増井真也 日記 blog

僕は大工さんという職業が好きだ

2022/06/25

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
午前中はますいいで仕事をしたいという大工さん面接。
僕は大工さんという職業が好きだ。もう今更修行して大工になることはできないけれど、もしも一念発起して職人さんになるなら大工になりたいと思う。元々父親は機械加工の職人だったし、祖父は機械加工と木型職人だったという生まれ育った環境からか、職人という生き方に対する親しみもある。そんなに器用な方ではないけれど、でも不器用な方でもない。それなりにできそうな自信もある。

大工という職業は、設計から材木の仕入れ、加工、組み立て、各職方の指揮監督まで行う、つまりは棟梁という存在であった。僕は今でもそうであってほしいと願っている。でもそれがいつの頃からか、ただの作業者になってしまった。これはおそらくハウスメーカーの台頭とともに始まったことだと思う。メーカーが決めた仕様通りに、メーカーが購入した材料を組み立てるだけ、そこには工夫をする余地もなければ自由もない。ただ同じような建物を作るだけのまさに組み立て屋さん、面白くもなんともない職業になってしまったのだ。小さな子供達にはとても人気のある職業だが、物心がついた高校生くらいになると大工になりたいという人はだんだんいなくなっていく。それもそのはず、いまだに日給月給で休んだらその分だけ給料が減り、大変な作業なのによくわからないハウスメーカーの設計者のいいなりにならなければいけないような職業ではやりたくなるはずがない。

ではどうすれば良いか?僕は大工さんをもう一度家づくりに現場における棟梁にすれば良いと考えている。腕の良い大工にはそれができるはずだ。設計者がお客様と打ち合わせをした図面があって、山から購入した自然素材の良い材料があって、そこに大工さんが独自の納まりを設計者とともに考え造り上げていくのが良い。良い設計、良い材料、良い大工、家づくりの必須3条件はこの3つなのだ。各職の手配は大工さんが行い、現場のリーダーとして建物を造り上げる。決してただの組み立て屋ではなく、主体的な存在として家づくりの一員となり活躍してもらう。職人さんも社員としてきちんと休みを取り、家族を養い、そして本当の意味で憧れの職業と言えるような存在になってもらいたい。そうすれば大工さんは本当に誇りを持って仕事に励むことができるはずである。そしてそれはお客様にとって良い家を造り上げることにも必ずつながるはずだと思うのである。

シェアハウスの計画

2022/06/23

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
埼玉県川口市にて設計中のNさんのシェアハウスの見積もり打ち合わせを行った。この計画はお母さんが暮らしていた古い平家の住宅をリノベーションしシェアハウスとして利用しようというものである。部屋数は6部屋、大きな部屋は簡易的な間仕切りをつけて4畳程度の広さに仕切る。キッチンやリビングは広めに計画し、住人が伸び伸びと過ごすことができるように配慮した。床下や天井裏には新たに断熱材を敷設し快適性を高める仕様にしている。

実は僕も今、ヒュッゲハウスなるシェアハウスを一つ運営している。この家は元々僕たち家族が住んでいた建物だ。部屋数は同じく6部屋、今は五人の住人が仲良く暮らしている。月に一度のオーナー食事会では僕の妻がみんなに食事を振る舞うのだけれど、まるでサークルのような関係を保つにはこういう交流はとても大切だと思う。現代社会は核家族化が進み、隣の住人もよくわからないような世の中だ。でもそんなのってどうなの?と思う人はたくさんいるだろう。人は一人では生きられない、と僕は思う。(平常時は大丈夫でも、いつかは困る時が来るだろう)助け合い、支え合い、相談し合い、笑い合い・・・・そんな場になれば良いと思うのである。

本物の漆喰

2022/06/21

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日から二日間、社員みんなで名古屋研修である。なぜ名古屋かというと、二つの見学すべき工務店があるからだ。一つはエコ建築考房さん、そしてもう一つは勇建工業さん、ともにこだわりの健康住宅を造っているとても良い工務店だ。

