の様子)

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設計中のHさんご夫妻打ち合わせ。

2020/12/25

午前中、造園家の大石さんと埼玉県上尾市にて設計中のHさんご夫妻打ち合わせ。Hさんの家は現在実施設計終盤作業中で、今日は見積もりの初めての提示という段階である。そして大石さんは僕の自宅の庭を作ってもらったりのお付き合いをしている造園家で、自分でデザインし、そして工事を行うというパワフルかつ繊細な若者だ。実家が植木屋さんという事もあり、植物に対する造詣が深いし、茶道などの伝統にも積極的に取り組んでくれる姿勢にも共感している。僕は大石さんの庭作りがとても好きなので、お客様の庭づくりを大石さんと一緒に行うこととしたわけである。

家づくりは庭があって初めて完成するものだ。建築は単独で存在出来るかもしれないけれど、人が暮らす家は庭が無いと成立しないところがあると思う。それくらい庭は人の暮らしを豊かにしてくれる要素だと思う。Hさんはベニシアさんの家みたいに自然がそのまま繁殖したような庭を造りたいという。こういう庭は手入れがとても大変なのだけれど、でもそれが好きなことがだら問題はないようだ。素敵な庭が出来ることを楽しみに待ちたいと思う。

保育園の施設認可部会に参加。

2020/12/21

朝9時30分、川口市役所にて保育園の施設認可部会に参加。かれこれ3年にわたって、市内保育施設設立に関する認可部会に参加しているのだが、行政による積極的な政策のおかげでこの町の待機児童の数はほぼ0に近づいている。もちろんまだどこでも希望すれば入ることが出来る状態ではないのだが、3つくらいの候補を記入すればどこかしら入ることが出来るくらいにはなった。今日も知人の設計事務所が設計した施設が一つあったのだが、知り合いの建物を審査するとなるとなかなかに気まずいものである。無事に通過してくれたのでほっと一安心であった。

終了後、東京都中野区にて設計中のIさんの家の打ち合わせに参加。12時ごろまで。

進行中のKさんの家では、玄関框に栗を使用した。

2020/12/20

埼玉県川口市にて進行中のKさんの家では、玄関框に栗を使用した。栗というのは代表的な国産の広葉樹で、最近では岩手県や北海道で採ることができる。近場の材木屋さんに言っても買うことはできないので、僕の場合丸太で購入して製材し、1年間ほど乾燥させて会社の倉庫に保管してる。もちろん新木場などで購入すればあるにはあるが、それこそとんでもなく高いものとなる。でも僕の場合は丸太で購入しているので、通常の造作材と同じくらいの値段で現場に卸すことができるのである。

倉庫にある栗の木は、いわゆる荒木である。この荒木を表見を平らにし直角を出し、長さや形を加工することでこうした部材となる。それをやるのはもちろん大工さんだ。

写真は実際に取りつけが終わった状態である。無垢の栗の框、、、何とも言えない表情なのでご紹介しよう。

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進行中のFさんの家打ち合わせ。

2020/12/19

10時、東京都新宿区にて進行中のFさんの家打ち合わせ。Fさんの家では今日から、1階の土間部分に大谷石の工事が始まる。全部で90枚くらいの大谷石、なかなか迫力のある光景だ。大谷石というのは栃木県で採れる目の粗い石で、その柔らかい風合いがとても良い。内装にも使用されるし外構の塀などにも使用される。今回使用する1階の土間部分というのは、将来的には民泊利用も考えているこの住宅の共用スペースにあたる。共用スペースは木製の玄関を通して外部とつながることで、完全に閉ざされた内部とは違う場の質を持つこととなるであろう。月曜日からの本格的な施工が楽しみである。

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夕方、東京都中野区にて新築住宅を検討中のSさんご夫妻打ち合わせ。

16時、埼玉県川口市にて土地の購入をしたWさんご夫妻打ち合わせ。前回ご提案させていただいたプランのコスト感についてのお話など。僕が基本設計時点でのコスト調整で気をつけていることは、クライアントの満足が得られるプランを作成する際に、いかに無駄な部分をそぎ落としていくかということである。無駄な部分をそぎ落としたプランはたいていの場合バランスが良く美しいものとなる。そして空間も引き締まってくる場合が多い。こういう空間のほうが人の居心地が良いと感じることができ、そして面積を節約することでできた予算を仕上げや性能の向上に回すことができるのでさらに良い。クライアントの求める予算の範囲の中でいかに良い建築を造るかの腕の見せ所は、こういう設計の初期段階にもあるのだと思う。

工事中のOさんの家の打ち合わせ。

2020/12/17

午前中、埼玉県川口市にて工事中のOさんの家の打ち合わせ。今日はキッチンの家具工事についての図面確認などを行った。Oさんの家では「森の生活」仕様での家造りを行っている。詳しくはHPのトップページからご覧いただきたいところだが、

①地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東(栃木県中心)で採れる桧、杉材を採用
土:内装仕上げに漆喰材を採用
石:大谷石などの関東で採れる石を採用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに採用
②住まい手と作る職人の健康を害する部材を使わない
合板・ベニヤ・ビニルクロス・新建材・サイディング等を使わない。
塗料・接着剤も安全に配慮する
③廃棄時の環境負荷を考慮した部材を採用する
④室内空気環境を測定する

という点をコンセプトにした家造りだ。
特に④の仕う無い空気環境の測定という点にも非常に重点を置いている。今月26日には近畿大学医学部の東教授をはじめとする共同研究チームが、Oさんの現在の住まいの環境測定や健康状態のチェックを行うことになっている。そして建築終了後には、新しい家の空気環境と健康状態のチェックを2年間にわたって調査する。Oさんのお嬢さんはアトピーの症状があるのだが、これがもしよくなってくれればこんなにうれしいことはない。もちろんキッチンもヒノキ材で製作する予定である。これからも逐一ご報告していきたいと思う。

家の庭に蹲を設置した。

2020/12/16

家の庭に蹲を設置した。蹲というのは水をためることができるようになっている石のことで、お茶室に入る前に身を清めるために使用する設備である。水道で手を洗えばいいじゃないかという現代社会的な考えもあろうけれど、まあそれは神社の手水舎とおんなじこと、こういう伝統的設えがあってこその茶室なのだ。

ようやくできた蹲、だが一つ大きな問題があった!!なんと蹲の隣に西王母、白侘助、むくげが植えられている。どれもこれもお茶らしい花である。まさにお似合いと思うところなのだが、実はこれらの花は茶室に生けられる代表選手たちである。ということはお客様が蹲に身を清めに来てみると、そこには茶室の中に生けられるその日の一番の楽しみの花があるということになってしまうわけなのだ。茶道では、その日にどんな花が活けてあるかというのが一つの感動ポイントだからこそ、ここにこれらの花があることは普通ではないということになる。もちろん茶会に必要な花々なので、庭の見えないところに植えることは必要だけれど、堂々と植わっていてはいけない、なんとも難しい存在なのだ。

そういえば利休のエピソードに朝顔の話があった。秀吉が見事な朝顔を見たいといったところ、利休はすべての花を落とし、茶室に一輪の朝顔を生けたそうだ。秀吉が利休の茶室を訪れてみるとそこには朝顔がない。怪訝に思って茶室に入ると、一輪だけそっと飾られている。そして秀吉は感動するという話である。

こういうおもてなしの心が茶道なのである。このままいけば、僕も茶会のたびにすべての花を落とさなければいけないことになる。早速植木屋さんに目につかないところへの移植を頼むこととしようと思う。

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朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

2020/12/12

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。9時30分、東京都中野区にて新築住宅を設計中のIさん打ち合わせ。最後のコスト調整を行ってきて、大方ご予算の範囲内に収めることができたなかで、やっぱりここはこういう仕様がいいかなあと言う部分についての打ち合わせを行った。ますいいでは一つひとっつのお値段をお客様と共有することによって、仕様について細かい部分まで一緒に悩むことができるようにしている。

例えば玄関のドアをアルミ玄関にするか、木製の玄関にするかについて考えるとすると、アルミの玄関ドアの場合は玄関自体が20万円に2万円の枠材として、それを木製玄関ドアにすると10万円のドアに3万円の金物がついて5万円の枠が必要となるというような具合がある。はたまたパントリーの収納棚板を自分で作ると3万円ダウンというような単純な話もある。ビニルクロスは嫌だから、左官屋さんの補助人工を4人頼んで、それ以外は自分でセルフビルドを行うとビニルクロスとほとんど値段が変わらないで漆喰を採用できるなんてこともある。とにかく細かく細かく、一行一行の金額を精査した結果の打ち合わせなのである。

11時、埼玉県川口市にて土地の購入予定のWさんご夫妻打ち合わせ。現在進行中の川口市の現場のすぐ近く、敷地から屋根が見えるところにある古い住宅を購入し、解体して建て替えるという計画である。今回は中庭型のプランを考えてみた。実はこのプランはクライアントのWさんがスケッチを描いてくれたプランなのだが、それを書き上げてみるとなかなか良い。こういうスケッチをかける施主というのはそもそもセンスが良い。自分の家はこんな風にしたいなあという理想ができている。つまりはとても良い家ができるクライアントなのである。

中庭型のプランというと数年前に造ったW邸を思い出す。Wさんは大手の設計事務所にお勤めの方で、このプランは自分自身で考えたものだ。確か新幹線の行帰りで描き上げたというプランを持ってきて、この通りに造ってほしいといわれたことを記憶している。設計事務所に勤めている方の家やハウスメーカー・ゼネコンマンの家造りがとても多いますいいなのだが、その中でもとても記憶に残るプランだったのでご紹介しよう。

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15時、東京都中野区にて新築住宅の設計中のSさん打ち合わせ。Sさんと先ほどのIさんはご兄弟同士ということで、今回は同じ敷地に二つの家を建てるという計画である。同じく最終見積もり段階の打ち合わせを行わせていただいた。

18時、筑波大学の石塚先生が私の茶室に遊びに来てくれた。以前何度か講演会を拝聴したことがあるのがご縁で、それ以来のお付き合いをさせて頂いてきたが、なかなか成長することができない茶道家である私にとって本当に貴重な先生の一人なのである。今日もいろいろなことを学ばせていただいた。本当に感謝感謝なのだ。

プレスリリース

2020/12/11

報道関係者各位
プレスリリース
2020年12月17日
(有)ますいいリビングカンパニー
代表取締役 増井真也

荒川氾濫!!
木造住宅の押し入れに95歳のおばあさんの為の垂直避難設備を制作

埼玉県川口市では、荒川氾濫時の想定水深が5m~3mと想定されている。水害時には近隣の公共建築や、車で20分くらいのところにある高台への非難を計画されているが、高齢者の住人など避難しきれない人が発生することは容易に予想される。Iさんの家には、90歳を超える明日の不自由な女性と、70歳を超える息子さんが二人で住んでいる。いざという時お母さんをおんぶして避難ができるかどうかの不安は年々募るばかりである。そこで、家に居ながらにして非難をすることが出来るための装置を開発することにした。この装置はあくまで非常時のみに使用するもので、普段は荷物の上げ下げの為に使用される予定だ。
上下階の移動の為の開口部は、押し入れの床に1m角ほどの穴をあけることで造られた。車いすのままで乗ることが出来るように木製の箱を取付て、いわゆる江戸時代のお屋敷に2階の座敷にお料理を運搬するために造られていた木製滑車の装置のごときものとなった。上下移動は停電時でも行えるように、貨物用のチェーンブロックを取り付けている。各所の段差は小さなスロープを付けることで解消した。箱がぶれることがないように、四方に木製のガイドレールを取付ている。2階に上がれば、地盤面からは3.5mほどは上がることが出来る。

価格      60万円(設置費用込み)
工期      1週間程度
設置可能場所  押し入れ
目標      エレベータより低コストかつ停電時使用可能の装置として普及し、人命救助にに役立てたい。
現場      埼玉県川口市中青木4丁目

問い合わせ先
(有)ますいいリビングカンパニー  住所 埼玉県川口市中青木3-2-5
TEL 048-254-8021
mail masuii@masuii.co.jp

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東京芸術大学の小林先生打ち合わせ。

2020/12/10

13時、東京芸術大学の小林先生打ち合わせ。埼玉県川口市にあるSさんの家を登録文化財に申請しようというプロジェクトである。登録文化財というのは、国が指定する重要文化財にはしないけれど、でもその地域の景観形成に十分価値があるよねとか、もう一度造ることがとっても難しいよねとかの理由で、壊してしまうことは地域にとっての損害であると認められた建築物をリストに記載して、いざ改修工事をして利用するというようなときには適正なアドバイスを頂くことが出来るという制度である。(だいぶ簡単に説明はしているけれど)50年以上の築年数が条件なので、僕の会社の建物だってあと30年すれば登録文化財にすることが出来ると思う、そういう簡易的なところが良い。日本には文化財がたったの4000棟くらいしかないそうだけれど、英仏といった建築文化先進国では何百万棟もある・・・それが現実である。僕たちが住む街並みを少しでも良い街に使用と思えば思うほどに、古い建築物は大切にしなければいけない。だって新しく建てた建物を、すぐに50年の味わいを持つようにアレンジすることなど不可能なのだ。

18時、川口裏路地実行委員会のメンバーが集まって、Sさんの家についてのレクチャーを行った。もちろん講師はSさんである。約30分ほどのレクチャーだったが江戸時代から続くSさんの家の様々な事情について知ることが出来た。これはまさに街の歴史である。こういう歴史観が新しい街と融合してこそ、その街ならではの魅力となっていくのである。

各プロジェクト打合せ。

2020/12/09

朝礼終了後、各プロジェクト打合せ。

11時ごろ、埼玉県川口市にて水害時の垂直避難設備を造ったIさんの家の現場確認。
埼玉県川口市というところは、荒川反乱時の想定水深が5m~4mと想定されている。水害時には近隣の公共建築や、車で20分くらいのところにある高台への非難を計画されているわけだが、高齢者の住人など避難しきれない人が発生することは容易に予想される。Iさんの家には、90歳を超える明日の不自由な女性と、70歳を超える息子さんが二人で住んでいる。いざという時お母さんをおんぶして避難ができるかどうかの不安は年々募るばかりである。

そこで、家に居ながらにして非難をすることが出来るための装置を開発することにした。この装置はあくまで非常時のみに使用するもので、普段は荷物の上げ下げの為に使用される予定だ。

上下階の移動の為の開口部は、押し入れの床に1m角ほどの穴をあけることで造られた。車いすのままで乗ることが出来るように木製の箱を取付て、いわゆる江戸時代のお屋敷に2階の座敷にお料理を運搬するために造られていた木製滑車の装置のごときものとなった。上下移動は停電時でも行えるように、貨物用のチェーンブロックを取り付けている。各所の段差は小さなスロープを付けることで解消した。箱がぶれることがないように、四方に木製のガイドレールを取付ている。2階に上がれば、地盤面からは3.5mほどは上がることが出来る。まだ最悪の事態の想定水深には届かないけれど、これでたいていの場合は助かることが出来ると考えている。

コストダウンについての方策を考えてみる

2020/12/06

日曜日。コストダウンについての方策を考えてみる。工事の請負金額を下げるにはいくつかの方法がある。最も簡単な方法は業者さんと値下げ交渉を行うことだけれど、長い付き合いの業者さんたちを相手にしているとなるとこの交渉もなかなか限界が来る。常に競争意識をもってもらうためには同業者間での合い見積もりを取るという方法もあるが、そもそも同じことを求めているという場面ではこの手法も度を超すことはできない。

そんな中で有効な方法の一つが中間業者を少なくするという方法である。これはどんな業界でも起きている物流改革だと思うけれど、建築業界でも同じように有効な手段だと思う。僕の感覚では一つの商社さんが絡むと2割から3割高くなる。二つ絡めば1.3×1.3の場合1.69となり、元の価格の69%増しになってしまう。こういうことを何とかしようとして、直接の取引を試みても多くの場合は妨害が入り実現しない。特に知名度のある大手メーカーなどの場合はまず無理である。でも産地直送というのはそうでもないようで、材木やら石やらといった自然の恵みの場合、ごくたまにではあるけれど取引が成立するから面白い。僕が産地から直接購入する場合、たいていは「1」の価格、つまりは産地の生産者さんが市場に卸している価格ではなく、それに1割程度のせた価格で売っていただくことが多い。こうすることで産地はいつもよりも高い金額で売ることができる。つまりは産地にとっても高収入モデルとなり、ますいいのクライアントにとっても低価格でよい商品を手に入れることとなる、まさに一石二鳥の手法となるのである。

良いものを造りたければ良い材料は不可欠である。良い材料は良い生産者の手によってしか得られることはないのに、その生産者はこれまで販売経路を持たないという理由で、商社に卸すことしかできなかった時代がある。でも今のネット社会では、農産物だって水産物だって、生産者が直接消費者に売るというスタイルは珍しいことではない。特にこだわって作っている無農薬の世界のようなものになればなるほどその傾向は大きく、欲しい人と作りたい人の直接的な取引が主流となっている。これは建築でも同じこと。この方法はさらに進めていきたいと考えている。

もう一つの手法は大手メーカーによる低価格製品の商流をつかむことである。通常の量産メーカー品の場合、定価の30%~40%くらいの仕入れ価格というのが多いと思う。僕がこの会社を始めたころはそれこそ60%くらいの価格が普通だと思っていたが、初めて10年もするとそれがいかに高いものだったかがわかってきた。同じものの値段が、数%ずつ安くなる。なんだか変な話だけれど、でもこういう風に物流と価格というのは決められているのだ。そしてさらに言うと、大手メーカーには特別価格の製品というものが存在していて、ある一定量を購入することでさらなる値引きをしてくれる場合がある。通常はこういう製品は隠されているので知る由もないのだが、ひょんなことから出会ってみるとこれまでとおんなじ製品の品番だけが変わって安い!!!なんていう仕組みだとわかる。この手法を確立するとその製品だけは25%くらいの価格で買うことができるなんて言う場合もあるので驚く限りである。建築界の値段に関するブラックボックスというのはこうして出来上がっているのだから、ハウスメーカーなどの場合はどうなっているのか、恐ろしい限りである。

僕はその時に手に入る最も質と効率の良い製品を、ご提案することを旨としている。これからも少しでも質を高め価格を下げるべく努力していきたいと思う。

所要のために京都に出向いた。

2020/12/05

今日は所要のために京都に出向いた。茶道の関係で日本で一番よく来る街のような気もするが、伝統的な社寺建築が多く保存されている地域であるのに、一方で変わるべくところに関しては本当に変化が早く、いつも新しい出会いがあるのが面白い。今回は空いている時間を利用して3つの建築を見てきた。

まず一つ目が隈研吾氏がかかわっているエースホテルである。シアトル発のホテルが2020年6月京都にオープンすると聞いて見てきたけれど、隈研吾さんらしい木製の表現が取り付けられている点以外は、少々雑なリノベーションホテルの印象があった。何でもかんでも木製の木組みとルーバーさえつけておけばよいというような浅はかさを感じてしまうような感じもして、少々残念な建築のような気もした。

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続いてゲートホテルである。このホテルも今年の7月のオープンしたばかりで、なんと3条と4条の間の高瀬川沿い、誰もが行ったことがある繁華街のど真ん中に位置するもともと小学校だった建築を一部リノベーション、さらに新築等を付け加える形で作られたホテルである。竹中工務店の設計施工だけあって、安定感のある出来栄えだ。校庭をイメージした広場では朝から親子連れがバレーボールで遊んでいる。繁華街のど真ん中でこんな光景が見られるのも、この建築ができたおかげであろう。猥雑な繁華街のイメージに規律や歴史が付け加えられたような気がしたが、日本の街づくりのスキルもここまで向上したのかの感があった。

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最後に今年オープンした京セラ美術館。こちらは築80年くらいの古い建物を青木淳氏がリノベーションしたものである。

「美術館はもうホワイトキューブではないな」という青木氏による設計だが、

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もともとあったものを否定するんじゃなくて、あったものに新しいものが重なるようにつくっていくことができないかなと、努めて優しい方法のリノベーションを目指しました。優しいリノベーションは地味だからあんまり評価されないけど、これからは目立つことをやるよりも、いつの間にか変わっちゃってたっていうほうが面白いと思うんですよね。この美術館では、美術館という制度のための空間がどうあればいいのかなっていうことを考えたんです。
・・・・・・・・・(美術手帳 HPより)

上記は青木氏自身の言葉である。実際には写真にあるように地面を地下1階まで掘り下げてしまって地下からアプローチを設けるという荒業をしている。こういう操作を加えることで、既存の既成概念を変更してしまう操作を行っている点が新しいリノベーションの可能性を感じさせてくれた。以上今年オープンの京都特集、皆さんもぜひ足を運んでいただきたいと思う。

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「日本の森林を守るため共に行動する企業認定証授与式」に参加した。

2020/12/03

午後、東京都千代田区永田町にて「日本の森林を守るため共に行動する企業認定証授与式」に参加した。会場には、
7団体
(一社) 日本林業協会
(一社) 全国木材組合連合会
全国森林組合連合会
(一社) 日本林業経営者協会
(一社) 全日本木材市場連盟会長
(一社)林業機械化協会
(一社)木になる紙ネットワーク
といった林業に関する各団体さんがいて、そこに認定された工務店が認定証を受け取るという構図である。僕はこれまでの日記などにも書いている通り、国産材で家づくりをおこうなうことをとても大切にしている。こういう認定があることで何かが変わるわけではないけれど、でもこれまで以上に産地である山とのお付き合いを大切にしようという心構えにつながることは確かであると思う。これからも少しでもこの国の山、自然に貢献できる活動をしていきたいものである。

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今日から専任の現場監督の松永さんが出社している。

2020/12/01

今日から専任の現場監督の松永さんが出社している。松永さんは68歳、現場監督一筋に経験を積まれてきた本当のプロである。ますいいではこれまで設計担当者が現場管理も一貫して行うことを旨として会社の運営をしてきたのだが、現場の管理精度を向上させるとともに、作り上げる住宅の意匠や納まりのレべりの向上を図るために指導的役割もかねて参加していただくこととなった。一緒に事務所で過ごしていると年齢は一番高いけれど、誰よりも声が大きく、そして誰よりも建築に対して愛情を抱き、そして自身の仕事に誇りを抱いている方であることが分かった。大工の本間さんや川浦さんがまさにそういう方であるのだが、またもう一人本当に力強い頼れる仲間が増えたと思っている。家づくりは良い設計者に良い職人、そして良い材料という風に書いてきたが、これからはそこに良い監督という言葉を付け加えたいと思う。この良き出会いに心より感謝したいと思う。

