日本建築というと神社やお寺さんのようないわゆる伝統的宗教建築や数寄屋などを思い出す。例えば塔堂を眺めるとき、その建築の清らかな雰囲気や荘厳さに心打たれると同時に、その木組みの精密で華麗な様子に驚かされるような感覚、それこそが僕たちの感動の原動力になっている。建築における木と木を組み合わせる技術を木組みと呼ぶが、これは何も伝統建築の中だけにあるものではなく、今の住宅における在来工法の中にも、機械加工のプレカットの中でさえも生き続けている。木を複雑に刻み込み、合わせてくさびを打つだけで固定されるなどの技術は、釘などの接合がまだできなかった時代に考案されたものである。昔の人はすごかった・・・、なんてことはあんまり言いたくないけれど、少なくともこういう技術に関していえばやっぱり昔の人はすごかったのだろう。
例えば下の写真、これは大阪城の大手門にみられる仕口である。写真を見ればわかるけれどここまでくると接合技術というよりももはや芸術の域まで達しているように感じるほどだ。現代の家造りでは構造の加工は機械加工で行うことが主流だから、どうしても手加工にこだわって続けている大工さんを除いて、手作業で仕口の製作を行うことはまずないわけだけれど、でもこういうものを美しいと思う心が僕たちの中であるのだからこそ、住宅のどこかに化粧の仕口を表現したいという気持ちが湧いてくる。

仕口を造るのは大工さんだ。できる大工さんがいないと造れない。今時仕口なんて・・・、という大工さんが大半の中で、それでもこういうことに興味を以て取り組んでくれる大工さんがいればできるのである。まずは家具あたりから取り組んでみようということで先日は図面を掲載した。庇などもよいかもしれないから考えてみようと思う。