勇建工業さんはもともと左官職人さんだったので、特に左官技術に優れている。下地に木ずりを打ちつけ、そこに15mmの左官を塗りつける壁の様子は実際に見てみるととても良いものであった。厚さから来る壁の良さはただ見ていてもわかるものではない。でもその部屋に入ってみると音が吸収されていくような感覚、なんとなくヒヤッとする漆喰に包み込まれているような感覚がなんとも言えない。本物を知るということはこういう事なんだろうなと感じた瞬間であった。写真は消石灰から作る本物の漆喰の材料だ。つのまたや麻、貝灰といった天然素材だけを使って塗る漆喰の本物の材料なのである。

夜はひつまぶし会席をいただいた。名古屋といえばの名古屋めしを楽しみながら、スタッフのみんなと楽しいひと時を過ごすことができた。

ゆったり山歩き〜谷川岳

2022/06/19

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は群馬県と新潟県の県境にある谷川岳に登った。早稲田大学附属中高の山岳部員だった時代にもなぜか行ったことがなかった山なのだけれど、土合駅から谷川岳ロープウェーを使用して天神平まで上がり、そこからトマノ耳、オキノ耳を往復するコースは山の名前から来る危険なイメージを全く感じることのない楽しい山行であった。歩いているとあちらこちらに白根葵が咲いている。この時期だけにさくなんとなく素朴な花である。途中には、まだ雪が残っている。軽アイゼンをつけている人もいれば、靴のまま滑りながら登っている人もいるけれど、やっぱりアイゼンはあった方がいい。僕はチェーンアイゼンに助けられた。適材適所の道具は大切だなあの感であった。天候は晴れ、雷の注意報も幸運にも外れてくれた、とても楽しい1日であった。

土地探しのご相談

2022/06/18

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
今日は埼玉県さいたま市にて土地の購入を検討中のMさんご夫妻打ち合わせ。Mさんたちはかれこれ1年間にわたって土地探しのご相談をしてくれているが、土地の購入はやっぱり悩むものだからこそ寄り添って相談に乗って行くことを大切にしている。だって、土地は高いのだ。300万円くらいの車を買うんだって本当に買うかどうか悩みに悩んで契約をするのが普通だけれど、土地は車の何倍もするのである。しかも普通の人にはその土地にどんな建物が建つかどうかなどわかるはずもない。でも僕たち建築家は土地とその諸条件を見れば、自然と建物がイメージとして浮かび上がるくらいにはトレーニングされているのである。では土地の諸条件とは何か?土地には用途地域というものが決まっていて、それぞれの土地に建てられる建築の用途がある。高さ制限というのもがあり、道路側や北側や隣地境界線から高さの制限線が引かれる。水道が引き込まれているのが当然と思うであろうけれど、水道がなければ自分で引き込まなければならない。ガスもしかり。そしてそういう行為には多くの場合結構なお金がかかる。こうした制限が多いからこそ、建てたい建物と土地のマッチングミスを防ぐために契約をする前に相談に来て欲しいと思うのである。

男メシ〜カレイの唐揚げ

2022/06/16

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
インターネットで新潟の漁港から魚を直送してもらうという商品を利用してみた。どんな魚が来るのかと楽しみにしているとなんと「マコガレイ」が2枚も入っている。見慣れない、というより裁くのは初体験の魚である。身がプックラとしていて厚い。鱗をとり、エラの下に包丁を刺しワタを取って綺麗に洗う。見様見真似で骨に沿って包丁を入れ左右の身を丁寧に剥がし、裏面も同じように処理をすると、太い骨がなんとか綺麗に抜ける。軽く塩胡椒をして片栗粉をまぶし、油でよーくあげること10分弱、こんなに太い骨でもバリバリと食べることができるではないか。これまで居酒屋さんでしか食べたことがなかったカレイの唐揚げ、初めて自分で作ることができました。

