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増井真也日記

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。

2021/10/19

住宅のコストは一つ一つのものの値段の積み重ねできまる。よく坪○○万円という呼び方をするが、あれほどいい加減な値段の表示方法はない。確かに理解することは簡単になる。しかし、価格がきまる過程を見えにくくし、価格のブラックボックスを作ってしまっている。昔の家作りでは、クライアントがある程度の知識を持っていた。間取りはその地方ごとに決まった様式というものが存在し、それを自分の土地にあうようにちょっとアレンジするだけで簡単につくることができた。大工は徒弟制度の中で身に着けた能力を持ち、図面化しなくてもその間取り図だけで材料を発注し、家を創り上げることができたのである。しかし、ハウスメーカーや建売の坪いくらという表示になれてしまった現代人は、まるで車を買うように家を考えることが一般的になってしまっている。

船橋の家では、160ミリ角の大黒柱をたてた。材質は杉、節はない。長さは4500ミリ。さてこの柱一体いくらだろうか?

この柱、実は50000円で買えた。丸太を天然で乾燥させ、更に乾燥機にかけたものを製材し、プレーナーという機械で仕上げる。断面寸法は170ミリ。長さは4.5メートルの柱が50000円で手に入るにはわけがある。普通に街の材木屋さんに探しに言った場合は、材木屋さんの営業マンがまず問屋さんに行く。問屋さんでは付き合いのある製材所やメーカーに問い合わせ、こちらの指定した寸法の材木を探す。しかも埼玉県の場合はそれほど有名な産地が無い。大手材木問屋はたいていの場合このような注文に対し、木曽ヒノキや東北の杉を勧めてくる。たまたまあったものを仕入れ、材木屋さんに卸す。それを購入するわけだが、この重層構造に頼って物を仕入れるとどうしても高くなってしまう。

日本の家は高すぎる。少しでも質の高いローコスト住宅を作ろうと考えルナらば、まずは素材を吟味することから始めなければいけないと思うのである。

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