4畳半の茶室はとても自由な空間である。その中でも天井はさまざまな工夫がなされる場所で、いかに仕上げるかを考えるのは楽しいものだ。今僕が設計している茶室は、茶道を愛好する個人の楽しみの場であり、弟子に茶道とはを伝えるための稽古の場であり、そこに友人を招くための交流の場である。そういう場所が極端に高価な銘木の類で埋め尽くされるのはおかしなことだが、でも茶道を行う場として一定の規則の中に収まっている必要はあるべきだと思う。
草庵茶室の天井は「平天井」「落ち天井」(平天井に高低差をつけた二段造りとなっている天井の、低い方。落ち天井は点前座に用いられることが多く、亭主が客に対してへりくだるという意図を表す。)「掛込天井」(庇(ひさし)が室内に貫入して、屋根裏の構成を室内に見せて、傾斜天井となっている天井のこと。)の組み合わせで構成されることが多いが、さてさてどうするか。
掛込天井は竹の垂木に細竹の竿縁を流し、その上に野根板を貼る仕上げとなる。野根板というのは通常の板と異なり、数ミリの厚さまで木目に沿って剥ぎ取った薄板を言い、サイズもバラバラなので屑板貼りなどとも表現する。なんでも綺麗に揃っているのが当たり前の時代に、バラバラの板をなんとか並べて仕上げるということは、とても繊細で風流なことである。ぜひこの仕上げはご提案してみたいと思う。