今日は、埼玉県川口市にて進行中のMさんの家のリフォームで使う、本漆喰の混煉作業を行なった。この作業は、おばあちゃんの家のリフォームを行うに当たって、お孫さんたちがおばあちゃんの部屋の漆喰をセルフビルドで塗ってあげようの一環である。普段は既調合漆喰を使ったセルフビルドをお勧めしているのだが、今回は気持ちを込めたセルフビルドということで、本漆喰を採用した。本漆喰というのは、つのまたという海藻を煮出して作る焚き糊と麻スサを混ぜたところに、消石灰を珪砂をから練りしたもの混煉して作る。全て天然の素材だけ、余計なものは一切入っていない。海藻を煮出す時間は約2時間、それを漉して使用する。これだけの時間をかけて材料を作る、まるで料理だ。
実際の工事の現場では、こういう手間のかけ方をできないから既調合漆喰が生まれた。生産性向上の必至の世界では、それが当たり前のことである。でも、セルフビルドでは生産性は関係がない。セルフビルドは「思い」である。自分の家を自分で作るという行為は、さまざまなものが経済合理性で定められてしまっている現代社会に残された唯一の自由な世界であると思う。それは人間の尊厳と言っても良いであろう。4人のお孫さんたちとお母さん、そしてお父さんの6人が、自分たちの手で練った漆喰が出来上がった。明日がいよいよ実際の壁に塗る作業である。楽しんでやっていただきたい。
