能登半島地震が起きて以降、関東地方でも地震が増えてきているように思う。これからは古い住宅の耐震診断が増えると思うが、なるべく安全な建物を増やしていきたいと思う。
2024/03/22
現行の耐震基準は、1981年に改正された建築基準法がベースとなっている。81年より前を「旧耐震基準」、81年以降を「新耐震基準」と呼んでいる。さらに2000年に「基礎」「柱梁や筋交の接合部」「壁のバランス」に関する告示が示された。これは「2000年基準」と呼ばれていて最も強固に建てられている可能性が高い住宅となる。いわゆる耐震診断補助金などは旧耐震基準で建てられた建物に適用されることが多いのだが、熊本地震では新耐震基準や2000年基準の建物も倒壊してしまった。具体的な数値としては、新耐震基準が73棟、2000年基準は7棟倒壊、崩壊している。
被害が大きくなってしまった建物にどのような理由があるのか。その一つに、壁位置の上下不揃いが挙げられる。倒壊した耐震等級2で建てられた建物では、耐力壁の直下率が極端に低かったそうである。通常の耐震診断をした場合はこの直下率に関しては調べることができるのでなるべく直下率を高めるように耐震補強の計画を立てることも大切となるだろう。
壁の配置に偏るがある場合も要注意である。建物の剛心と重心の位置が離れている場合はその位置が近づくように補強壁を増やしてあげると良い。
1981年以降2000年基準以前の建物では金物の使用方法が明確に規制されていなかったために、異なる金物がついていたり、向きが違っていたりの間違いも多い。筋交金物の場合は断熱材をどかしたりすれば見れることが多いのでなるべく確認して是正することで適正な強度がえらっるようになるだろう。
そのほかにも筋交に断面欠損があったり、はたまた極端に急・もしくは緩やかな筋交だったりする場合もある。大きな節があればそこから筋交が壊れてしまう可能性もある。こういうことに気がつけた場合はその節の部分に補強のための添木をするなどの対応だけでぐーんと強度が向上する。予算が少ないから1階だけを補強する場合もあるが、これもできれば上下共に補強した方が良い。どうしてもできない場合は1、2階ともに0.8にするなどあまり強度の差をつけないようにすることも大切だ。
能登半島地震が起きて以降、関東地方でも地震が増えてきているように思う。これからは古い住宅の耐震診断が増えると思うが、なるべく安全な建物を増やしていきたいと思う。