増井真也 日記 blog

古民家再生

2022/05/30

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県蕨市にあるSさんの家の古民家再生調査を行った。Sさんの家は築90年が経つ古民家である。古民家の再生にあたっては、まず現地の入念な調査が必要ということで、約600項目の調査項目に従って劣化などに関する調査を行った。それにしても90年前の家づくりと今の家づくりでは、構造体などが全く違うから面白い。土台は地面の埋め込まれた大谷石の上に乗せてあるだけだし、束石はただの自然石、しかも隙間には適当な楔が打たれているだけだ。今の耐震技術などに比べたら比較にならないのだけれど、でもこれで90年もったのだから昔の技術はすごいのである。写真の柱の横にある黄色い筋はシロアリの被害だ。すでに薬剤処理されていたが、梁や柱はだいぶ傷んでしまっていた。こういう部分は交換するにしても、小屋裏の見事な梁を荒鷲にした様子は今から想像するだけでもワクワクするのである。

セルフビルド待合

2022/05/29

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
日曜日の今日は、千葉県の知人から正午の茶事にお招きいだいた。参加者はとてもよく知る身近な仲間たち、このような茶会がもっと増えれば良いと思う。千葉県のIさんは創意工夫のある方で、腰掛け待合は知人に設計してもらって、協力しながらのセルフビルドで作り上げてしまったらしい。屋根は自分でモルタルを塗ったという。さすが芸大出身、陶芸から絵画まで、ついには左官の技術まで器用にこなす。実際に5人で腰掛けてみると、これが実にちょうど良い具合である。自分でできることは自分でやる、まさに楽しみながらのセルフビルド待合にとても感動した。

まず何よりも信頼関係

2022/05/28

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県所沢市のNさん宅にて瓦がずれているのご相談の調査に伺う。Nさんは僕が通った早稲田大学の先生である。以前2階ほどリフォームを依頼していただいたのだけれど、こうして何度もご依頼いただくということは何よりも嬉しいことである。建築の仕事というのは、家にも入るし、家族にも顔を合わせ、家の構造から設備までを工事するのであるからこそ、まず何よりも信頼関係が重要であると思うからである。屋根の上に上がって調査をしてくれたのはいつも屋根工事を依頼している山内さんだ。結果は瓦が一枚割れているとのこと、部分補修のお見積もりをさせていただくことをお約束した。

午後、東京都内で小さな土地を探して家を建てたいというご夫妻と打ち合わせ。コロナで地方への移住が進み東京都の人口が減少し始めたとのニュースがあったが、それも束の間、最近はまた増加傾向にあるらしい。ますいいでもこれまで結構たくさんの狭小住宅をつくってきた。一番最初に作ったのが、三角の家である。この土地は板橋区の成増駅から徒歩圏内にある三角形の土地だ。初めは四角い家が建っていたのだが、それを解体すると本当に直角三角形の土地が現れたのである。お母さんとお子さんが二人で安心して暮らすことができるように、三角形の土地をくるりと包み込むように外壁を作り、外周部からの採光は最小限にして吹き抜けの上部から光が降り注ぐようなプランとした。狭小住宅は土地によって様々な表情となるものである。さてさて今回はどのような土地が見つかるか、楽しみにお待ちしようと思う。

仕事を通して世のため人にために貢献する

2022/05/26

午前中、淡交社の阿部さん打ち合わせ。淡交社というのは裏千家の雑誌を作ったり、茶道にまつわるグッヅを販売したりしている会社である。今回は埼玉県さいたま市にて工事進行中のAさんの茶室の取材に関する件で打ち合わせにお越しいただいた。

茶道を習い始めて11年がたつ。茶道ほど日本文化と総合的に関わることはないと思うくらいに奥が深く、故に僕などまだまだ修行中のみではあるのだけれど、それでも一つのことを10年以上やり続けていると案となく見えてくるものもある。

致知という雑誌で読んだ言葉に
「賢は賢なりに、愚は愚なりに、一つのことを何十年も継続していけば必ずものになるものだ。君、別に偉い人になる必要はないではないか。社会のどこにあっても、その立場立場においてなくてはならぬ人がある。その仕事を通して世のため人にために貢献する。そういう生き方を考えなければならない。」
というものがあった。茶道を通じて日本の文化をつくるというなんとも壮大な夢を描いて入り込んだ道だけれど、僕も少しはお役に立てるようになってきたような気もするのである。

