荻窪駅から程近い住宅地、袋小路の一角に建つ木造二階建ての住居を改修しました。道路に面した西側以外は寄り添うように隣家が建っているため、一階の居間へといかに光と風を導き入れるかが課題となりました。 既存建物では、道路側から階段下を潜り込んだ位置に玄関があり、廊下とWICを挟んで居間があるという構成でしたが、それらをひとまとめにして居間と繋がる大きな土間空間へと変えました。土間にあるオープンな階段を登るとアクリル板をはったスノコの廊下となっており、そこから道路側に設けたスノコのバルコニーへと出られるようになっています。そうすることで、道路側からの採光を居間まで導くとともに風の抜け道となるようにしました。また冬は、土間と居間の間に設けたアクリル框戸を閉じることで、光は通しつつ玄関からの冷気を遮断できるようになっています。 加えて上下階ともにどん詰まりをなくし、回遊できるプランとすることで風の道をつくり、空間に広がりを持たせています。