13時、川口市の避難設備兼天体観測所の工事現場にて打ち合わせ。想定浸水高さの5mまで避難することができる鉄骨造の棟を設置する場所や、母屋から塔への乗り移りのための開口部などについて打ち合わせを行った。

「才兵衛」さんという料理屋さんに鴨を食べに行った。

2020/11/29

今日は地元の方々と一緒に千葉県旭市にある「才兵衛」さんという料理屋さんに鴨を食べに行った。旭市というのは銚子の少々手前にある街である。のどかな田園風景が広がる街だが、こんなところに名店があるのが面白い。鴨は鴨の形をしたお皿に盛りつけられており、豚の油をたっぷりと敷いた鉄板の上で焼くとなんとも甘く食べやすいうまみがある。野菜と一緒に食べるとなお良いのである。食後近所の沼にいる鴨と白鳥を見学に行った。僕たちに驚いた白鳥が飛び立つと、その優雅な姿に目を奪われる。昼間は田んぼの草を食べているそうだが、夕刻になると羽を休めに沼に戻ってくるそうだ。自然の営みというのは本当に見ていて飽きない。僕たちも本来はそんな姿が自然なんだよなあ、などと感じつつひと時を過ごした。

心無き身にも哀れは知られけり 鴫立澤の秋の夕暮れ
鴫ではなくって白鳥だったが、鎌倉時代の僧、西行の詠んだ歌の心境なのであった。

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土地の購入を検討しているWさんご夫妻打合せ。

2020/11/27

11時、埼玉県川口市にて土地の購入を検討しているWさんご夫妻打合せ。先日ご紹介させていただいた土地の購入を検討するために、ショールームとして活用している僕の自宅を見て頂き、土地に建てられるであろう住宅の簡単なプランと、銀行ローンの申し込みに必要な書類などに関する打ち合わせを行った。土地との出会いというのは運命的なもので、なかなか気に入った土地に出会うことが出来ないこともあれば、このようにとても良い条件の土地に偶然出会うこともある。何となくだけれど結婚のようなものかなあという気もする。今回は今作っている現場のすぐ近くという事もあって、僕たちの側の地の利がとても良い。そうでなければもしかしたら探し出すことが出来なかったかもしれないという事を考えると、これもまた運命的なのである。

16時、少し前に引き渡しを行った草加の家のクライアントのYさんが、わざわざ家づくりのお礼をと言う事で会社まで足を運んでくれた。Yさんはたまたま僕が良く知っている方が経営する地元の企業にお勤めの方なので、何となく普通のクライアントよりも近いような感じがする。自分の家を設計するにあたり、プランの大部分を自分自身で設計し、CGを自分で描いてきてしまったりの積極派なので、当然ながらセルフビルドもたくさん取り入れて家づくりを行った。機械設計という仕事をしているので、そもそもモノ作りが好きな種族の方である。そういう方が楽しく家づくりを終えたと言ってくれることは何よりもうれしい限りである。お礼にと頂いた能作のぐい飲みは錫100%でできでいる、なんとも手のおさまりの良い品ものである。錫のヒヤッとした手触りが心地よく、きりっとした冷の酒をおいしく頂けそうだ。また一つ良い思い出を重ねることが出来た。

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夜、両親や妹家族も集っての親戚一同誕生日会を開催。11月周辺の誕生日をまとめたお祝いである。コロナで出歩くことはめっきり減ったが、やはり家族の集いは良いものだ。甥っ子がそのまま僕の家に泊まりに来たが、自分が小さかった頃にやっぱり同じように従弟の家に泊まったりしていたことを思い出した。

午後、茶道稽古。

2020/11/24

午後、茶道稽古。今日は四カ伝の和巾の御稽古である。塗蓋の瀬戸一重口の水指の前に古帛紗を広げて置き、桑生地、内部は金箔張りの仕覆に入れた中次という茶入を使う。和巾点の経緯は、裏千家11世の玄々斎が孝明天皇にお茶を献上した時に、そのお返しとして立派な切地を拝領した際に、その切地を使って、古帛紗などを作り、それを使用したお点前として考案されたのが「和巾点」だという。僕たちにはあり得ないシチュエーションのお点前だけに、何とも言えない気分になってしまうのだけれど、古帛紗の左角に指を入れ、すーと右側に指を寄せたら、両手の指を真ん中に持って行って中次を持ち上げるしぐさなどはなかなかに奥ゆかしくて素晴らしいと感じた。師匠に稽古をつけていただく幸福な時間を過ごしていると、僕もそろそ誰かに教えるという事をやってみようかなあなどと思いつつ、そんな時間はまだまだ取れそうもないのである。

進行中のkさんの家の現場確認。

2020/11/23

10時、埼玉県川口市にて進行中のkさんの家の現場確認。今日は工事着工以来、Kさんご家族を招いて始めての現場打ち合わせである。現場の方は大工工事がだいぶ進行していて、現在は電気の配線などが行われ、天井の野縁が組まれているような状況だ。この段階での施主確認はいろいろ多岐にわたる内容がある。スイッチやコンセントなど電気関係の確認、各所壁仕上げなどの最終決定、などなど一つ一つ丁寧に確認していく。特にKさんの家では天井に杉の無垢板を貼ったり、階段板も45ミリ厚の杉板で製作するなど無垢材にこだわった設計としているので、それらの素材の表情なども合わせて確認していただいた。

これらの杉材は栃木県の杉を使用しているのだが、以前から日記で書いているようにこの栃木県産の杉材が何とも良い。良い材料は当然高価だと思われがちだが、実は節はほとんどないにもかかわらず、山で購入しているので節有の安価な素材と同等の価格で手に入る。産地直送だから安い!!まるで漁港に魚を買いに行くお寿司屋さんのように材木を求めて山に行く、これは何とも言えない喜びなのである。仕事は楽しんでやらないといけないのであるが、素材との出会いを求めて山に行くことは僕にとって何よりも楽しいひと時である。良い素材に良い職人、そして良い設計があってこそ始めて良い家が出来るのだと思う。

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午後、土地探しをしているWさんご家族に、Kさんの家の現場から歩いて1分ほどの土地のご案内のために再び川口市の桜町を訪れた。現場管理をしている敷地のすぐ近所の土地を紹介するなどなかなかない偶然だが、とても良い土地が見つかったのでご案内させていただいた。この界隈はハザードマップからも外れていて、駅にも近く、そしてとても住みやすそうな優しい雰囲気の土地なのだ。案内終了後、近所にある千木屋さんというカフェに立ち寄る。Wさんも気に入ってくれたようで、お食事をしていきたいというリクエストがあったのだがあいにく今日の食事は売り切れだった。ここはカフェや車屋さん、レコード屋さんなどが集う川口の農業地域とは思えないアーティストビレッジのような場所で、カフェを経営している地元の青年が運営している場所である。とてもに魅力的なスペースなので是非お勧めする。

炉に炭をおこし、釜で湯を沸かしてみた。

2020/11/22

朝起きるとなんとなくお茶を点てたくなったので炉に炭をおこし、釜で湯を沸かしてみた。炉というのは畳の床に穴をあけ、そこに灰を入れて炭をおこすことができるように作られた茶道用の湯沸かし設備である。茶道では11月からこの炉を使用することが決められていて、この月のことを「炉開きを行い新茶が出る」ことから茶道の正月などと呼ぶことがある。11月1日は僕の誕生日でもあるのだけれど、茶道の世界でもこの日はなんとなく新しい年が始まるような日なのだ。

炉の中に炭を入れるとほのかに部屋が暖かくなってくる。当たり前のことだが暖房効果もある。梅のお香を焚いているのでその香りも充満する。炭の上に釜をかけてしばらくすると次第に湯が沸き、シューという音が聞こえ始める。この音を茶道では松風と呼ぶが、この音が良く鳴る釜は大変重宝がられるほどに茶人にとって大切な楽しみの一つである。花は山野草を用いるのだが、そんな用意があるはずもなく近所の公園に咲く名も無き花を一輪さす。黒漆喰の床の間を背景に花を飾ってみると意外と良いことに驚いたが、利休の茶も本来そういうものだったのかもしれない。

床に飾る軸は日日是好日。樹木希林さん主演の映画のタイトルになった禅語であるが、僕が最も好きな言葉の一つである。先行き不透明なコロナ中ではあるものの、それでも一日一日を大切にしっかりと生きていこう、そんな思いにさせてくれる言葉なのだ。

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設計中のSさんの家の打ち合わせ。

2020/11/21

10時、東京都中野区にて設計中のSさんの家の打ち合わせ。今日は見積もり調整の打ち合わせということで、前回提示金額よりも数百万円の減額案をご説明させていただいた。減額案とはいうものの、それほど材質などを下げたというわけでもなくって、工事の手法の変更や業者さんとの値引き交渉などを行ったことによる減額が多かった。だからこそ、クライアントのSさんにはご満足いただけたのではないかと思っている。

家造りという一つの仕事のなかで、一番難しいことは何かと聞かれればこの減額調整である。ただ単に業者さんに値段を下げてほしいと言い続けたところで挙句の果てにはほかの業者に行ってくれと言われてしまうのが落ち、であるならばどうすればよいかといえば、こういう風に造ればコストを抑えることができるかもしれないの仮説を立てて、その仮説をわかりやすく説明して減額に繋げるの工夫をしたり、材料の産地と直接交渉して購入のルートを造ったり・・・とにかく価格のブラックボックスを包むベールを少しづつ剥がしていくかのような地道な作業が必要なのだ。

13時、東京都太田区の土地の購入を検討しているというご夫妻の打ち合わせ。一つは長い旗竿地、一つはがけの上の中古住宅というどちらも癖のある物件だったのだけれど、僕は旗竿地の方に興味を惹かれた。旗竿地というのは土地が道路と接道している入り口部分が竿のように細長く、奥に四角い旗のような土地があるものを言うのだけれど、こういう土地は通常の料金よりも安い場合が多い。特に都内の土地は非常に高くなってしまっているので、こうした一見悪い条件の土地を選定することで安くなったお金を建築費用に回すことで魅力的な住宅を造ることができることも多いのである。

下の写真は東京都杉並区にて造ったYさんの家である。敷地全体を見れば旗竿地というわけではないが、入り口付近にご両親の家が建っているので事実上の旗竿地であるが非常に豊かな住宅を造ることができた事例である。

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設計中のHさんの家打ち合わせ。

2020/11/17

午前中埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家打ち合わせ。いよいよ構造計算の打ち合わせなどを始める段階である。今日は構造的な変更点や電気設備などについての打ち合わせを行った。

午後、茶道稽古。昼間のこの時間に稽古に来るのはなかなか難しいのだけれど、今日はゆったりと稽古に参加することができた。11月となり風炉が炉に変わる、茶道にとってはここからが新年の始まりである。宗家では10月29日に炉開きを済ませ、19日の宗旦忌には宇治の上林茶舗より今年の新茶が届けられるそうだ。こういうことを毎年変わらず行っていることがいずれ伝統と呼ばれるようになる。伝統とは突然作られるものではなく、こうして守られた結果にじみ出てくるものなんだと思う。日本の家づくりの中にも守るべき伝統がある。木を使うこと、つまりはその土地の素材を大切にすること。職人の技を大切に生かすこと。こういうことは経済至上主義の効率社会の中でどうしても切り捨てられがちなんだけれど、でも誰かが大切に思わなければ本当に消失してしまうからこそ、ますいいではしっかりと守っていきたいと思うのである。

改修工事を行った本納寺にて庫裏のキッチン工事

2020/11/16

午後、東京都豊島区にて本堂の改修工事を行った本納寺にて庫裏のキッチン工事についての打ち合わせを行った。すでに何十年も使用したキッチンである。表面の面材もはがれ、愛用の食洗器も壊れてしまった。お寺さんという場所は人が集まることが多いので、台所が使用される頻度も普通より多いのだろう。今回はキッチンメーカーのヤジマさんに制作を依頼することになった。ヤジマさんはオリジナルのキッチンを洗練されたデザインで製作してくれるとても良いメーカーさんである。大手の商品とは違い、ミーレの食洗器を導入したりグロエの水栓金具を選んだりのカスタマイズができるのがよい。日本製のメッキ製品とは異なり、本物の質感が空間を引き締めてくれるのだ。

本納寺さんの出入りとしてお仕事を始めて10年くらいは立つのだろうか。確か初めの仕事は庭の藤棚が傷んでしまったからステンレスで作り直してほしいという依頼であった。お墓とお墓の隙間を縫って、藤棚を作り直したのは今でも鮮明に記憶している。そんなご縁で昨年から今年にかけての本堂瓦吹替工事をというとても大きな事業にも関わらせていただいた。社寺の工事にかかわるということは建築に携わる者にとって本当に誇らしいことだ。これからも長いおつきあいを大切にしていきたいと思う。

家を建てたいというWさんご夫妻打ち合わせ。

2020/11/14

午前中は埼玉県上尾市にて家を建てたいというWさんご夫妻打ち合わせ。現在はまだ土地探し中とのこと、まずは家づくりの流れなどについてのお話をさせて頂いた。土地探しの段階からのご相談というのは家を上手に造るためにはとても良い手法だ。建築はその土地に根付くものである。土地の形、法律の規制などなどの影響を受けて設計をするわけだが、同じような地型で同じような広さの土地でも、法規制によっては造ることができる建築の形は大きく異なるのが現実だ。だからこそ、土地購入の前にご相談していただけることが良い住宅を造るうえでとても大切なのである。

北の常緑ハウスでは東京都の足立区内で江戸川などの川沿いの土地を探すクライアントが目星をつけた土地を、その都度一緒に見に行くなどのお付き合いを約1年間ほどした後にようやく見つかった北側に川が流れる土地に造った住宅である。この住宅は北側の河川敷にある緑を存分に取り込むことを設計の命題として取り組んだ。吹き抜けのある壁面に設けられた大きな窓からは、まるで別荘地のような緑を眺めることができる。少し濃いめに塗装された木材が外部の緑と調和してとても心地よい空間を生みだした。Wさんもまずは良い土地をお探しするお手伝いをしたいと思う。

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15時、埼玉県和光市にて小屋の新築を検討しているIさん打ち合わせ。ログハウスの母屋の隣の敷地を購入し、お子様の部屋とガレージを兼ね備える小屋を造ろうという何とも楽しいプロジェクトである。今回はいくつかの屋根の形をスタディーして、さまざまなバリエーションを試してみた。広さは約8坪ほどにする予定である。屋根は少し高めのほうが内部空間が大きくなって良いかもしれないと考えている。構造はもちろん木造で、できれば一部の構造は現しにする予定だ。もしかしたら建築学科に進むお子様が暮らしながらカスタマイズすることができるような遊びも楽しいだろう。今後の展開を期待したい。

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登録文化財の申請に関する打ち合わせ

2020/11/12

午後、川口市のとある住宅にて登録文化財の申請に関する打ち合わせを行う。登録有形文化財というのは、平成8年10月1日に施行された法律によって,保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を,文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」である。この登録制度は,近年の国土開発や都市計画の進展,生活様式の変化等により,社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたもので、届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるという特徴がある。今回の計画では、申請した建物をカフェなどの形で利用することで、歴史観のある街並みの魅力の醸成を目指したいと考えている。

建築はもうあまり造らないほうが良い、というのは誰でもわかっていることである。でもなぜか日本という国はいまだにスクラップアンドビルドを繰り返す志向が強く、歴史や文化がいかにその国の発展のために大切なのかをわかっていながらも、ついつい経済効果優先で壊してしまうという選択をしがちなのが実情だ。この傾向は国という大きな単位でも、民間所有の小さな住宅でも同じことである。とにかくついつい壊してしまうのだ。壊した後にできる建物はたいてい薄っぺらいものになる。誰の目にも同じように映り、決して不便でもないのだけれど、特に印象にも残らない、そんな建築がそんな街並みを作り出す。だからあんまり造らないで何とかできないかを考えるようにした。壊さない、そして造らない建築家、それもとても大切な姿だと思うのだ。

文化財の登録にあたって芸大の小林先生と協働している。小林先生と話しているととても楽しい気分になる。屋根の上のたんぽぽを見て、「あれってなんかいいよね。雨漏りしていないならあのままでもいいんじゃない」。壁の板が腐ってはがれて中の土壁が少し見えちゃっている姿を見ても、「この土壁が少し見えているところがいいんだよね。こういうところはなるべくそのままにしよう。」とにかく普通のメンテナンスとは違うのだ。僕たちが普段何気なく街を歩いているときに魅力と感じるものは、決してきれいに塗りなおされたペンキではない。道端に生えるたんぽぽが屋根の上に生えている様子、そこにいる猫、そんなものについつい目を奪われるのだ。魅力的な街を造りたいと思う。そしてそういう街を子供たちに残してあげたいと思う。僕たちはそういうことができる数少ない人種なのだ。

設計中のIさんの避難設備に関する見積もり

2020/11/11

午前中は埼玉県川口市にて設計中のIさんの避難設備に関する見積もり、契約作業など。

午後より、新築住宅を検討中のYさんご夫妻打ち合わせ。Yさんたちは1年ほど前から土地探しを続けており、ますいいでもいくつかの土地をご紹介させていただいている。なかなか契約まではいかないものの、良い土地との出会いがあれば家づくりを行う予定だ。Yさんご夫妻は二人暮らしの小さなローコストの家を希望している。20坪くらいの延べ床面積なので、建築の総工費が1700万円ほどになることが予想されるのだけれど、セルフビルドなどを取り入れればもう少しローコストで造ることができるかもしれないと考えている。

小さな家を造るとき、僕はいつも小屋をイメージするようにしている。なぜなら小屋と聞くと住宅を取り巻く様々な既成概念から逃れることができるような気がするからだ。今の住宅は、本当にそんなところまで必要なの?と思うような設備や機能が満載である。あたかも便利な暮らしが約束されているかのようなうたい文句にだいぶ影響されてしまっているのだけれど、そういうもののほとんどは実はそれほど重要なものではないことが多い。というよりむしろ無い方が良いと思うものさえある。複雑な機能はいずれ壊れる。壊れた後は結局自分たちで治すことができないから、多額の出費をして修理をするか、もしくはそのまま放置するかのどちらかだ。小屋のような家は壊れるものがほとんどない。一度造れば長く暮らすことができる。維持費もそんなにかからない。とても良い家なのだ。

進行中のKさんの家の現場管理。

2020/11/09

朝一番、埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の現場管理。今日は大工さんが耐力壁の施工などを行っている段階である。木造住宅の場合上棟から1か月くらいは、構造や外壁周りなどの工事を中心に進めていくのだ。この現場の玄関ドアは木製建具を使用する予定である。明日は大工さんが会社の加工場に来て玄関の枠を加工する。材料は栗材、栗は腐りにくい素材なので玄関などにはとても向いた素材なのだ。

禅というのは「深く考える」というような意味らしい。この禅が伝わる前には止観という概念があった。観とは見るという事。そして止は「心を静かにすること」を意味する。この概念が鑑真和尚が伝えたという。この偉人は日本人の僧たちに焦がれて日本に仏教を布教するために来た方なのだが、渡航に成功するまでに5回も失敗し、足掛け12年もの歳月を要した。そして難破の際に失明までした。そうまでして日本にわたり、とある概念を広めたのである。このエピソードは小学校の教科書にも出ているものだけれど、改めて書いてみるとそれはいかに実行することが難しいことかという事に気が付かされる。人はいつから貨幣という価値の為だけに働くようになってしまったのだろうか。様々な職業がそうなってしまったとしても、少なくとも人間が暮らす場を造るという建築という仕事は、貨幣を得るためだけに行うようなことではないと思うのである。

設計中のOさんの家の打ち合わせ。

2020/11/07

午前中、埼玉県川口市にて設計中のOさんの家の打ち合わせ。Oさんの家は、お母さんとお子様たちの3人が暮らすための木造住宅である。土地の広さに余裕があるので、平屋での計画としている。プランは中庭型のC字型をしており、木製のルーバーで守られた中庭は丸で室内のように使用することが出来るように作られる。リビングには土間が設えられ、そこには薪ストーヴが設置される。毎日炎を見て暮らすことが出来るとはなんと豊かな事だろうか。この住宅は、すべての木材を国産材で構成する予定だ。すべての木材はスギやヒノキなどの無垢材で調達され、内装仕上げなども漆喰などを中心に選択されている。アトピー性のお子様に配慮した健康的な住宅となることを期待している。

天職という言葉を聞くことが少なくなった。この言葉の意味は自分の職業にいよいよ深まっていく意識的な愛着と言える。今日では様々な事情から人が自分の喜びや悲しみを託して悔いぬ職業を見つけることが大変困難になったので、多くの人が職業の中に人間の目的を発見することをあきらめてしまったのだと、小林秀雄が書いたのは昭和40年代のことである。そんな昔からこんなことを考える人があったのかと思うが、今はさらに悪い状況のように思える。そんな時代の中で建築という職に出会った僕はとても幸せな部類だ。たまたまの出会いのようにも思えるが、これも何かの縁というものなのだろう。

垂直避難のための装置を作っているIさんの家

2020/11/06

10時より、埼玉県川口市にて垂直避難のための装置を作っているIさんの家にて打ち合わせ。Iさんの家には90歳を超えるお母さんが同居している。家の場所は埼玉県川口市、つまりは僕の会社のすぐ近くなのだけれど、このあたりはもしも荒川が氾濫したら予想水深が4mと予想されている。昨年の台風の際にも高齢者が上階まで避難できずにお亡くなりになったという痛ましい事故があったが、この装置はお母さんがいざという時に2階に避難できるようにするための手動エレベーターのような装置である。実はこの装置は一度完成しているのだが、先日お母さんが転倒し骨折するという事態になってしまったので、車いすのままでも使用できるように改造しようというのが今回の計画だ。もちろんローコストでの施工とするために、大工さんか作る木の箱をワイヤーで釣り上げるという仕組みを考えている。大体の寸法測定が終わったので早速作図に取り掛かるとしよう。

13時過ぎ、東京都北区にて進行中の耐火造3階建の共同住宅にて上棟式を執り行った。クライアントのHさんとIさん、そして担当者の江崎と僕の4人で、大工さんと一緒に建物の4隅にお酒・米・塩を撒いた。神主さんは呼んでいないが、みんなで一緒に心のこもった死期を執り行うことが出来た。

コロナが始まって以来初の茶会を開催

2020/11/03

今日は文化の日ということで、コロナが始まって以来初の茶会を開催した。もしものことを配慮すると裏千家という名前を用いての会は開催することができないので、仲間同士が集まっての茶楽会という同好会を一座建立の思いで立ち上げ、今日限りで解散するという形での開催である。席は濃茶と薄茶の2席、11月の炉開きに合わせ口切の茶を用意し、総勢35名のお客様をおもてなしさせていただいた。大寄せの茶会に慣れてしまった身としてはなんだか少なく感じる人数だけれど、1席8名まで、少人数での茶席というのはなかなか良いものである。10時に初めてのお客様をお迎えすると、14時の席までスムーズに進行して楽しい時を過ごすことができた。