屋根屋さんは一人だけ

2022/05/23

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は朝一番から、埼玉県さいたま市のKさんの家の屋根補修に関する現地調査を行った。同行してくれているのは板金屋さんの山内さんである。ますいいの屋根工事を一手に請けてくれている職人さんで、僕よりも少しだけ年下の後輩である。屋根屋さんは一人だけしか依頼していないのだけれど、築年数が何十年も経った後に、もしも雨漏りなどしたら誰にメンテナンスを頼んで良いかわからないような状態にはなりたくないので、本当に信頼できる一人だけとお付き合いをしているのである。この現場ではコロニアルが葺いてある屋根下地の野地板が結露のために朽ち果ててしまっている部分に対して、屋根を一度剥がしての下地交換を行おうというモノである。急勾配の屋根だけに、屋根足場なども必要な工事なのだけれど、もしもこのまま放っておけばいつかは屋根に穴が空いてしまうのでしっかりと補修してあげたいと思う。

続いて川口市上青木にあるIさんの家の屋根補修工事現地調査。こちらは近所でたまたま工事をしていたという職人さんに「屋根の一部が壊れていますよ」という声をかけられたのでみてほしいという、昔のクライアントからの依頼である。このケース、実は最近とても増えていてそのうちの半分は何も問題がないことが多い。つまりはリフォーム詐欺であるのだ。今回は、、、やはり大きな問題はないようである。せっかくなので点検し、下地の木が痛んでしまっている部分のみ補修を提案することにした。

大切なものを大切だと思う心をなくしやすい時代

2022/05/22

建築の仕事は古いものを壊して新しいものを作ることが多い。この国は相変わらずスクラップアンドビルドの傾向が強く、家づくりでも公共事業でもとにかくなんでも新しくしてしまう。でも僕たちが観光に行った先で見てみたい建築や街並みは、大抵古いものであることが多いわけだから、なんとも不思議な国民性なのだ。僕たちの住む川口市のような東京近郊の土地では、その利便性から人口流入が増加しており、余計に古い建築を文化的に利用しようとする思想は育ちにくいように思える。例えば川口市にもまだ本町のあたりには古い洋館風の住宅などが残っていて、そういうものを大切に再利用すべくリノベーションをすれば谷中千駄木のような魅力的な街並みを形成する要素となる建築を生み出すことができるわけだけれど、実際には解体処分してなんとも特徴のない賃貸マンションなどを建設してしまうという選択をする人の方が多いのが実情である。まあ僕たちもそういうことに加担しながら生活しているわけで,マンションを建てるオーナーさんを悪く言うことはできないのだけれど、魅力的な街を作りたいという建築家としてのそもそもの願望だけは忘れたくはないと思うのだ。

とあるリフォームの現場にはあと数ヶ月で100歳を迎えるお婆さんがいる。世話をしているのは有名な国立大学の名誉教授で今年で77歳となる。お嬢さんたちはすでに家を出ているから二人で暮らしていて、まさに老老介護の現場である。時間があると焼酎の瓶とつまみを持ってお邪魔するのだが、大学の教授を勤めていた知性とそのお母様だけあって、年齢からは信じられない話が飛び出す。○○年の何月何日には中曽根総理が・・・、1989年の何月何日にあんたのおじいさんがこの家に来てさ・・・、この梅酒は12年前の何月何日に誰と一緒に作ったんだっけ・・・なんで日にちまで記憶しているのかわからないけれど凡人とは脳の構造が違うのである。この家とても古く、且つ物で溢れている。僕がちょっと片付けようとすると、元教授は烈火の如く怒り出す。ただただモノが溢れているようにしか思えないのだけれど、自分だけが分かるものの配列があるらしい。

先日その家の床下に耐震診断の師匠である大工の金井さんと一緒に潜った。金井さん曰く、「床下に潜るのは好きじゃないと。好きじゃなきゃこんなことやってられないよ。今日はどんな基礎、土台が見れるかなあというワクワク感なんだよね。」

