増井真也 日記 blog

設計中のYさんの家、リフォーム打ち合わせ。

2021/05/29

午前中、東京都杉並区にて設計中のYさんの家、リフォーム打ち合わせ。Yさんは設計事務所にお勤めしている方、ますいいのクライアントにとても多いいわゆる同業者だ。同業者の家ってやりにくいでしょのご意見をよく言われるのだけれど、実はますいいのクライアントの3割くらいは同業者である。設計事務所、ゼネコンマン、ハウスメーカーさん、こういうところで働いている人は大学時代に建築を学んでいる方が多い。歳をとっていざ自分の家を作ろうと思うと、やっぱり自分の家は自分で設計をしたいと思うものだ。でもいざ設計しようにも木造建築の設計はそんなにやったことがなかったり、はたまた普段の仕事が忙しくって実施設計まではやる時間がなかったりの事情がある。だからスケッチまでは自分で書くからその先はいろいろ相談しながら一緒に造りあげて欲しいの要望になるのだ。Yさんも今住んでいる家は自分で設計したらしい。今回のリフォームもきっと色々なご要望があることだろう。そういうことを丁寧に汲み取りながら、ご満足いただける家にしたいと思っている。

15時、埼玉県さいたま市にて茶室の建築を設計中のAさん打ち合わせ。今日はAさんのご自宅にお邪魔しての打ち合わせである。ご自宅に着くとまず初めにお茶室に通され、お茶を一服いただいた。お菓子もとても美味しい。仕事の中にあるこうしたひと時はとても豊かな気持ちにさせてくれるものだ。そしてなんとなく頑張っちゃおうという気分にもなるとても良い心の薬である。打ち合わせは室内展開図についてのお話であったが、さらに良さそうなプランを思いついてしまったのでもう一度作業を巻き戻してみようと思う。

ますいいでは毎日生活する家だからこそ、健康・自然素材を取りいれる

2021/05/28

ますいいでは毎日生活する家だからこそ、健康・自然素材を取りいれることにこだわっている。工業製品で造られた空間は時間が経過し古くなると共に、汚らしくなっていく印象がある。しかし自然素材は古くなってもその経年変化を美しさとして捉えることが出来ると共に、メンテナンスしながら長く使うことができる。更に自然素材を用いることで、室内の調湿作用や抗菌作用も期待でき、ご家族全員が安心して暮らすことが出来る空間となる。

床:八溝杉(栃木県)・信州唐松(群馬県)
壁天井:村樫の漆喰(栃木県)
その他:大谷石(栃木県)・タイルなど
これらの素材がますいいの家づくりの定番だ。

近年の家づくりではベニヤなどの工業製品を大量に使用していることが普通だ。化学物質に敏感な方は、仕上げ材に自然素材を選択しても下地剤のベニヤに含まれる化学物質の影響を受けてしまう方もいる。そういう方にはベニヤを一枚も使用しない完全無垢材の家「森の生活仕様」を提供している。上記のような自然素材の仕上げに加えて、下地に使用するベニヤをなくすことで、(もちろん構造材も無垢材を使用して)化学物質の放出を最低限に抑えることができるのである。

この写真は現在進行中の川口市安行の家にある洗面化粧台の造作の様子だ。通常であればこういう天板の下地には合板が使われているがここでは杉板を使用している。この上に仕上げのタイルなどを貼ることで天板が出来上がる。ベニヤを使用しないでこのような家具を作ること自体は今の時代に生きる僕たちにとってはとても珍しいこと、でも昔ながらの家づくりの中では当たり前のことである。そういうことを学びながらものづくりを行うことはとても楽しい。そしてとても有意義だと思うのである。

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昨年作成したカビの実験装置にカビが生えた。

2021/05/27

昨年作成したカビの実験装置にカビが生えた。カビが生えてこんなにうれしかったのは人生で初めての事である。この実験装置はアクリルの箱を二つ作成し、一つは漆喰で仕上げた壁と杉板の無垢フロアリング、もう一つはビニルクロスで仕上げた壁と合板フロアリングで内装を作成している。どちらの箱にも水を入れたコップを置き、湿度と温度を図ることが出来るようになっている。小さな空間の内部での話なので、すぐに飽和状態になってしまうのであろう。湿度の差はわずかである。わずかであるけれどでも漆喰と杉板の部屋の方が少しだけ低いのが不思議なのだが、それが調湿作用という事なのだろう。

