今日は埼玉県川口市のIさんの家にて、雨漏りの点検を行なった。川口市が行っている建築相談からのご紹介なのだが、玄関の土間に水が染み出ているような部分があるのでみてほしいという依頼であった。30年ほど前に作った工務店はすでになくなってしまっているそうである。雨漏りの原因となっていそうな、シミの上部にあるバルコニーを構成している屋根に水をかけてみるが、10分かけて1滴の水、どうやらここが原因ではなさそうだ。
周辺の地盤を見ると、基礎の打ち継ぎよりもレベルが上がっているところが多いのが気になる。さらにその打ち継ぎは耐圧版が大きすぎてそれを隠すためにモルタルの補修がされているという、とても奇妙な納まりになっている。もしかしたらここから基礎の内部に水が染み込んでいるのかもしれないと思うが、それを確かめる術はない。花壇はそれほど使っていないというから、打ち継ぎより上部に被っている土は撤去したらどうかの提案をすることにした。僕はこういう仕事の時には、自分が町医者にでもなったつもりで診察を行うようにしている。古い建築には、問題を引き起こす要因が一つではない場合が多い。そしてそれを根本的に解決する方法がすぐに見つかる場合は少ない。でもその家とじっくり向き合って考えていると、なんとなく原因が見えてくることがある。そういう繰り返しの中にしか、本当のメンテナンスはないと思うのである。
夕方埼玉県知事公館に、窓計画で作成した屏風を設置した。この屏風は、和紙作家の岡崎さんに作っていただいたものに、川口市のキュープラの風景を描いたものだ。川口市出身の大野知事さんの公館に飾っていただけることになって何よりであった。