床下に潜るとやたらに瓶があった。まだ飲めそうな梅酒もあった。(これはさっきの梅酒である)床下にあるいろいろなものはなんとなく一家の歴史を垣間見させてくれる。そして建築に関しても基礎の作りを見れば増築の歴史も手にとるようにわかるし、大工さんの気持ちもなんとなくわかる。

経済だけでいろいろなモノが評価される時代であるが、人にとって大切なものとはなにかを考えると決して一番はお金ではない。僕が遊びにいくと必ず100歳のおばあちゃんも参加させ、おばあちゃんも一緒に日本酒を飲みながら昔話をさせる元教授の思い、そしてそういうことをする場となる家とそこにあるいろいろな物たち、こういうものこそが人の歴史であり、大切な物であり、幸せなんだろうなあと思うのだ。

ちなみに金井さんの家も元教授の家と同じくらいにもので溢れている。そして大切なお母さんと一緒に暮らしてもいる。大切なものを大切だと思う心をなくしやすい時代にあくせくと生きているとどうしても忘れてしまうことがある。もちろん僕も忘れがちなんだけれど、金井さんにはその大切なものをなんとなく教えてもらったような気がする。

もっと自由に家を造ろう

2022/05/20

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
朝礼終了後各プロジェクト打ち合わせ。
石山修武先生の作品に、開拓者の家というものがある。この作品は長野県の菅平に草原の中に、コルゲートパイプという材料を用いて楕円形のパイプを作り、その両側に壁を設けて住宅としているものである。基礎を持たずに、砕石を積み上げた上に置いてある。動かないようにワイヤーで引っ張られているだけだから、基礎を持たない建築、つまりは仮設建築のごときものだ。この住宅は一人の男性がセルフビルドで作り上げた。もちろん石山先生もそれにどっぷりと参加していたのだろうけれど、素人が自分の作りたい家を自分の力で作り上げた建築であり、さらには何とも言えない造形美が出来上がっている点でもとても面白い建築であるのだ。数年前に僕がお邪魔した時には、クライアントがこの家を大切に使い続けていた。おそらく今でも同じように使用しているのだろう。住宅というのは自分自身のものである。自分の暮らす場所をどのように作るかは自分で決められるのが一番良い。このコルゲートパイプの家は、普通の住宅と比べることはできないものである。でもこの家の住人のSさんにとっては、他のものでは変えることができない最高の居場所なのだ。もっと自由に家を造ろう、というますいいの理念の発祥のような建築を一つご紹介したい。

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島根県研修二日目

2022/05/17

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
島根県研修二日目。今日は石見銀山にある中村ブレイスさんと石見銀山郡言堂さんの訪問した。この地域は人口がわずか500人程度しかいないのだけれど、そのうちの100名ほどがこの二つの会社で働いているという、とても珍しい状況が出来上がっている。中村ブレイスという会社は義足や人口的な手や皮膚などを作っている会社である。創業者の中村会長と現社長にお会いしたが、優しい人柄がとても素晴らしい。社員さんたちは黙々と作製作業に没頭していたけれど、皆様とてもご丁寧に対応していただいた。

石見銀山に向かう坂を上がっていくと両側に古い古民家が建ち並んでいるのだけれど、これらの古民家はなんとまちづくりのために中村さんが買い取って改修工事を施しているというから驚いた。義手義足という事業で得た資金を使って、地方の本当に小さな街をとても魅力的な状態に作り上げていく、なんとも高貴な行いに感動した。

中腹にある群言堂さんに入るとそこは緑豊かなカフェである。古い古民家を改装したお店ではこだわりの洋服などが販売されている。店員さんに声をかけたら、なんとつい最近小田原から移住したそうだ。

調湿炭(炭八)

2022/05/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日はいくつかの企業を視察に行くために朝一番で羽田空港に向かい、島根の出雲空港行きのJALに乗り込んだ。11時ごろ出雲空港に着くと、すでに前日から来ている仲間が出迎えてくれた。始めの目的地は出雲土建さんである。この会社はますいいでも使っている調湿炭(炭八)を製造している会社で、今日はその工場を見学させていただいた。先日も木造の住宅のリフォームの際に床下に敷き詰めたのだが、よくわからないけれどなんとなく湿気が多いと言うような状況の建物ではなかなか効果があるようだ。なんとなく湿気が多い建物というのは、例えば周りを囲まれていて風通しが悪いとか、敷地内に降った雨がどこにも抜けることができないようになっているとかの事情があることが多いのだけれど、そういう根本的なことを解決しようとするとすごくお金がかかる場合などもある。それに比べると、炭八を式並べれば良いというのはそれほどコストがかからないのでおすすめの方法なのである。