この実験ではこの二つの部屋に食パンの切れ端を入れている。初めはコンビニで購入したヤマザキパンを入れた。待つこと数か月、どちらのパンにもカビは生えてこない。何度か改良を加えるもののカビが生えないのはもしかしてパンに原因があるのではないかと思い調べてみると、「ヤマザキパンにはカビが生えない・・・」の記事がたくさんあった。これでは実験にならないということで、今度は近所のパン屋さんにて購入することにした。最近雨が多い。そろそろカビが生える頃と思ていたら、なんと本日カビが生えているではないか。しかもビニルクロスの部屋だけに生えているのである。これは漆喰の抗菌作用、杉板や漆喰の調湿作用のおかげである。こういうことが実験でわかると、こうした自然素材の効果を実感することが出来るので良い。カビが様々なアレルギーやがんの原因となる事は知られているし、それを防ぐために換気をしたりの生活習慣も大切であるけれど、家づくりで防げるなら防いだ方が絶対に良いに決まっているのだ。少しでも早くお知らせしたい、そんな思いで日記に書かせていただきます。

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10時、扶桑社「住まいの設計」立石編集長と打ち合わせ。

2021/05/24

10時、扶桑社「住まいの設計」立石編集長と打ち合わせ。今度作るますいいリビングカンパニーの冊子について。

14時、こまむぐの小松社長打ち合わせ。こまむぐさんは子供向けの木のおもちゃを作る会社で、小松社長は実は僕の従兄弟である。元々は木型屋さんだった僕の母型の実家で生まれ育ち、一時は木型の職人の道に進みかけたところで、無垢の木を使ったおもちゃ作りの道へと入っていった。初めてしばらくしてテレビチャンピオンで優勝し、そのあとは確かNHKのEテレでおもちゃ作りの講師役で登場したりもしていた。今は川口市内で切った木を使用したおもちゃ作りを検討しているとの事である。今後も一緒に何か楽しいことをコラボしていこうのお話で楽しいひと時を過ごすことができた。

夕方、HPリニューアルに向けての小作業。19時ごろまで。

大集会堂のリニューアルに関するコンペの結果発表

2021/05/21

今日は川口市立グリンセンターの中にある大集会堂のリニューアルに関するコンペの結果発表である。審査の結果ますいいリビングカンパニーが一等となり設計を行うことができることになった。結果が出るまではなんとなくハラハラしたものの、いよいよ本番ということでしっかりと取り組んでいきたいと思う。

17時、ますいい茶道教室第2回目開催。今日は堀部くんと小林さんの2名が参加してくれた。盆略点前に向けて2回目の割稽古であるが、やっぱり今日はお辞儀の仕方と畳の上の歩き方をしっかりと教えることにした。こういう基本を教えるのはとても大切なことだと思う。畳の縁は踏まないように・・・のような事はおばあちゃんから聞いた記憶はあるものの僕だって親に言われたことは記憶にない。そもそも畳の部屋がある家に住んでいたのは小学生までだったのだ。割稽古は帛紗さばきと棗の清め方まで。最後に自分で薄茶を一服点ててもらってご自服で終了である。今日のお菓子は富山県の五郎丸屋さんの薄氷。毎回全国のお菓子を用意するのも楽しみの一つであるのだ。

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午前中は各プロジェクト打合せ。

2021/05/20

午前中は各プロジェクト打合せ。無垢材を使用した家具の作り方などについてスタディー。写真のキッチンは主に栃木県の八溝杉と北海道の栗材を使用してつくられている。面になっている部分は杉の板をはぎ合わせて板状にし造作加工した。栗は丸太で購入し約1年間ほど寝かしたものを加工している。栗のような国産広葉樹は新木場の材木店などで購入するととても高価な素材だが、丸太で購入することで輸入材のスプルスなどと同等の価格になる。1年間在庫を抱えるという手間を惜しまなければ、とても使いやすい良材なのだ。このように無垢材を利用すればベニヤを使わないでキッチンを造ることも可能だ。今日はディテールについてのスタディー。少しでも良い造りかたを改良していきたいと思う。

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製材される直前の栗丸太(ま はますいいの ま です)

14時、建築士事務所協会総会に参加などなど。

午前中は事務所にて各プロジェクト打合せ。

2021/05/18

午前中は事務所にて各プロジェクト打合せ。

12時、ますいいのサラメシを食べながらの打ち合わせスタート。茶室の建築を検討しているAさんと一緒に今日のサラメシ「豆カレー」を食す。なぜ「豆?」というと、この1週間ほどであろうか、僕がベジタリアン体験をしているからである。絶対的なベジタリアンというわけではないのだけれど、食肉産業や漁業が環境にどのような影響を与えているかという記事を目にしてから何となく初めて見たこの習慣、やってみるとそれほどの無理はないようだ。そもそも僕ももう47歳である。野菜中心の食生活にした方が良い年齢になってきたのだろう。

