日曜日。コストダウンについての方策を考えてみる。工事の請負金額を下げるにはいくつかの方法がある。最も簡単な方法は業者さんと値下げ交渉を行うことだけれど、長い付き合いの業者さんたちを相手にしているとなるとこの交渉もなかなか限界が来る。常に競争意識をもってもらうためには同業者間での合い見積もりを取るという方法もあるが、そもそも同じことを求めているという場面ではこの手法も度を超すことはできない。
そんな中で有効な方法の一つが中間業者を少なくするという方法である。これはどんな業界でも起きている物流改革だと思うけれど、建築業界でも同じように有効な手段だと思う。僕の感覚では一つの商社さんが絡むと2割から3割高くなる。二つ絡めば1.3×1.3の場合1.69となり、元の価格の69%増しになってしまう。こういうことを何とかしようとして、直接の取引を試みても多くの場合は妨害が入り実現しない。特に知名度のある大手メーカーなどの場合はまず無理である。でも産地直送というのはそうでもないようで、材木やら石やらといった自然の恵みの場合、ごくたまにではあるけれど取引が成立するから面白い。僕が産地から直接購入する場合、たいていは「1」の価格、つまりは産地の生産者さんが市場に卸している価格ではなく、それに1割程度のせた価格で売っていただくことが多い。こうすることで産地はいつもよりも高い金額で売ることができる。つまりは産地にとっても高収入モデルとなり、ますいいのクライアントにとっても低価格でよい商品を手に入れることとなる、まさに一石二鳥の手法となるのである。
良いものを造りたければ良い材料は不可欠である。良い材料は良い生産者の手によってしか得られることはないのに、その生産者はこれまで販売経路を持たないという理由で、商社に卸すことしかできなかった時代がある。でも今のネット社会では、農産物だって水産物だって、生産者が直接消費者に売るというスタイルは珍しいことではない。特にこだわって作っている無農薬の世界のようなものになればなるほどその傾向は大きく、欲しい人と作りたい人の直接的な取引が主流となっている。これは建築でも同じこと。この方法はさらに進めていきたいと考えている。
もう一つの手法は大手メーカーによる低価格製品の商流をつかむことである。通常の量産メーカー品の場合、定価の30%~40%くらいの仕入れ価格というのが多いと思う。僕がこの会社を始めたころはそれこそ60%くらいの価格が普通だと思っていたが、初めて10年もするとそれがいかに高いものだったかがわかってきた。同じものの値段が、数%ずつ安くなる。なんだか変な話だけれど、でもこういう風に物流と価格というのは決められているのだ。そしてさらに言うと、大手メーカーには特別価格の製品というものが存在していて、ある一定量を購入することでさらなる値引きをしてくれる場合がある。通常はこういう製品は隠されているので知る由もないのだが、ひょんなことから出会ってみるとこれまでとおんなじ製品の品番だけが変わって安い!!!なんていう仕組みだとわかる。この手法を確立するとその製品だけは25%くらいの価格で買うことができるなんて言う場合もあるので驚く限りである。建築界の値段に関するブラックボックスというのはこうして出来上がっているのだから、ハウスメーカーなどの場合はどうなっているのか、恐ろしい限りである。
僕はその時に手に入る最も質と効率の良い製品を、ご提案することを旨としている。これからも少しでも質を高め価格を下げるべく努力していきたいと思う。