埼玉県川口市鳩ヶ谷の里というところにますいいのモデルハウスが出来上がった。木造2階建ての40坪ほどの小さな建築である。この住宅はパッシブ設計を取り入れたLCCM住宅である。パッシブ設計とは、光や風といった自然の力を久の出寸法や窓の位置や大きさをコントロールすることで最適化して、エアコンになるべく頼らないで快適な状態を作り出そうという設計である。LCCMというのは「ライフ サイクル カーボン マイナス」の略称で、CO2排出量が生涯を通してマイナスになるという性能である。この性能は建築の断熱性能を高めるとおともに省エネ機器を使用し、屋根の上でソーラー発電をすることで実現する。
もう一つの特徴は、ベニヤ板などの新建材を全く使用していない健康住宅という点である。この性能は僕みたいに喘息といった現代病を持っている人には大変ありがたいものである。多くの現代病は化学物質に対するアレルギーによって引き起こされるものである。昨今の耐震等級3の住宅を作るには24ミリの構造用合板を釘留めして水平剛性を実現するのだが、この住宅ではそれを使用せず、杉板を根太に釘3点留めすることで水平剛性を発現させている。合板を使用すれば瞬時に終わる作業だけれど、わざわざ手間隙をかけて一枚一枚の板を貼る作業は合理的ではない。でも大切な家づくりにはこういう手間隙をかけることこそが重要だと思うのである。
一生暮らす家を一生続くローンを組んでまで建てて、その家が理由で健康を害することほどおかしなことはない。これは全て生産者の側の理由で起きた悲劇であるのだ。少しでも手早く、少しでも均質に、少しでも大量に物を作る必要などないのである。むしろ空き家が問題となっている現代においてそれでも家を作ろうとするならば、なるべく丁寧に時間をかけて自分たちにとって本当に快適な空間を作らなければいけないと思うのである。これらの構造計算は「ヤマベの構造」で有名な山辺先生に依頼した。山辺先生はますいいの構造研修会で全4回にわたる社員研修を依頼した先生である。90角の檜の筋交など強固な構造を考えてくれる心強い仲間である。