例年当たり前に茶席があったときには全く感じなかったこと、それは一期一会という思いであった。今年は一度もこの手の茶会というものはなく、さらに言えば来年もほとんどの茶会が開催される予定がない。茶会が無ければ合うことも出来ない人がいたり、茶会が無ければ買うこともない道具もある。お茶やお菓子だってそうだ。誰も道具を買わなければ道具屋や作家はいずれ辞めてしまう。数年後、いざ茶道をやろうと思った時にそれを支える人がいなくなってしまったら、・・・それはすでに一般の人と縁遠くなってしまった能や狂言などの文化のごとく、茶道も京都など一部の地域で残る遺跡のような文化となることを意味している。こんな時に茶会などやらなくともよいではないかの声はたくさんいただいたのだが、でもやっぱりやってよかったと思うのである。文化というのはこんな時だからこそ必要なものなのではないだろうか。

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タイル貼りのセルフビルドを取り入れることが増えてきた。

2020/11/02

最近はタイル貼りのセルフビルドを取り入れることが増えてきた。昔はタイルなど自分で貼れるもののように思えなかったのだけれど、実際にやってみるとそれほど難しいものでもなく、しかもプロ仕様のタイルカッターを購入してみたらとてもキレ味が良く、好きな幅にカットすることも出来るのでお勧めのセルフビルド工事となった。埼玉県坂戸市で昨年造ったYさんの家では、奥様によるセルフビルドでタイル工事を行った。タイルを貼る面にはコンセントやスイッチなどの障害物を設けないように設計することで、セルフビルドの際にタイルをカットする作業を最小限にすることに配慮している。細かいタイルのカットはベビーサンダーという機械を使用する必要があるため、少々危険なのである。タイルを貼る際にはボンドを壁にこすりつけて、そこにタイルを貼りつけ、たたいて固定するという作業の繰り返しである。水平や垂直を出すのが難しいそうだけれど、キッチンの前くらいの広さならそれほど狂うこともないのでぜひ挑戦してみてほしい。

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川の流れる音と鳥のさえずりで目覚める

2020/11/01

朝5時過ぎに目が覚める。川の流れる音と鳥のさえずりで目覚めるというのはとても気分が良いものだ。借り物のシュラフもとても暖かいタイプのもののようでなかなか調子が良い。テントを出ると早速焚火に火をつける。空気が乾燥しているせいかすぐに燃え出す。昨日の夜、川で漁をしていた老人にいただいた鮎が袋にいっぱいあったので、早速焼き始める。川魚はこんな風にして食べるのが一番美味しいのかもしれない。

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齋藤さんが雲海を見に行こうというので車に乗って小高い山の頂上まで移動した。山の頂上には何やらビニルシートのようなものが張られており、その向こう側は視界が一気に開けている。下には雲海がぎっしりと広がり、一部雲の切れ間から街の様子が見て取れる。とても珍しい場所に驚いていると、なんとここはパラグライダーの飛び立つ場所ということであった。いろいろな場所があるものだ。気が付くと周りには杉の木がたくさん育っている。ここはまさに八溝山系のど真ん中、ますいいの家造りに使用している柱材はここの木を使用している。ここの山が豊かになることで川にはたくさんのプランクトンが繁殖し、その結果の鮎である。そして豊かな水が海に流れ込み、豊かな漁場となるのだ。そんなことを考えながらしばしの時を過ごした。

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朝食を終えるといよいよカヤックである。今日はこれまでで一番難しい上流に行くことにした。水量は少ないけれど、なんだかいつもよりも流れが速いように感じる。川というのはちょっと上流に行くだけで随分と変わるものである。いくつかの難所を乗り越えるも、強い流れに流されて岩に激突し人生初めての「沈=転覆」を経験した。沈すると天地が逆転する、つまり頭が川底側に来るわけでるから、早く脱出しなければ呼吸ができない。目の前にあるカバーの取っ手を強く引き、カヤックから脱出してカヤックを起こす、そのあとは齋藤さんのレスキューを待つだけである。流れに流されていると、水は意外と暖かいし、気分もそんなに悪くない。それに水に入ってみて感じたのだが、これで本当に自然と一体になれたような気もした。写真はちょっと波のある所を次女と長男と僕で下っている様子である。優雅と必死を繰り返しながらの一日であった。

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栃木県の那須烏山市にキャンプに出かける

2020/10/31

今日は久しぶりの連休を取って栃木県の那須烏山市にキャンプに出かけることにした。キャンプ場はいつもカヤックを教えて頂いている齋藤さんの所有地なので、今日は僕の家族だけの完全プライぺートである。初めての利用ということで、どんなものかと心配しながら長男と一緒にキャンプ場に向かった。途中お肉屋さんの「石原」に寄り道をして買い出しをする。買い出しも烏山の地元のお店を利用することに、ここは以前斉藤さんに教えて頂いた家族経営の美味しいお肉屋さんである。なるべくこういうところでお買い物を行うことも齋藤さんのポリシーの一つ、僕たちを自然に案内して、自然に紹介して、そして地元の店を使うことの大切さを静かに語るその様子を見ていると、僕たちもそういうことを大切にしたいなあと思うのだ。

少し肌寒いのでまず火を起こすことにした。焚火は慣れているし、薪はいくらでもある。初めて見る9人用の大きなモンベルのドームテントを何とか張っていると、齊藤さんが合流した。やり方を教えてもらって作業を終えようやくひと段落である。

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一足遅れて次女と妻が烏山線でやってきた。とてもローカルな電車で駅の外には迎えの車が列を作っている。齋藤さんが早く迎えに行けというから出発したものの、駅までは車でわずか5分である。待つこと15分ようやく合流し、みんなでキャンプ場に戻った。しばらくすると、齊藤さんから誕生日の花火をあげるとの掛け声がかかった。明日11月1日は僕の誕生日、そういえば前回来た時にそんな話をしていたのだが、まさか本当に花火の用意をしてくれているとは思わなかった。全部で100発くらいだろうか、20mくらいある栗の木よりも高く上がる打ち上げ花火、なんだか嬉しくて涙が出てきてしまった。明日で46歳、なんだか折り返し地点のような気がするけれど、とにかくこれからもさらに良い家づくりを行っていきたいと思うのである。

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設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/10/30

10時、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日は実施設計の3回目の打ち合わせということで、1階2階の室内展開図・キッチンの詳細図などを用いての打ち合わせを行った。ますいいでは現在自然素材使用の家造りを提案している。具体的には以下のようなコンセプトでの家造りを「森の生活」と名付けて行うことにした。ちなみに森の生活というのは、大量生産大量消費社会に疑問を呈し、一人森の中で小屋を造って自給自足の実験生活を行った「ヘンリー・D・ソロー―森の生活」から名付けさせていただいた。

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コンセプト

①地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東(栃木県中心)で採れる桧、杉材を採用
土:内装仕上げに漆喰材を採用
石:大谷石などの関東で採れる石を採用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに採用

②住まい手と作る職人の健康を害する部材を使わない
合板・ベニヤ・ビニルクロス・新建材・サイディング等を使わない。
塗料・接着剤も安全に配慮する

③廃棄時の環境負荷を考慮した部材を採用する

④室内空気環境を測定する

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ますいいリビングカンパニーは「もっと自由に家を造ろう」という理念のもと誕生した工務店機能を兼ね備えた設計事務所である。その理念を実現するために「セルフビルドを積極的に取り入れる」「モノの値段をクライアントと共有して一緒に考える=原価公開」を大切に家づくりを行ってきた。こういった自由な家づくりの一環として、本当に森の中の暮らしのような健康的な住宅を造るということに本格的に取り組んでみることにしたのである。現在設計しているHさんの家、Oさんの家はその完成形となる予定だ。進行を楽しみにして欲しいと思う。

進行中のKさんの家の現場管理へ。

2020/10/29

朝一番で埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の現場管理へ。Kさんの家では大工の本間さんと瀬野さんの手によって、上棟工事を終えてから、屋根の下地工事を経て金物工事や筋交い間柱の取り付けへと進行中である。登り梁の現場なので2トン用のオメガコーナー金物が直角に取りつかないなどの小さな問題点も、構造設計事務所の間藤先生にご相談などして解決していく。この先2週間ほどの作業内容についての確認をして帰事務所。

事務所に帰るとオグラさんで購入していた栗の丸太材が届いていた。今回の栗丸太はすべて24mmになるように挽いているので、主に棚板や、建具の枠に使用することをイメージしている。前回よりも薄く挽いているので価格も抑えることができて使いやすい。国産の栗材で建具枠を造るなどこのうえない贅沢であるのだが、丸太で購入することによってそれほど高価な商品ではなくなる、というよりも普段使用している輸入材の枠材とそれほど変わらないお値段でお譲りできるようになるというマジックなのである。全部で65枚、材木倉庫に運び入れるのもなかなか大変な作業なのだが、それでも自分でやりたくなってしまうくらいにいとおしい素材達なのである。

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進行中のKさんの家の上棟工事。

2020/10/27

今日は埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の上棟工事。朝一番から担当スタッフたちは現場に出ている。手おこしの上棟工事ということで現場には9人の建て方大工さんと2人のますいいの大工さん、総勢11名で作業をすることとなった。手おこしというのはクレーンを使わないで上等作業を行うことを言う。つまりがすべて人力で2階や屋根の上の部材をあげるということで、これはなかなか大変な作業である。大変だからこそ大工さんがたくさん必要となる。クレーンを使用していれば通常は4名程度の作業なのだが、その差7名は部材を楊重する代わりの荷揚げ作業を行うというわけだ。

雑誌チルチン人の取材班が会社に来たので、僕も一緒に現場に向かった。取材班はライターの松岡さんとカメラマンの秦さんのお二人だ。現場につくと秦さんがドローンを飛ばしての空中撮影を始めた。近くでドローンを実際に飛ばすのは初めて見たのだけれど、羽音がなかなかの迫力だった。それにしても撮影方法も変わったものである。お昼前に山下社長が川口駅に着くというのでお迎えに上がる。山下さんはチルチン人という雑誌をつくった方である。「地域の木を大切にする工務店のための雑誌」であるこの雑誌は、僕が20年前にますいいを立ち上げたときからあこがれの雑誌だった。僕が日本で一番良い家づくりをしていると思う人たちが紹介されている雑誌に紹介され、仲間になることを誇りに思いつつ、さらに良い家づくりに邁進していきたいと思う。

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ある手記を読んだ。

2020/10/22

ある手記を読んだ。内容は以下の通りである。ますいいの家造りは国産材を利用する家づくりにするが、これもまた地産地消という環境保護につながる小さな行動であると考えている。ますいいリビングカンパニーの小さな活動も、同じような志の会社が増えることによって大きな効果を生み出すだろう。国産材市場はまだ不透明な市場である。でもきっとこれから大きく伸びる、というよりは何でもかんでも海外から運んでくるというシステムが崩壊して、それしかないという社会が到来すると思うのである。

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現在の気温上昇が様々な動植物の死滅につながる、と主張する学者もいる。彼らは、現在のままの状態が続くと、6500万年前に起きた動植物の死滅に次ぐ、地球の歴史で6回目の死滅になると主張している。温暖化は地球上の水の循環に大きな影響を与えるので、水害、ハリケーン、台風などの気象災害の頻度を増やす。その兆候は米国だけではなく、日本でも見られる。だが温暖化がもたらす長期的な損害についての学者たちの見解は、新聞の大見出しにはならない。気候変動の問題は、メディアが報じているよりもはるかに深刻だ。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「2030年までに温暖化ガスの排出量を2010年レベルの45%に削減しない限り、生態系が破滅的影響を受ける可能性がある」と警告している。我々はあと約10年以内に、平均気温の上昇幅を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えなくてはならないのだ。残された時間は少ない。

和紙を壁に貼るセルフビルドをご紹介

2020/10/20

和紙を壁に貼るセルフビルドをご紹介しよう。埼玉県の岡崎さんの工房では手すき和紙を漉くことができる。原料はコウゾやミツマタを使用し、着色も天然の花などの成分で行う本格的なものである。住宅の仕上げ材として写真のように色を付けた和紙を貼り込むのだが、作業自体もセルフビルドで行うことができる楽しい作業だ。ビニルクロスなどにはない自然素材ならではの優しい風合いが魅力的である。

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新築住宅を造ったSさんの家の増築計画打ち合わせ。

2020/10/17

夕方、埼玉県さいたま市にて数年前に1000万円住宅プロジェクトにて新築住宅を造ったSさんの家の増築計画打ち合わせ。今日は平面図と断面図を用いて全体計画についての打ち合わせを行った。今回の図地区計画は800万円という予算で計画をしている。ロフトの形状、屋根の庇、セルフビルドの範囲設定、どこを取ってもデザインとコストのはざまでのせめぎあいである。こういう極限の計画は実はとても勉強になるものだ。だって余分なものを造る余裕がないのである。余裕がないからこそ面白いものができる、そして無駄をそぎ落とした魅力的なものができると考えている。次回は展開図などの打ち合わせ、丁寧に進めていこうと思う。

栃木県那須塩原市にある二宮木材さん見学

2020/10/16

朝一番で事務所を出て栃木県那須塩原市にある二宮木材さん見学へ。この製材所は栃木県でも有数の大きな工場で、主に栃木県産の杉を中心に製材している。杉というと秋田杉やら吉野杉が有名だけれど、最近では栃木県産材が日本一の品質を誇っているとのアピールのあるくらいに良質の素材が造られていた。この地方の杉材はちょうど樹齢70年程度のものがそろっており、しかも山でとても丁寧に手入れをされていることにより節や曲がりが少ないということである。ますいいの事務所でも杉のフロアリングを使用しているのだけれど、杉はとても柔らかみがあってはだしで過ごしたくなるような温かみのある床を造ることができるので良い。ほかにも室内の天井などに貼る羽目板や、造作で使用するための板材などを上手に取り入れていきたいと考えている。

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設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。

2020/10/14

午前中、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。今日は室内展開図を主に用いての詳細打ち合わせを行った。この住宅では薪ストーブをリビングの中央部に配置している。薪ストーブの上には吹き抜けがあり、2階のホールには書斎の様に使用できる開けたスペースが計画されている。ホールの上部にある開口部は大きなFIX窓と高所用の縦滑り出し窓の組み合わせとした。南側の高いところにあるこの窓が開くことにより、北側の階段室にある大窓との間で風の通り道ができることとなる。この窓はきっと夏場の暑い空気を排出することにも役立つであろうと思っている。

薪ストーブの両側には庭を望むことができる縦スリット窓を取り付ける予定である。リビングのどこにいても庭に対して開いていることは暮らしに大切な潤いを与えてくれる。リビングのどこにいても薪ストーブのほうを見るとその向こう側には庭が感じられるようにすることで、大切にしている庭を家の重心と呼べるような中心的な場所に設えることができると思うのである。

明治神宮にて開催された裏千家のお家元の後継者を指名

2020/10/13

今日は終日、明治神宮にて開催された裏千家のお家元の後継者を指名するという格式披露茶会にて、全国から集まった50歳以下の茶人による茶席に参加させていただいた。創作の棚・若手作家の道具を使用しての立礼ということで、それぞれの道具に応じた扱いを工夫しながらお点前をするなどというなかなか面白い嗜好であった。僕も2席目の点前をさせて頂いたのだけれど、いざお席が始まるとそれまでの準備も吹き飛ぶような緊張感に包まれる中で大変良い経験をできたと思う。

このような伝統文化というのは継続していくことがなかなか難しい。実際に茶道の人口もどんどん減っていると聞くし、次世代の家元となる千敬史さんもその時代を担う上で大変な苦労をされることが予想されるわけである。茶道がいわゆる女子絵の花嫁修業という時代は終わった。花嫁修業などという概念自体、共働きが主流の現代社会には全く当てはまらないと思う。今はその時代に茶道を始めた人たちが僕たちのさらに上の世代として文化の担い手となっていただいているわけだけれど、後10年もすればそういう時代の方々に頼り続けることは無理があるだろう。そして10年後には僕も50代半ば、いつも間にやら上の世代の担い手になってしまう。

僕たちの時代における茶道のような文化の意味とは?
・自国のアイデンティティーとして
・観光産業に素材
・精神的安定の材料として
・趣味
・一部の人にとっては生活の糧
・・・・
こういうことが考えられると思う。

でも、こういうことは花嫁修業のごとき爆発的普及はしないだろうから、そのまま放っておけば能や狂言のように、一部の人しか見たこともないというような、一般人には関係のないものになっていってしまうかもしれない。そして茶道がもしそうなれば・・・、抹茶、茶碗などの陶器、軸、漆や蒔絵、着物などなど多くの周辺にあるものたちもまた衰退の一途をたどるであろう。

僕は建築家としてモノづくりに携わっているから、こうした伝統的なもののデザインとか造り手にはとても興味があるし、伝統的でない現代の作家さんたちにも同じように興味があるのだけれど、こういうことに同じような興味を持つ人たちはそれほど多くはないだろう。そもそも茶道の道具はなんといっても高すぎる、という致命的な事実もなかなか普及できない理由の一つだと思う。高いものを購入するという事実は人のエゴとか見栄とかが購入要因であることもある。そして一部で本当に素晴らしい作品に対するリスペクトである場合も多いと思う。前者による購入が少なくなるとするならば、後者による購入の適正価格とはいかほどなのかを追求し新たな販路を造る事、これは道具作家の生き延びる一つの道かもしれない。

次世代の家元が茶道をどのように率いていくのかはわからないけれど、一つの流派の家元だけではなく社会全体としてに日本らしい暮らし方の一つとしての茶道を大切にしていく傾向が高まっていくようなことを期待したいと思う。
イギリスの哲学者トゥインビーの言葉で、
・自国の歴史を失った民族は滅びる
・物の価値をすべてと捉え、心の価値を失った民族は滅びる。
・理想を失った民族は滅びる
という言葉がある。
これからこの国で生きる子供たちのためにもやっぱり大切にしていきたいものだと思うのである。

設計中のSさんの家の断面スケッチ。

2020/10/10

午前中は埼玉県さいたま市にて設計中のSさんの家の断面スケッチ。Sさんの家は1000万円で家を建てるという挑戦をした木造2階建ての住宅の増築計画である。土地を購入し、既存の木造住宅と行き来できるような別棟を造る予定であるが、今日は矩計図といういわゆる断面詳細図を作成し、作り方の基本を押さえるためのスタディーをした。1階の床は土間仕上げである。基礎コンクリートの上にモルタルを50mmほど打つ仕上げとした。2階の床は下地に無垢ボードという杉の幅ハギ材を使用しその上にフロアリングを貼る。それにより水平剛性を確保しながらそれをそのまま天井仕上げとして現しにすることを検討している。

ロフト部分は杉の30mの厚板をそのまま仕上げとして貼る。もちろん裏側も現し仕上げだ。こうすることで天井下地を作る作業などを省くことができるので、全体的なコストダウンを図りつつ、構造の梁や床フロアリングの無垢材の天井現しという木の家の魅力を生み出すことができることとなるだろう。

午後、茶道稽古。来週の火曜日に明治神宮での茶会にてお点前をするということで急遽、三園棚による立礼のお点前の特訓である。本来はいつでも指名されたらすぐに動じずにできなければならないものであるのは重々承知はしているものの、なかなかそうはかないのが現状である。久しぶりの立礼だったが、3回ほど繰り返すことで何とか思い出すことができたようだ。

一日中建築のスケッチをして過ごした。

2020/10/08

今日は一日中建築のスケッチをして過ごした。午前中は昨日と同じ埼玉県川口市にて進行中のKさんの家。昨日に引き続きリビング、キッチンにある窓枠の意匠、ペレットストーブの配置などについて検討をした。

午後は埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家のスケッチである。玄関周りの框や窓、収納家具などについてのスタディーを終え、リビングに配置する大階段の窓や、薪ストーブの上に付ける予定の大きなFIX窓などについて検討をした。

スケッチは肉体労働か頭脳労働か?僕にとっては大した差異はない。建築の世界では設計者として偉そうにしている頭脳労働者が多くの肉体労働者を使っている(僕が最も嫌いな表現だがあえてここでは使ってみよう)のが普通だけれど、そもそも資本主義社会においては。肉体的であれ頭脳的であれ、すべての労働が貨幣価値に変換されてしまっているのだから、区別すること自体に意味がないのだ。あるとしたらどちらかの側に立った人が自分を認めるためのエゴでしかないのだと思う。

もう少し詳しく書くと、資本主義社会において賃金をもらって働いている以上、頭脳労働者としての設計者は決して本質的な指導者的立場にあるのではなく、ただ単に設計という労働をしている肉体労働者と変わりはないのだという事だ。もしかしたら一日中机の前に座っていなければいけない分だけ、体に悪い厳しい仕事ともいえるだろう。ではだれが支配的立場にいるのだろうか。ある一面では大手のディベロッパーであり、ある一面では行政や政治の世界の人たちかもしれない。

昨今の建築現場ではベトナム人の研修生の姿をよく見かける。彼らは一日1万円にも満たない給料で事実上の肉体労働者として働いているのだけれど、同じ労働をしている日本人がその倍以上の給料をもらっているという現実は、労働の種別ではなく、研修生という名のもとに支配されてしまうという新たな階級を生み出している。

世の中はずるいのである。そんなことはわかっているが、でも自由に造りたいものを造りたい。住宅は唯一それが許される世界なのだと僕は思う。そしてそれはクライアントにとっても同じことなのだ。

自分の家を自分で考える、つまりは設計行為を自分自身でも行った建築の現場作業を自分で行うという事は、肉体的でも頭脳的でもない新しい労働の質を生み出す。頭の中から生まれた形を、現実のものとすべく職人さんたちと協働しながら、そして自分の体も動かしながら造り上げる労働は、お金の為の労働ではなく、そしてただの遊びでもない、まさにウイリアムモリスが羨望した景色に描かれた新しいスタイルだ。こういう事を大切にしていくことが人間の尊厳を大切にする事なのだと思う。

進行中のKさんの家の図面チェック。

2020/10/07

午前中は埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の図面チェック。今日は洗面室とトイレについてのスケッチを中心に描く。洗面室で使用するのはTOTOの実験室用シンクである。このシンクは大型で価格も安く使いやすいのでますいいでは定番の商品だ。洗面台の天板には9mm厚のフレキシブルボードを使用する。幕板は栗の板を製材して使用する予定だ。前面の壁には同じく栗で造られた枠にはめ込まれた鏡があり、その横にはしな合板の収納家具が取り付けられる。フレキシブルボードの天板と鏡のあいだにはセルフビルドでタイルが貼られる予定だ。セルフビルドのタイル貼りは初めは少々とっつきにくいけれど、タイルのカットさえ覚えてしまえばだれでもできる簡単な作業だ。壁にはモイスという石灰質の板材を貼る。背面には大きな収納があり、家族全員のタオルや下着などの収納が可能となっている。

