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増井真也日記

この大学の授業の一つに、版築の土塀を作るというカリキュラムがある。

2024/11/05

今日はものつくり大学にて授業の見学や、先生からの論文の指導を受けたりの1日であった。

この大学の授業の一つに、版築の土塀を作るというカリキュラムがある。このカリキュラムは、造園チームと左官チームの2チームから構成されていて、初めに造園チームが、石積みの土台と版築の下地を作り、そこに左官チームが荒壁を塗って最後に漆喰で仕上げるというものだ。荒壁は荒川の河川敷から採取した荒木田土を何年もかけて少しづつ使用しているのだけれど、その土もだいぶ発酵が進んでいてなかなか見事な状態であった。学生たちも体験したことがない内容に、真剣に取り組んでいる。この中から毎年わずかではあるけれど、左官や造園に入職してくれる。でもほとんどは現場管理者になる。大学まで出て職人というのが少ないのは仕方がないことなのだろうが、職人の地位が向上すればそれも少しは変わるかもしれないわけで、やはり社会全体で優れた職人を大切にする文化を醸成したいと思うのである。

僕は左官技能者の評価基準の作成に取り組んでいるのだけれど、左官版ミシュランのようなものを作って、それを出版することで、施主や設計者が左官職人を選ぶことができる社会を作りたいという思いでやっている。もしもそんな社会ができたら、ゼネコンに搾取されて安い値段で左官工事をやらされるのではなく、自らが設定した適正な施工単価で施工を請負、自らの仕事に誇りとやりがいを持って取り組むことができるようになると思うのである。

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