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増井真也日記

白い外壁に差し込む青ガラスの光が美しかった

2023/03/05

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)今日は東北小旅行。岩手県まで往復1000キロほどの道のりをのんびりドライブしながらの建築見学である。最初の目的地は宮城県気仙沼のリアスアーク美術館だ。この建築はますいいリビングカンパニーの生みの親である石山修武氏による設計で、屋根の上になんだか奇妙な形態の給水塔が浮かんでいる写真は建築に携わる人なら一度は見たことがあるだろう。鉄板を曲げてできる有機的な造形は気仙沼の船を作る技術を転用して製作しているのだが、建築の鉄骨に慣れている施工業者さんではなかなかやりたくはならないような3次元的な曲げの技術が多用されていて面白い。分厚い鉄板の外壁に穴を穿、その隙間に色ガラスを差し込む芸当はますいいの本社にも同じ収まりが存在する。当時、ますいいを担当してくれたスタッフの土屋さんが師匠の石山先生が設計したリアスアークを真似て設計したのだろうけれど、白い外壁に差し込む青ガラスの光が美しかった。

行きは常磐自動車道を利用したのだが、途中いわきを超えて双葉町のあたりまで来るとすれ違う車もまばらで、あの時以来時が止まってしまったかのような印象を受けた。SAも仮設のトイレが申し訳程度に整備されているだけである。きっともうここら辺に観光に来る人はいないのだろうし、そもそも暮らしていた人々の多くが帰還をしていないのだと思う。街一つが突然消えると言っても良いような現象である。今日は高速道路の上から眺めただけだが、次回はこの辺りの街を回ってみたいと思った。

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