埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)
オーレン小屋はとても居心地の良い小屋である。この日の気温は17度ほど、朝は肌寒い。標高が2000mほどだから平地よりも12度ほど低いのだ。薪ストーブが真ん中にあり、そこを囲むように座ることができるようになっている。この間取りは普通の住宅ではないなあと思うけれど、山小屋ならではの配置と言えるだろう。人は火の周りに自然と集まるものだ。この日の朝も、自然と数人の人がストーブの周りに座っていた。

今日は天狗岳を目指す。天狗岳は西と東の二つのピークがあるが、どちらも危険箇所はなくとても登りやすい山である。蓑冠山を越えると突然森林限界となり強い風に晒される。このエリアに来ると駒草を見ることができる。ロープで囲われた中にちょこんと植えられた駒草、そういえば早稲田中高時代の池田先生を思い出す。山岳部の顧問でもあった池田先生は、木曽駒ヶ岳の駒草を復活させるために毎年苗を育てては植えに登っていた。山の花の写真集まで発行するほどの花付きの先生だった。担当は数学、厳しいけれど筋の通った先生らしい先生だったことを記憶している。天狗岳の往復は約3時間ほどのコースである。風に吹かれながらも、たまに晴れるガスの隙間から見える景色を楽しみつつ山行を終えることができた。
