新年早々風邪をひいてしまった。急な発熱・・・しかも39度である。セルフジャッジでインフルエンザということにして、残っていたタミフルで対応する。家で休んでいるしかないのだけれど、何もしないでいることができるほどに衰弱しているわけでもないから読みたかった本を読んで過ごす。ハンス・ロスリングによって記された「ファクトフルネス」は世界の現在の統計を使用して、正しい姿を認識してもらおうという本である。本の初めに世界の中でいったいどれくらいの女の子が初等教育を受けることができているか?などの質問を投げかけ、いかに読者の認識が古いかを指摘する場面があるのだが、僕も13門中で6問しか正解することができなかった。作者によるとこの正答率、実はこれでも結構良いらしい。先ほどの答えは80%なんだけれど、多くの人が選択してしまう答えはもっと低いということだ。つまり多くの人は世界中でとても多くの女の子が初等教育すら受けることができない境遇にいると思い込んでいるのである。どうしてこんなことになってしまっているのかというと、多くの人は20年くらい前に自分が学んだ状況が今も継続していると思っているらしい。僕が学んだ頃の世界の人口は60億人だったけれど、今は70億人である。中国やインドはとても貧しい国だったけれど、今はとても豊かな国に成長した。バングラディシュなんて多くの人が飢餓で死亡するような国だったけれど、今ではそんなことは起きていないし、洪水時の緊急アラートシステムも完備されて災害の被害者も減らすことに成功している。世界は成長し、割とまともに暮らすことができる人がほとんど、食糧難に苦しむ一日の生活費が1ドルに満たない貧困層はもう10億人しかいないそうなのだ。
この感覚はアジア最貧国といわれるネパールに行った時に感じた??を思い出させた。最貧国とはいうものの、貧困にあえいでいるような印象はない。10年ほど前にカンボジアに行ったときに見たストリートチルドレンのような子供たちはすでにいなかったし、そういう子供は今ではカンボジアにもいないそうである。世界は確実に良くなっている。風邪を引いたおかげで、世界がそんなに悪くないことを知ることができた。そしてちょっと楽観的な気分になることも出来た。よい本に出会うことができ、良い年のスタートとなりそうである。