インターンシップの学生たち

2022/06/15

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
朝8時、大工の本間さんが埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室の枠材加工のために事務所に来ている。見慣れない学生二人がいるが、彼らは今日からインターンシップに参加してくれる、埼玉県行田市にある「ものつくり大学」の2年生たちだ。今日から40日間、主に設計の仕事を体験したいということでますいいに来ることになったわけだけれど、今年は実演指導だけでなく、学校から渡されている交換日記のような記録ノートをしっかりと書くことを指導していきたいと思う。

何かを体験し、それを改めて考え文章にするという行為は、客観的で論理的な思考能力を鍛えることにとても良いと思う。この先の人生の道を選択する青年にとっては実務的な経験よりもむしろ価値のあるものとなるであろう。一字一句、丁寧に文章を書くという基本的なことを確認しつつ、僕が思う人生観を伝えられればいいなあと思う。

2022/06/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)

今日は、僕が現在関東第2ブロック長を務めている裏千家淡交会青年部の行事で、栃木県佐野市にある佐野天明釜の実演講習会に参加した。佐野天明釜というのは、西の芦屋、東の天明と言われるように茶湯の釜の世界ではちょっと有名な産地である。佐野には現在5軒の鋳物屋さんがあるそうだが、今日はその中の若林先生の工房に訪れた。工房には大きなこしきがある。今は使っていないそうだが、昔はこの「こしき」を使って三日三晩かけて鉄を溶かしていたそうだ。足で踏むたたらなども保存してあるが、これはまるでもののけ姫に出てくるたたら場の如く作業をしたのであろう。

あらかじめ作られている砂型に湯を流し込む作業からのスタートである。1500度に熱せられ真っ赤に溶けた鉄を流す作業は流石に迫力がある。外側の型、内側の中子の隙間に流れた湯が固まると見事な釜が出来上がるわけだけれど、砂でこんな風に薄く精巧なものを形作る技術は本当にすごいと思う。

実は僕の生まれ育った川口市という街も鋳物で有名な街である。僕の祖母の実家は鋳物屋さんで、僕の祖父の代から鋳物を加工する機会屋さんを営み、僕の母の実家は鋳物の型を作る木型屋さんであった。こんな風に鋳物産業のどこかを担う家系に育つというのは川口市では割と普通のことなのだ。なんとなく親しみを感じる作業を拝見しつつ、とても真摯に作業に打ち込む若林先生のお姿にとても心を打たれたひとときであった。

古民家再生の基礎補強

2022/06/08

今日は神奈川県小田原市にて進行中の古民家再生の現場視察。古民家の再生ではまず最初に骨組みだけを残して解体工事を行い、次にベタ基礎補強を行う。大抵の場合は石の独立基礎だったり、ブロックを並べてあるような状態だったり、良くても無筋コンクリートだったりするわけだけれど、鉄筋コンクリートのベタ基礎で補強することでバラバラだったものが一つに繋がり筋交補強の際の引き抜き力に対抗できる金物もつけることができるようになるわけだ。その後には傾いている状態を水平に直すレベル調整、立ち上がり基礎を作りその状態で固定できるようにして、ようやく筋交をつけたりの構造補強工事に入ることができるようになるわけである。それが終わるといよいよ古民家再生の仕上げに向けた大工さんの造作工事に入っていく。この先の進行を楽しみにしたい。

 

武蔵一宮氷川神社

2022/06/04

朝7時、埼玉県さいたま市にある武蔵一宮氷川神社にて裏千家の献茶式茶会参加。今日は僕が所属する淡交会の青年部が立礼席の席持ちをするということなので、なんとなくいつもよりも気持ちが昂っている。茶道をやっている方ならこの感覚はわかっていただけるだろう。ただのお客様として参加する茶会とは違い、主催者側としての緊張感の中参加することとなるのである。

