今日は15年ほど前に作った茨城県古河市の住宅のメンテナンスに訪問した。施主はご両親の住宅を建て替えてくれた若い女性で、今はその妹さんがお嬢さんと暮らしている。家に入ると、ご両親の遺影。僕が当時、実際に家づくりの打ち合わせをしたご両親はお亡くなりになっていた。打ち合わせや施工途中、細部まで家づくりにこだわるお父様との会話を思い出しながら、御線香をあげさせていただく。スタートして24年、長くやっているとこういうこともあるのである。
高齢の二人にとってこの家での暮らしは快適だっただろうか。ペレットストーブが置かれているが、楽しんでくれていたのだろうか。真壁の和風住宅にしたデザインは気に入ってくれただろうか。お二人の遺影を見ながら、答えのない問いかけをした。家づくりというのは、その人たちが最後まで暮らす場を作るわけで、とても大切で意味のある仕事だと思う。こういうふうに亡くなった後もご家族が暮らしていて、お仏壇があって、手を合わせて故人への想いを語るという行為も、家がもしマンションで、人とのつながりを強く感じるようなものでなければ、行われなくなりがちだ。久しぶりにこの家に来て、きちんとご両親のお仏壇が家の真ん中にあって、そしてきちんとお線香をあげさせていただけて本当に良かったと思った。作業は壁のひび割れなどのちょっとした点検と手直しをして帰宅。ちょっとセンチメンタルな1日であった。