
埼玉県蕨市にて現場進行中のSさんの家の瓦が葺き上がった。この現場は築100年以上の古民家の再生工事である。瓦もだいぶ傷んでいたので、今回は全て新しい瓦に交換したのだが、青い空に照らされる瓦のなんと美しいことか。やはり日本の空にはよく似合うと改めて思った。
ますいいではガルバリウム鋼板の屋根をよく利用するのでちょっっと比較して考えてみよう。ガルバの場合は、その軽さが構造面での利点となる。やっぱり頭が重いよりも軽いほうが建築には良い。重い屋根の構造を強くするには、より多くの筋交などが必要となる。では瓦はどうか。粘土を焼いて製作した瓦の方が断熱性が良いという考えもできるが、ガルバとてそれ自体に断熱性はなくとも、その下の断熱材を工夫することで高断熱を実現できる。大雨の際の雨音はやはり瓦に軍配が上がる。ガルバの場合どうしてもパチパチと音がする。最後に日本の風土に似合うかどうか、これは個人の好み次第だろうが、古民家などの場合にはやはり瓦が良いと思う。なんにせよ、これだけ長い間作られ続ける瓦には、瓦らしい良さがあるものだ。経済合理性とかの理由だけで、こういうものをなくしてはいけないと思う。「物の価値を全てと捉え、心の価値をなくした民族は滅びる。」哲学者ツインビーの言葉だが、瓦や畳もきっと僕たちの心の中にある価値の一つだと思う。
