増井真也 日記 blog

今日は、栃木県鹿沼市にある高見林業さんへ、数組のクライアントさんと一緒に林業体験ツアーに訪れた

2024/11/10

今日は、栃木県鹿沼市にある高見林業さんへ、数組のクライアントさんと一緒に林業体験ツアーに訪れた。ますいいでは、この鹿沼市にある高見林業さんの山で採れた木を製材し、住宅の構造材である柱や梁の一部に使用しているのだが、家づくりにあたって事前に山の木を見ることも良い機会ということで企画した。山は紅葉真っ盛り、真っ赤に燃えるような紅葉やブナなどの広葉樹が綺麗に色づいている。今日は檜の伐採を実践していただいたが、この伐採を見るたびに、何十年もかけて育った木を使わせていただいているということに感謝の念が湧いてくる。近くで見なければ、頭で分かっていても、心が理解できないことがある。こういうことはまさに現場で見ることが大切だと思う。

小さな仕事にも、難しい仕事はある。でも一生懸命に取り組めば、やっぱりなんとかなる。小さいからといって、適当にやれば上手くいかない。

2024/11/09

今日は僕の茶道の先生のご自宅の照明器具の交換と、障子の張り替えの作業立ち会いを行った。この障子、水屋の棚の向こう側、サッシの手前にあって、以前来た障子屋さんは外すことができないと言って断ったそうである。棚の向こう、棚板は4段もある、障子と外部の冊子の隙間はわずかに5センチほど、斜めにしても外せないことは明らかである。「でもその前に来た障子屋さんは、外すことができて綺麗に張り替えてくれたのよ」の話を聞いてしまっては、やっぱり自分が現場に行って、障子を外すことができるところを見せなくてはの、変な意地を持ちつつ、現場で悩むこと約10分、やっぱり外れないものは外れない。すると先生から「前の職人さんは、外側にも人がいたなあ」のヒントをいただく。まるで子供の頃の愛読書、江戸川乱歩の少年探偵団の小林君にでもなった気分だ。。ということはやっぱり窓のサッシを外して、外側に出したのかなということで、僕たちも窓を外してみることに。網戸と窓を外すには、ネジを緩めて留金を外さなければならないのだけれど、照明を頼んでいたS君が器用に外してくれて無地に外すことができた。内側にS君、外側に僕、上手い角度を見つけるとなんとか外すことができた。小さな仕事にも、難しい仕事はある。でも一生懸命に取り組めば、やっぱりなんとかなる。小さいからといって、適当にやれば上手くいかない。なんだか、達成感のある午前中であった。

13時より、日本建築学会教育シンポジウムに参加。今日は事例の発表である。この論文査読はとても苦労した。というのも査読社の厳しいチェックに応えるべく、合計10回ほどの教授とのやりとり、ようやく認められての再査読、そして採用となったのである。発表すると、おそらく査読者と思われる先生が質問してくれた。教育の世界にも、経済学の考えが必要とされていて、でもそういう事例は少ないので参考にしたい、のお褒めの言葉であった。大変だった分、とても嬉しく思った。真剣に取り組めば必ず指導してくれる人がいる。本当に感謝の午後であった。

18時、左官の小沼さんを自宅にお招きする。先日茶室の聚楽壁を塗ってもらったお礼である。この壁の土は小沼さんが親しい左官屋さんからいただいたとても古い土で、なんとも言えない味わいがある。床の間の中は、なげすさ仕上げと言って、稲藁のはかまの部分を水に浸し、聚楽壁の中に円相のように埋め込んでいる。この仕上げは利休が待庵で採用したもので、今の時代にはあまり見ることができないものである。僕も初めて見るのだけれど、小沼さんも初めて採用したそうだ。お招きした茶碗は、左官の茶碗である。稲藁の模様の中に左官鏝が描かれているものだが、これは京都の粟田焼き安田浩人さんに作ってもらった。終了後は居酒屋で会食。とても充実した夜であった。

この大学の授業の一つに、版築の土塀を作るというカリキュラムがある。

2024/11/05

今日はものつくり大学にて授業の見学や、先生からの論文の指導を受けたりの1日であった。

この大学の授業の一つに、版築の土塀を作るというカリキュラムがある。このカリキュラムは、造園チームと左官チームの2チームから構成されていて、初めに造園チームが、石積みの土台と版築の下地を作り、そこに左官チームが荒壁を塗って最後に漆喰で仕上げるというものだ。荒壁は荒川の河川敷から採取した荒木田土を何年もかけて少しづつ使用しているのだけれど、その土もだいぶ発酵が進んでいてなかなか見事な状態であった。学生たちも体験したことがない内容に、真剣に取り組んでいる。この中から毎年わずかではあるけれど、左官や造園に入職してくれる。でもほとんどは現場管理者になる。大学まで出て職人というのが少ないのは仕方がないことなのだろうが、職人の地位が向上すればそれも少しは変わるかもしれないわけで、やはり社会全体で優れた職人を大切にする文化を醸成したいと思うのである。

僕は左官技能者の評価基準の作成に取り組んでいるのだけれど、左官版ミシュランのようなものを作って、それを出版することで、施主や設計者が左官職人を選ぶことができる社会を作りたいという思いでやっている。もしもそんな社会ができたら、ゼネコンに搾取されて安い値段で左官工事をやらされるのではなく、自らが設定した適正な施工単価で施工を請負、自らの仕事に誇りとやりがいを持って取り組むことができるようになると思うのである。

赤城山、八ヶ岳、奥秩父、そして富士山と山々が連なる様子がみごとであった

2024/11/04

今日は久しぶりの登山。人生で初めての尾瀬である。尾瀬ヶ原に行くのかと思い込んでいたのだけれど、一緒に行く登山の先生のKさんが示した目標は、富士見峠であった。鳩待峠までバスで行き、小屋の裏にある登山道を登ると富士見峠の方向に進。斜面はとても緩やかで歩きやすい。今日は鳩待峠行きのバスの最終日ということで、それなりに人がいるようだけれど、高尾山のような人混みというわけでもなく、特にこの富士見峠方面は人が少なくてとても静かな登山を楽しむことができた。途中の絶景を写真に撮れた。赤城山、八ヶ岳、奥秩父、そして富士山と山々が連なる様子がみごとであった。

今日はモデルハウスで行われた森の扉に参加した

2024/11/02

今日はモデルハウスで行われた森の扉に参加した。このイベントは木育を目的として、行なっているもので、チルチン人の呼びかけで全国的に行われているものである。ますいいでもテーマに合う作家さんたちにご協力してもらい、賑やかに開催することができた。この写真は、ますいいの家づくりの中で発生した、建設廃材を利用したカトラリーづくりだ。

ますいいでは丸太で国産広葉樹を購入し、製剤して家づくりに利用している。その中で例えば棚板などを指定の寸法に加工すると、どうしても細いあまり部分が出て、これらは建設工事の中で使用することはできない廃材となる。今回は山桜の廃材を作家さんに提供し、加工してもらうことで、写真のようなカトラリーキッドになった。これは面白いということで僕もチャレンジした。約一時間ほどの作業で1本、なかなかやりがいのあるワークショップだった。

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