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増井真也日記

2022/06/12

埼玉県川口市にて工務店機能を兼ね備える建築家として、自然素材を大切にしたデザインで注文住宅・古民家再生を行っています。(分室 東京都町田市・群馬県高崎市)

今日は、僕が現在関東第2ブロック長を務めている裏千家淡交会青年部の行事で、栃木県佐野市にある佐野天明釜の実演講習会に参加した。佐野天明釜というのは、西の芦屋、東の天明と言われるように茶湯の釜の世界ではちょっと有名な産地である。佐野には現在5軒の鋳物屋さんがあるそうだが、今日はその中の若林先生の工房に訪れた。工房には大きなこしきがある。今は使っていないそうだが、昔はこの「こしき」を使って三日三晩かけて鉄を溶かしていたそうだ。足で踏むたたらなども保存してあるが、これはまるでもののけ姫に出てくるたたら場の如く作業をしたのであろう。

あらかじめ作られている砂型に湯を流し込む作業からのスタートである。1500度に熱せられ真っ赤に溶けた鉄を流す作業は流石に迫力がある。外側の型、内側の中子の隙間に流れた湯が固まると見事な釜が出来上がるわけだけれど、砂でこんな風に薄く精巧なものを形作る技術は本当にすごいと思う。

実は僕の生まれ育った川口市という街も鋳物で有名な街である。僕の祖母の実家は鋳物屋さんで、僕の祖父の代から鋳物を加工する機会屋さんを営み、僕の母の実家は鋳物の型を作る木型屋さんであった。こんな風に鋳物産業のどこかを担う家系に育つというのは川口市では割と普通のことなのだ。なんとなく親しみを感じる作業を拝見しつつ、とても真摯に作業に打ち込む若林先生のお姿にとても心を打たれたひとときであった。

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