アパートの天井に炭八を敷き込み、室内環境を良くしているモデルルームを案内していただいたが、湿度が安定している様子を実験で示していただいているのでとてもわかりやすかった。今後も何かと利用するつもりの建材なのでご紹介する。

リフォームの打ち合わせ

2022/05/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は東京都東村山市にてリフォームを検討中のUさん打ち合わせ。断熱性能を向上させたり、耐震性能を向上させたりを目的にする大規模改修工事であるが、なるべく費用を抑えながらも暮らしやすいプランとするように間取りの変更なども提案している。昔の住宅は大抵の場合お風呂場が狭かったり、キッチンが孤立していたりする。当時のスタイルではそれが当たり前だったのだろうが、それが今の暮らしには合わないと言うケースは多い。水回りは毎日使うものだから、そこでのストレスはとても大きなものになってしまう。断熱もしかり。冬になるといつもいつも寒いと感じ続けて暮らすことは大きなストレスとなる。そして健康を害する原因にもなってしまう。コロナ禍のちょっと先が見通せない時代になったことで、リフォームの依頼はとても増えた。せっかくお金をかけてリフォームをするのだから、本当にやってよかったと思える設計を考え尽くしたいと思う。

茶室の床柱を買いに

2022/05/09

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室で使用する床柱などの銘木を選びに行った。広間の床柱は北山杉の天然絞り丸太である。小間の床柱はこぶしを使う予定だ。ちょうど良いまっすぐなこぶしが数本あったが、小間にはあんまり太い柱は似合わない。直径が3寸弱の柱がなかなか良い肌合いだったのでそれを選ぶことにした。落とし掛けは栗、床框には山桜を使用する。4畳半の天井にあるタレ壁の見切りには2寸丸太の杉を使う。垂木掛けにちょうど良い絞り丸太の切り落としや架に使用する竹も選ばせていただいた。さてさていよいよ茶室の内装工事に入っていく。出来上がるのがとても楽しみである。

古い建築を大切に

2022/05/08

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
日曜日。今日は地元の建築士事務所協会の金井さんという大工さんのご自宅にて耐震診断と補強設計についてのレクチャーを受けさせていただいた。金井さんは浦和高校、大卒、一級建築士の大工さんである。埼玉県の方ならわかると思うけれど、浦和高校を出た大工さんはきっと金井さんしかいないだろう。工務店の3代目として生まれ、きちんと学んで大工さんになった方だからこそ、裏付けされた知識と技術でおそらく日本一の耐震診断と工事を行なっている方である。年は70歳、僕はこの金井さんに耐震診断を学びたいと思って本日のレクチャーとなった。

耐震について考えると、昭和56年以前の住宅の耐震診断と、それから2000年基準ができるまでの耐震診断の二つに分かれる。2000年までは金物の使用が義務付けられていなかったので、筋交はあるけれど弱い建物がたくさんあるのが実情だ。僕は古民家の再生を手がけていきたいと考えているので、もう少し古い建物をイメージしているのだけれど、結局はどの年代も考え方は同じである。地震力や風圧力を受ける耐力壁をバランス良く配置し、木材の接合部を金物で補強し、力のかかる部分に適正な基礎をもうけることで建築は強くなるのだ。古い建築を大切にする建築家として、構造をしっかりと見ていきたいと思っている。

野地板の結露

2022/05/07

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中、埼玉県越谷市にて調整区域内の土地に住宅を作りたいというSさん打ち合わせ。打ち合わせをしようとしていたちょうどそのタイミングで、農地転用の許可申請を担当していただいていた土地家屋調査士さんより電話があり広すぎる土地に小さな建物を作るのはどうにも農地転用の許可が降りなさそうだという報告を受けた。仕方がないので、カーポートを作ったり、住宅を少々大きくしたりの設計変更をしなければならないことに。スタッフが夜鍋をして作ってくれた模型が無駄になってしまった。ごめん、若者たちよ。次回また頑張ろう。