身の回りの様々なものを自分で造ろうという事は、知覚できるテリトリーを出来るだけ拡張していこうとすることだと思う。ハイテク社会において便利なものを受け入れれば受け入れるほどに、なんだかよくわからない物や事に支配される割合が少しずつ増えていくような気がする。意識するとしないとにかかわらず、何者かに自分自身の行動や嗜好を監視され分析され・・・、社会全体が表面からは理解できないほどに迷宮化している。でも、人が暮らすってそんなに複雑な事なのだろうか。住宅は僕たちの理解できる空間へと創り直すことが出来る唯一の居場所である。だからこそ出来ることは自分でやる、セルフビルドが価値があるのだと思う。

スケッチをしているとだんだん楽しくなって見積もりに入っていない物まで書き始めてしまう。勝手に書いて追加を請求できるはずもないので、気を付けないといけないのだけれど、でもやっぱりこうしたいなあの感には勝てるものでもない。クライアントにとっては一生に一度の家づくりなのだ。少々のサービスは良しとしよう。

SNSは普段あまりお会いすることはできない人を思い出させてくれる。

2020/10/05

SNSは普段あまりお会いすることはできない人を思い出させてくれる。僕はそれほど得意ではないのだけれど、Facebookだけは何となく暇な時に目を通す。先日は気まぐれカフェなる隠れ家的なカフェを営むあべさんの記事を目にした。内容はカフェの話もあるけれど、日常の中でふと目にする自然の営みのような内容も多いので読んでいて面白い。そしてふと季節を思い出させてくれる。

このカフェはとても古い住宅のリフォーム工事を依頼されるところから始まった。構造体はゆがんでいて、建て替えをしてもおかしくないような状態であったのだけれど、あべさんの強い思いでリフォームの道を進むこととなった。居間にはご両親の遺影が飾られていたことを強く記憶しているけれど、家を建て替えずにリフォームされる方は必ず遺影が飾られているものだ。ご両親やご先祖様とのつながりがあって自分がいる、そんなことを大切に思う心が家も大切にするのだろう。工事は耐震補強工事、お風呂などの設備のやり替え、古い部分を残したり部材を再利用したりしながら経年変化の良さを残しつつ、カフェとしての内装を造る事工事、庭との関係を生み出すデッキ工事などを行った。

この写真は昨年辰巳拓郎さんのテレビ取材を受けたときに撮影したものだ。辰巳拓郎さんも健康にはかなり気を使っているそうで、あべさんの体に良いレシピにとても興味を持たれていたことを思い出す。

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栃木県の那珂川下りの3回目である。

2020/10/04

今日は栃木県の那珂川下りの3回目である。レクリエーションカヤックで初の体験をした後に、ハイブリッドタイプと呼ばれるカヤックを経て、ついにリバーカヤックに初挑戦することになった。これまで乗っていた物と比べるとだいぶ小さく感じる。長さは2mほどしかないだろう。リバーカヤックというのは川下り用に開発されたカヤックで、小回りが利いて自分の思い通りに動かすことが出来るので、ホワイトウォーターと呼ばれるいわゆる激流下りなどもできるタイプのものを指す。今回乗ったのは、ダガーのリワインドMD、フラットボトムで安定性があるタイプである。

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何となく始めたカヤックによる川下り。毎週のように栃木県の那珂川に来ていると、自然の中で過ごす心地よさが病みつきになる。那珂川の太平洋側には八溝山地という低い山々が連なっていて、そこでは良質な杉材が育てられている。最も高い山は標高1022mの八溝山、この八溝山系で伐採された材木は「八溝材」といい、国産材の八溝杉はその一つである。素性がよく狂いにくく、木目が美しい、赤身の色が美しい、曲げに強いといった点から、関東きっての良材として、木材業界では高い評価を受けている。ますいいでもこの山系のスギ材を柱として使用しているし、今後の家づくりでは梁材もこの八溝杉を使用していく予定である。

山の豊かさが川を通じて、海に恩恵をもたらすことは広く知られている。山の樹木から落ちた葉や、森の土壌に含まれる多くのミネラルをはじめとする様々な物質が雨水や地下水に溶け込み、河川を通じて海洋に運ばれ、植物性プランクトンを大発生させて、それが貝類や動物性プランクトンの餌となり、やがて小型魚、大型魚と食物連鎖が進んでゆくのだ。「海を豊かにしているのは山の森」なのである。その山を整備するにはやはり人手が必要だ。山を整備すてくれる人々、つまり林業に関わる人が暮らしていくためには、その山でとれる木を売らなければいけない。地域の山を育てる人、地域の山の木で家をつくる人、地域の山の木で作った家に暮らす人、こういう関係性が成立する事こそが僕たちの暮らす自然を守ることにつながるのである。

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川下りのベースキャンプの近くには石畑の棚田というところがある。ここでは平成12年から、地元農家7名が集まり、棚田の再生と保全を目的に、入郷棚田保全協議会を結成し、現在は、毎年50~60組のオーナーと11戸の地元農家が活動しているそうだ。
・・・以下茂木町HPより
石畑の棚田について
日本の棚田百選にも選ばれている当地区。
年会費3万円で、棚田のオーナーになれます。
田植え、草刈り、稲刈りなど、年間を通じた農作業に参加していただきます。
地元の農産物のお土産付きです。

●棚田の特色
中山間地の谷津田が棚田を形成
面積 2.4ha 田の枚数 180枚
・・・・・・・
人口約1万人の過疎の進む町でもこうして豊かな自然を守る活動を行っている。最近毎日のように隈による被害が報告されているが、人は厳しい自然と調和しながら、そして時には川の流れを変えるがごとき力業を使いつつ、人が生きていくことが出来る状況を作ってきたのである。家づくりとは人が暮らす場を作ること、だからこそそこで使う材料も僕たちや子供たちが暮らす未来につながるように考えながらセレクトしていきたいと思うのである。

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進行中のKさんご家族打合せ。

2020/10/03

10時、埼玉県川口市にて家づくりが進行中のKさんご家族打合せ。現場では基礎工事が進められているのだが、今日はアルミサッシや外壁、屋根などの色について話をした。外壁はモルタルとジョリパットの2種類を1階と2階で塗り分ける。2階が1階よりも910㎜跳ねだしているのでモルタル仕上げの荒々しいグレーのボリュームに、ブラウン系のアースカラーで仕上げられた大きなボリュームが乗っかるような建築である。モルタルの外壁面と呼応して、ジョリパットも少々粗目の小粒ロックSが良い。屋根などの色ももちろんブラウン系である。アルミサッシの色は外壁に合わせて上下階で分けることにした。出来上がるがとても楽しみな住宅である。

川下りをしているとカワセミを見かけることがある。カワセミは翡翠と書いたり、川蝉と書いたりする小さな鳥で、羽の色が鮮やかな青色をしているのが特徴だ。水の中にいる小魚を捉えて食べるので、水面に近い小枝などに留まっていることが多く、水面側から崖を眺めていると運が良ければ見つけることが出来る。川が濁っていると魚を食べることが出来ないので生息できなくなってしまうから、自然環境のバロメーター的な存在として扱われてきたそうだ。実際に翡翠を見た時の印象は、映画の中で見るティンカーベルのようなイメージである。飛び立つと直線的な動きをして獲物を捕らえ、そしてまたどこかへ留まるのだけれど、その小ささと色の鮮やかさが、実際には見たことはないけれどそんなものを思い出させるのだろう。

日本にはたくさんの山や川がある。そして周りを海で囲まれている。なんだか最近はクマに襲われた事故のニュースばかりが目に付くのだけれど、自然は僕たちにそれ以上の様々な恵みを与えてくれていることを忘れてはいけないと思う。都会で生活をしているとどうしても忘れてしまうことがある。でも都会での平穏な暮らしがこの先もずっと続いてくれるというような楽観的な思考は、昨今の異常気象などの状態を見るとなかなか持ちえないのではないだろうか。台風による風被害や洪水、動物たちによる被害、地震、世界中で燃え続ける山火事、・・・一体僕たちの住む地球はどうなってしまうのかと考えない日はない。翡翠を見ると彼女の妖精の粉を浴び「信じる心を持てば空を飛べる」ティンカーベルを思い出すのは、その愛らしい姿が僕たちの心に「僕たちが信じればこの地球もまだなんとなやり直せるのではないか」と思わせてくれるからかもしれないと思うのだ。

Mさんの家の作業立ち合い。

2020/10/02

朝7時過ぎ、埼玉県蕨市にて10年ほど前に造ったMさんの家の作業立ち合い。今日の作業は3階のバルコニーに猫の為の囲いを造るという作業である。レッドシダーのツーバイフォー材をあらかじめキシラデコールで塗装しておいたので、まずは大工の本間さんとスタッフの堀部君と一緒に荷揚げ作業を行った。地上、2階のバルコニー、3階のバルコニーの3か所に分かれ、荷揚げ作業をする事約30分、短い時間でも汗ばむ大変な作業である。大工さんが囲いを造った後に、Mさんたちがネットを張って出来上がり。捨てられた猫を保護して、飼育して、新たな飼い主を探すというボランティア活動に少しでも協力できたとても有意義な一日であった。

設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。

2020/09/29

午前中は、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。今日は平面図と断面図などを用いての打ち合わせを行った。この家の計画では幅が2730㎜で上り口が1820㎜の大きな階段を計画している。階段の踊り場には大きな掃き出し窓が計画されており、階段室には北側の窓から安定した光が降り注ぐこととなるだろう。階段の1段目を利用してソファーのごときスペースが設けられ、そこに座ると正面に薪ストーブが設置されるようになっている。薪ストーブの両側にはスリット窓があり、そこから南側の庭を垣間見ることが出来る。ここが家の重心だ。

家には重心があると良い。そこは家族の意識が集う場であるから、どこにいても何となく視線を向ける場所とするように計画する方が良い。重心がある家は家族がバラバラにならないというような効果があるように思える。逆に個人のプライバシーを守るための個室ばかりを重視してつくられた家では、家族自体も個別化していってしまうように思うのである。

13時過ぎ、茶道稽古。今日は大円之草の点前をした。大円盆には、右上に唐物茶入、左に和物茶入、手前に天目茶碗を置く。仕込んだ大円盆は、水指の前に飾り、建水を持ち入るところからのスタートとなる。10年間のおけいこの中でも、なかなか毎週参加することが出来ない僕は、奥伝までたどり着かない月が多い。恥ずかしながら今日で2回目、すらすらと自分で出来るはずもなく、先生に指導をして頂きながら約1時間ほどであろうか、何とか最後まで行うことが出来一安心だった。

手前の中でもみ手という所作がある。寒いときに無意識に行う左右の手のひらを揉み合わせる動きなのだが、茶道の中でもこんなことを行うところがなんだか面白い。何かを依頼するときにも揉み手という所作をすることがあるが、手をすり合わせる事にどんな意味があるのだろうか。

18時、ますいいで長年頑張ってくれた渡辺さんが出産のための休暇に入った。育児休暇という制度は子供を産み育てつつも会社に所属し続け、1年後に復帰をするためには本当に必要なものであると思う。その間の手当が給料の6割程度支給されるというのもまた安心して子供を産むことが出来るためにありがたい措置だ。夕方簡単な送別会を行うもいつの間にやら日本酒まで登場しての宴会となってしまった。元気な子供を産んでくれることを心より祈りたいと思う。

ますいいリビングカンパニーに材木の加工機が登場した。

2020/09/28

ますいいリビングカンパニーに材木の加工機が登場した。丸太で購入した栗や桜、オニグルミといった板材を造作するための機械である。これらの国産広葉樹は近所の材木屋さんで注文しても買えるものではない。ますいいでは岩手や北海道産の丸太を購入し、約1年間寝かせた後に川口市にある木材倉庫に保管している。写真は1年ほど前に購入した栗の木である。興味のある方は是非ご相談いただきたい。

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コロナに対する対策などについての取材を受ける。

2020/09/26

15時、旧知のライターさんの渡邊さん、谷内さん、介川さんのお三方より、工務店機能を有する設計事務所としてのコロナに対する対策などについての取材を受ける。なんでもリフォーム業界へ向けたコロナの中での営業活動についての啓もう活動を行うことが目的とのこと。ますいいとしては、電車通勤を避けたり、昼食時の外食を避けるために調理師さんによる昼食を取り入れたり、マスクを着用したり、消毒をしたり、ZOOMによる打ち合わせを採用したり、・・・まあおそらくほかの会社でもやっているような対策を順次取り入れて試しているというような状況である。こうした対策をしているうちに、分室からでも本社サーバーにアクセスできるようにVNPサーバーでを取り入れたり、ネットワーク型のCADを導入したりの業務環境改善にも着手したのだけれど、このような動きは職場の効率化にも寄与したような気もするのでもしかしたら他社さんにも参考になるかもしれない。

終了後、渡邊さんと谷内さんを招いて自宅で食事会。自宅にはすでにさんかくの家のクライアントである田中さんが来ていて、妻と二人で歓談していた。10年ぶりくらいだろうか、そもそもこんな風に集まって食事をするなど初めての機会である。渡邊さんは雑誌「住まいの設計」のライターさんとして扶桑社に勤めていたころ、僕が初めて取材を受けた鳩ヶ谷の家の取材に来てくれたのがお付き合いの初めであった。それ以来何件かの取材をしていただいたのだが、今から10年ほど前に渡邊さん自身の家を造らせていただいた。それが船橋の家である。

この家の大黒柱は埼玉県の杉を使用している。大きな屋根を支える柱はこの家の象徴的な存在として立ち続けている。障子のはめ込まれた大窓の向こう側には庭があり、窓辺と庭は地続きの関係となっている。一段下がったキッチンは、そこに立つととちょうど目線が居間に座る人と同じ高さになるように作られている。さんかくの家、船橋の家、ともに強い思いを込めて作らせていただいた住宅のクライアントとこうして10年以上ぶりに集まって食事会を行うことができる・・・、こんなことも住宅という仕事の素晴らしいところだと思うのである。

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木で家の構造体を造るように心がけている。

2020/09/25

ますいいリビングカンパニーでは現在、栃木県や茨城県・一部紀州産の木で家の構造体を造るように心がけている。いつのころからか外国産の木をただ単に安いからという理由だけで使うようになってしまっていたのだが、近年の気候変動等の環境問題はこうした経済至上主義のもとに生まれた問題といえるだろう。わざわざ遠くの国から燃料を使って船で輸送して来なくとも、日本には多くの山がありそこにはたくさんの木が生えている。木を伐り、植え、育てるという山の循環システムをしっかりと造り上げることで、豊かな自然を育むことができる。山を手入れすることができれば、それだけ自然災害も防ぐことができるし、その山に登ったりのレクリエーションの場としてもより魅力的な空間となるであろう。ただ安いというだけの理由で外材ばかりを使うという行為は、一瞬クライアントのためになるかもしれないけれど、こうした日本の豊かな自然をも放棄することにつながってしまうのである。それに木というのは育った気候風土の中で使用すると長持ちする。こうした家造りを行うことは、結果的にクライアントの利益となるわけだし、大きな目で考えればこの国で育つ子供たち全体の利益になると考えている。

設計中の木造3階建ての集合住宅の地鎮祭に参加。

2020/09/23

今日は東京都北区にて設計中の木造3階建ての集合住宅の地鎮祭に参加。この集合住宅は全部で6世帯の小規模ではあるけれど、木造の耐火建築物ということで少々大変な挑戦をしている。木造耐火建築の場合、例えば外壁に21mmの石膏ボードを2枚張ってからALCなどで仕上げをするなどの仕様が義務づけられているために、建物荷重も重くなるし、大工さんの工事内容も普通の建物より倍くらいのボリュームになってしまう。壁が厚くなることにより、床面積がどうしても狭くなってしまうという不利もあるのだが、それについては鉄筋コンクリート造よりは薄くなるので設計上の工夫で何とかなるレベルではある。なかなか大変なことはあるけれど、でもやっぱり木造が良いんだよの思いで進めてきたのだ。

なぜ木造がよいのか。まずは環境負荷の問題が挙げられるであろう。例えば建物の主要材料となる材木、鋼材およびコンクリートについて炭素放出量の比較をしてみると、鉄骨造は木造の2.9倍、鉄筋コンクリート造は4.2倍で、木造住宅は鉄筋コンクリート造、鉄骨プレハブ造に比べてきわめて小さい値となる。製造時の大気汚染や水質汚染などについても同じことがいえるのだが、こういうデータを見なくとも森林を手入れして入手した材木を製材して組み立てるだけの木造建築が環境にやさしいのは誰が考えても当たり前の事実であろう。次に考えられるのは住まいとして最も快適な構造であるということだ。やっぱり人はコンクリートの中に暮らすよりも気に囲まれて暮らすほうが良いに決まっている。今回の集合住宅にはエントランスや室内の一部に無垢の木を使用するなどして、なるべく注文住宅のように木に触れることができるように配慮した。小さなお子さんがいる世帯くらいまでは暮らすことができるプランなので入居者にもきっと喜んでいただけることと思う。

設計をしてきたKさんの家の地鎮祭に参加。

2020/09/22

10時、埼玉県川口市にて設計をしてきたKさんの家の地鎮祭に参加。Kさんは北の常緑ハウスのクライアントと同じ会社のご夫婦である。1年程前にご紹介いただいてから一緒に土地探しをして、設計をして、ようやくここまでたどり着いた。北の常緑ハウスのクライアントも一緒に土地探しをさせて頂いた思い出があるけれど、Kさんたちも同じような経緯をたどっているのがなんとなく面白い。

土地を決めて家の設計を終え、いよいよ既存建築の解体を始めようとしたときに広大な敷地を持つ地主さんである隣地にご挨拶に伺ったら、なんと20年来のお付き合いをさせて頂いている僕の大学の先輩だった。お隣さんが僕を介してはいるものの知人であるというのはKさんご家族にとってもなんとなく心強いものになるし、僕たちも工事中にスムーズに事を運ぶことができるので何ともうれしい気付きである。こんなこともまた一つの御縁。だって隣人ということは今度はKさんと僕の大学の先輩御家族がお付き合いを始めていくのだ。家というのは単体で成立しているものではなく、近隣とのコミュニティーだったり、行政との関係の中で成立しているものだからこそ、こういう縁は大切にしていきたいと思うのである。

神主さんは川口市にある氷川神社さんに依頼した。厳かな雰囲気の中地鎮祭が執り行われて11時ごろ終了した。

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日本の住宅は高すぎる。

2020/09/21

日本の住宅は高すぎる。これは紛れもない事実である。住宅を造る際の住宅ローンに縛られて人生身動きできなくなってしまうくらいに高い住宅を造る意味とは?の疑問を感じつつも、でも高いのだから仕方がないという風にあきらめてしまっている人も少なくないだろう。それでも限られた予算に収めようとすれば、建売のように出来合いの住宅を購入してしまう方もいるかもしれない。

でも、家づくりの中には自分でできることが結構ある。ますいいではセルフビルドを行うクライアントがとても多いが、仕上げ系の作業だったらほとんどすべてのことをやる気になればやることができる。最近はタイル仕上げの人気が高いのだけれど、タイルだって慣れてしまえばそんなに大変な作業ではない。あんなに硬いものをどうやって切るのの疑問も、タイルカッターという道具さえあれば誰でも切ることができるし、コンセントなどの細かい部分はベビーサンダーという道具で加工することも出来る。それにセルフビルドを採用する場合はもともとタイルを張る予定の場所にコンセントなどの器具が無いように設計すればよい。そうすれば幅と高さを合わせるだけで貼ることができる。

セルフビルドを採用すれは人件費分は確実に安くなる。工事価格の中で人件費が占める割合は結構大きい。材料の値段は下げることはできなくとも、自分で施工してしまえば人件費は落とすことができる。日本の職人さんは高齢化が進んでいるし、人数だって減っている。仕事も減るはずなのだけれどなぜだかあんまり減らないのは、投資物件などの必要とされているから造る住宅のような建築ではない経済による仕事があるからだと思う。だからどうしても人件費は上がる傾向にあるのだ。もしもタイルを職人さんに貼ってもらうと、一日作業してもらうだけで経費やタイル以外の材料費を入れて35000円ほどが必要になる。でも自分でやると3000円くらいでボンドなどの材料が買える。あとは自分で頑張るだけだ。だからますいいではセルフビルドを推奨している。コロナでなかなか発信できないホームレシピも活躍してくれることを祈っている。

僕は数年前から唐松の床板をよく使用している。

2020/09/19

僕は数年前から唐松の床板をよく使用している。僕が初めてこの床板に出会ったのはかれこれ10年ほど前であろうか。いつものように新しい素材との出会いを求めて何気なく群馬県の森林組合に電話をし、確か栗の造作材を仕入れたいという希望を伝えたことを記憶している。あいにく群馬県ではもう栗の丸太は取れないという旨を伝えられ、代わりに岩手県の中尊寺金色堂で有名な平泉にある製材所を紹介されたのだけれど、その際に出会った中之条町にある一場製材さんとの出会いがきっかけで唐松の床板を使うことになったのである。

一場社長の会社は数人の職人さんが丁寧に人工乾燥をした唐松や杉の材料を加工してフロアリングなどの製作をしている工場だ。抜け節の埋木はヒノキなどの素材を利用して、一つ一つ丁寧に手作業で行っている。社長の自宅の床板も唐松を使用していて、当時体の不自由だった奥様のために床暖房を入れたんだけれど、「僕の唐松はとても丁寧に乾燥をしているので床暖房を入れても狂いがそれほど目立たないで大丈夫なんだ」というお話を聞かせていただいたことを記憶している。

唐松というのは本当は杭に使用するために植林されたそうである。戦後の植林ブームに乗って長野県や群馬県、北海道などで積極的に植林されたものの、割れや狂いが出やすい樹種のために建築造作などに使用されることは少なく、その代わりに杭などに使用される予定で育てられ、ちょうど今伐採の頃を迎えているというわけなのだけれど、昨今木の杭や電柱を使用するケースはまれになり、そこで技術の進歩を利用してフロアリングなどの材料として使用し始めたというわけだ。

唐松という名前は中国の絵に出てくる松に似ているという理由でついた。針葉樹でありながら冬には葉を落とす落葉樹というちょっと珍しい木なのである。使い始めるとパインと同じようにだんだんと赤身がかって味わい深い色合いになってくる変化のが面白い。杉の床板もよいが、それよりもちょっと硬く、色も濃いので日本人の生活には適しているように思えるとてもおすすめの素材である。

