平安時代末期から鎌倉時代に生きた栄西は、茶を持ち帰り広めたことで知られているが、実は建築の世界にも大きな業績を残している。そのうちの一つが、写真の東大寺鐘楼である。もともと東大寺は重源という僧が勧進を行い建立したことで知られているが、重源の死後その後を継いだのが栄西であった。重源が中国式の木組みを日本の大工でもできるように合理的にアレンジしたのに対し、栄西はまるで素人のようにダイナミックな子供のような木組みをデザインした。転ばし根太が柱を貫通している様子などは合理的な木組からは程遠く、まるでギリシヤの神殿のごとき重厚感を木造で表現しようとしているかのような意思をも感じる。喫茶養生記があまりにも有名は栄西だが、実は法勝寺の九重塔の再建の時にも設計を行うなど建築家としても一流だったことをご紹介しよう。
