下町の閑静な住宅街に建つ20坪ほどの小さな住宅です。 周囲を建物に囲まれ、斜線制限など法規制の厳しい旗竿状の狭小地に、空間的な広がりと、開放感を感じさせる工夫を凝らした設計を行いました。 1階は大きな納戸のあるプライベートエリアです。納戸は最小限の寝室、水廻りとひとつながりに計画され、たくさんの洋服や靴、鞄などが効率よく収納でき、化粧台も備え付けられたドレッシングルームとなります。 2階はゲストを迎えることのできる明るく開放的なパブリックエリアです。リビングルームには大きな吹き抜けを設け、床面積以上に広がりを感じることのできる空間となっています。周囲を建物に囲まれるなか、唯一視界の開けている路地側に2層分の大きな開口部を設けることにより、空間全体に明るい光と開放感を与えています。開口部の外側にはリビングの延長として利用できる広いバルコニーを設けています。光を受ける窓際には印象的なストリップの鉄骨階段を設置し、時間や季節の移り変わりに合わせ変化する影の動きと合わせ、空間を印象付けています。 3階には、2階とひとつながりのロフトのように利用される仕事場を配置しました。眺望の良い開口部と大きなバルコニーを持ったセミプライベートな空間です。