このサラメシ、作ってくれるのは東野さんである。プロの調理師の東野さんがつくる料理はとても評判が良い。営為要管理がされているだけでなく、具から作る手作りシュウマイという具合にとても手がかかっているのだ。週に3日、一人暮らしが多い若手スタッフの為に始めたのだけれど、ついにお客様と一緒に頂く日が来た。これはまた新しい利用法、またどなたかをご招待してみようと思う。

14時ごろ、二つの中庭の家の植木の刈込立ち合い。来月のチルチン人の撮影に向けて身だしなみを整えるための工事である。お出かけ前の床屋さんのごとく、あまりにも短くしすぎる事のないようにお願いをする。刈り込みを終えると、込み入ったモミジの葉のあいだから木漏れ日がこぼれる程度にちょうど良い具合となった。やっぱりプロである。無造作に切っているようで、手際よく刈り込む姿は見ていて気持ちが良いものだった。

15時、事業再構築助成金に関するレクチャーを受ける。この助成金は新たな取り組みを応援するもので、建築物に対しても補助金が支給されるという点では45年ぶりの珍しい補助金である。非常に複雑な申請様式なので、しっかりと勉強したいと思う。

今日は一日、コンペの日である。

2021/05/17

今日は一日、コンペの日である。このコンペには佐藤健吾さんと名和研二さん、ますいいからはスタッフの堀部君が参加して合計4名でのチームを作って挑んでいる。対象となる建築は川口市のグリンセンターの中にある1600㎡ほどの集会堂だ。この古い建築を新しい用途を付加して利活用するための提案が主な内容、今日は先日提出した提案書についてのプレゼンテーションなのである。

朝9時すぎ佐藤健吾君が来社した。内容確認などを行いつつ、10時ごろパソコンの動作確認のために会場を訪れた。会場にはプロジェクター、スクリーン、そして誰もいない席。パソコンを繋ぎ画像を映してみること約5分、まあ調子は良さそうだ。ほかにすることもないので事務所に帰る。読み合わせをして時間が余ったので、隣の青木食堂で少々早めの昼食を採る。12時過ぎ、名和研二さんが来社して最終確認を行い会場に向かった。会場には審査員が10数名、緊張した雰囲気の中プレゼンを行った。

今回の提案の中では、グリンセンターの改修工事ですでに伐採されてしまった川口市産材のケヤキなどを使って、家具工事や子供向けのおもちゃ作りなどのワークショップなどに利用するという計画を考えている。地産地消の地域材を使ったものに触れた子供たちはきっと何かを感じてもらうことが出来るのではないかと思っている。地域の公園の将来の姿を考えるなんて、なんて素晴らしい仕事ではないかと思う。だってこの公園は僕が小さいころから子供たちの代表的な遊び場であり、今もこの先も川口市で育つ子供たちの記憶の原点となるような場所だからだ。街づくりはその街に暮らす人々の力があって初めて完成する。さてさて、どんなことを実現できるか、これからの進行がとても楽しみである。

終了後は我が家にてお疲れ様会である。途中お酒を買い込み、家にあった食材での即興料理を味わいながらしばし楽しい時を過ごした。

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祖母の49日の法要で川口市芝にある長徳寺に参集した。

2021/05/16

10時過ぎ、4月8日に亡くなった祖母の49日の法要で川口市芝にある長徳寺に参集した。このお寺さんは鎌倉建長寺派の臨済宗のお寺さん、いわゆる禅寺だ。禅寺というのは座禅堂があるところが他の宗派との違いだと思う。京都などの観光地で座禅体験会などを行っているお寺さんを見かけるけれど、このお寺では月に2回日曜日の早朝に座禅会を開催している。それ以外には・・・、僕にはまだよくわからないというのが正直など頃だ。今日は雨が降ったりやんだり、なんだかいかにも法要というお天気だ。待合から本堂に移動しお経をあげ、納骨を行ってという一連の流れ、親族だけが集まってのささやかな式である。

