今回はますいいリビングカンパニーの作品が2点優秀賞に選ばれた
今日は住まいのリフォームコンクールの表彰式に参加した。40年も続く老舗のコンクールということで、今回はますいいリビングカンパニーの作品が2点優秀賞に選ばれた。一つ町田分室の作品で、手狭になったマンション暮らしから、祖父母の住んでいた一軒家に移り住んだご夫婦と4人の子供のための住宅である。6年前に行った引っ越し前のリフォーム(一期工事)では、予算の都合上、主に一階の水回りとLDKをのみを改修。水回りからキッチンへ続く動線を整理し、最低限の断熱改修と構造補強を行った。6年が経ち子供の成長にともなう2階の間取りの使いづらさと、冬の寒さに限界を覚え、2期目のリフォームを行うことに。当初は新築も視野に入れ検討していましたが、1期目の工事で思い通りに作った造作キッチンや水回りへの愛着から2期目のリフォームを決意。育ち盛りの4人の子供たちが走りまわれ、どこにいても家族の気配が感じられるオープンな間取りと冬の寒さ対策、そして耐震改修が求められた。家の中心に吹き抜けと階段を設け、回遊性のある間取りとした特徴的な作品である。
もう一つは、川口本社から歩いて3分ほどのご近所での作品である。こちらは地区50年の木造民家をシェアハウスに改修するプロジェクトである。思い出のある民家を最低限の解体で、元々ある良さを生かしながらシェアハウスとして生まれ変わらせるとても楽しい計画だった。
審査委員長の松村秀一先生の、これからの時代は新築よりもすでにあるストックをどのようにして利用していくかというリフォームの方が面白いという言葉が印象的だった。上位賞の中には工期を2年近くかけて古い集合住宅の設備を刷新したり構造補強を行ったりの力技の作品があったが、これらは今の時代が抱える空き家や古い建築の利活用という問題を解決する糸口である。建築は人が生きていく社会になくてはならないものだ。でも今の日本にはちょっと多すぎる建築がある。これをなくしていくことや、もう一度生まれ変わらせることは社会の要望であり、技術者として取り組むべき課題である。だからこそリフォームは今後もしっかりと腰を据えて取り組んでいきたいと思う。