建物のプランは、変形敷地に寄り沿って五角形をしています。 建物の特異な形は屋根形状にも現れ、隅木が3本重なりあい、そのうち1本は偏心しています。 この振れ隅木は、木造架構の技術表現として家のシンボルとなっています。 無駄な動線を省き、吹き抜けのあるリビングと個室を設け、コンパクトでありつつ、広がりのある家を目指しました。 外壁は、工業製品のガルバリウム鋼板と、手仕事の左官モルタル塗りの対比が鮮やかです。 建物を取り囲むように、もみじ、レモン、蜜柑、あじざい、ハナミズキなどを植えました。 隣地が迫った条件でも、緑を通して外部の微細な空気環境を室内に取り込みたいと考えました。 また、2階リビングはデッキテラスが繋がり、その先には竹林や生産緑地の自然が広がります。 デッキテラスは、2×4材をモデュールから無駄なく切り出し、ボルト締で組み合わせています。この構法の選定と、セルフによる塗装を組み合わせることで、メンテナンス性は向上し、工期短縮によるコストダウンが可能となりました。 リビングの中心に据えられたストーブの炎と熱せられた空気が、吹き抜けを介して部屋全体を暖かく包んでくれます。