埼玉県春日部市に造ったIさんの家は、とても長め眺めの良い住宅である。隣地は2m弱の擁壁の下にある見渡す限りの畑となっているので、視界を遮るものはない。この地にはもともと奥様のご実家があったのだが、空き家になったことをきっかけに建て替えを行うこととなった。生まれ育った家の雰囲気、その場所に結びついた記憶を大切にしながらの造りあげた住宅をご紹介しよう。下はリビングの様子である。リビングは吹き抜けを設け、その吹き抜けに大きな窓を設ている。吹き抜けは2階にある個室と繋がっていて、障子を開けると話をしたりのコミュニケーションの場にもなる。床板は杉の無垢フロアリングで厚みは30mm程の厚板を使用している。このフロアリングは、僕が栃木県のとある製材所に通いこみ、市場や材木店を通さずに直接仕入れさせていただいているものだ。こうすることで、このような節のない綺麗な材料を安価で使用することができるように工夫している。良い家づくりは、良い設計と良いしょくにん、そして良い素材がなければ行うことはできないわけで、素材集めは設計と同じ価値を持つ行為なのだ。もちろんお金を出せばどんな綺麗な素材も買うことはできるのだけれど、コストお押さえながら良い素材を集めることこそ今の家づくりに求められることだと思うのである。


下の写真は寝室である。寝室からも畑の景色を望むことができる。天井には梁を現しとして、木の家らしい素朴はイメージの仕上げとなった。壁には漆喰を塗っている。ビニルクロスにはない、清楚な仕上げとすることができたと思う。
