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増井真也日記

古民家プロジェクトについてのご相談。

2021/10/05

午前中、埼玉県蕨市にて築100年近い古い住宅を改修したいという古民家プロジェクトについてのご相談。日本ではすぐに古い建築を壊してしまうけれど、海外では古ければ古いほどに価値が上がるという。丁寧に作られた古民家の如き住宅は、もしも今の時代に再び作ろうと思ったら膨大な費用がかかるし、そもそもそういう材料を揃えるのだって大変だ。だからこそその住宅を壊すことなく、さらに50年住み続けていこうという考え方は大変共感できるものである。僕はこれからの建築家というのはだんだん「造らない、壊さない建築家」になっていくと考えているのだけれど、だからこそ古い建築のリノベーションというのは大切にしていきたい領域なのである。

話は変わるが今取り組んでいる「川口グリンセンター・シャトー赤柴大集会堂」の設計も同じくリノベーションである。こちらは築50年ほどの鉄筋コンクリート造の建物だが、当時よく造られたなんとも言えない洋館建築様式というのが何よりもの文化資産であると思っている。こういうものは今さら真似して作っても全く意味がない。当時のものが50年という時間を経て人々の記憶に残り、当時の日本が世界を真似た訳のわからない様式であっても、それでも僕たちの目に映ると懐かしさを感じるような状態にまでなって始めて文化と言えるものに昇華するのだと思う。どんな文化もその当時はなんらかの低俗な流行り廃りの中に存在していたのであろうし、でもそれが時間を身に纏うことで歴史となり文化となることはさまざまな分野ですでに体験済みだ。

住宅もしかり。たかが一軒の住宅でもそれがあるべき形で保存されれば街の価値を向上させる資産となる。幸い僕には川口市に文化財活動の中で協働している東京芸術大学の小林先生という大きな見方がいる。もしもこの仕事に関われるならそういう気持ちで取り組みたいと思うのである。

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