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増井真也日記

午後、近所に住む先輩が暮らす、古い建売住宅の改修工事のご相談。

2025/04/23

午後、近所に住む先輩が暮らす、古い建売住宅の改修工事のご相談。この住宅は2000年よりも少し前に作られたもので、一度大型のリフォームをしている物件である。昭和56年以降で2000年までの住宅というのは、新耐震基準にはなっているものの、金物の仕様規定がなく大工さんたちが自由に工夫をしながら作っていた時期なので、耐震強度が不足している建物が多く存在する。僕はこのような建物に出会った場合は、まずどこか天井裏などが覗ける場所を探して、適正な筋交金物が取り付けられているかのチェックをすることにしているのだが、今回は2階の廊下にあった天井の点検口から覗いてみると、釘だけで固定されている筋交に気がついてしまった。

一つの固定方法が規定の金物でない場合は、それ以外の固定方法もやっぱりいい加減な方法である。これはまず間違いない。その時代の大工さんたちに悪気があるのではなく、あくまで規定がなかった時代に自分なりに作っていたのだからそうなるのは仕方がない。でも今回の計画では、外壁のサイディングの増し貼りがある。ということは、金物が取り付けられるように一部の外壁を剥がすことができるわけだ。こういう機会に取り付けてしまえば、この先一生安心して暮らすこことができるわけでやっぱりこの補強はやっておきたいところ、だから次回の見積もりに反映させておこうと思う。

僕たちのリフォームにおける役割は、町医者のようなものだ。古い住宅には、年をとった人間のようにさまざまなガタがきている場合もある。お客さんは患者さんのようなもので、頭が痛いから頭痛薬というような直接的な対処法を要求されることが多いわけだが、実はその原因がもっと別のことだったり、そもそもまだ気がついていない治すべきところがあったりするのである。今回のようなケールはまさにそれにあてはまる。もちろん予算をかける選択をするからには、しっかりとした調査と納得、そしてその先の耐用年数の長期化などの条件や、そもそもこの先も長く家を使い続けたいという計画があることが前提だが、僕たちの仕事はそういうことも含めてしっかりと対話しながら進めていくことが大切だと思うのである。

 

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