ホーム 増井真也日記 国が国民に何をしてくれるかではなく、国民が国のために何ができるかを問いなさい。

増井真也日記

国が国民に何をしてくれるかではなく、国民が国のために何ができるかを問いなさい。

2025/11/22

午前中、埼玉県川口市にて、擁壁工事を計画しているKさんご夫妻打ち合わせ。

午後、同じく川口市にて、3mの擁壁工事を計画しているSさん打ち合わせ。

偶然にも、2件同時に擁壁のご相談である。先日杉並区での擁壁崩落事故以来、古い擁壁についての話題が世間を騒がせている。戦後急激に進んだ宅地造成の土木構造物が寿命を迎える中、首都高速のような公共建造物は補強や作りかえが進んでいるが、民間のましてや個人の持ち物である擁壁は手がつけられない状態で放置されてきた。杉並の事例を調べてみると、水分前からひび割れや傾きなどについて近隣住民や役所の指導があったそうだが、指導されたって、先立つものがなければ全面改修などできるはずもない。僕が今相談されているのは、そういう物件の作りかえである。

こうした問題に関わっているとわかることだが、専門家が本当に少ないことに驚かされる。この分野は、公共事業を請け負っている土木業者の仕事にはなっていない。規模が小さすぎること、公共事業のように予算が潤沢ではないこと、そもそも公共事業をやるだけの人材でも足りていないのにこれ以上の民間の仕事をできないこと、公共事業であれば設計段階から多額の予算がついて計画を行い工事に進むのに、民間の場合は計画が営業行為であることなどが挙げられると思う。そしてこれは結構大変な問題であると思うのである。最近は野生動物管理の分野では鹿や熊が社会問題になっているが、建築部門における熊問題とも言える気がする。つまり問題になるかもしれないと薄々気がついていたことを放置した結果の現象なのである。問題があればそれを解決することが、公共や企業の役割である。「国が国民に何をしてくれるかではなく、国民が国のために何ができるかを問いなさい。」とはケネディーの言葉だが、まさに僕たちのような民間がどのようにやるかを考えなければならない分野と言えるだろう。

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