今夜は早稲田大学石山修武研究室の先輩である高木正三郎さんと勇建工業の加村さんと一緒に博多の街で呑んだ。皆建築バカである。40代後半から50代半ば、改めて思えばけっこう歳をとったもんだ。高木さんは櫛田神社の隣にある灯明殿という結婚式場の設計をやり遂げた。これはなかなかの建築である。もしかしたら日本建築学会賞の可能性もあると言われる傑作だ。千と千尋の神隠し、まさにそんな世界観を現実の建築技術を駆使しながら実現している。しかもその多くは鉄とガラス、無機質な工業素材の組み合わせである。なんだただの現代建築かの諦めを感じそうなところだけれど、そうでないのがやはり高木さんである。1階の外壁は左官による漆喰、内部にも至る所に左官の壁がある。高木さんの壁は単なる間仕切りとは違う。高木さんの壁は生きているのである。高木さんに呼ばれた名人級の左官による壁は、選び抜かれたさまざまな自然素材が封入されていて、それが水や風などと反応して変化し続ける。日本の西の玄関口にに相応しい、新しい建築を見ることができた。