今日は朝7時過ぎにゲストハウスを出て、田村君と二人で近所の現場の調査に向かった。この現場は写真のごとき細い鉄骨によって作られた4階建ての建築である。軽量鉄骨はとても細い材料を背中合わせに抱き合わせたり、はたまたそのまま梁材として利用したり、柱として上部に立ち上げた先で突然その上に角パイプの柱を建てたり・・・、今までに見たことのないとても華奢な構造である。石山さん曰く、ドイツの技術が入っているかもしれないとのこと。あいにくネパールの休日ということで現場には誰もいなかったので詳しい話を聞くことはできなかったが、可能な限りの採寸を行い図面化を行った。


終了後にカジさんのゲストハウスへ向かい、石山さんに挨拶をと思ったがあいにくまだ寝ているとのこと。起こしては申し訳ないのでカジさんと少々お話をして戻ることにした。僕たちは今夜の飛行機で香港経由の日本行である。最終日くらいは観光をしようということで、近くにある寺院を訪れた。寺院には猿がいる。サルは神様の化身だからとても自由だ。犬もたくさんいるけれど、犬は別に神様ではないらしい。僕にはそういう宗教観はないのでよくわからないけれど、動物が人間と共存している様子は何とも言えないのどかさを感じる。こんなのどかな世界にも投資のお金が渦巻き、人の心を惑わせるのである。お金とは人の生活を便利にするための道具であるが、いつしかお金が目的と化してしまった世の中である。これは今に始まったことではなくって、人類に歴史と呼ばれるような記録が残っている範囲においては、世界の大部分において常態化してしまっている傾向だろう。でも最近はそれが常態化していなかった地域においてもそうなる、グローバル化による境界の無い均質化が浸透してしまっているのだ。窓から見下ろしている猿が妙に忘れられない。彼はいったい何を考えているのであろう。きっと何も考えていないのだ。