おばあちゃんのおかげで最近あんまり顔を合わせることがなくなっていた父方の親戚との交流が復活しそうだ。茶道を初めたことがきっかけで、禅寺の檀家になろうと浄土真宗から改宗し、お寺さんを千歳烏山から川口市の禅寺に移して一年、偶然にも父の姉が嫁いだ家のお墓がこの度新設した我が家のお墓のすぐ隣の列にあることが分かったのである。本来の目的ではないけれど、親戚のお墓にも手を合わせての談笑。こちらも最近お墓を新しく直したらしく、朱字で入っている建て主の叔父の名前を見つつ独特な意匠の解説を聞いた。消して意識したわけではないが、偶然のお近づきに何だかみんなよかったねの一言であった。

僕は何となくお寺とか神社が好きだ。勝った負けた、成功失敗のごとき世の中の雑念や景色のようなものが入り込まない空間だからこそ、心を落ち着け自分自身と向き合うことが出来るのだと思う。これからはこの川口市におばあちゃんの眠る墓があるのだ。月に一度くらいは足を運ぶことにしようと思う。

午前中、ホームページのリニューアルに向けた打合せ。

2021/05/13

午前中、ホームページのリニューアルに向けた打合せ。ますいいのホームページも今の形にして7年程がたち、スマホで見るにはちょっと不便だと感じるようになってきたということで、新しくデザイン変更することになった。僕の日記も時代遅れらしく、SNSにした方が良いなどの意見もあるのだが、こればかりはもう何年も続けてきたことなのでなかなか変える気にはなれない。

というのも僕は世の中のいろいろな現象を眺めたり、仕事を通していろいろなことを考えたりしたことを時間を見つけては日記という形で書き上げることで自分自身の頭の中で現象の再構築を行い、それでようやく本当の意味で理解が出来るという思考回路を身に着けてしまったようである。だからもしこの行動を大きく変更すると、こうした思考回路までを変更しなければいけないわけで、それはもしかしたらいろいろなことを本当の意味で理解できない自分になってしまうリスクを生じてしまうのだ。

この傾向は日常生活でも実は意識している。会話の中でとっさに思いつく意見よりも、家に帰って文章にしたときに思いつく意見の方が面白かったりの気づきである。多くの人が集まる場で、会話の中に瞬時に入り込んで自分の意見を言うというような芸当は実はとても苦手である。会話は3人程度が良い、実はいつもそう思っている。HPがどんな風に変わろうとも、僕はこの日記を続けていきたいと思う。何となく大げさに言うとこの日記に自分の人生が綴られているような気がするのだ。

大集会堂の改修工事に関するプロポーザルコンペの提出

2021/05/12

午前中、川口市のグリンセンターという公園の中にある大集会堂の改修工事に関するプロポーザルコンペの提出を行った。この集会堂は築50年の洋館建築で、その昔、今の天皇陛下が川口市で開催される国体にいらしたときにお泊りになるために造られた建築である。その後は結婚式場やレストランとして利用されてきたのだけれど、最近は建物の老朽化に伴いほとんど使用されることがなくなっていた。取り壊しの声も出始めていたのだが、数少ない歴史的な建物と言う事で利活用のコンペが行われたのである。今日はその提出日、これまで準備してきた資料を提出させていただいた。あとは来週のプレゼンに向けて準備を進めていこうと思う。

Oさんの家では、健康住宅「森の生活」仕様での家づくり

2021/05/10

午前中、埼玉県川口市にて進行中のOさんの家の現場管理。Oさんの家では、健康住宅「森の生活」仕様での家づくりを行っている。

「森の生活」とはヘンリーデイビッドソローの著書からとった名前だが、今の環境破壊のなかで家を造るのならば、こういう家を造らなければいけないのではないかという思いでつけさせていただいた。ソローが産業革命の中で2年間にわたる自給自足の暮らしを行い、その日記を著書に記したときの状況とは異なるものの、そのころから同じような意識は人間の中にあったともいえる。

この住宅、具体的には以下のようなコンセプトのもとで行う家づくりである。
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自然素材
地産地消の考えで地域の自然素材を活用する
木:北関東で採れる杉や檜を使用
土:内装仕上げに漆喰を使用
石:大谷石などの関東で採れる石を使用
紙:地元で漉いた和紙を壁紙などに使用

健康配慮
住まい手とかかる職人の健康を害する部材を使わない
(合板、ベニヤ、ビニルクロス、新建材、サイディングを使用しない)

環境負荷
廃棄時の環境負荷を考慮した部材を使用する

空気環境
室内空気環境を測定する
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1.外壁(左官系仕上げの推奨)
1-1 モルタル通気工法
■透湿防水紙(デュポンタイベック)+通気胴縁(杉)+ラス下地杉+ベースモルタル
B 15mm
※耐力は筋交いで取る