写真を掲載するのでご覧いただきたい。

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ご自宅のメンテナンスを依頼されてのご訪問

2020/09/18

12時、15年ほど前に造ったさんかくの家のお母さんからご自宅のメンテナンスを依頼されてのご訪問。外壁の穴を埋めるなどの小さな工事だったけれど、お嬢様が家を建てたというご縁で僕にご連絡をいただいたことが何よりもうれしい出来事であった。ますいいリビングカンパニーは住宅を中心に取り組んでいる建築家集団である。工務店機能を兼ね備える意味は、小規模住宅で設計事務所が少額の設計料の中で苦労する現実や、小規模集宅の施主にとっては、例えば2500万円の住宅を建てる際に250万円の設計料を支払ってしまったら工事費が2250万円になってしまうという現実、設計事務所にとっては設計費用を少しでも上げるために予算をオーバーさせるような設計をしがちになってしまうという現実などを解決するためには、工務店機能を兼ね備えた設計事務所の存在が重要ろうという考えからである。さんかくの家は総工事費が約1500万円、まさに頑張って作った小規模住宅であった。僕が設計をして造った家の中で初めて渡辺篤史の建物探訪にとり上げられたり、住まいの設計やその他の様々な雑誌に掲載された本当に思い出に残る住宅である。そのお母さんからのご連絡、だから余計にうれしいのである。

続いて11年ほど前に造ったAさんの家のメンテナンスご相談。洗面所の壁付け水栓金具の水が止まらなくなってしまっているということで応急処置で壁に穴をあけての止水工事を行った。水栓金具のパッキンも10年を超えると壊れてしまうことがある。家づくりをしているとメンテナンスもまた大切な仕事なのである。

設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/09/15

午前中、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。開発の申請作業を終え、久しぶりの設計打ち合わせである。今日は1/50の模型を作成してのプレゼンテーションを行った。この段階では特に開口部の検討や全体のプロポーションの確認を行うようにしている。開口部に関しても大体決定することができたので立面図や展開図の作成に移行していこうと思う。

昨年末に家を建てた。今の本社から数えて3軒目の家である。自分の家を造るというのはなかなか難しいのだけれど、今回の家はモデルルームとして家づくりの参考にお見せするつもりで造った住宅であるので少々理屈っぽく造られているかもしれない。

この住宅は1階が鉄筋コンクリート造、2階3階がRC造という造りだ。なぜ鉄筋コンクリート造を採用したかというと、僕が住んでいる川口市という町は荒川氾濫時の想定水深が4mとも5mとも言われている地域であるからである。1階が鉄筋コンクリート造という事は、GLから約3mがコンクリートという事になるので、ある程度の水害までは耐えることが出来る。つまりは自宅避難を可能にする目的でこのような構造を採用したわけだ。

東日本大震災の時の津波の映像を見ていると、鉄筋コンクリート造の建物だけが残っている様子を見ることがある。あのような激流の中で建てることが出来るのはやはりコンクリート造であろう。家というのはそこで暮らす人の命を守るための物であるというのが第1義的な定義であるのは自明の理であるからこそ、水害想定域での住宅建築に当たってはコンクリートと木造の混構造の可能性を追求するべきだと思うのである。

ますいいではモルタルの土間仕上げをよく採用

2020/09/14

ますいいではモルタルの土間仕上げをよく採用しているが、埼玉県川口市に造ったアトリエKさんでは絵画教室のエントランス部分を土間仕上げの床としている。モルタル仕上げの場合、そのままで仕上げとする場合とクリア塗装を行ってコーティングする場合の二つの種類があるが土足で使用する場合には、どうしてもモルタルの表面が削れてしまうことと汚れが入り込んでしまうことを防ぐためにAUコートなどのコーティングを施すことが多い。施工自体はセルフビルドでも行うことができるような簡単な作業だし、数年に一度のメンテナンスも自分で行うことができるので良い。コスト的にも床を貼る仕上げよりも安価になるとても良い仕上げなので紹介しよう。

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中禅寺湖でカヤック

2020/09/13

今日は中禅寺湖でカヤックである。朝5時過ぎに起床し、一路栃木県に向けて家を出る。道が空いていたので早くついてしまい、たぶん人生で2回目の華厳の滝を見学に行くことにした。おそらく小学生の修学旅行以来だろうか。100m近い落差のある滝などそうそう見ることはないのでなんだかちょっと不気味な気分にもなるものだ。10時の集合を目指し場所を移動。いよいよ中禅寺湖である。

男体山のふもとにある標高1100mほどの湖でのカヤックということで、ちょっと考えれば気温などのコンディションも想像がつきそうなものであるが、あいにく久しぶりのアウトドアなのでそんな感覚も鈍っている。Tシャツに短パンの軽装で参加したものの、下着までずぶ濡れの状態で一日過ごすという何とも過酷なツアーとなってしまった。10時過ぎに金谷ホテルの駐車場に集合し準備をして、いよいよ出発である。ほとんど初心者なので、妻と息子の艇はなかなか前に進めないようだ。僕は娘と二人乗りの船だったのだけれど、これはゆっくりではあるものの何とか前に進めることができた。行先は千手が浜、片道3キロほどの距離である。慣れた人なら何でもない距離なのだろうが、寒いし進まないしの初心者にはこれでもなかなかの重労働。途中雷と豪雨に襲われるも全く引き返す気配もないので、無心に漕ぐしかないと頑張っていると、浜につくころには雨もやみちょうど良いコンディションになった。

自然の中に身を置くことを心がけようと思ったのはもしかしたらコロナの影響かもしれないと思う。なんとなくいろいろなお付き合いなどを優先し、時間がないという理由で疎遠になってしまっていたアウトドアではあるものの、もともとは中高時代には山岳部に所属し、大学時代にはアラスカの旅などをした経験がある。キャンプもしたし釣りもした。たいていのことは経験があるからなんとなく勘を取り戻せれば何とかなるような気もするけれど、やっぱり体がついていかないこともある。

久しぶりに自然の中に身を置いていると、時間の流れとか、雲の動きとか、なんだか普段はあんまり考えないようなことに目が行く。そして心の中もなんとなく普段と違う状態になるような気がするから不思議だ。今は普通の暮らしと普通の仕事の中に、なんとなく自然にアウトドアが入り込んでいるような暮らしをつくろうと思う。日曜日には旅に出ようを心掛けてしばらくは過ごしてみたい。

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設計中のKさんの家の打ち合わせ。

2020/09/12

10時、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。本当はすでに確認申請が降りていて、契約まで行うことができるはずだったのだけれど、斜線制限ギリギリのところで屋根勾配を急にしたりの変更をしていたせいで確認申請前の最終確認という打ち合わせになってしまった。今更図面を書き直すことはめんどくさいという気持ちが、こういう気持ちはスタッフの中にはあるかもしれないけれど、でも法規制などの理由で変更するならどちらが良いかの決断をするには、一生に一度の家造りを行うクライアントの気持ちになって本当に心の底からこうしたほうが良いという方を同じ気持ちで考えて、選択することこそが大切なことだと思う。今週の変更はそんな気持ちで考えた結果である。ちょっと大変な作業でもでもやっぱりやってよかったと思うのである。

17時、4年ほど前に造ったTさんの家の訪問。ゲリラ豪雨のさいに基礎の打ち継ぎよりも水位が上がってしまうというような事例が増えている。水に対する対策はやっぱり流れ込んでくる水を排水する経路を確保することだ。敷地の周辺に暗渠などがあればそことの境のブロック塀に穴をあけるなどの方法が有効だろう。10か所も穴をあければ相当な排水効果が期待できる。溜まりさえしなければそれほど怖いことはないのである。早速対応を考えてみよう。

この住宅では米松の構造材を造作材として利用したのだが、何年かのうちにちょうど良い色に変化をしてくれた。この階段の段板も米松、そのほかにも窓枠や棚板などに使用している。決して高価な材料ではないけれど無垢の木が持つ美しさ、とても綺麗だったのでご紹介しよう。

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都市に建つ日本の家は小さい。そして高い。

2020/09/09

都市に建つ日本の家は小さい。そして高い。これはどうすることもできない事実である。でもそんな都市であっても、豊かに暮らそうという強い意志を持つ人々はたくさんいる。
しかし、そういうことを考える人にとって、現在の社会の状況は決して甘くはない。経済尺度が何よりも優先される時代だからこそ、大きなビジネスになるマンションディベロッパーや、分譲業者の広告はいやでも目に入る。
一方、「自由に家造りしたい」、「豊かな家を造りたい」という人に有益な情報はなかなか手に入らない。土地を探すにしても、決められた住宅会社で建てなければいけない「建築条件付き」の物件がほとんどで、そうした縛りのない敷地は、長い時間をかけて探さなければいけないのが現状だ。また、家造りについて建築家に相談しようにも、適した人がどこにいるのかよくわからない。メディアに取り上げられることの少ない「工務店」という存在に至っては、もっとよくわからない状況である。

それならば少しでも自分でできることをしたい、セルフビルドやDIYをやってみたいと思っても、材料はいったいどこで買えばよいのだろうか。正しいやり方はいったい誰が教えてくれるのだろう。ホームセンターで材料を購入することもできるけれども、個人で使う程度の量では割高だ。建材によっては驚くほど高い値段になってしまうこともある。

そんな現実はいったん置いておいて、もしも、自分の家を自分で作るとしたら…。まず必要なのは、地盤の調査と改良、その次に家の基礎をつくる工事、そして骨組みとなるプレカット木材の購入、その他の材木の購入。それらの木材を施工する大工工事、もちろんサッシや木製建具、ガラスも必要だし、内外の壁や屋根を施工するための左官、内装、屋根、板金、タイルの工事、電気・ガス・水道工事などの設備工事、そして建物の周りの外構工事なども発生する。

これらの工事を自由に組み立てながら、自分らしい家を作ることができたら、どんなに楽しいことだろう。それは、自分のイメージを現実に置き換える行為であり、子どものころに興じたプラモデルを実物大でつくるようなわくわくする気持ちを味わえるはずだ。ただ、一昔前なら、自分の町にいるそれらの職の担い手たちに直接話をしながら、家を作ることは可能だったけれど、いまではそういう人たちがどこにいるのかもわからなくなってしまった。

実際、僕だって2000年に独立した時には、知り合いの建設会社に紹介してもらった職人さん以外に頼める人はいなかった。腕のよい大工がいるとうわさに聞いて、秩父まで行ってみてもあっさり断られ、タウンページに掲載されている大工さんに会いに行ったら笑われた。結局、材木屋さんに紹介してもらった大工さんだけが、僕からの仕事を請け負ってくれた。工事代金の不払いなどが多い世知辛い世の中であるが故、見ず知らずの人からの依頼を快く受けてくれる人などそうそういるはずもなく、だからこそ見ず知らずの人からの受注をするための宣伝・広報などもするはずがないのである。

要するに、自由な家づくりをしようにも情報が全くない。表面的なところまでインターネットで調べられても、奥深く調べようとするとすぐに壁にぶつかってしまうのだ。僕はこれまで約20年間、このような困難な状況にもめげずに建売住宅でもハウスメーカーの住宅でも満足できない自分自身の家づくりを行いたいと強く願う人々と向き合ってきた。小さな土地の中で許されるあれやこれやの工夫を施し、ただでさえ高い建築コストを少しでも安くするにはどうしたらよいか。考え得るあらゆる方策を重ねて、時には一緒に作業をしながら、200軒以上の家づくりにかかわってきた。そしてこれからもそれは続いていくはずだ。

住宅産業はこれから確実に衰退していく。人口も減少する。建築の寿命が延びて、住まい手のいないまま、取り壊されることもなく、空き家は増えていく一方だ。そんな状況が進行するうち、大資本がこの住宅産業を担う時代も終わってしまうかもしれない。余った土地に道路を敷設し、分譲して販売すれば利益が出る、という時代も確実に終わる。ハウスメーカーが軒を連ねる展示場が減少し、建て売りもこれまでの様には売り出されることがなくなっていく。つまり、家づくりを取り巻く環境は、ますます変化し、これまでの「常識」が通じず、わかりにくくなることが予想される。

でも自由な家を造ろうという人々は決していなくはならないと思う。だからこそ、住宅業界は再構築される必要がある。昔の棟梁のように、建築の知識を深く所有し、建て主の要望に合わせてそれを引き出し、建て主と一緒に建築を創り上げる、そういうことのできる「建築家」「工務店」が、新しい家づくりの体制を作っていくことが必要なのだ。結果、日本の家づくりがもっと自由になるような気がするのである。

on-line研修会というものを主宰させていただいた。

2020/09/06

今日は裏千家の淡交会青年部の関東第2ブロックという団体で、楽直入先生を講師にお招きしてのon-line研修会というものを主宰させていただいた。楽先生は千利休が茶碗を造らせたという焼き物師の長次郎の子孫で、15代目のお家元を務めていた方である。今は息子さんに家元を譲って、直入という名を名乗りながら茶碗づくりを行っているということだが、様々なお話を伺うことができた。ある軸に書かれた言葉で「楽中の苦、苦中の楽」という言葉を紹介してくれたが、楽家という重荷を背負って茶碗を造る事への苦労は大変なものなのだろう。でもこの言葉は僕たち普通の人の普通の生活にも当てはまるような気がするのである。

コロナの影響でこのような団体の活動はことごとく中止となっている。ある団体に所属していることによって定期的に顔を合わせていた人と実際にお会いする機会が極端に減っているなかで、ZOOM等のツールを利用して開かれる会合は結構貴重なものとなっているような気がする。アフターコロナの時代にも同じようなZOOM等のツールを利用した会合が開かれてもよいのではないかと思うほどに利便性は向上しているし、逆に全国どこにいても参加できることを考えるとリアルな会合よりも便利なこともあるのかもしれない。リアルな会合とZOOMによる会合のハイブリッド開催なども一つの方法だろう。何かがあると時代は変わる。コロナ影響もきっと僕たちの暮らしを大きく変える原因となるのであろうが、人と人とのリアルな関係だけは大切にしていきたいものである。

ウラロジ新聞の編集会議。

2020/09/05

午前中は埼玉県川口市にて進行中の川口裏路地計画実行委員会で発行するウラロジ新聞の編集会議。今回の記事はこれまで作った3個の掲示板についての話と、本町周辺のお店に関する情報などを織り交ぜたもの。このような町づくり運動はかかわる人たちにとって負担になりすぎないようにしながらも、途絶えることが無いように続けることが大切である。今回はますいいだけでなく、全体計画に関わっているアライ商店さんやコマームさんのイベント情報なども掲載し、この先につながることを大切につくり上げた。先日はFM川口でのインタビューにもお答えさせていただき、少しずつではあるが興味を持ってくれた方々からの問い合わせも増えている。まだ正式な計画にはなっていないけれど、町のランドマーク的な築100年ほどの建築群を登録文化財にして、シェアカフェにするような計画も始動した。こういう運動の結果、少しでも魅力的な街が出来上がればよいと思っている。町は決して行政だけがデザインするものではないと思う。やっぱり町はそこで暮らす人のものだと思うのである。

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10年ほど前に造ったHさんの家の現場訪問。

2020/09/02

午前中、10年ほど前に造ったHさんの家の現場訪問。結構前の住宅なので、僕たちのデザインもなんとなく若々しい感じがする。モノづくりというのはなんとなくその時代その時代で自分たちの年齢や経験、その時代の流行とともに変化するもので、久しぶりに訪れてみるとそんな変化を見るのもまた楽しいものである。この住宅にはお子様が3人いるものの子供室は今のところ2つしかないということで、3階の部屋を二つに分けられないかのご相談である。現場での熟考の末に、杉の間柱と羽目板を使用して本棚間仕切りのご提案をさせていただいた。やっぱり小規模リフォームのご相談は現場での設計に限る。一番早くかつ良いアイデアを思いつくのだ。

「古神札納め所兼トイレ棟 新築工事」の引き渡し

2020/08/31

今日は埼玉県川口市にて進めてきた青木の氷川神社における「古神札納め所兼トイレ棟 新築工事」の引き渡しを行った。現場につくとすでに神事を行った後で五色の切草が舞った後であった。こういう風に引渡し前の神事を行ったという経験は僕にとっても初めてであるが、なんだか建物が少しうれしそうにしているような気がするくらいにすがすがしい様相であった。まだ少々手直しの工事が残っているものの、地域の顔となるような素晴らしい建築ができて本当に良かったと思っている。

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ズームを利用した茶会に招かれた。

2020/08/30

今日はズームを利用した茶会に招かれた。茶席自体は山梨県のSさんが主宰してくれたもので、僕たちはZOOMを利用して参加し、総勢5名のお客様とともにまるで茶席の中にいるかのごとくに楽しませていただいた。中でも氷の水指はなかなか面白い嗜好だった。氷の中にある冷水で茶を点てるの体験はまだないが、真夏の茶席に飾る涼の設えとして楽しませていただくことができた。5名はそれぞれ全く違うところから参加している。一人は新幹線の中、一人は千葉、一人は山口県、二人が埼玉県である。こんなに遠くにはなれていても、初めましての一期一会、現代の技術はすごいものである。いつかリアルにお会いできる日を楽しみにしていよう。

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Aさんご夫妻とのZOOM打ち合わせ。

2020/08/29

午前中、東京都調布市にて新築住宅を検討中のAさんご夫妻とのZOOM打ち合わせ。エリア的には町田分室の範囲なので、候補となっている土地についてのアドバイスなどをさせて頂き、町田分室の田村に引き継ぐことに。この打ち合わせの中で初めて目にした深大寺という地名、なんでもすごく古い歴史があるようで大変興味深いものであった。天平五年(七三三)、深大寺が開かれたとのことである。お寺のHPによると、境域は清水にめぐまれ、つきない流れとなって下流の田を潤したそうだ。古代、その水を求めて集まった人々の泉に対する感謝の心は、素朴な水神信仰を生み、やがて仏教の伝来とともにこの霊地に注目して寺が建立されたという。長く関東に住んでいてもまだまだ知らないことがあるものである。今度機会があったら是非見学に行ってみようと思う。

15時、埼玉県川口市にて住宅を検討中のOさん打ち合わせ。今日は実施設計打ち合わせということで、開口部の位置や各部屋の天井の高さなどについてのご説明をした。16時過ぎまで。

夕方より茶道稽古。

2020/08/26

今日は夕方より茶道稽古。8月の稽古は茶箱である。本当であれば月・花のお点前を行うはずだったのだけれど、少々夜も遅くなってしまったので今夜は月のお点前だけをすることに。月点前では器据という4連の薄板を最大限に活用し、ウグイスと呼ばれるU字型の金物を用いているなど独特の趣がある。その分点前の手順も多く、一度経験したくらいではなかなかすべてを記憶することは出来そうもない。4連の板はパタパタと折りたたむことが出来るように作られていて、折りたたんでしまうと茶箱の平面積と同じ大きさになるので持ち運びがしやすいように考えられている。稽古ではいつもと同じ部屋の中で行ってはいるものの、基本的には座敷の中でのお手目というよりも野点のようなシチュエーションに合わせたお点前なのであろう。月に3回の稽古にすべて出ることが出来れば茶箱の6点前をすべて8月に行うことが出来るのよ、と言われてはいたものの結果は「卯の花」「和敬」「雪・月」の4点前であった。来年こそはと思い続けて早10年・・・、6種を完終できるのはいつのことやらである。

夜、カヌーのカタログを眺める。夏季休暇中に目覚めてしまったアウトドアの趣味をどうしても忘れることが出来ない。もともとキャンプなどの遊びが好きだったのだが、いつの間にか遠ざかっていた。大学時代にはアラスカのデナリ国立公園でキャンプをしたり、レンタカーでキャンプ場を渡り歩きながら釣りをしてサケをさばいて料理をしたりの遊びをしたものだ。たった一日のカヌーだったけれど、なんとなくその頃の自由さを思い出した。
昔好きだった写真家に星野道夫という人がいた。彼はアラスカに暮し、野生動物の写真を撮影することを生業としていたのだが、44歳の若さで亡くなられた。確か若いころにアラスカにあこがれ移住をして、それ以来グリズリーの写真などを撮影し、写真集も沢山出していたことを記憶している。大学時代にあこがれていた写真家だが、僕もいつのまにかその年になった。彼が無くなったのが1996年8月で場所はカムチャッカ半島、今思うとちょうどその時大学4年生だった僕はアラスカにいたことになる。なぜだかそんなことに今頃気が付いた。

これもコロナの影響である。でも僕にとってはちょっと良い影響のような気もする。来月予約をしている川下りが楽しかったらちょっと本格的に始めてみようと思う。

Hさんの家の現場立会

2020/08/25

朝6時過ぎ、東京都新宿区にて今日から現場を始めるHさんの家の現場立会のためにスタッフの堀部君と一緒に出掛ける。今日は基礎屋さんが遣り方と根切りを行う予定。現場に着くと2トンダンプにショベルカーを積んだ基礎屋さんがちょうどやってきた。この現場は前面道路が川に面しているとても狭い道で、軽トラックがギリギリはいることが出来るくらいの幅しかない。だから現場から56m離れた橋の上でショベルカーを下して、プラスチックの養生板を敷きずらししながら現場まで自走させたりの工夫をしなければ工事を行うことが出来ない。近所の会社の駐車場をお借りしてそこで2トン車から軽トラックへの積み替えをしたりもする。中井の駅にほど近い区画整理のされていない混沌とした街並み、都内にはこういうところがまだまだたくさんあるのだ。

現場の前を流れる妙正寺川は染物で有名である。現場から歩いて15分ほどのところには林芙美子記念館という建物がある。林芙美子は新居の建設のため、建築について勉強をし、設計者や大工を連れて京都の民家を見学に行ったり、材木を見に行くなどしたらしい。設計者の山口文象は、今のRIAという設計事務所の創立者として有名だが、数寄屋造りのこまやかさが感じられる京風の落ち着きのある住まいを苦労して設計したのであろう。新宿と言うと繁華街の姿しか思い出せないのだけれど、実はなかなか味わい深い街もあるのだなあという事がわかる。建築の現場をやっているとこういうことに出会うのもまた楽しみの一つなのだ。

帰りがけに戸塚警察署に行き道路使用許可などについてのご相談。戸塚警察署は僕の母校の早稲田大学理工学部のすぐ近くである。この警察署に道路のご相談に来るのは10数年ぶりだ。前に石山修武研究室にいたスタッフのNさんの自宅を建てさせていた時に、道路を占用した時以来である。その時は確か鉄骨の建て方工事だった。何とも懐かしい思い出の警察署なのである。