今日のお菓子は東松山にある清晨庵さんである。このお菓子屋さんは主人の小林さんが明け方から本当に手作りで丁寧にお菓子を作ってくれている奇跡のようなお店である。京都で修行したというから味も良い。茶菓子だけでなくわらび餅など日常の菓子もとても良い。小林さんの人柄が滲み出るような素直な味である。おそらく今の埼玉県では一番美味しい菓子を作ってくれるお店なので是非足を運んでみてほしい。

今日の茶席では普段より半分程度の客とした。ちょっと寂しいかなあと思ったが、実はこれがちょうど良いと思った。一席の人数は28名程度である。話をしていてもどこに誰がいるのかなんとなくわかる。小学校の1クラスくらいの人数だからこその親密感、一期一会の茶席にはこのほうが適していると感じた。大寄せ茶会に感じていた疑問がコロナによって変更せざるを得なくなったわけだが、これを機にもう少し地に足のついた茶道を目指しても良いのではないかと思ったのは僕だけではないだろう。茶道は歴史を意識する。もてなしの心を第一とし、そしてその場における理想を追求する姿勢を大切にする。イギリスの哲学者ツインビーの言葉に「理想を失った民族は滅びる」「自国の歴史を失った民族は滅びる」「ものの価値を全てと捉え心の価値を失った民族は滅びる」とあるが、茶道はその言葉を打ち消すことを大切にしている。会の運営を第一とすれば、この価値ある茶道までもが会の運営など経済原理で動くこととなり、それは本質的な価値の低下につながると考えるわけである。目の届くお客様に目の届くおもてなしを心を込めて行うことの大切さを改めて感じたのである。

 

マンションリフォームのプラン

2022/06/03

午前中、埼玉県さいたま市にて計画中のNさんのマンションリフォームご相談。この計画では主に断熱改修を中心として、これからの暮らしに対応する新しいプランへのフルリフォームを行う予定だ。二酸化炭素排出削減につながる省エネ化である断熱性向上は戸建てもマンションも関係なく社会全体で取り組んでいく課題である。マンション内装における断熱改修の便利素材も開発されているようであり、この計画では補助金を利用した新素材の利用にも挑戦していきたいと考えている。

とはいえまずは快適に暮らすことができるプランのプレゼンテーションである。人間は魔法瓶の中では快適に暮らすことはできないわけで、やはり心地よい光や風を感じることができるプランニングを行うことが大切だと思うのである。

無垢の杉による茶室の木工事

2022/06/02

朝8時、埼玉県さいたま市にて進行中のAさんの茶室の現場視察。現在は大工さんによる木工事の真っ最中である。今日は2階にある道具置き場の棚を杉の板を使って造作している。この杉の板は栃木県の八溝杉である。栃木県では八溝杉と日光杉が知られているが、実は檜の北限としても有名で目の詰まった良材が得られる。僕が買っている製材所では仕上がりで30ミリと15ミリの2種の厚みを挽いてくれている。幅は9寸ほど、これは棚板などにちょうど良い。僕も茶道を嗜むが、脆い茶碗を硬い素材のメラミンカウンターなどに置くことはなんとなく気が引けるのだ。特に楽茶碗などは、痛々しく感じてしまうほどに脆いのである。

午後、知人の所有する東京都の茗荷谷のご自宅訪問。亡くなられたお父様が知り合いの建築士と一緒に丁寧に作り上げた住宅である。床はなんと木造で嵩上げされている。これはまるで千葉県の笠森寺や京都にある清水寺のような掛け造りのようなものであり、一般の平地に立つ住宅で採用されているのは初めて拝見した。床下は物置として利用されているけれど、挑戦的なその姿勢になんとも感服する限りである。強い意志とともに作られた建築は面白い。そして是非次の世代に残したいと思うものだ。詳細に見ていくと独立基礎が爆裂している。これはベタ基礎で全てを一体化させるように補強した方が良さそうだ。ちょっとした工事で安心が得られる。今後適正なご提案をしていきたいと思う。

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