リフォームにあたって何から何まで新しい建材で覆ってしまう様子を見かけることがあるが、それはとてももったいない行為であると思う。僕たちは古いものに「味」とか「侘びさび」というような感覚を感じる。古民家などを見た時、はたまた古いカフェに入ったときに感じる魅力がそれである。なのに、いざリフォームをするとなると、急に新築にそっくりにするなどと言い出して、すべてを新しいもので覆い隠してしまうというのは、いかにも安易な行為であると思うのである。
現場を見ていて、無垢材の古い材料を見つけた時はできるだけ現しにすることを考えてみるようにしている。それが設計段階でも、たとえ工事中であっても同じである。例えば天井をはがしてみたら屋根裏の丸太の木組みが現れたとしよう。プレカットが普及して、丸太など使わなくなってしまった現代において、丸太の小屋組みなどはなかなかお目にかかれない代物である。それを見た瞬間、天井を屋根のすぐ裏にはって、小屋組みを表しにすることでリビング空間の縦の広がりを創造し、新たな魅力を生み出すという設計変更をしてみようというアイデアを浮かべるような自由がリフォームの醍醐味なのである。