2.屋根(ガルバリウム鋼板)
■垂木(杉・ひのき)+野地板(杉15㎜)+ガルバリウム鋼板
■軒の出は450㎜以上。

3.床(ベニヤ下地不採用)
■根太(杉)@303+無垢フローリング30㎜

4.断熱(グラスウール不使用)
■床下   ウールブレス
■壁・天井 ウールブレス

5.構造材(国産材)
土台  桧(北関東の地場産材、栃木・茨城県)
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今日は左官屋さんが漆喰を塗っているところである。勾配のついた天井の漆喰塗はなかなか難しい作業だ。材料は村樫の漆喰、これまた栃木県佐野市で造られている地元の素材だ。とても手間暇をかけて作っているけれど、この住宅の中に入るとその空気のきれいさに驚かされる。工事中の建材から出るいろいろなにおいとか目が染みるような感覚がが全くないのだ。お嬢さんのアトピーが良くなるように・・・、そんな願いを込めて作らせて頂いているのだけれど出来上がるのが本当に楽しみな住宅である。

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久しぶりに躙口から茶室の中に入った。

2021/05/09

先日茶事に招かれたときに、久しぶりに躙口から茶室の中に入った。躙口というのは高さ670㎜幅630㎜程の小さな板戸で、この前で草履を脱ぎ頭を下げてくぐるように入るのだけれど、身長180センチで少々おなかが出ている僕の体型だとなかなか厳しいものがあって頭をぶつけないようにするのが大変な入り口である。この扉、実は羽目板や桟の割り付けが均等ではない。なんで割付が均等でないかというと、普通のサイズの板戸の一部を切り取って使用した、つまりリサイクルの扉なのである。まあ、利休さんがリサイクルをしたかもしれないという話なので本当かどうかはわからないけれど、もしこれが本当だとして、リサイクルではない扉をリサイクルをまねて作るのは何ともおかしな話なので、僕は板戸がある家を解体するときには板戸だけを取っておくようにしている。こうすればもし躙り口を造るときに本当にリサイクルできるからだ。しかも安くである。

躙り口は万華鏡の覗き口のごとき効果がある。小さな入り口から中を覗き込む瞬間、目に映る世界は床にかけられた軸、炉前の棚、そして炉にかけられた釜である。茶室の意匠を初めて目にするのもこの時だ。小さな入り口からのぞき込むからこその中の広がりを感じる。壺中日月長という言葉がある。虚堂録(宋の虚堂智愚の語録)に出てくる言葉だが、壺の中とは茶室、日月流しが時間を超越する主客の交わりをイメージする、まさに茶道の本質を表す言葉と言える。ここに出てくる壺の形を思い浮かべると、壺の上にある細く小さな入り口こそがまさに躙口と言えるだろう。

僕以外にも連客がやはり頭をぶつけていた。しかも結構な強さである。躙口を大きくすべきか、僕の体型でも無理なく使うことが出来るにはあと10㎝高くすればよいのだが・・・。

今日は恒例のセルフビルド講座を開催した。

2021/05/08

今日は恒例のセルフビルド講座を開催した。メニューは「タイルでカフェトレー」又は「国産杉スプーン」のどちらかということで、造りたい方を自由に選んでいただく形式だ。国産材スプーンは僕がキャンプをしているときに杉の端材をナイフで削っていたら何となく箸が出来たのでそれを持ち帰ると、これいいね!!となって生まれたメニューである。カフェトレーは妹の真理子さんが考えてくれた。100均の木製トレーがタイルを貼るだけでこんなに素敵に生まれ変わるのはまさにセルフビルドの良い所だ。

総勢7名、皆さん楽しんでいただけたようで何よりである。次回は何にしようかな、の案を考えるのもまた楽し、次はバードコールの作り方を考えてみよう。

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今日は昨日までの疲れがたまっているようで

2021/05/05

連休最終日、今日は昨日までの疲れがたまっているようでなんだか体がだるい。やっぱり二日連続でのカヤックなど何年ぶりの激しいスポーツに体がついていかないようだ。午前中は昨日までの片付けなどして過ごすことにした。

