敷地の道路境界が4.5mと狭く、玄関へのアプローチと駐車場を確保する為、建物間口を広く取れるよう門型フレームの構造体を採用しました。間取りは1階に水廻り、2階にリビング・ダイニング・キッチンのワンルーム、3階に寝室と子供室とシンプルに振り分けました。内部の間仕切り戸は最小限の枚数とし、1階から取り入れた風が階段の吹き抜けを介して、3階のトップライトから抜けるよう、通風経路を確保しました。3階の天井高を高くとり、室内の気積を大きくし、自然対流を促すようにしています。空気の循環に配慮した開口部の位置・大きさを検討し、建物全体がひとつの換気塔のような機能を果たせるようイメージしました。1.3m張り出したバルコニーは、道路からのプライバシーを確保しつつ視覚的にはリビングと繋がり、空間に光の濃淡と静かな奥行きを与えています