本納寺本堂屋根葺き替えおよび耐震改修工事の完成式

2020/08/23

今日は東京都豊島区にて進めてきた本納寺本堂屋根葺き替えおよび耐震改修工事の完成式が開催された。お寺についてみると、庫裏の待合室にはすでに多くの檀信徒さん方がお集まりである。僕たち工事業者は宮大工の鈴木さんと瓦屋さんの山田さん、そして僕と田部井の4名での参加となった。瓦屋さんのアスカ工業さんは、社寺専門の職人さんである。これまでの施工実績としては会津の鶴ヶ城や小田原城関連の屋根を葺いている。大工の鈴木さんも社寺専門の大工さんである。お寺の仕事といってもほとんどは現代建築の技術があれば可能なので、一般住宅の職人さんで問題ないのだが、木造の本堂などの場合には専門のいわゆる宮大工と呼ばれる職人集団を編成して当たらなければならないわけである。

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ますいいではこれまでも積極的にお寺の仕事に取り組んできた。現代社会における寺院というのは葬式仏教の収入減がセレモニーホールにとってかわられ非常に厳しい運営を強いられているところが多くなってしまっている。お墓なども作るよりしまうほうが多いという話をよく耳にする。お布施を定期的に払ってくれる檀家さんがいるようなお寺も少なくなり、維持することさえできないようになってしまう事例も地方に行けば行くほど増えているようだ。

一方で社寺建築を専門に扱う宮大工集団は非常にコストがかかる場合が多いし、仏具やさんなどもいまだにけた外れのお寺価格で営業しているところが多いのが実情である。運営が苦しいのであれば庫裏や付属施設のような通常の工事は、そこまで高価ではない住宅を造る職人さんたちで造ったほうがコストダウンにつながるので良い場合が多いし、さらに言えば伝統に縛られるスタイルの建築を造るだけではなく、これからの寺院運営の一助となるような設計を建築的なアプローチからおこうなうことで、これまでよりも地域に開かれた寺院にするなどの工夫も行ったほうが良いに決まっているのだ。

世田谷の常光寺では地域の人々も参加して版築という土を突き固める塀を造ったり、通りすがりの人が座ることができる休憩所のような東屋を造ったりしたのだが、こういうことでお寺という存在がより街に親しみを持って近づくことができるのだと思う。初めの依頼は、塀を作り替えてほしいというものだったのだが、ますいいとして今のようなご提案をできたことはとても良かったと思っている。これからも社寺の建築には、強い思いをもって取り組んでいきたいと思うのである。(ますいい通信3号に掲載

設計中のKさんの家の契約前打ち合わせ。

2020/08/22

午前中、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の契約前打ち合わせ。実施設計をほぼ終了し、見積もりを終えた後の減額案についてご説明をさせて頂いた。ますいいの家造りでは、あらかじめ聞いているクライアントのご予算になるべく合わせる形で設計を行い、設計後に見積もり調整をして、予算と契約金額のすり合わせを行う。クライアントの希望を伺いながらの設計を行う以上は、設計時に予算をほとんどオーバーしない場合もあるけれど、それなりにオーバーしてしまう場合もある。今回のKさんの場合はそれほど大幅なオーバーをすることなく納めることができたが、それでも無駄な部分はそぎ落とそうということで70万円ほどの減額案を提示したところである。Kさんご夫妻は2011年に上棟した北の常緑ハウスのKさんからご紹介いただいた。Kさんとは同じ職場のお仲間である。北の常緑ハウスは渡辺篤史の建物探訪というテレビ番組に紹介していただいたのだが、今回もまた建物探訪に取材されればいいなあという思いを込めて設計をさせて頂いた。いよいよ来月より工事に入るが、これからが楽しみな住宅なのである。12時ごろ打ち合わせ終了。

FM川口ラジオ収録。

2020/08/19

午前中、FM川口ラジオ収録。今日は川口裏路地計画を中心とするますいいの活動についてのお話をさせて頂いた。FM川口というのは川口市内の様々な情報を提供する地域ラジオ局で、地元の優良企業によって立ち上げられている。地域活性のため、はたまた防災の情報拠点のため、いろいろな目的が考えられようが、こういう午前中、FM川口ラジオ収録。今日は川口裏路地計画を中心とするますいいの活動についてのお話をさせて頂いた。FM川口というのは川口市内の様々な情報を提供する地域ラジオ局で、地元の優良企業によって立ち上げられている。地域活性のため、はたまた防災の情報拠点のため、とにかく川口市のことしか扱わないのだからいろいろなことに役立つだろう。収録は約1時間ほどで終了した。とても元気なレポーターさんの質問のおかげで僕もとても楽しい時間を過ごすことができた。町はみんなでつくるもの、これからもいろいろな方と力を合わせて街づくりの活動を進めていきたいと思う。

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夕方、スタッフの育児休暇相談。育児休暇というのは休暇の取得中も賃金の一部が支払われるという制度で、今ではほとんどのケースで取得されている。一昔前でも同じような制度があったようだが、実際にその制度を使っているという事例を聞いたことはあまりなかったわけだけれど、こういう制度をみんなが堂々と使うことができる社会というのはそれだけ成熟した世の中になったということなのだろう。今のような経済邸な成長があまり感じられない時代に子供を育てるということは、とても大変なことだと思う。僕も3人の子供を育てているのでその経済的な負担はよくわかる。でも、誰かが子供を育てなければこの国の高齢化はますますひどくなる一方だ。子供を育てやすい社会にしなければいけないのは自明の理であるのだから、会社としてもしっかりと推進していきたいと思う。

今日からまた仕事を開始。

2020/08/17

今日からまた仕事を開始。一週間のお休みは遠出ができるわけでもなく、田舎に行くでもない、いつもとちょっと違う感じで過ごしたのだが、これはこれで何となく忘れていた感覚、つまりは時間がゆったりと流れているような感覚を思い出すことができたようでとても有意義なものだったと思う。家で過ごす時間というのは、自然にゆったりと流れる。焦っても仕方がないし、特に時間に迫られることもない。気の向くままに過ごしていると、なんだか自分がまだ学生だった頃、それもそんなに縛られることのない小学生時代くらいだったころの感覚を思い出すような気がしたのである。

まだ子供だった頃、家というのは自分にとってほぼすべてだった。一人で遠出するわけでもなく、せいぜい学校と友達の家くらいしか活動範囲の無い頃、家で過ごす時間というのが人生の半分くらいを締めていた。家には例えばお気に入りのゲームがあったり、本があったり、作りかけのプラモデルがあったり、楽しく過ごすためのアイテムがそろっていた。特に目標を決めるわけでもなく思いつくままにそれらで遊んでいる時間は、遠い思い出の中のことだけに多少は美化して考えてみるとしても、とてもゆっくりと流れていたように思える。

大人になるとなんだか目標を決めてそこに向けて走らなければいけないような人生が始まる。だらだらと過ごす、できそうでなかなかできなくなってしまっている人が多いと思うけれど、これはこれで結構大切なことなのかもしれないなあと思うのである。映画を見たり、建築や歴史の本を読んだり、茶道の稽古をしてみたり、・・・僕にとっての遊びの時間はこんな感じだ。皆さんはどうですか?

夕方、分室会議。各分室の仕事の状況などについての話し合いなど。

朝6時頃目が覚めて、ホテルの庭を散歩する。

2020/08/16

朝6時頃目が覚めて、ホテルの庭を散歩する。まだ風が気持ちよく感じるが今日も暑くなりそうだ。

今日は日光の北、栃木県の川治温泉まで足を延ばし、川をせき止めたダム湖でのカヌー体験を楽しんだ。これまた人と密に過ごすことなく自然を楽しもうの熟考の上思いついた苦肉の策であったのだけれど、太陽が照り付ける中でも水上は驚くほど涼しくて快適に過ごすことができた。学生時代にアラスカの海でシーカヤックを楽しんだことがあるのだけれど、湖でのカヌーもなかなかのものである。途中、日本猿の親子が木の上でキイキイとはしゃいでいる。隣の木に目を移すとその兄弟のような猿がもう一匹こちらを見て手を振るような動きをしていた。まるで僕たちをからかっているようでもあり、えさをねだっているようでもあったが野生の猿をこんなに近くで見たのも久しぶりのことである。調べてみると群馬県の四万温泉のあたりでもカヌーを楽しむことができるようだから、また足を運んでみようと思う。

家族で那須高原に出かけることにした。

2020/08/15

どこにもいかない夏休みのつもりだったけれど、最終日くらいはちょっとお出かけということで今日は家族で那須高原に出かけることにした。自然の中で風に吹かれているとやっぱり東京よりも涼しいような気がするものである。久しぶりに味わう解放感、人の多いところは避けながらもせっかくなのでどこかに入ることに。なるべく人が少ないところで行先を検討した結果、隈研吾氏設計の石の美術館を選択、ここは白井石材という会社が運営している私設美術館であるが、その規模、質はなかなかのものだ。芦野石という石が採れる芦野という地で、その土地を代弁するかのような建築を芦野石をふんだんに使用しながら造る、まさにローカリティーを代表するような建築であった。

全体は古い石造の空間を改修した建築群と、新たに造られた組積造による建築空間の二種類からなっている。古い建築の持つ魅力を最大限に引き出すための新しい建築の在り方、古い石造建築を安全に使用するための耐震補強をあえて鉄ではなく太い木組みで行うというデザイン、石の建築を静寂な存在感じさせる水盤、なんだか久しぶりに人を感動させる力のある建築を見たような気がした。

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栃木県内でも有数の石の産地である那須町芦野地区に、大正~昭和初期に建てられた石蔵が残っていた。以前は農協の米蔵として使用されていたが、1970年代以降は放置されたままになっていた。その荒れ果てた石蔵が、過疎化が進む街の象徴のようでもあった。景観や街づくりの為に、この古い蔵と芦野石を活かして新たな石の産地の象徴をつくることを考えた。こうして1990年頃より、㈱白井石材の企画としてストーンプラザプロジェクトがスタートした。

1994年に建築家・隈研吾氏に石蔵を保存・活用する基本計画を依頼し、そのなかでいろいろな方向を検討したうえで、建築と文化の接点になる施設、石材の可能性を広げる美術館をつくることを決めた。既存の石蔵を使いながら、敷地全体を1つのアートを鑑賞する散歩道として再構成することを考えた。建物を保存しながら、新しく活用する場合、既存の建物がもっている質感とまったく異なる材料を用いて建物を増築していく例はいままでにもみられる。しかし、あえて既存の蔵と同じ、地元の芦野石を使いながら、石がもっていた従来のイメージとまったく異なる、軽やかで曖昧な空間をつくることを目指して、計画は進められた。増築部分は石を薄くスライスしたものを積み上げたりと、通常の何倍もの手間を要したが、既存の建築と同じ石を使いながら、従来の石がもつイメージとまったく異なる空間をつくりあげ、既存の石の存在感を強めることができた。

建物は、具体的な計画から完成までに約6年間かかった。美術館の竣工後、芦野の人たちのなかに、街をもっときれいにしていこうといった動きや、芦野の風景を大切にして地域を活性化させていこうという意識が活発になってきた。(石の美術館 WEBサイトより)

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夕方はホテルの庭でテニスを楽しむ。熱中症になりかけながらもリフレッシュできるひと時であった。

家に集まっての食事会を開催した。

2020/08/10

今日は地元の友人たちが家に集まっての食事会を開催した。モデルルーム兼新居を建築して半年ほどが経つ。場所は川口駅の程近く、歩いて5分ほどのところだ。線路の音が少々うるさいけれど慣れてしまえばそれほど気になるなるものでもない。コロナの影響で外食をする機会は極端に減った。どうしても行かなければならない場合のみ、少人数で、時間を短く対応するようにしているのだが、その分家での会合が増えているような気がする。そういえばホームパーティーなどの開催はいったい何年ぶりだろうか。外食ができない代わりに、家での開催を強いられたのがきっかけだけれど、実際にやってみるとなんとなく忘れていた感覚を思い起こさせてくれる楽しいひと時であった。

今日から1週間の夏季休暇となります。

2020/08/09

今日から1週間の夏季休暇となります。皆様もお気をつけてお過ごしください。

チルチン人工務店会議。

2020/08/07

午前中、チルチン人工務店会議。今月からチルチン人の工務店に入会した。この会は健康的な住宅を造るために20年ほど前に立ち上げられたもので、今回はコロナの影響で初のZOOM会議を行うこととなった。目的はますいいが行ってきた自然素材を生かした家づくりをさらに高めていくこと。素材を吟味し、化学物質の発生を抑えることで、長く健康に暮らすことができる家づくりを行っていきたいと考えている。

11時、川口緑化センター小川さん来社。現在依頼されているS邸の登録文化財についての打ち合わせ。S邸は川口市の本町というところにある築100年の母屋を含んだ建築群で、文化財に登録したのちに、大正時代に造られた離れをその魅力を生かしたカフェにリノベーションするという計画である。文化財登録というのは所有者の意志で建築がある市町村に申請し、そこから県、国へと手続きを進めるという少々難解な面がある。小川さんはこの方面に非常に詳しい方ということで今回お力をお借りすることとなった。この建築は間違いなく町の文化である。文化として建築を保存し、さらには経済的にもオーナーの満足につながる計画になるよう進めていきたいと思う。

夕方、東京都新宿区にて設計中のFさんの家の契約打ち合わせ。

設計中のFさんの家の現場確認。

2020/08/06

午前中、東京都新宿にて設計中のFさんの家の現場確認。現場の前面道路がとても狭いこの土地は軽トラックしか入ることができない。とはいうものの実際に入ったこともないので今日は実験してみることにした。反対側から侵入すると床屋さんの看板にぶつかる。壁にかかっている亀のぬいぐるみにもぶつかる。スタッフの山本君に頼んでそれらをよけながら奥まで侵入するとようやく現場にたどり着く。ここまで来るのは大変だったけれどそれ以外の障害はないのでこれなら何とかなりそうだ。近所の駐車場を貸していただけることになっている会社さんへの御挨拶も済ませ、事務所に戻る。

都内の現場はとにかく作業環境が悪い場合が多いのだが、それでも何とかしなければいけないのである。幸いこの現場の周辺は下町ならではのご近所付き合いがあるようだ。床屋さんもすごく協力的だったし、隣のおじさんも気軽に話しかけてきてくれる。少々狭いが何とも良い雰囲気の人付き合い、新宿という都会の中で昔ながらの雰囲気が残る中井という町の特徴なのかもしれない。

この住宅は民泊機能を持つ個人住宅である。一人で暮らしながら、民泊をやりたいときにやる。自由で可能性のある新しいライフスタイルのための住宅だ。全体的にデザインは和の風合いでまとめられ、1回には大谷石の貼られた共用の土間空間、2階には吹き抜けのある個室と水廻りが作られる。工事はセルフビルドがふんだんに取り入れられる予定だ。完成を楽しみに進めていきたい。

夕方、埼玉県川口市にて進行中のおばあさんのための避難場所兼茶室の打ち合わせ。このプロジェクトは千葉大学の名誉教授のIさんのためのもので、川口市内で荒川が氾濫し水深4mになっても、自宅の庭で非難をすることができるようにすることを目的としている。石山修武研究室の後輩であり建築家の佐藤研吾氏との協働で進めており、下のようなデザイン案で検討を進めている。現場で建物の出口となる窓の高さを図ったり、設置予定の地面の位置を出したりの作業の後終了。打ち合わせが終わるとIさん、おもむろにビールを取り出し座談会へと転換である。ベーコンをつまみに日本社会についての喧々諤々、楽しい時間を過ごさせていただいた。

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夜、本納寺の屋根の吹き替えの際にお世話になった川口市内の鋳物屋さん「モリチュウ」さんとの会食。ますいい初めてのお寺の本堂の屋根の吹き替えおよび耐震改修工事である。てっぺんにある銅製の宝珠、川口市の鋳物屋さんの技術力によって無事に取り付けることができた。まずは感謝感謝である。

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川口グリーンセンターにて打ち合わせ。

2020/08/05

午前中、川口グリーンセンターにて打ち合わせ。この施設とのかかわりはすでに5年ほど前である。現在の天皇陛下がお泊りになった部屋の改装工事の設計施工を担当する際に、その部屋があるシャトー赤柴という建築の利活用計画についての調査を行った。この建築は伊藤喜三郎という建築家が設計をした洋館風のRC2階建ての建築で、当時皇太子殿下が川口市にいらっしゃる際に宿泊するためだけに造られたのである。川口市には文化がないといわれるが、こういう建築はまさに文化となりうるものである。この先どうなるかはわからないけれど是非うまく保存活用をしていけたらと思っている。

文化財としての建築を保存した例として旧田中邸がある。これは川口のみそ問屋であった田中家の旧宅を、マンションディベロッパーから買い戻してまで作り上げた川口市が誇る近代建築であるのだが、残念なことに市民が誇るような使われ方もしていないし、経済効果につながる観光資源にもなっていないのが実情だ。建築文化はただそこにあるだけでも莫大な維持費がかかるから、経済効果がないものはどうしても行政のお荷物になってしまいがちだ。古きものを良いと思う感覚はほぼすべての国民に備わっているにもかかわらず、それらの建築遺産がうまく利用されないのはやはり利用できないようにしている行政側に問題があるのだろう。運営を民間に任せる事例が多いが、川口市のような東京近郊の住宅街の場合観光資源として十分は収益が見込めるわけでもないので、手を上げる民間企業がどこまであるかというと無いのが実情である。行政にいわゆる施設運営のプロがいるわけでもないのだが、これからの行政にはこういう施設の運営を専門にする人材が必要なのであろうと思う。

夕方、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。開発申請に係る書類の説明など。

進行中のKさんの家の上棟式に参加。

2020/08/04

11時、東京都文京区にて進行中のKさんの家の上棟式に参加。大工さんの川浦さんと担当の渡邊君、妻の美香と一緒に4名で参加させていただいた。まだ工事中ということで現場の2階のリビングスペースに材料の合間を縫うように祭壇を置き、近所の根津神社からいらした神主さんお二人の進行によって厳かに執り行われた。上棟式を神主さんまで呼んでやることは珍しいケースである。地鎮祭は大概行うけれど、上棟式は昼食会のごときスタイルで終わらせてしまうことのほうが圧倒的に多いのだが、やはり神事たるもの本来はこのようにやるべきなのかもしれない。終了後はご夫妻と一緒に昼食会である。しばし楽しいひと時を過ごさせていただいた。

夕方、数年前に造った蕨の家にて猫のための木柵工事の見積もり提出。バルコニーで猫が自由に遊ぶことができるようにするためのフレームを造ってほしいというオーダーである。家を造った後からさらにその家を楽しんでもらうための改造計画を相談されることは多い。家というものは造ったときが終わりではなく、むしろそこから始まるものである。当初の設計で7年も先のことまですべてが見通せるはずもなく、予想外に猫という新たな同居人が現れることもある。住宅設計というのはそいう変化に合わせて自由に造り変えながらフレキシブルに対応できるように考えるべきであるのだ。

非常事態宣言が解除されて暫く経つけれど

2020/08/02

非常事態宣言が解除されて暫く経つけれど、なんだか最近の新型コロナウィルス感染者数は解除前の上回る記録更新の連続だ。GO TOキャンペーンなる観光産業の後押しのための施策もスタートしたけれど、東京都は除外されているし、お隣の埼玉県だって堂々と助成金を申請して旅行をするというのは少々気が引ける状況である。経済を回しながらも感染者を押さえるというのは、なかなか現実的なことではないということはわかってきてしまったが、でもそれを何とか実現しなければ医療崩壊などのさらなる惨事につながることが現実に近づいてしまっているような気もする。

日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっているそうだ。とあるシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上死ぬことはないという。その一方で人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人が自殺で命を落としたそうだ。10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのか、というようなことを判断しながらバランスの良い施策を行うことが求められているのだけれどこれはとても難しいことだろう。重症化率の低い若年層は普通に学校に行くべき、50代くらいまでの労働者も普通に働くべき、そのうえでクラスターが起きたときには適切に対処してなるべく感染を防ぐ、これが今の時点での国の方針だと思う。70歳以上の重症化リスクの高い方はそれとなく注意を強いられているような気もするが、この辺は個人の対応に任されているのかもしれない。

様々な会合が中止され、高齢者だけが排除される状況が続けば世代間の断絶のようなものが起きてしまう気もする。世代間の交流が自由にできない状況では文化の継承などもなかなか難しいだろう。僕が所属している埼玉県の裏千家では、実際に集まって行事を行うことができないので、楽直入さん(利休が瓦職人に黒茶碗を焼かせたというその承認さんの子孫。当代のお父様)を講師として、ZOOMというWebシステムを利用した講演会を開催することにしたのだが、これも何とか交流らしき状況を作ろうという苦肉の策である。

僕の家では中庭を利用してのバーベキューが恒例となった。外食する機会がめっきりと減った代わりに、お肉や魚介類を買い込んできてのバーベキューを楽しむ、これもコロナの時代を楽しく生きるための工夫と思って実行している。SNSなどで同じようなことをアップしている人を多く見かけるが、皆それぞれに工夫をしているのだ。

今夜は国際宇宙ステーションのISSが東京上空を通過した。8時32分、僕たち家族も北西の空を眺めていると、ゆっくりと優雅に動く明るい星のようなものを見ることができた。運動場一つ分くらいの人類の科学の粋が地上400キロメートルン上空をゆっくりと移動している。あの中に人がいるんだと思うとなんだかとても不思議な感じがする。宇宙から見た僕たちはどんなふうに見えるのだろうか。向こうから見えるわけがないけれど、なんとなく手を振ってみたりした。

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設計中のKさんの家の打ち合わせ。

2020/08/01

午前中、埼玉県川口市で設計中のKさんの家の打ち合わせ。いよいよ契約に向けての打ち合わせということで、確認申請図面の確認などの作業を行った。Kさんの家は1階に寝室と水廻り、2階にリビングと子供室を配置している。2階のリビングには長い階段があり、まるでベンチのように利用することができる。階段を上がると子供スペース、つまりは階段によって二つのスペースが区切られているという構成だ。リビングゾーンには、ペレットストーブを設置する予定である。これまでも小屋のような家のシリーズを数多く作っているが、これらの住宅のほとんどすべてに象徴のような存在としてストーヴを設置してきた。まるで森の中の別荘にいるような感覚を味わうことができる場所、「森の生活」なる住宅を造りたいと考えているが、やっぱりそれにはストーヴが似合う。揺らめく炎を眺めながら過ごす時間が何よりもの贅沢だと思うのである。

