午前中、埼玉県川口市にて設計中のOさんの家の打ち合わせ。Oさんの家は、お母さんとお子様たちの3人が暮らすための木造住宅である。土地の広さに余裕があるので、平屋での計画としている。プランは中庭型のC字型をしており、木製のルーバーで守られた中庭は丸で室内のように使用することが出来るように作られる。リビングには土間が設えられ、そこには薪ストーヴが設置される。毎日炎を見て暮らすことが出来るとはなんと豊かな事だろうか。この住宅は、すべての木材を国産材で構成する予定だ。すべての木材はスギやヒノキなどの無垢材で調達され、内装仕上げなども漆喰などを中心に選択されている。アトピー性のお子様に配慮した健康的な住宅となることを期待している。
天職という言葉を聞くことが少なくなった。この言葉の意味は自分の職業にいよいよ深まっていく意識的な愛着と言える。今日では様々な事情から人が自分の喜びや悲しみを託して悔いぬ職業を見つけることが大変困難になったので、多くの人が職業の中に人間の目的を発見することをあきらめてしまったのだと、小林秀雄が書いたのは昭和40年代のことである。そんな昔からこんなことを考える人があったのかと思うが、今はさらに悪い状況のように思える。そんな時代の中で建築という職に出会った僕はとても幸せな部類だ。たまたまの出会いのようにも思えるが、これも何かの縁というものなのだろう。