10時、東京都豊島区にある本納寺さんにて屋根の吹き替え工事に関する契約・打ち合わせを行う。約90年ほど前に建てられたお寺の本堂の屋根を葺き替えるということで、まずは本堂をすっぽりと包み込むような足場を組んで、それから屋根の瓦を下ろして、下地の木材も剥がして、次に宮大工さんが建物自体の補強工事やゆがみを直して、屋根の下地を作って、また新しい屋根を葺くという一連の作業を半年くらいの時間をかけて行うこととなる。言葉にすると簡単だけれど、足場を組んだらその下を人が通れるように安全通路を確保したりの打ち合わせを念入りにしておかないと現場をスムーズに進めることができないわけで、事前の調整が重要というわけである。
お寺の屋根の上には宝珠という飾りがのっている。これは当然宗教的な意味を持っており、霊験を現す宝の玉として本堂の頂点に祀られている。現状の宝珠は板金で造られており、台座の大きさは1m角ほどである。今回の屋根の吹き替えにあたり宝珠も取り換えるということで、古い宝珠は記念碑として保存しようということになった。宝珠を祀る台としてはやはり天然石がふさわしいと思う。コンクリート製の台座でもよいが、お寺の中となると自然石のほうが風情がある。庭を見渡していると井形に組まれた自然石を見つけた。蹲としておかれた石だが今ではあまり使われていないようだ。これなうまくいきそうである。この石の下に高さが30センチメートルほどの台座を作り、その上にこの井型の石を置いて、宝珠を祀ったらどうだろうか。これならコストもだいぶ節約できるだろう。後は宝珠の状態次第、下りてくるのを楽しみに待つとしよう。