午後畑に出向く。僕の畑にはいくばくかの茶花が植わっているのだけれど、今日はあやめがきれいに咲いていた。2年ほど前に植えたあやめもだいぶ増えてきたけれど、沙羅の木の下の陽の当たり具合がちょうど良いのかもしれない。花は野山に咲くようにという環境を人工的に造るとこんな感じなのだろう。畑の作物はそれほどとるものがない。春菊と玉ねぎは丁度良い具合だけれど、それ以外の夏野菜たちはこれから暑くなるにしたがって育ってくるだろう。昨年は長梅雨で全然育たなかったトマトやらの夏野菜も今年はうまくいってくれると良いなあと思う。

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今日からは昨日までとはうって変わって連休の遊びである。

2021/05/03

今日からは昨日までとはうって変わって連休の遊びである。密を避けて遊ぶことが出来る場所となればやっぱりカヤックしかない。というわけでテントをもっていつもの栃木県那須烏山市にある那珂川に出かける事にした。キャンプサイトはいつもの通り貸し切りというわけにはいかなかったものの僕たちの他には1組だけしかいない。すぐ目の前には大きな川があるので居場所には困る事がないのが良い。今回は妹の家族も一緒に来たのでいつもよりもちょっと賑やかである。旦那さんはこの手の遊び初登場だが、やっぱり元柔道家であり、谷川岳に挑戦するような山家でもあるのでカヤックをやっても器用にこなす。こんな風に過ごすことが出来る事に感謝なのである。

僕たちの家族は2日連続で川下りを行うことにした。二日連続でカヤックをやるのは初めての事なのだが、一日目は腕慣らし、二日目は20キロのロングコースという具合に楽しむことが出来た。一緒に下ったご家族のうちのお一人はなんと僕の会社のすぐ近くにご実家があったそうだ。こんな不思議なご縁もまた楽しいところ。いろいろなことがあっても自然は変わらず僕たちに語り掛けてきてくれる。遊びに行けばどれだけでも遊ばせてくれるし、なめてかかれば事故にあう事もある。優しさと厳しさを併せ持つ存在だし、なくてはならない物でもある。そういう中に身を置いて、ゆったりと流されていると、僕たちはこういう自然に守られて生きているんだなあという事を改めて感じるのである。

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連休二日目。今日も朝4時から事務所に来ている。

2021/05/02

連休二日目。今日も朝4時から事務所に来ている。あまりの心地よさに心が安らぐ。早朝のマニアになりそうだなこれは。

10時ごろ福島から佐藤研吾君が来て現在一緒に取組んでいる埼玉県川口市にて開催される公共建築物のリノベーションに関するコンペの打ち合わせを行った。このプロジェクトは構造化の名和研二さんと佐藤君の3人で一緒に行っているのだが、チームで取組む仕事は普段の住宅とは違う面白さがある。1600㎡ほどの建築をどのようにアレンジしていくかの計画について知恵を絞る事約4時間ほど、2時ごろまで作業を行って解散した。引続き昨日の農家レストラン計画についてのスタディー。4時ごろまで行い眠くなってきたので家路についた。

朝4時過ぎ事務所にて雑務。

2021/05/01

朝4時過ぎ事務所にて雑務。今日からゴールデンウィークという事だけれど、なかなか外に出る事も出来ないので思わず仕事である。誰もいないアトリエはとても心地よい。早朝は庭に植えられている柿の木に多くの鳥が集まってくる。今日は尾長鳥だろうか、5羽ほどのちょっと珍しい鳥たちが人気のない庭で遊んでいるようにはしゃいでいた。こういう時間帯は何となく空気が澄んでいるというか、昼間とは違う世界のような気がする。この違いは何かなあと思うと、携帯電話とか固定電話とかの空間を飛び越えてくるアクセスが無かったり、そもそも道路を歩いている人もいないし、この世の中にまるで独りぼっちかのような状態になっていることが原因であるような気もする。

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今日は農家レストランについてのスタディ―を行った。この計画は川口市内の農地を使用してレストランを計画しようというものである。埼玉県川口市は、東京からわずか1駅にもかかわらず、植木の街「川口市安行」が知られているように都市型農業が盛んである。近年農業従事者の高齢化により、耕作放棄地が増加し、資材置き場などへの用途変更も増え、良好な景観が損なわれるなどの問題もある。僕はこの地において2000㎡の農地をかれこれ10年位耕作している。そこで、埼玉県川口市にある「2000㎡の農地」と「コロナに配慮した分室農家レストラン」を拠点とする農家的暮らしの拠点を造ることとしたわけだ。この計画には当然であるが農家さんの理解と協力が必要である。さてさて実現するかどうか、頑張ってみたいと思う。

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