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増井真也日記

設計中のHさんの家打ち合わせ。

2021/01/19

14時、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家打ち合わせ。今日は見積もり打ち合わせの2回目と言いうことで減額提案などについての打ち合わせをさせて頂いた。

Hさんの家では国産材を使用する家造りを設計している。国産材を使用することは日本の林業を守るためにはとても大切なことで、適齢期に入っている材木を伐採し山の循環を造り上げることにダイレクトにつながる行為だ。適正な循環が回復すれば、毎年各地でみられる土砂災害なども防ぐことができるだろう。日本の山林の大半を占める人工林の保水を機能させるためには、間伐などによって森林を育てる手入れを定期的に行う必要がある。植栽後も下刈りや除伐、間伐、主伐など手入れを継続することで、残存木の幹は太くなり基岩層の亀裂に根を張り、地盤の浸食や崩壊を防ぐ機能を取り戻すそうである。

少しでも持続可能な社会をつくるためにますいいとしてできることはないかの一つの答えが国産材の使用だ。大工・左官といった職人さんたちの手と、国産の良質の素材を組み合わせ、洗練されたデザインの住宅を自由に造るというのはなんと素晴らしい行為かと思う。そもそも外材を使った構造に、工業製品のアイテムをくっつけて、最後にビニルクロスを貼っておしまいの職人レスな建築の造られ方はだんだんとなくなっていくような気がするのである。

住宅着工数の予測値がある。野村総研によると2040年には持ち家や分譲、賃貸を合わせて40万戸程度の着工数になるのではないかと予想されている。ちなみに2020年はコロナウィルスの影響で落ち込んで前年88万戸だったものが73万戸になったそうだ。このうち持ち家の数は24万戸である。全国で24万戸、しかもこれには建売も入っている。こういうことを考えると大量生産大量消費をする必要性自体がなくなってきていることに気が付く。そもそも少ししか造らないのであれば、どこかの段階で大掛かりな設備投資が必要な工業化住宅の造り方よりも、職人さんの手にる造り方のほうが生産性が良いという事態に転換するはずである。本当に必要なものだけを丁寧に造り長く使用すること、建築もそういうものでなければいけないと思うのである。

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