午後、埼玉県さいたま市にて住宅のリフォームを相談されているKさんのご自宅調査。20年ほど前に横浜のツーバイフォーの会社に作ってもらった住宅の屋根の合板が結露で腐ってしまっているということで原因や改善方法などについての調査を行なった。木造住宅は健全な状態を保つ頃ができれば100年でも持たせることができるが、結露などの症状を抑えられなければ20年でこんな状態になってしまう。こういうことを防ぐにはしっかりと屋根の通気を確保してあげる必要があるのだけれど、この住宅ではそのような措置を施していない状態であった。この状態では一部の屋根を剥がして野地板からの交換が必要となる。次はこのような結露を起こさないようにしっかりと直してあげたいと思う。

芍薬畑の老夫婦

2022/05/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
連休最終日の今日は久し園の先にある2反ほどの土地を借りて長らく畑をやっている。とはいうものの最近なんだか忙しく、あんまり自分で行くことはできていない。今日は連休最終日、久しぶりに畑の作業を行うことにした。行きつけのホームセンターで苗を数本購入し、畑に植え付ける。雑草はあんまり増えていなかったけれど、それでも草刈り機を1時間ほど動かした。畑の隣で何十年も芍薬の栽培をしていた老夫婦がいたのだけれど、昨年でやめてしまった。どうやら地主さんが産廃屋さんに土地を貸してしまったらしい。なんとも悲しい限りである。その芍薬畑の老夫婦にいただいた根から見事に花が咲いた。少ないけれどひきつづことができたのがとても嬉しかった。大きな花を見ていると、去っていった老夫婦の大きな手を思い出す。長年の野良仕事に耐えたお大きなグローブのような手であった。

1日の始まり

2022/05/04

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は雲取山参考二日目。本当に久しぶりのテント伯山行とあって、体には疲れが溜まっているようだ。特に足の筋肉の疲労が顕著である。もう少し体重を落とさないと長期間の縦走はできそうにないなあと思いながら、なんとか今日は無事に降りれそうでもあった。山の朝はとても空気が綺麗だ。もう凍てつくような寒さはないけれど、それでも明け方は氷点下まで気温が下がる。そういう空気の中で息を吸うと、肺の中までスーと冷やされるような感じがする。次第に明るくなるとあちらこちらで鳥の囀りが聞こえ始める。今日という1日の始まりだ。たくさんの命が活動を始める。そして夜行性の動物たちは逆にひっそりと息を潜めるのだ。
ところで長い下の途中、娘の靴底がついに剥がれてしまった。10年くらい経った登山靴はそこが剥がれる。これは紛れもない事実だ。僕は初めての経験だったが、皆さんも注意していただきたい。

奥多摩・雲取山

2022/05/03

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅を造っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
連休3日目ということで奥多摩の雲取山に1泊2日の山行に出かけた。東京都で最も標高の高い山で標高は約2000mほどである。上り下りが1600mの鴨沢からの往復コースを選択したが、流石に日帰りで踏破するほどの脚力はない。トレイルランの方々は涼しい顔をしてこのコースを往復しているけれど、あの体力はすざまじいものがあると思う。ゆっくりと登っているといよいよ雲取山頂への稜線が見えてきた。珍しく一緒に来てくれた次女は太ももが攣って少々辛そうにしているけれど、この素晴らしい稜線歩きを楽しんでくれているようだ。山を歩いていると、普段の暮らしの中で感じる自然という存在がより身近なものになってくる。例えば熊が出たらどうしようの不安だって、都会にいれば全く感じないが奥多摩に来れば出会っても不思議ではないわけだし、現に今年に入ってからすでに二件の目撃情報もあるようだ。新緑の木々が芽吹き、さまざまな命が溢れんばかりの生命力を感じさせる。あちらこちらにあるシカのフンや足跡もすぐ近くにある自然だ。地球に暮らす一員としてテントを張って地面の上で寝て、夜空に浮かぶ星を見ると本当に山に来て良かったなあと思うのである。

 

 

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