栃木県の那須にハイキングに出かけた。
今日は栃木県の那須にハイキングに出かけた。場所は三本槍岳という山の取り付き尾根の一つである大倉山というところである。尾根まで登るとなると本来はきつーい登りがあるわけだけれど、今回は楽々ハイキングだからスキー場のゴンドラを利用しての移動だ。山頂駅は午前中あいにくの天候で全く前が見えないような状況だったので、山を登るコースをあきらめて山を下るコースを取ることにした。足にはスノーシューをつけての移動である。誰も歩いたことのない新雪を踏みしめながら約4時間をかけて山を下っていくのは実に気分が良い。雪の上に寝転んで上を見てみると、いつの間にか青空が見えている。木々が揺れているのを眺めているとまるで森が動いているかのような錯覚を起こす。山岳部時代の雪山を思い出し窪みの斜面を利用して雪洞を掘ってみたら、意外と一人が寝ることが出来るくらいの広さを造ることが出来た。
自然を感じるには自然の中で過ごすに限る。環境問題などと口で言っていても都会の中だけではなかなかイメージできないものだ。険しい山も里山も僕たちの暮らしの中に近い存在ではない。川だって荒川を時々電車の中から見るくらいだし、海だって一年に数回見るだけである。環境問題が叫ばれる昨今、こういう時代に生きるものとして真剣に取り組むためにはやっぱり自然の中に身を置く必要がある。日本の山を守るために日本の木を使う、僕の会社では栃木県の木を使用するようにしているのだが、その結果豊かになる森の中にまさに身を置いているのだという実感が強く意識される瞬間だった。