日々の犬の散歩でも早朝のジョギングでも近寄ることができてこその地域資産だと思う
埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は建築士事務所協会の全国大会に参加するために熊本県に来ている。ここ2年間はコロナで開催できなかったので久しぶりの参加だ。熊本は20年ほど前に熊本アートポリスの建築アイデアコンペに参加するために現地調査をしたときに訪問したことがあるのだが、今回はとても久しぶりに訪れる。街の雰囲気も一変、こんなに栄えていただろうかの印象の違いである。熊本地震で大きな被害を受けた熊本城もだいぶ修復が進んだようだ。どこからでも見ることができる街に聳えるシンボルとしての建築があるというのはいいものだと思う。特に大きな地震の後だけに、この建築物が復興の証として意識されることだろう。ここにもまた人々の心の支えとなる建築を見ることができた。
熊本城の周辺は観光地化されており、あるラインから先へは営業時間内しか近寄ることはできないようになっている。このような規制を設ける手法はたまに見かけるのだけれど、僕はあんまり好きではない。例えば皇居周辺でコレをやったら・・・。心の支えとなる建築は特別であって特別でない、つまりは人々の日常に溶け込む場所であってほしいと思う。日々の犬の散歩でも早朝のジョギングでも近寄ることができてこその地域資産だと思うのに、営業時間中しか近寄れなかったり入場料が必要になったら地元の人は行かなくなってしまうだろう。多くのコストをかけて多くの叡智を集結した建築だからこそ、誰でも近寄ることができるものとしてほしいものだと思う。