午後、埼玉県さいたま市にて茶室の建築を計画中のAさん打ち合わせ。30坪弱の土地に造る茶室だけの為の建築である。この茶室は4畳半と8畳の二間を造る予定だ。初めは寄り付きも作ろうかと計画していたが、広さ的に中途半端なものになってしまいそうなので路地風の土間から直接入ることのできる茶室と、少々広めの水屋を造ることにした。
茶室専門建築などというとなんだかとても珍しいものを造るようにも聞こえるのだが、僕はあんまりそういう風には思わない。茶室とはなんだか特別な作法を知らないと足を踏み入れる事すら許されないような空間のように聞こえるけれど、でももともとは人が人をもてなす場、つまりは応接間のようなものなのだ。「平面・構造の簡素、明快さ」、「素材の美の尊重」、「無装飾」、「左右非相称」、「自然(建物周囲の環境)との調和」、「規格統一(畳の規格)」などの特徴ある美しい生活の場なのだ。
建築家の堀口捨巳は 茶の湯を「日常生活の形式を借りて美を求める藝術」であると言った。茶室の中では主人の好みからなる「見立て」と「取合はせ」によつて器物の持つ視覺的効果や、飮食の味や、香等を素材として一つの個性によって貫かれ統一された構成の世界を造る。その芸術まで高められる日常生活の形式の世界を表現する場こそが茶室なのであり、だからこその丁寧な設計が求められるのだ。連休中にまた新しいプランを考えてみるとしよう。