大工さんを社員化して数年ほど経つ。

2020/07/28

大工さんを社員化して数年ほど経つ。今では4名の大工さんがますいいで木工事に腕を振るっていてくれる。その中の一人、本間さんは僕が最も信頼する大工さんの一人である。年は60歳ちょっと、人生のすべてを大工としてやってきたプロだ。無垢の板を加工する万能機の小型版を所有しているので、無垢の栗の板などを扉にするなどの仕事を現場でこなしてしまう。もともとは国産無垢材をこだわって使用する設計事務所の仕事をしていたということだが、数年前よりますいいに参加してくれている。つい最近では川口市にある氷川神社さんの「古神札納め所兼トイレ棟新築工事」の棟梁として腕を振るってくれた。この現場では北海道産のオニグルミ(ウェルナット)を使用して、建具を造ったりの造作までやってくれた。本間さんの名言、「僕は腕が良くなんかない。大工として当たり前のことをやっているだけだ。でも当たり前のことをできる大工が少なくなっているんだよね。」この言葉は、本間さんの言葉の中で僕が最も好きな言葉である。腕の良い本間さんが言うからこそ味わいのある言葉なのだ。

昨年より丸太で国産広葉樹を購入している。丸太で購入すると、自分の好きな寸法に製材できる。約1年乾燥させて建築に使用するのだが、自分で製材をした丸太材はいつどこで採れたかもわかるし、とにかく愛着がわく。写真はまさにこれから製材をしようとしているところだ。決められた角度と厚さで鋸が入れられ、板が挽かれるのにかかる時間はほんの数秒だ。すると丸太がまたもとの位置に戻って、そしてまた鋸が入る。この繰り返しである。こういう板を手に入れても、それを加工する人がいなければ意味がない。最近の家造りでは既製品の取り付け係のような大工さんが多くなっているけれど、やっぱり木を扱うことが好きな職人さんが良い。仕事とはいえ、楽しんでやってもらいたい。そのほうがお施主さんにも喜んでもらえるような気がする。一緒に家づくりをいているますいいの大工さんはみんな木を扱うのが好きな大工さんである。腕の良い職人さんと良い材料、僕たちはそういう環境を整えることをデザインすることからしっかりと手がけなければいけないのだと思う。

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設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/07/24

10時より、東京都新宿区にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日は契約前の見積もり確認、最終的な図面確認などの打ち合わせを行った。今日の打ち合わせでは、床の仕上げ材として杉の厚さ30mmの床板をお勧めした。杉というのはとても柔らかい材料である。どこの地域でも植林されているので全国的に生息している素材ではあるものの、地域によって色合いだったり目の細やかさに特徴があり、特に秋田杉などは赤身の造作材として有名である。床材としても様々な商品が造られており、厚さ15㎜程度の薄板のようなフロアリングもあるのだけれど、その柔らかさゆえにやっぱり床に使用する場合には最低でも21mm以上は欲しいところだ。厚板の場合には、例えばロフトの床などの場合には合板下地や天井をなくして、床板の裏側をそのまま表しにするなどのデザインも可能である。

下の写真は杉の床板で仕上げをした浜田山の家のリビングである。キッチンは左官屋さんが仕上げたモルタルのキッチンだ。杉板の素朴な風合いとモルタルの色合いがとてもよくマッチしており、柔らかいリビングの雰囲気を造り上げている。

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朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

2020/07/23

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時過ぎ、東京都杉並区にて計画中のMさんの家のリフォーム打ち合わせ。前回ヒアリングした内容に基づき、カメラマンさんのご主人のスタジオとして週に数日使用する兼用リビングでの、フレキシブルな暮らし方のご提案をさせていただいた。今回のご提案では、面によって仕上げの素材や色を変化させた3種類の可動式家具をアレンジすることで、様々な暮らしのシーンを造ることができるように考えている。僕の知人が運営している撮影スタジオの家具を思い浮かべながら考えてみたのだけれど、職住が一体化したこれからの住まいでは、このような可変性を設計に取り入れることも大切な工夫だと思う。職のスペースとはいうものの常に一定の形を必要とするわけではないし、しかも毎日そこで仕事をするわけでもない。個人で営む職業の場合、Mさんのように月の半分以上は外で撮影を行っているというようなケースも多いということを考えると、一つのスペースの多様な使い方の提案はこれからの大切な要素のような気もするのである。

15時過ぎ、埼玉県川口市にて設計中のAさんの家の打ち合わせ。今日は実施設計の1回目ということで、1/50にスケールアップした平面図と立面図を用いての打ち合わせを行った。

16時30分、スタッフとのバーベキュー。新入社員の歓迎会もままならなかった2020年度のスタートであるが、コロナのことを考えて屋外でのバーベキューを行うことにした。久しぶりの会食であるが、たまには外でもよいものである。早くコロナの影響が収まってくれることを祈りつつ、ようやく新人の歓迎会を開催できたことをまずは良しとしよう。

午後1時より茶道稽古。

2020/07/21

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

午後1時より茶道稽古。今日はあんまり時間が無かったので、茶通箱のお点前を1回だけさせていただいた。茶通箱というのは白木の小さな薬箱の中に茶入れと棗の両方が入っていて、お客様から頂いた濃茶を棗の中に入れて持ち出し、濃茶を2服点てるというものである。茶事などに招かれた際に、濃茶を持参・・・、こういうシチュエーションに出会ったことが無いのであくまで空想の世界でしかないのだけれど、きっと格別の濃茶などが手に入ったときなどに持っていくのかなあなどと想像しながらのお稽古を行った。普段の僕にとってみれば、そもそも茶事に招かれることが少ないわけだし、さらに縁のある方から濃茶を手に入れることなど皆無に等しいわけで空想の世界なのは仕方がないのだけれど、でもそういう空想に身を置きながら、現代社会の中で伝統の作法を習得することはなかなか良いものなのだ。

16時、東京都北区にて設計中の木造3階建て耐火建築物共同住宅の打ち合わせ。木をふんだんに使用した共同住宅ということで設計を進めている。いよいよ9月からの工事に向けて進めていきたいと思う。

今日は川口裏路地計画の3つ目の掲示板の取り付け工事を行った。工事場所は本町1丁目商店街の浜田さんの家の前である。浜田さんはこの場所で代々商店を営んでいる方で、ご自身は数年前まで整骨院をやっていた。今ではお店を締めてしまったけれど、アートに精通し趣味の多彩な方なので、町への発信の掲示板を是非取り付けたいということになった次第である。今回の掲示板の素材は山桜。昨年丸太で購入し乾燥させておいた材料で作り上げた。デザインは佐藤研吾氏である。大工はますいいの棟梁・本間さんだ。山桜は栗とはまた一味違う質感で、落ち着いたしっとりとした感じがとても良い風合いである。近所の子供たちがすごいね!!の誉め言葉。早速通学路の子供たちの目に留まったようで何よりの出来事だ。街づくりはこういう一つ一つの積み重ねで進んでいくものだと思う。次は・・・もうすでにほかのプロジェクトもスタートしている。どんどん魅力的な街に変化していくことを期待しつつ、楽しみながら取り組んでいきたいと思う。

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「古神札納め所兼WC棟新築工事」の現場確認へ。

2020/07/20

朝9時過ぎ、埼玉県川口市にて進行中の氷川神社「古神札納め所兼WC棟新築工事」の現場確認へ。今日は左官屋さんが塗り壁の仕上げを始めるにあたって、塗りパターンや珪砂、藁の混ぜ具合についての現地確認を行った。粒の大きな珪砂を混ぜると塗り厚さが増してごてごてとした質感になる。粒の小さな珪砂を混ぜると塗り厚さが薄くなり、金鏝抑えのようなフラットな感じになる。藁は小さく切ったものを使用しているので、粒の大きな珪砂のパターンではそれほど目立たなくなるのだが、それでもなんとなく質感は出てくる。この建築は大地の中から湧き出してきたボリュームの上に大きな屋根がかかっているというイメージでデザインをしているので、壁の仕上げとしては少々ごつごつとした大粒の珪砂の方を選択することにした。工事の方は順調に進み、8月には完成となる予定である。町の人々にお披露目できる日が来るのがとても楽しみだなあと思う。

夕方、群馬県前橋市にて設計中のMさんの家の打ち合わせ。大学時代の親友のご実家ということでしっかりと完成まで進めていきたいと思う。

妻と妹の真理子が7年ほど前に造った道祖土の家の撮影

2020/07/18

今日は妻と妹の真理子が7年ほど前に造った道祖土の家の撮影に出かけた。僕は打ち合わせがあって参加することができなかったのが、とても良い雰囲気の暮らしぶりだったというのでご紹介しよう。住宅自体もだいぶ味が出てきたようである。当時まだ小さかったお子様もだいぶ大きくなった。二人兄弟のお兄ちゃんはクィーンのフレディー・マーキュリーのファンだから髪を伸ばしていてピアノもとても上手に弾くそうだ。(写真の髪の長いお子様がお兄ちゃんである。)日々の暮らしをとても大切にしているTさんご夫妻だからこそ、こうしてのびのびとしたお子様が育つのであろうが、本当にうらやましくなるようなご家族であったという。家は家族が暮らすためのものだ。家族が幸せ肉r差うことができてこその住宅である。造ったときにはわからない未来の幸せをこうして伝えることができる住宅こそ本当に成功した建築作品と言えるような気がする。

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僕はといえば10時より埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の最終打ち合わせ。現在は見積もりの最終段階であるが、いよいよ解体工事や水道の引き込み工事といった建築の準備段階に入るところだ。図面習性や確認申請の準備なども同時並行で進行予定。9月の着工を目指して頑張っていきたい。

14時、7年前に1000万円プロジェクトで家を造ったSさん来社。Sさんは都庁に勤める方なので当然もっと予算をかけることはできるのだけれど、家を造って余裕がなくなる現代の家造りに巻き込まれるのではなく、自分らしく楽しめる暮らしに適した家を造りたいということで、数百万円の土地に1000万円の家を造るという計画を立ち上げた。当時の僕もこの計画には大賛成で、実際には1100万円で家を造ることができた。この度増築計画のために隣の土地を購入したということでご相談に来ていただいたのだが、今日は増築計画についての全体的な話し合いを行ったところである。1000万円住宅プロジェクトの第2弾は800万円プロジェクトになった。さてさて次はどんな家が広がることやら‥楽しみなところだ。

雑誌「チルチン人」の編集長山下さんと

2020/07/16

今日は雑誌「チルチン人」の編集長山下さんと、チルチン人工務店の響屋さんの渡辺社長さんが、ますいいリビングカンパニーのチルチン工務店会員入会の審査のために来社してくれた。チルチン人という雑誌は僕が好きなジャンルのことが掲載されていることが多いので、これまでも毎号とまではいかないけれど、大体は目を通したことがある。

昔は山本夏彦さんの工作舎が出版していた雑誌「室内」という有名な雑誌があって、大量生産大量消費社会の流れに反して、こだわりの家具を中心としたモノづくりに焦点を当てた記事を掲載していた。僕は石山修武先生の御縁で山本夏彦さんに一度ご紹介していただいたことがあるので、それ以来愛読書として毎号取り寄せていた。そういえば駆け出しのころに手に職というコーナーで取り上げて頂いたこともあった。

今回御縁をいただいたチルチン人も同様の現代社会に対する根本的な批判の上に成り立っている雑誌のように思えるからこそ、なんとなく僕にとってはあこがれの世界の一つである。

社会というのは現実的な運営をされなければすぐに壊れてしまうことは歴史の中で証明されているわけだけれど、でも目を覆いたくなるような現実の中で理想を追い求める活動をする人というのが一定数いることで、現実が理想に近づくということも確かであると思う。建築家というのは理想と現実のはざまでいったり来たりの存在であるわけだが、やっぱり理想を忘れた建築家に魅力はない。山岡荘八の家康の中に出てくるシーンで、小田原攻めの際に同行した本阿弥光悦が千利休に秀吉や家康の非情なまでの欺瞞に満ち溢れる現実主義に対する批判を問いただしたときに、政治家は明日の理想を追い求めるが、私たちは未来の理想つまり真理を追求する人種であるから相容れるわけがないのだ・・・、というような説明をしていたことを記憶している。チルチン人のような雑誌はまさに真理を追究するために存在しているもののような気がするが、そういう雑誌の持つ理念に少しでも近づくことができることは、より本質的な建築を造ることに必ずやつながると考えている。全国に58社のチルチン工務店との交流の中でさらなる成長を目指していきたいと思う。(審査には無事合格しました。)

設計中のHさんの家の現地確認立ち合い

2020/07/13

午後より埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の現地確認立ち合いへ。今日は土地家屋調査士さんが入るということで、開発許可申請に必要な情報の打ち合わせを行うために出かけたのだけれど、調査士さんは昔なじみの方のようですでに測量の作業に入っていた。20分くらいの立ち話で説明は終了。来週くらいには測量の結果を頂けるだろうとのことで帰路についた。

帰りがけに昨年作った桶川の家に立ち寄るも不在、そうそう偶然に会えるものでもないのだが、車で10分もかからないような距離なので立ち寄ってみた。この桶川の家には茶室を設えさせていただいたのだが、どんなふうに使ってくれているのだろう。お忙しい方だからなかなか茶会とまではいかないかもしれないけれど、趣味の茶道をやっていてくれればいいなあと思う次第である。

朝から先生を自宅にお招きしての茶会準備。

2020/07/12

今日は朝から先生を自宅にお招きしての茶会準備。朝10時にはスタートするということで、5時には起きて掃除をスタートである。

続いて花を生ける。前日に送られてきた花の種類は「桔梗・虎の尾・キリンソウ・針玉アザミ・撫子・半夏生・甘茶・縞トクサ」である。茶室には桔梗・虎の尾・縞とくさを青交趾の鶴首花入れに飾り、それ以外は待合の花器に生けることにした。明智光秀の旗印でもある桔梗の青い花は、その造形がとても美しい。僕はこれまで花を真剣に眺めたことなどほとんどない。だから今朝も恥ずかしながら桔梗ってこんなにきれいな花だったんだ・・・、のすごく初心者的反応なのだけれど、こういう反応を真剣にできるにはやっぱり自分で花を買って自分で生けるという経験をするしかないのだろうとも思うのである。なんでもやってみるに限るのだ。

軸は「流泉為琴」を飾った。濃茶・点心・薄茶のスタイルなので、初めは軸のみ、薄茶の時に床飾りを変えて花と香合を飾ることにした。やっぱり総飾りよりも転換があった方がドラマチックでよい。

お菓子は東松山の清晨庵さんで「浪の花」。お菓子をいただくといよいよ濃茶のスタートだ。

釜の湯はよく沸いている。釜鳴の静寂の中で、僕なりに精一杯お点前をする。濃茶は上々である。だまができないように練ることができると何とも言えない良い気分である。二文字の灰がたは80点というところだろうか。ふじばいと白檀のお香が無かったことは反省である。初めてですべてを準備するのはやっぱり難しかった。棚は日月棚を使用した。太陽と月、そして大地、この組み合わせがなんとなく建築に通じる意思を感じた。茶入れは瀬戸の肩衝、茶は嘉辰の昔、釜は鶴首である。茶杓の銘は「主人公」、自分自身を見つめようというこの言葉は大切にしたい。

濃茶が終わると先生と妻と3人で食事をし、続いて薄茶席に移る。移るといっても同じ部屋、この部屋一つしかないので先ほどの転換である。先生が食事をしている間にこっそりと部屋を抜け出し、茶室に行って準備をする。転換を見て頂いた時の驚く顔を見るのが楽しみだ。このいたずら心は建築の設計と通じるものがある。菓子は朝顔せんべいに波。薄器は吹雪。茶は松柏である。

楽しい時間はあっという間に終わり13時お開きとなった。初めての茶会、しかも一客一亭、そのお客様は先生と決めていた。2010年の秋にたまたま聞いた鵬雲斎大宗匠の講演会で興味を持ち裏千家に入門したから、かれこれもうじき10年が経つ。大震災の前年に入門し、10年後はコロナ騒動の渦中である。人の世にはいろいろとあるものだ。そもそも侘び寂びの茶道が起こった利休のころは戦国の世、それに比べれば現代は平和である。

茶会が終わり少々やすんで、軽いジョギングを行う。お菓子の後には運動をしないとやっぱり体によくないのである。

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設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/07/11

10時、東京都新宿区にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。現在実施設計の終盤戦ということで、第2回目の見積もり提示を含めての打ち合わせとなった。仕上げの種類も大方決定したのだけれど、1階の土間仕上げの部分には大谷石を貼ることとなった。大谷石というのは古い塀などに利用されることが多い材料で、栃木県の大谷という町で産出される比較的柔らかい石である。表情が豊かで、とても良い雰囲気になるになるので僕も好きな素材の一つである。ちなみに僕の家のテレビボードは大谷石の上に板を敷いただけの簡単なものなのだけれど、それでも十分雰囲気を出してくれる素材の持つ力には感心させられる。石というのは長い年月をかけて地中で固まってできたもの。だからこそ持っている本物の素材ならではの力なのだろう。

進行中の川口裏路地計画

2020/07/10

埼玉県川口市にて進行中の川口裏路地計画にまた新たな依頼が舞い込んできた。川口市の本町1丁目というところにあるとても古い古民家がある。この家はすでにとても丁寧にリフォームをされて、所有者のご家族が暮らしているのだけれど、その隣にこれまた古い離れがあって、同じ敷地には門と倉庫もあり、それらをまとめて登録文化財に指定してもらい、さらには古い離れを利用して魅力的な裏路地づくりにつながる利用を考えてほしいというご相談を受けた。まさに川口裏路地計画にふさわしいプロジェクトになりそうな予感がするのだけれど、果たしてどうなる事やらである。まずは現地の調査などから進めていきたいと考えている。

朝礼終了後アックプロジェクト打ち合わせ。

2020/07/07

朝礼終了後アックプロジェクト打ち合わせ。

13時過ぎ茶道稽古。七夕の今日は洗い茶巾・葉蓋のお点前を行った。洗い茶巾というのはあらかじめ水を張った平茶碗の中に茶巾を入れておき、点前の途中で茶巾を絞るという。暑い夏にふさわしい何とも涼し気なお点前である。葉蓋というのは、水に示した葉を水指の蓋の代わりに利用して、点前の途中でふたを開けるときにその葉を折りたたんで建水に捨てるというものだ。どちらも夏のお点前だから一年に1度しかお稽古をしないけれど、なんとなくこのお点前をやる時期が来たんだなあという自分自身の体に染みついたリズムになっているようだから面白いものである。今の時期は花がないねえ、なんて会話をまさかするとは思っていなかったが、こうして染みついていく季節感こそが、四季の移ろいを大切にする茶道の良さなのかもしれない。

今日は七夕である。いつも商店街で行われる祭りは中止になってしまったけれど、こういう時だからこそ余計に季節感を大切にしていきたいと思うのである。

「古神札納所兼トイレ棟新築工事」の現場

2020/07/06

埼玉県川口市にある青木の氷川神社さんにて進行中の「古神札納所兼トイレ棟新築工事」の現場が、大工工事を終えて仕上げ工事の段階に入った。

神社の境内に造る建築ということで、地面から湧き出てきたような大らかな大地をイメージさせる平屋の古神札納所兼トイレ棟のボリュームに、大きくて平らな屋根をダイナミックにかける建築とした。約20mの左右に大きく広がる軒裏には杉板を貼り、傾斜を与えた外壁には土壁をイメージした左官仕上げを施している。トイレ棟の内装にはシナ合板にオスモウッドワックス白染という仕上げを採用し、優しいイメージの仕上げとした。屋根の浮遊感を醸し出すために、外壁上部には全周にわたってハイサイドライトを設えている。木製建具やカウンターなどの造作木部には国産材のオニグルミ(ウォルナット)に大工職人の手による丁寧な加工を施し、神社の境内にある付属建築として地域のシンボルとなる建築としてふさわしい意匠を目指している。

竣工まであと2か月ほど、最後までしっかりと進めていきたいと思う。

設計中のKさんの家の打ち合わせ。

2020/07/04

ご前中、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。実施設計の終盤戦ということで、各所の仕上げに関する仕様の確認や、電気設備図などのご説明をさせていただいた。

午後、埼玉県川口市にて設計中のAさんの家の打ち合わせ。基本設計を終えて、1/50模型を作成したところである。この字型の平面の中心に中庭を設え、すべての部屋から中庭に対して開くことができるプランとなっている。中庭は防犯に配慮し外部からは入ることができないように設えているので、小さなお子様が遊んでいても安心だ。リビングには薪ストーブを設置し、中庭を含むこの住宅の重心のような場所を作り出した。薪を燃やした時に現れる炎を見ながら過ごす時間は、子供たちが成長する中で、とても良い思い出の一ページになるんだろうなと思っている。

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リフォーム工事の現地調査に立ち会った。

2020/07/02

午前中、僕がまだ30歳のころ、つまり15年ほど前に造った「さんかくの家」の、新しい住まい手となったTさんご夫妻の依頼での、リフォーム工事の現地調査に立ち会った。もともとこの家に住んでいたTさんは(偶然どちらもTさんなのでY・Tさんと書くことにしよう)、めでたくご結婚されて横浜に移住した。せっかく作った家を取り壊すことなく別の住まい手に引き継ぐことができないかというご相談を受けて、募集したところ、一番最初に現地に身に来ていただいたTさんご夫妻が、購入することを決めてくれたのだ。Y・Tさんもこのことにはとても喜んでくれた。すごくこだわって作った薪ストーブも、この先大切に使用してくれる方が見つかったのは本当にうれしいことだと思う。建築とは本来こんな風に住み継がれていくものなのだ。日本の住宅はどうしても短時間で壊されがちであるけれど、これからの住宅はきっとこういう風に受け継がれることのほうがスタンダードになっていくような気がする。こういうことは多分、僕たち日本国民の民度のようなものにもよるのだと思う。ますいいのクライアントには、真新しいものはあまり好きではない、という方が多いが、そういう感覚もまた国民性が洗練されるにつれて醸成される価値観なのだろう。

12時、新しく竣工した川口市役所・市長室を訪問。山下設計が設計を行い、地元のゼネコンが造った作品である。1階は駐車場、2階を主なエントランス階として、洪水時にも機能不全に陥ることが無いように備えている、免震構造を採用した最新式の建築である。なんとなくまだ使いこなせていないような感じだけれど、耐震性が全くないと評価された庁舎から移動した職員さんたちはやっと一安心というところであろう。

リフォームを検討中のMさん打ち合わせ。

2020/06/30

午前中は東京都杉並区にてリフォームを検討中のMさん打ち合わせ。設計事務所を運営されているお父さんが設計をしたご実家に住んでいるMさんご家族のためのリフォームの仕事なのだけれど、実際に設計をしたお父さんもまだ同居されているという。つまり設計者がそこに住んでいる状態で、僕たちが設計をしたリフォームを施すという何とも難しそうなお仕事なのである。お父様は70歳、まだまだ現役世代である。次回打ち合わせはお父様のご一緒にということにしたのだが、なんとなく楽しみに待つとしよう。

