閑静な住宅街に建つ、ご夫婦と二人の女の子のための住宅です。リビング上部の吹抜に面した渡り廊下はお子様の本や思い出の品を飾るための棚になっており、ご家族のコミュニケーションの場になっています。南側の大きな開口部の外側に置かれたご主人手作りの縁側デッキは、室内と庭を開放的につなげ、面積以上の広がりを感じることができます。大きな庇と袖壁は、夏の日射しと道路からの視線を適度に遮る役割とともに、建物に存在感を与える意匠上のアクセントになっています。道路側の塔は階段室になっており、上部から光の差し込む印象的な空間となりました。内部の漆喰左官だけでなく、玄関・水廻りのタイル貼り、木部の塗装、板塀の製作など、ご家族でのセルフ工事がふんだんにとりいれられた手作りの味わい深い建物になりました。