栃木県の鹿沼市にある高見林業さんと日光市にある田村材木店さんとの協力体制で、自分の家の木を伐採して自分の家を作る機会を作っている。全ての木を自分できるわけにもいかないので、あらかじめほとんどの木は伐採してもらうわけだが、家の化粧梁や大黒柱に使う木を一本だけ自分自身で伐採する。もちろん安全のために木こりさんたちが総出で手伝ってくれる。樹齢100年を超える木にワイヤーをかけ、チェーンソーで鋸目を入れるとやがて耐えることができなくなった木がゆっくりと傾き始め、ドーンという大きな音を立てて地面に倒れる。その様子は圧巻で、思わず涙が出てくるようだ。
倒れた杉の切り株には自分の名前と書いておく。倒れた木の枝を持ち帰り、2年ほどかけて苗を育て、いずれこの切り株の周りに植樹をすれば森の再生の完成だ。まるで家の故郷と感じることができるような山ができるのである。まるで商品のように売られている住宅だってこういう木一本一本が組み立てられてできているわけだけれど、僕たちの世界は、そういう当たり前のことが分かりにくくなってしまっている。この世界が持続するためには何をすればよいかを考えるためには、見えにくいものを見ようとすることが必要だと思う。
