朝7時、埼玉県さいたま市にある武蔵一宮氷川神社にて裏千家の献茶式茶会参加。今日は僕が所属する淡交会の青年部が立礼席の席持ちをするということなので、なんとなくいつもよりも気持ちが昂っている。茶道をやっている方ならこの感覚はわかっていただけるだろう。ただのお客様として参加する茶会とは違い、主催者側としての緊張感の中参加することとなるのである。
今日のお菓子は東松山にある清晨庵さんである。このお菓子屋さんは主人の小林さんが明け方から本当に手作りで丁寧にお菓子を作ってくれている奇跡のようなお店である。京都で修行したというから味も良い。茶菓子だけでなくわらび餅など日常の菓子もとても良い。小林さんの人柄が滲み出るような素直な味である。おそらく今の埼玉県では一番美味しい菓子を作ってくれるお店なので是非足を運んでみてほしい。
今日の茶席では普段より半分程度の客とした。ちょっと寂しいかなあと思ったが、実はこれがちょうど良いと思った。一席の人数は28名程度である。話をしていてもどこに誰がいるのかなんとなくわかる。小学校の1クラスくらいの人数だからこその親密感、一期一会の茶席にはこのほうが適していると感じた。大寄せ茶会に感じていた疑問がコロナによって変更せざるを得なくなったわけだが、これを機にもう少し地に足のついた茶道を目指しても良いのではないかと思ったのは僕だけではないだろう。茶道は歴史を意識する。もてなしの心を第一とし、そしてその場における理想を追求する姿勢を大切にする。イギリスの哲学者ツインビーの言葉に「理想を失った民族は滅びる」「自国の歴史を失った民族は滅びる」「ものの価値を全てと捉え心の価値を失った民族は滅びる」とあるが、茶道はその言葉を打ち消すことを大切にしている。会の運営を第一とすれば、この価値ある茶道までもが会の運営など経済原理で動くこととなり、それは本質的な価値の低下につながると考えるわけである。目の届くお客様に目の届くおもてなしを心を込めて行うことの大切さを改めて感じたのである。