実は、ますいいリビングカンパニーのお施主さんは建築関係者が多い。これはクライアントのこだわりを実現することを一番に考えている家造り、コストコントロールを共有する家造り、そしてセルフビルドを取り入れる家造りを行っていることが理由である。大手ゼネコン、設計事務所、ハウスメーカー、土木関連、住宅コンサルタント、設備関連事業、建材メーカー、水道工事などの職人さん・・・、クライアントの半分くらいはこうした職業についている方々だ。僕がこの会社をスタートした後に初めて新築を造らせていただいたのも今現在水道工事を依頼している職人さんの関さんご夫妻だったし、その決め手となった理由も「俺の家の水道工事は俺にやらせてくれるか?」の質問に対して「もちろんです」と答えたことである。自分の家は自分で造る。すべての工事を自分でやることは不可能だけれど、自分でできることは自分でやるという考え方で取り組む家造りだからこそ、水道屋さんが自分の家の水道工事を自分でやるなんて当たり前のことなのだ。

GA JAPAN165が届けられたので中身を見てみると、現在ますいいリビングカンパニーで取り組んでいる川口裏路地計画に関しての佐藤研吾氏のコメントが掲載されている。
画一的な都市開発がすすめられどこもかしこも同じような街並みになっていく川口市のような場所は多い。そんな中で魅力的な裏路地を造ろうという思いを持つ人々が集まり、活動をしているわけだけれど、その活動の一つが意見を掲示するための掲示板を造ろうというものである。栗や桜といった素材で造られる、佐藤氏による独特なデザインの掲示板が街のあちこちにちりばめられることで、連帯感のようなものを生み出し、それが裏路地の魅力につながることをイメージしている。まだまだスタートしたばかりの運動だけれど、今月中には3個目の製作を行う予定だ。この活動が大きく広がるようにこれからも進めていきたい。

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設計中のHさんの家の開発申請の打ち合わせ

2020/06/29

10時、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の開発申請の打ち合わせのために上尾市役所にて行政打ち合わせ。開発指導課さんと建築安全課さん、そして農政課さんの3課をぐるぐると回ること2回転でとても良い方向性の提案内容にたどり着くことができた。それぞれの課の考え方、規則、すべてを満たすうえでクライアントが利用しやすい答えを導き出すことに向かう協議となったのは、とても前向きに考えようとしてくれる行政の担当者のおかげだと思う。昔はこういう担当者ばかりではなかったような気がするけれど、最近は行政も市民サービスをすごく意識してくれているのだろう。とにもかくにも上尾市役所さんに感謝である。

夕方、材木の加工機の下見に大工の本間さんと一緒に出掛けた。自動と手押しの二つの鉋を整備して無垢材の加工をよりやりやすくしようという計画である。今月中には完成するだろう。

今日は雨が降っているので畑に行くことはできそうにない。

2020/06/28

日曜日。今日は雨が降っているので畑に行くことはできそうにない。日曜日の朝はいつも早く目が覚めるのだが、今日はなかなか目覚めることができなかった。というのも昨日の夜はちょっと時間があったので風炉の炭をおこして釜をかけ、水から湯を沸かすという初の試みをしていたのだけれど、なかなかお湯が沸かないのを待っていたらいつの間にやら夜中の0時を過ぎ、ようやく湯が沸いたのが1時過ぎになってしまったのである。炭点前をしたわけではないので風炉にくべた炭の量は自己流である。結局のところその炭の量が少なすぎたのがここまで時間を要した原因なのであるが、こういうことだけは実際にやってみなければわからないことなので、結果的には良い勉強になったということろだろう。とにもかくにもようやく寝ることができたのが2時過ぎ、これでは早起きなどできるはずもない。

ゆっくりと目覚めて朝食を済ませたあとは、東京都の牛込柳町駅にほど近いところにある「やました」さんにて茶道具の鑑賞に出かけた。飯田橋駅の西口近くにある江戸城外堀の牛込門のあたりから歩くとすると、神楽坂通りを見番横丁の方に曲がり歩くこと1キロちょっと、程よい散歩コースとなる。東京はいつもと同じような人の出だが、この界隈はあんまり人がいない。お寺さんがあったり裏千家の東京道場があったりのこのエリアは、観光客や若者が来ないいわゆる静かな東京なのだ。道具の鑑賞やらお散歩やらを済ませた後、16時ごろ帰宅。

昨夜からの寝不足を解消すべく少々早めに床に就いた。

設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/06/27

朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。

10時より東京都新宿区にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。今日は見積もり打ち合わせの1回目。まだ構造などは固まっていない段階ではあるものの、大体70%くらいの精度での打ち合わせを行うことにした。

ますいいでは、まずはすべてのご希望を取り入れた金額を算出していき、そこから必要なものと不要なものの選別を行ってコスト調整を行うようにしている。コストダウンを行うためにはセルフビルドなども取り入れる。自分でできるところは自分でやることで、結構な人件費が節約できるものだし、家づくりの中での大きな思い出にもなるものなのだ。

今回は1階の土間仕上げの部分に大谷石を敷く予定だ。大谷石は栃木県で採れる柔らかい石で、昔は塀などに用いられていた。風合いが優しく、和のテイストを醸し出すので、この建築にはとても良く合うだろう。既存の井戸は整備して利用できるようにし、災害時に近隣の人も含めて利用できるように考えている。次回に向けてしっかりと進めていきたい。

午後、埼玉県川口市にて進めてきたMさんの家の引き渡し。地元の友人に造らせていただいたとても大きな3階建ての木造住宅である。クライアントの思いを実現する家造り、まさに僕の友人の強い思いが込められた住宅を、スタッフと一緒に最後までやり抜いて造り上げることができた作品である。電気屋さんもこれまで見たことが無いような設備を造り上げてくれたし、大工さんも最後まで丁寧に作業を進めてくれた。キッチンだってセラミックの天板を使用した大きなアイランドで素晴らしい出来栄えである。引っ越しまではまだ少々時間があるけれど、家具が入ったら写真を撮影させていただく予定だ。HPに掲載されるのを楽しみにしていて欲しいと思う。

設計中のHさんの家の打ち合わせ。

2020/06/23

10時、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。基本設計の最終段階ということで、修正したプランのご説明をさせて頂いた。この住宅は僕が数年前から取り組んでいる「小屋の家」である。小屋の家というのは?僕が造りながら考えている小屋の家というのは、
・庭で野菜などを育てたりしながらなるべく地面と近い暮らしをイメージできる土間スペース
・家の中心には薪ストーブなどの火を置きたい
・家の中のどこにいても眺めることができる暮らしの重心のような庭を造りたい
・なるべく自然の素材で造る
・セルフビルドをふんだんに取り入れ自分でできることは自分で造る
・毎日帰ってきたくなるような温かいイメージの外観
というようなものである。

Hさんの家は、もともと農地として利用されている土地に造るので、当然ながら広い庭を造る事ができる。都心で造る小屋の家は庭が取れないことが多いのだけれど、このように恵まれた土地がある場合は先ほど書いたイメージを本当に実現することができるのが嬉しいところだ。土地にはお父様が大事に育てた木々もある。緑に囲まれながら送る都心からちょっと離れた豊かな暮らし、また一つそんな良い家ができそうである。

13時過ぎ、茶道稽古。久しぶりの昼間のお稽古である。今日は長板を使った濃茶と薄茶のお点前を行った。社中には新たなメンバーも加わりまたにぎやかになってきたが、ふと気が付いたら僕が一番先輩弟子になってしまった。台子のお点前など少々さぼり気味だったので、またまじめに取り組んでいかなければいけないなあと思いつつ・・・どこまでやれるかなあの感である。

数年前に建築したアスタリスクカフェを訪問。

2020/06/22

朝礼終了後、埼玉県川島町にて数年前に建築したアスタリスクカフェを訪問。ここはご夫婦がお二人で営む素敵なカフェである。

当時退職金の範囲内でカフェの建設を行いたいというご要望に基づいて、1200万円台というローコストで建築したカフェ兼住宅である。でも、実際に訪れてみるとそんなにローコストで造られたとは思えない素敵な内装工事をセルフビルドで行い、外構も枕木を敷きならべたり、小屋を造ったり、植木を植えたりのセルフビルドで素晴らしく造り上げられている。今日は建築をしてから約10年、そろそろメンテナンスの時期だなあということで訪問したところである。今回のメンテナンスは外壁の張替や塗り替え、防水関係の処理などを中心に行う予定だ。特にフレキシブルボードの外壁については、コーキングだけで防水されているような状況なので念入りにメンテナンスを行わなければいけない。お話の途中、コーヒーを一杯入れて頂いた。さすがに本格的なコーヒーである。なかなか普段の生活の中でカフェに足を踏み入れることなどないので、いい香りに濃厚な味わいのコーヒーを楽しむことができ、しばし満足のひと時であった。

14時過ぎ、埼玉県川口市にて計画中の川口裏路地計画の掲示板打ち合わせ。

設計中のKさんの家の打ち合わせ。

2020/06/20

朝礼終了後、各プロジェクト打ち合わせ。

10時より、埼玉県川口市にて設計中のKさんの家の打ち合わせ。実施設計の最終段階ということで、展開図などの詳細図を用いてのご説明を行った。

15時、埼玉県川口市で造った「上下移動のための押し入れ」の実験立ち合い。昨年の台風19号では、犠牲者78人のうち39人が70代以上、うち80代以上は20人にのぼるそうだ。福島県では、自宅1階で妻と就寝中の男性(86)が死亡した。妻は普段使わないベッドの上にとっさに避難したが、男性は足腰が不自由で間に合わなかったという。茨城県では、一人暮らしの女性(91)が事前に避難を勧められていたが、自宅にとどまり死亡したということもあった。

近所に住むIさんの家には、高齢のおばあちゃんが住んでいる。Iさんだってもうすでに70歳を超えている。そして荒川はもし氾濫したら3mを超える浸水の危険がある。

このプロジェクトでは2階の押し入れの床に穴をあけて、その上にある梁にチェーンブロックという器具を取り付け、そこに布製のもっこをぶら下げて上下移動を補助するための装置を作成した。1階にある布製のもっこには、500キロまでの物を入れて2階に移動することができる。もちろん人を運ぶための器具ではないので使用用途は選ばなければいけないけれど、いざという時には避難に使用することだってできるだろう。停電していても、人の力で簡単に上下移動ができるからこそ、その可能性は大きい。

これに要する費用はたったの56万円ほどだったことも重要な事実だと思う。エレベーターを造る費用はどんなに安く見積もっても300万円はかかる。リフト式の椅子を階段に取り付けるにはそれが可能な広い階段が必要だが、そんな階段なかなかない。しかも電機が止まってしまったら何の意味もないのだ。

いざという時に自分や家族の命を守ることができる可能性を高める用意をすることは大切なことだと思う。Iさんの家では今後避難のための茶室を造ることを検討している。地上4500mmのところにあるツリーハウスのような茶室がどこの家にもあれば、いざという時の人的被害は最小限に抑えられるだろう。このプロジェクトは佐藤研吾氏と一緒に考えてみようと思う。今後の展開を楽しみにして欲しいとともに、希望される方からのご連絡をお待ちしております。

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日本建築というと神社やお寺さん

2020/06/18

日本建築というと神社やお寺さんのようないわゆる伝統的宗教建築や数寄屋などを思い出す。例えば塔堂を眺めるとき、その建築の清らかな雰囲気や荘厳さに心打たれると同時に、その木組みの精密で華麗な様子に驚かされるような感覚、それこそが僕たちの感動の原動力になっている。建築における木と木を組み合わせる技術を木組みと呼ぶが、これは何も伝統建築の中だけにあるものではなく、今の住宅における在来工法の中にも、機械加工のプレカットの中でさえも生き続けている。木を複雑に刻み込み、合わせてくさびを打つだけで固定されるなどの技術は、釘などの接合がまだできなかった時代に考案されたものである。昔の人はすごかった・・・、なんてことはあんまり言いたくないけれど、少なくともこういう技術に関していえばやっぱり昔の人はすごかったのだろう。

例えば下の写真、これは大阪城の大手門にみられる仕口である。写真を見ればわかるけれどここまでくると接合技術というよりももはや芸術の域まで達しているように感じるほどだ。現代の家造りでは構造の加工は機械加工で行うことが主流だから、どうしても手加工にこだわって続けている大工さんを除いて、手作業で仕口の製作を行うことはまずないわけだけれど、でもこういうものを美しいと思う心が僕たちの中であるのだからこそ、住宅のどこかに化粧の仕口を表現したいという気持ちが湧いてくる。

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仕口を造るのは大工さんだ。できる大工さんがいないと造れない。今時仕口なんて・・・、という大工さんが大半の中で、それでもこういうことに興味を以て取り組んでくれる大工さんがいればできるのである。まずは家具あたりから取り組んでみようということで先日は図面を掲載した。庇などもよいかもしれないから考えてみようと思う。

扉やカウンターを造ることになった。

2020/06/16

川口氷川神社の工事でオニグルミの板材を使用した扉やカウンターを造ることになった。オニグルミと聞くとあんまりよくわからないけれど、この材木はウォルナットとも呼ばれているので、この名前を聞くと高級家具の材料などを思い出す人も多いと思う。建材としてはとにかく人気がある材料なのだ。

比較的加工がしやすく、寸法安定性も高いので家具などにもよく利用される。今回の材料は北海道で伐採された丸太を購入し、福島県で製材したものである。1年間しっかりと乾燥させ、人工乾燥をさらにかけて含水率12%くらいで入荷したものだ。

丸太を製材するときは、丸太のひび割れに沿って製材の向きを調整し、はじの方から決めた厚さでスライスするのだが、運が良いと節の無い綺麗な材料が採れるし、運が悪いと節だらけなんていく具合になるのだけれど、僕が丸太を仕入れているオグラさんは良い材料が多いのでそういう残念な思いをしたことは今のところない。板の厚さは幅が狭いうちは36mm程度で挽、幅が400mmくらいになると板が反ったものを修正することを考慮して45mmくらいで挽くことにしたのだが、これはなかなかうまくいったようである。

これらの板を大工さんが加工していく過程は見ていてもとても楽しいものである。出来上がるとさらに良い。なんせ国産の広葉樹の材料なのだ。良い材料に良い大工さんがいればよいものが出来上がる。僕たち設計者はそういうモノづくりをコーディネートしつつデザインを行うことが大切だと思うのである。

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復旧工事の現場管理に向かう。

2020/06/15

朝礼終了後、埼玉県北本市にて数年前に造ったSさんの家の火災後の復旧工事の現場管理に向かう。火災とはいえ小規模で、一部屋だけが少々燃えてしまった程度の不幸中の幸い、工事の規模も限定的だ。焦げてしまった壁や床をはがし、内部の断熱材などを交換したり、床を張り替えたり、壁の漆喰を塗り替えたりの作業を行うこととなる。約1週間の工事だけれど、火災の前よりもきれいになるように復旧してあげるようにしたいと思う。

設計中のFさんの上の打ち合わせ。

2020/06/13

今日は東京都新宿区にて設計中のFさんの上の打ち合わせ。実施設計の終盤戦ということで、各界の平面図・展開図・立面図などを用いて開口部の種類やガラスの仕様などについての細かな打ち合わせを行った。住宅においては開口部というのは特別な意味を持っていると思う。窓の開け閉めほど日常の中で数多く繰り返す動作はないだろうと思うし、そこから見える風景や風の心地よさなどは住宅の住み心地を左右するといっても良いくらいに大切な要素だ。取り付ける位置によっては防犯性などにもかかわることとなる。

例えば1階に配置する窓の場合、外に向かって開く窓を付けてしまえば防犯のための面格子を取り付けることができなくなってしまう。面格子を付けることなく防犯性を確保しようとすればスリットタイプの細い窓のようなものを選択するしかないだろう。もしくはハイサイドライトのような配置にして、侵入しずらい高さにするという方法もあるかもしれない。

窓の開け閉めのしやすさや耐久性というのも気になるところだ。上げ下げ窓の場合は、重力にさからって動くタイプなのでストッパーが弱くなってくるとどうしても固定できなくなる故障が起きがちである。ジャロジー窓の場合はくるくる回す取っ手の部分が取れてしまうなどという故障が起きやすい。メーカーの保証期間は1年で切れてしまうけれど、住宅は50年くらいは住むことになるのだから、やっぱり故障しにくい部材を選択したほうが良いに決まっている。

という具合に窓についての考察というのはなかなか奥が深いのである。3時間ほど打ち合わせて終了した。次回は見積もりである。工事に向けて着々と進んでいきたいと思う。

久しぶりに茶道教室のお稽古が再開した。

2020/06/10

今日は久しぶりに茶道教室のお稽古が再開した。僕が茶道の教室に通い始めてすでに10年がたつが、こんな風に2か月間もお休みになってしまったことは初めてである。これまでの10年間ご指導を受ける中で、先生はなぜか風邪をひいてお休みすることもないので、月に3回のお稽古というものは開催されるのが当たり前という感覚だった。仕事の関係で毎回参加はできないまでも、月に2回は参加するように心がけていたから、決して優等生ではないかもしれないけれどまじめにやってきた。

だからこそ、いざお休みとなってみると、なんとなく物足りない、別に何が困るわけでもないのだけれどでもなんとなく充実感が無いような感覚になる。それがようやく再開できたのである。このコロナ騒動のせいなのかわからないけれど、お休み期間中に、ただ二人だけの僕より先輩の生徒さんのSさんとMさんの二人が辞めてしまった。茶道にかかわる仲間が減ってしまうのは悲しい限りである。休会といううことなのでまた戻ってきてくれればよいと思う。

コロナの中で文化が廃れてしまうという報道を耳にしたが、僕はそうは思わない。確かに一時的に茶会などの活動はできなくなるし、音楽だって、バレエだって人を集めるような事業は開催することはできない状況が続いている。でも文化というのは、こういう普通ではない抑圧された状況の中で人々の魂が爆発したり、逆に平安を求めたりするような、とても感情的な活動の中でこそ必要とされるものであるような気がするのだ。コロナ騒動は一時的に文化を衰退させるかもしれない。でも、いま人々が味わっている抑圧だったりストレスだったり、いま人々が感じている改めて気が付かされた当たり前の素晴らしい事だったり、そういうものを大切にしながら人が生きていこうと思った時には、それを表現する手段としての文化が再び顔をもたげだすはずだと思うのである。僕もその時のためにしっかりと茶道の道の修練を積んでいきたいと思うところなのである。

新築住宅を設計中のHさんご夫妻打ち合わせ。

2020/06/09

午前中、埼玉県上尾市にて新築住宅を設計中のHさんご夫妻打ち合わせ。いよいよ基本設計の終盤戦である。今回はじっくりと3週間のお時間をいただいて、間口が2730mmの広い舞台のような階段を持つプランのプレゼンテーションの2回目を行うこととした。広い階段が好き・・・、というご要望にこたえる形で生まれてきた広い階段室は、リビングとダイニングの中心部分に面するように南を向いて配置されている。この階段は部分的にソファのように座ることができ、そこに座ると目の前に薪ストーヴがある。もちろんストーヴの向こうには庭が見える。隣のダイニングスペースからも、反対側の隣にあるリビングスペースからも庭に面している。家のどこからでも意識される庭は、この住宅の重心として、つまりは心のよりどころのような存在としてそこにある。畑の作業をしたり、日向ぼっこをしながらくつろいだりの場であり、家の中からぼうっと眺める場でもある。住宅には重心となる庭があるのが良いと常々思っている。外部と柔らかくつながる住宅はまるで農家さんの小屋のような、自然と一体となる暮らしの場として魅力的に機能するはずなのである。

14時、東京都新宿区でリフォーム工事を行っている円通寺さんの現場確認。今日はクロス屋さんがクロスの張替作業を行っている。暑い中、本当に丁寧に作業をしていただき感謝感謝である。

設計中のIさんの家の打ち合わせ。

2020/06/08

午前中、東京都中野区にて設計中のIさんの家の打ち合わせ。Iさんの家は、Iさんの奥様姉妹のご家族と、ご両親の3世帯が集まって暮らす住宅である。Sさん世帯の住宅と、Iさん世帯とご両親のための2世帯住宅の2棟が隣り合って建つこととなるが、敷地の中心部分には二つの住宅のどちらからでも利用できる共用のウッドデッキがあり、一家の交流の場となる予定だ。まさに「集まって暮らす」スタイルである。東日本大震災以降増えた「集まって暮らす」スタイルだが、3世帯となるとそうそう多くはないように思える。

数年前に造った大倉山にあるダンススタジオのある家もまさに3世帯が集まって暮らす住宅であった。姉妹とそのご家族、そしてお母さんが暮らすための住宅を2等分塔型で造るというスタイルはIさんの家とまったく同じである。そして写真に見えるウッドデッキの存在も同じような用途を与えられている。核家族化が進み、個人主義の社会の中で垣間見えてきた様々な「限界」を、共に暮らすことで無理なく補い合うことができたらどんなに良いことであろうか。老人の介護・保育・孤独・・・様々な厳談社会の問題に対する暮らしの形をコントロールすることでの対処法が自然と浸透しているのではないかと思うのである。

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栗の板を使用したローカウンターのデザインを行う。

2020/06/07

朝5時起床。栗の板を使用したローカウンターのデザインを行う。これは母が自宅で使用するためのもので、高さは350mmほど、幅が2000mmほどで普段は置物を飾ったりの用途で使用する。栗の板は先日オグラさんから送られてきたものを使用する予定だ。こういう貴重な素材をふんだんに使用して建築の装飾などを造ることができるのは何よりの贅沢である。しかも丸太で購入して製材し1年間寝かせて乾燥させ、それからプレーナーをかけて納入しているので、埼玉県内の材木屋さんで購入するスプルスの造作材並みに安いのである。下がその図面である。出来上がるのを楽しみにするとしよう。

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午前中、畑作業。今日は夏野菜の手入れと、小松菜やジャガイモの収穫を行った。ジャガイモなどはまだそれほど大きくなっていないのだけれど、いっぺんにとれるよりも今から少しずつ収穫してしまったほうが消費しやすいので、少々小さくとも採ってしまうようにしている。あんまり欲張っていつまでも土の中に入れておいても、大きく育ったジャガイモの食することができずに、結局無駄にしてしまうのではもったいない。自分で育てているからこその工夫である。もう少しすると夏野菜もそんな状態になるはずだ。昨年は全くダメだった夏野菜、今年はどうなることやらである。