増井真也 日記 blog

2022/02/28

午前中東京都荒川区にて、集合住宅の改修工事現地調査。この計画は最上階のオーナー住宅の断熱改修工事で、主に開口部の断熱性能の向上を行う予定である。数十年前の新築時に建築家が設計したFIXの大開口がたくさんある建築のために、このたくさんあるアルミサッシの開口部をどのように2重構造にするかが課題となった。中には三角形の大開口まであるのだけれど、こういう設を後から2重にするというのはなかなか大変なことなのだ。今回の計画では内窓が作れるように大工工事で下地を組み、その下地にアルミサッシを取り付けることにした。他にもキッチンの回収などの工事もある。小さなエレベーターで資材を搬入しての工事だけに丁寧に計画していきたいと思う。

 

2022/02/25

ますいいリビングカンパニーでは奈良県の吉野杉と栃木県の八溝杉を中心に国産材の家づくりを行っている。昨今のウッドショックで外材の価格が高騰しているのに合わせ国産材も価格を上げているけれど、それでもまだ国産材の方が安定しているのは明らかだ。国産財は少なくとも戦争の影響は受けないし、下がり続ける円の価値の影響も受けない。こういう混乱期になって今頃気が着くのは遅すぎるのかもしれないけれど、これからでも変わることはできると思う。食料や材木などさまざまなものの自給率が話題となっているけれど、材木に関して言えば早く植林から伐採、そして製材までのサイクルを確立し、林業で生きていける仕組みづくりが求められていると言えるだろう。写真はますいいが材木を仕入れさせていただいている永井さんの製材所の様子である。たくさんの丸太を見るとワクワクしてくる。いい家はやっぱりいい材料でしか作れないのである。

作り手が幸せな現場を作りたい

2022/02/23

ますいいリビングカンパニーでは3人の大工さんが専属で働いてくれている。家づくりはやっぱり大工さんが主役だから専属の大工さんがいるということはとても心強いことである。先日、その大工さんの一人である瀬野さんと話をした。瀬野さんは昨年の木造建築士の資格に合格したという。その日はその資格を交付するための勤務証明などの書類を作るために来たわけだが、大工さんが資格を取得するということはとても前向きで良いことだと思う。「自分の家は自分で設計したいんですよね」の言葉は、家づくりに関わるものとして至極当然の思考だし、それ以外の設計だってできるようになるかもしれないわけだ。
僕は作り手が幸せを感じながら仕事をすることができる空間を実現したいと思っている。作り手が幸せと感じない場で、住まい手が幸せになることができる家などできるはずがない。そしてそれは設計者も監督も大工さん達職人さんも一緒である。家づくりがみんなにとって良い仕事であると心から思えるような場こそがますいいリビングカンパニーであると思うのである。

川口の避難観測所

2022/02/21

今日は埼玉県川口市にて計画してきた避難観測所の工事請負契約を結ぶことができた。この計画は荒川の流域である川口市でもしも河川の氾濫が起きた場合、地上4mの鉄骨造の構造物の上にある木造の小屋に避難することができるようにするというものである。地域の避難所というのは大概が学校などの建築物である。でもこうした建物はその地域の総人口を受け止めるにはあまりに小さく、さらに言えば感染症などの危険がある中で高齢者が利用するにはあまりに過酷な環境となる。本当はそれぞれの住宅の敷地内で避難ができるような装置があることが望ましいことは明らかであり、この計画が完成すればそれを広く知らしめることができると考えている。
掲載の記事は昨年の住宅特集に掲載されたものだ。いよいよ工事が始まるところまで来た。ここからが楽しみなところである。

注文住宅には蒔ストーブを設置したい

2022/02/15

住宅には重心があると良い。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れるくらい自然で幸せで暖かいひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。ストーブにはそれを生み出す力がある。だからなるべく設計に取り入れるようにしているのである。

講演会のご報告 茶室四方山話

2022/02/13

ホームページのリニューアルを行なっている。ようやく日記を書くことができるようになったので再開したい。20年分もの日記を新しいページに全て移すことはできなかったので、それについては後日外部ページに公開することにしている。

今日は裏千家の埼玉県青年部総会に参加。約1時間ほどの講演会講師をさせていただいた。テーマは「茶室四方山話」である。ZOOMでの開催とあって、全国北海道から鹿児島まで多くの方々にご参加いただいた。

暮らしの中に馴染む茶室とは一体どんなものだろうかの結論に至るために、闘茶の会所から書院造の茶、鎌倉時代の草庵、そして珠光・紹鴎・利休に至る侘び茶室に関する解説をした。そして利休の茶室はブリコラージュの手法を用いているという結論で締めた。現代に生きる僕たちが造るべき茶室はまさにこのブリコラージュで良い。伝統の中にある高価な素材を全て使う必要などなく、今の時代に手に入るものを現場の即興でデザインし、なるべく安価で無理のない茶室をつくることが本来の姿であるのだ。利休の時代はまさに戦国、コロナ禍の不安定な昨今とても参考になる何かを含んでいる気がする。こんな時代に茶室を造る意味・・・そんな答えに少しは通じることができたような気がする。

(待庵の作られ方を想定したCG)

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